2024年12月期決算説明

原田淳氏:みなさま、こんにちは。オンラインのみなさまもこんにちは。代表取締役社長執行役員COOの原田です。本日はご参加いただき誠にありがとうございます。私から、2024年12月期決算の概略と事業トピックスについてご説明します。

Our Purpose

パーパスの紹介です。「人と社会のコミュニケーションに心を通わせ、未来へつなげる原動力をつくる」。

目の前の人だけではなくその先にいる人、そして社会にまで貢献できる領域を広げていきたい。あらゆるコミュニケーションをデザインすることで、隅々まで心を通わせていきたい。そして一連のその流れが、みなさまのなにか未来へつながる原動力になっていたい。そのような思いが、このパーパスには込められています。このパーパスをもとに、力を合わせて未来へ向けて進んでいきます。

会社概要・沿革

1967年に創業し、50年以上経ちます。もともと歌舞伎の舞台装飾や百貨店の催事を造る大工がルーツの会社です。2008年に上場し、業界の慣習にとらわれず、お客さまのニーズに細やかに応えることができる直接の取引にこだわって成長を続けてきました。変化し続ける時代のニーズに応えて、商環境やデジタル領域などに事業を広げてきています。そして近年では、サステナブルの領域にも力を入れています。

2025年のトピックスになりますが、グループ会社のスプラシアが社名を変更し、デジタルエクスペリエンス株式会社という名称になりました。この社名には、イベントのDXをより強化していく、そしてイベントだけにとどまらず、デジタルにおいても人の体験の創造を追究していくという思いが込められています。これからも博展らしく挑戦を続け、仲間とともに成長を続けていきます。

業績ハイライト

通期の売上高188億4,500万円、営業利益13億9,300万円、売上総利益56億9,300万円、受注高203億8,000万円、受注残高73億6,300万円、指名受注売上高111億9,100万円となりました。

EPS64.5円、配当性向29.4パーセント、自己資本比率42.5パーセント、PBR2.5倍、時価総額89億1,300万円、フリーキャッシュフロー9億3,100万円となりました。

事業ユニット戦略Topics

全部紹介したいのですが、今回は3つに絞って紹介いたします。まずはSMITH TEAMAKER SHIBUYA TASTING ROOMさまです。これはアメリカで非常に有名な紅茶や緑茶、ハーブティーといったお茶のブランドで、日本初のフラッグシップ店になります。

もともと博展では、日本に上陸する前のポップアップイベントをお手伝いしました。そこでの成果が認められて、初上陸の店舗を我々にお任せいただきました。ただ空間を作るだけではなく、SMITHさまの世界観が伝わるような体験、そしてブランドを体感できるような場の企画からデザイン、施工までを担当しました。

これは渋谷のスクランブルスクエアの駅直結のところにありますので、ぜひみなさま、足を運んでみてください。

つづいては、東京サステナブルシーフード・サミット2024です。サステナブル・シーフードに関するコンサルティング事業を行う株式会社シーフードレガシーさま主催のカンファレンスです。

博展では、プランニング、施工、Webサイト制作、そして運営までを担当しました。このプロジェクトを通して、我々のサステナブル領域に対する知見の深さや、大規模イベントの実行力を高く評価していただきました。

最後が、KUMOO(くもお)です。もともとは、かえつ有明中・高等学校さまから、「学生が使用するパーティションを制作して欲しいのだが、何かよいアイデアはありますか」という相談をいただきました。

その中で、「せっかくなので、学生たちが、自分たちで教育の場、学ぶ場を作るというのはいかがでしょうか?」と提案し、パーティションだけでなく、机などさまざまなものに可変可能なツールを制作しました。

主体的な教育への転換が進んでいる学校の領域においても、我々が貢献できる機会が広がりつつあることを示す非常に良い事例になりました。

事業ユニット戦略Topics(CREATIVE AWARDS)

56期も、国内外で1年を通してさまざまな賞を受賞することができました。博展の強みであるクリエイティブ、制作、それらを取りまとめるプロデュース力がしっかり融合している点がきちんと評価されたことは非常にうれしいことです。

特に、資生堂クリエイティブさまと博展が制作を手がけた資生堂さまのウィンドアート「在る美」が、世界三大デザイン賞の1つ、「Red Dot Design Award 2024」において、グランプリを受賞したことは非常にうれしい結果でした。

サステナビリティ推進関連Topics

環境配慮型のイベント納品は、引き続き大幅に増えています。お客さまも、そして我々も、選ばれ続ける企業であるために、この分野に関しては、今後もさらにしっかり取り組んでいかなければいけません。それを強化する一環として、「ISO 20121」を取得しました。

この写真は、ISOの方と責任者である当社の執行役員が記念撮影したものです。これからも持続可能な体験をつくり出し、資源循環型社会の実現に向けて貢献していきます。

株主還元(配当)

従来よりお約束していたとおり、期末配当を実施します。順調な業績の着地となったことから、株主還元方針である配当性向30パーセントを目処に、配当を実施する方針に則り、当初予定の9円から2円増配の11円とします。

そして株主優待として、体験型コンテンツにご招待します。我々のビジネスにおいても、日本市場にとっても、非常に大きなイベントである「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」へ、20組40名さまをご招待します。楽しみにしていてください。

スタンダード市場への市場区分変更申請に向けた準備

スタンダード市場への市場区分変更申請について粛々と準備を進めています。以上、2024年12月期決算概略事業トピックスでした。

通期連結業績

藤井由康氏:みなさま、こんにちは。取締役執行役員CFOの藤井です。私から2024年12月期の業績の詳細についてご説明いたします。

まず、通期全体の業績になります。売上高188億4,500万円、前年同一期間比でプラスの14億5,900万円、売上総利益が56億9,300万円、前年同一期間比でプラスの5億5,900万円、売上総利益率30.2パーセント、前年同一期間比でプラスの0.6ポイントです。

営業利益は13億9,300万円、前年同一期間比でプラスの1億1,700万円、営業利益率7.4パーセント、前年同一期間比でプラスの0.1ポイント、当期純利益が9億9,900万円、前年同一期間比でプラスの1億3,200万円と、前年に比べて増収増益で着地することができました。

EPSについても64.5円とプラスになっています。

売上高・売上総利益四半期推移

当四半期に関してご説明いたします。売上高が59億9,700万円、売上総利益が18億2,200万円、売上総利益率が30.3パーセントでした。前年同期と比べると減収減益ですが、昨年度は10月から12月の間にジャパンモビリティショーがあり、一時的な大きな売上が計上されています。

ジャパンモビリティショーの影響を除くと、当社の事業基盤自体の収益性はしっかり成長していると認識しています。

営業利益・当期純利益四半期推移

営業利益・当期純利益の四半期推移です。営業利益が5億2,600万円、営業利益率が8.7パーセント、当期純利益が4億2,300万円という結果でした。

昨年度に比べ、人材投資を積極的に行ったため、四半期で回収すべき固定費が増加しており、損益分岐点売上高が上がっています。その影響で、売上総利益の減少幅よりも営業利益の減少幅が少し大きく見えています。

営業利益の増減要因(前年同一期間比)

営業利益のウォーターフォール図です。既存と新規が順調に伸び、粗利率もプラスで推移しました。結果として成長投資と人材投資を回収でき、最終的な営業利益は13億9,300万円と、増益で着地しています。

売上高・時価総額の推移

売上高と時価総額の推移を記載しています。コロナ禍の収束に伴って業績が順調に推移し、時価総額も順調に上昇した1年でした。株主価値と業績をさらに向上させることによって、企業価値も上げていきたいと考えています。

事業ユニット別の損益の状況

事業ユニット別の損益の状況です。こちらも通期をベースにご説明いたします。まず、当社の主力事業であるBtoB、BtoCの各マーケティング事業ですが、BtoBマーケティング事業においては通期で79億9,600万円と、前年同一期間比でプラス12億8,400万円でした。順調に業績を伸ばしました。

一方、BtoCマーケティング事業の実績は58億7,700万円と、前年同一期間比でマイナス8億3,000万円の減収となりました。先ほどお伝えしたジャパンモビリティショーの売上が昨年度は入っています。その減収要因を他の案件でカバーしきれなかった結果です。

今期の特徴として、展示会事業とその他事業が少し伸びていますので、この点について説明します。

展示会事業は、主に中小企業を対象とした事業です。当社は「パケテン」と「ONE X(ワンテン)」というサービスを提供しています。「パケテン」はオンラインを利用したパッケージのブースサービスです。1件につき数十万円程度からで、オンライン上で完結するサービスになっています。

「ONE X(ワンテン)」はもう少し価格帯が上がりますが、中小規模の木工ブースと、出展に必要な手配物を同時に提供する、シンプルな形態でのサービスとなっています。

これらのサービスにより、当社の主力のBtoB、BtoCのマーケティング事業とは異なる顧客の開拓が進んだことで、結果として14億2,400万円と、昨年に比べると6億3,200万円の増収となっています。

その他事業は、主にグループ会社の売上です。昨年10月にヒラミヤ社がグループインしましたが、グループ会社3社がしっかりと成長してきており、14億7,100万円と、前年同一期間比ではプラス5億600万円と伸長しています。

受注高および受注残高四半期推移

受注高と受注残高の推移についてご説明します。第4四半期の受注高は60億1,500万円と順調に受注が進みました。受注残高に関しても73億6,300万円と、順調に積み上がっています。

一方で、受注残高回転期間が5.5ヶ月と、少し長期化しています。この理由は主に2つあります。1つは当社の信用が上がったため、指名受注というかたちでかなり先の案件を受注できていることです。

2つ目の理由は、当社はイベントや展示会といった仮設案件を得意としていますが、それに加えて常設案件の問い合わせや受注が増えていることです。

仮設案件は、受注から売上が計上されるまでの平均期間がおよそ3ヶ月前後です。常設案件は規模感によりますが、規模が大きいものは受注から売上計上までに1年を超えることがあります。その影響もあり、受注残高の回転期間が延びています。売上計上されるタイミングを、しっかり注視していきます。

指名受注売上高・指名受注率四半期推移(単体)

指名受注売上高と指名受注率です。指名受注率のグラフでは、第2四半期から第4四半期にかけて指名受注率が下がっています。

指名受注率は全体の売上高に占める指名受注の売上高の割合を示していますが、これが下がるということは、コンペによって獲得した案件が増えていると、ご理解いただければと思います。

新規の案件や、既存の案件でも大型になると、クライアントさまがベンダーの再選定をするためにコンペが定期的に行われることがあります。今期は、その結果として獲得した案件が一定量あったとご理解いただければと思います。新規およびコンペで獲得した案件が、将来的には指名受注になって返ってくるというかたちです。

新規案件を取り続けている限り、指名受注率は中長期的に見ると、緩い波形を打つようなイメージで上下していきます。

決算説明資料にはありませんが、社内では別途、件数別の指名受注率も見ています。件数別の指名受注率とは、全体の件数に対する指名受注の件数の割合です。こちらは7割を継続して超えているため、事業自体は堅調に進んでいると認識しています。

リピート売上高・リピート率四半期推移(単体)

リピート売上高とリピート率についてです。こちらも75パーセントと、堅調に推移しました。

中期経営計画の達成状況

中期経営計画の進捗状況についてご説明します。達成率は売上高で110.8パーセント、営業利益が116.1パーセント、当期純利益で121.8パーセントと、当初の計画値を達成できました。

今年が中期経営計画の最終年度になりますが、この状況を踏まえ、3か年の数字を修正しました。売上高が190億円から209億円、営業利益が14億円から14億5,000万円、当期純利益が9億8,000万円から10億1,000万円です。

売上高の伸長に比べ、利益の伸長が控えめに見える可能性があるため補足します。昨年度から人材投資を先行で行っています。当社の場合、入社1年目から2年目、2年目から3年目というところで、1人当たりの売上高に大きな変動が生じます。

新卒社員を多く採用すると、入社1年目の人数が一時的に増えるため、生産効率が少し下がります。これは一時的な生産効率の悪化であり、2年目、3年目となることによって売上高の増加、営業利益の増加、営業利益率の増加につながっていきます。

以上で業績の説明は終了となります。ありがとうございました。

質疑応答

質疑応答の内容については、当社IRサイトに公開中の「2024年12月期通期 決算説明会 質疑応答要旨」をご覧ください。