Our Purpose
原田淳氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長執行役員COOの原田です。本日はご参加いただき、誠にありがとうございます。私から、2025年12月期第1四半期決算の概略と事業トピックスをご説明します。
当社のパーパスは、「人と社会のコミュニケーションにココロを通わせ、未来へつなげる原動力をつくる。」です。我々は体験を通じて本質的な価値を社会に届ける役割を果たしています。
しかし、私たちが目指しているのは単なる「届けること」にとどまりません。人と人、人と社会のあらゆるコミュニケーションをデザインし、心を通わせることを大切にしています。
その先に、この取り組みが皆さまの未来を支える原動力となり、私たち自身もその一助を担いたいと考えています。このような思いがパーパスに込められており、このパーパスをもとに、仲間と共に未来に向けて進んでいきます。
会社概要・沿革
会社の概要および沿革です。創業は1967年で、歌舞伎の舞台装飾を作る大工がルーツの会社です。そこから、営業やクリエイティブを強化し、成長してきました。2008年には上場を果たします。
上場後は事業領域を広げ、近年ではデジタル、そしてサステナビリティ領域にも力を入れています。
当社は業界の慣習にとらわれず、お客さまのニーズへ細やかに応えられる直接の取引にこだわってきました。現在では、740社を超えるお客さまとお付き合いしています。
また、人的資本にも積極的に取り組んでいます。採用については、新卒・キャリアともに、順調に進んでおり、従業員数はグループ全体で600名を超えました。
業績ハイライト
2025年12月期第1四半期の業績ハイライトです。売上高は42億3,900万円、営業利益は2億9,600万円となりました。
売上総利益は13億8,000万円、受注高は58億3,300万円、受注残高は89億5,700万円、指名受注売上高は22億5,300万円となっています。
事業ユニット戦略Topics
第1四半期も数多くのプロジェクトを納品しましたが、その中から3つご紹介します。
1つ目に、先日開幕した「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の中で、当社が手がけた複数のプロジェクトの中から、カナデビアさまの実績をご紹介します。
ゴミ焼却発電などの環境関連施設事業を行うカナデビアさまは、スライド左下の画像のとおり、「未来の都市」パビリオンに出展しています。資源循環プロセスを体感できる内容となっており、カナデビアさまが描く未来像を一緒に形づくりました。
当社では企画からデザイン、施工、運営までをトータルで担当しています。今回はユニフォーム製作も手がけました。施工に関しては、前期に子会社化したヒラミヤとも協議し、グループ会社の強みをさっそく活かすことができた、大変良い実績となりました。
なお、ヒラミヤはクウェート館で、館の正面の丸みを帯びた外装の一部の制作も手がけています。みなさまが万博を訪れる際には、ぜひご覧ください。
2つ目は、スライド下段中央の画像で、「東京オートサロン2025」におけるブリヂストンさまのブースです。ブリヂストンさまの技術力と情熱を体現する展示ブースの企画、デザイン、施工を担当しました。空間全体でブランドの世界観を表現しています。
モビリティ業界全体からの引き合いも多くいただいており、今期のジャパンモビリティショーの受注活動も順調に進行中です。これまで培った知見や強みを活かし、良い成果を上げていきたいと考えています。
最後は、スライド右上の画像で、茨城県つくば市にある産業技術総合研究所さま(通称「産総研」)の常設展示施設「AIST-Cube」です。新事業創出を目指す企業が産総研グループさまの持つ技術や知見を活かすことで「ちょっと先の未来」と出会える共創の場として、当社がリニューアルを担当しました。
当社では、このような企業ショールームやオフィスなどの常設空間への取り組みをさらに強化するため、今期、商環境事業部を設立しました。これにより、常設空間を新たな事業の柱とする方針です。
この分野でも、博展ならではの感性と独創性を活かし、体験の可能性をさらに広げていきます。
サステナビリティ推進関連Topics
サステナビリティ推進に関するトピックスです。前期末の決算説明会で速報としてお伝えしましたが、2025年1月に「ISO 20121(イベントサステナビリティ・マネジメントシステム)」(注)を取得しました。プロジェクト単位だけでなく、組織としてもサステナビリティ推進を強化していきます。
資源循環型イベントの受注も引き続き好調を維持しており、市場ニーズの高まりに対して、当社もお応えできるように体制を強化しています。次回の決算説明会では、進捗中の新たな取り組みについてお伝えできればと考えています。
(注):
「イベント運営における環境・経済・社会への影響を管理し、イベント産業の持続可能性を支えるマネジメントシステム規格
株主還元(配当)
株主還元については、年間の配当性向30パーセントを目標に安定的に配当を行う方針のもと、前期比で増配となる年間20円の配当を計画しています。
スタンダード市場への市場区分変更申請に向けた準備
東京証券取引所スタンダード市場への市場区分変更申請についてです。スタンダード市場への移行は、移行自体が目的ではなく、企業価値を向上させていく手段の1つとして捉えています。
ただし、移行準備の発表を行った時に比べ、外部環境が大きく変化していますので、適切な時期を見定め、慎重に進めていく方針です。
第1四半期連結業績
藤井由康氏:取締役執行役員CFOの藤井です。私から、2025年12月期第1四半期の業績の詳細についてご説明します。
まずは、全体の業績です。売上高は42億3,900万円で前年同期比2億2,200万円減、売上総利益は13億8,000万円で前年同期比1億900万円増、売上総利益率32.6パーセントで前年同期比4.1ポイント増となりました。
営業利益は2億9,600万円で前年同期比900万円増、営業利益率は7.0パーセントで前年同期比0.6ポイント増となりました。当期純利益は1億9,200万円で前年とほぼ同水準で着地しています。
売上高・売上総利益四半期推移
四半期の推移を見ながら、詳細をご説明します。第1四半期の売上高ですが、前期の44億6,200万円から今期は42億3,900万円と、減収になりました。主な要因は、価格帯1,000万円から5,000万円程度の小型・中型案件の受注件数が、前年に比べ減少したことと分析しています。
他方、案件ごとの利益管理が奏功し、売上総利益率は32.6パーセントと順調に推移しました。また、売上総利益は13億8,000万円で、前年同期比1億1,000万円増となりました。
営業利益・当期純利益四半期推移
営業利益率は7.0パーセント、営業利益は2億9,600万円で、前年同期に比べて1,000万円ほど増加しました。当期純利益は1億9,200万円となりました。
営業利益の増減要因(前年同一期間比)
スライドには、営業利益のウォーターフォール図を示しています。売上高減少の影響により6,400万円ほどマイナスになりましたが、営業利益率の改善により、売上総利益ベースでは1億1,000万円ほどの増益となっています。
成長投資・人材投資等を継続して行っているため、営業利益は2億9,600万円で着地しました。営業利益ベースでは前年同期に比べて1,000万円のプラスとなっています。
事業ユニット別の損益の状況
事業ユニット別の損益の状況です。当期より事業区分を変更し、商環境事業を別枠で記載しています。前期までは、首都圏・B2Bマーケティング事業、首都圏・B2Cマーケティング事業に含めていましたが、商環境事業をさらに強化していく方針から、別枠としています。
前期は、商環境事業の数字が首都圏・B2Bマーケティング事業、首都圏・B2Cマーケティング事業に含まれているため、前年同期の数字が大きくぶれているところがあります。
補足しますと、首都圏・B2Bマーケティング事業、首都圏・B2Cマーケティング事業全体で前年同期比1億1,500万円ほどの減収となっています。
中部/西日本事業では、前年同期比1億5,400万円の減収となりました。一方で、全国・中小展示会事業は前年同期比1億700万円増となりました。その結果、仮設領域全体では、1億6,000万円ほどの減収となりました。
その他事業/子会社に関しては、前年同期比6,100万円の減収となりました。グループ全体としては、前年同期比2億2,000万円ほどの減収となっています。
売上総利益は、首都圏・B2Bマーケティング事業、首都圏・B2Cマーケティング事業全体では、前年同期比7,400万円の増益になりました。中部/西日本事業は前年同期比2,300万円の減益となりました。全国・中小展示会事業では、前年同期に比べて3,400万円ほどの増益となりました。
その他事業/子会社については、前年同期比2,400万円の増益となっています。グループ全体としては、前年同期比1億900万円の増益になりました。
この結果を踏まえ、第2四半期以降の動きについてご説明します。
受注高および受注残高四半期推移
受注高および受注残高の四半期推移です。第1四半期の受注高は58億3,300万円と、前年同期比で大きく伸長しました。第1四半期は順調に受注につながったと認識しています。
また、受注残高に関しても89億5,700万円と、過去最高の水準になっています。受注残高回転期間は5ヶ月程度となっており、この受注残高が4月以降に売上高に転化してきます。
売上高・売上総利益四半期推移
現在の受注高、受注残高から四半期の業績推移を考えると、売上高ベースでは前年に近いかたちになると考えています。
現状、第1四半期の受注高は40億円から45億円程度の推移になっています。前年度の第2四半期は大きく伸長しましたが、この傾向は今期も続くものと想定しています。その後、閑散期にあたる第3四半期は低調に推移しますが、第4四半期に再び伸長するものと考えています。
以前よりご説明のとおり、当社としては、第2四半期にしっかりと利益率を確保すること、また、今後の受注活動を通じて第3四半期および第4四半期の受注をしっかり獲得することで、四半期ごとの繁閑の差をできるだけなくしていきたいと考えています。
指名受注売上高・指名受注率四半期推移(単体)
指名受注売上高および指名受注率の四半期推移です。指名受注売上高自体は、昨年第1四半期と同水準となっています。ただし、内訳が少し変わっています。
全体の指名受注率は58.3パーセントと、比較的平均的な水準になっていますが、既存の指名受注率が65.3パーセントと増加したのに対し、新規の指名受注率は35.2パーセントと減少しました。
新規の指名受注率は、過去の推移を見ても、四半期ごとにかなりボラティリティがあります。コンペなどを通して獲得した新規案件が、翌年度以降に既存の指名受注率として返ってくることが重要であるため、新規の指名受注率はご参考程度にご覧ください。
リピート売上高・リピート率四半期推移(単体)
リピート売上高およびリピート率の四半期推移です。リピート率は76.7パーセントと堅調に推移しています。
反面、リピート売上高は、減少しています。第2四半期以降でしっかりと取り返していきたいと思っています。
中期経営計画の達成状況
2025年12月期の業績予想に関する進捗状況をご報告します。現在、売上高、営業利益、当期純利益ともに20パーセント程度の達成状況となっています。
やや低いと感じられるかと思いますが、受注活動および利益管理を進め、通期の目標達成に向けて進んでいきたいと考えています。
質疑応答
質疑応答の内容については、当社IRサイトに公開中の「2025年12月期第1四半期 決算説明会 質疑応答要旨」をご覧ください。