AGENDA

湊剛宏氏:株式会社揚羽代表取締役社長の湊です。投資家のみなさまには、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。決算説明会を始めます。

2025年9月期第2四半期 業績サマリ

サマリーです。売上高は前年同期比7.6パーセントの増収、売上総利益は前年同期比5.3パーセントの増益となっています。営業利益は株主優待費用が発生したため、前年同期比2.9パーセントの減益となりました。

売上高の長期推移

売上高の長期推移です。スライドのグラフでへこんでいるところが、リーマンショックと新型コロナウイルス感染拡大の時期です。基本的に創業以来、右肩上がりで推移しています。

社風:チームワーク良く、高いエンゲージメント

社風です。東洋経済新報社が出版した『1300万件のクチコミでわかった超優良企業』の中で、日本全国で「チームワーク」が良い企業と「20代で成長」できる企業において4位となりました。このようなことが採用力にもつながっていると考えています。

2025年9月期第2四半期のトピック 支援実績

第2四半期のトピックとして、支援実績をご紹介します。スライドには、みずほ銀行とIHIについて記載しています。みずほ銀行に関しては、みずほ銀行のDXの取り組みを社内外にPRする仕事をお手伝いしました。近年、このような仕事が非常に増えており、例えばゼネコン各社のDXの取り組みを社内外にPRするという仕事が多くあります。

2025年9月期第2四半期のトピック 支援実績

スライド左側は、アヴァンティスタッフです。アヴァンティスタッフはパーソルテンプスタッフの関連会社です。昨年、一昨年とパーソルテンプスタッフのお手伝いをした関係で、関連会社へ横展開しました。

スライド右側は、FICTです。こちらも、非常に長くお付き合いをさせていただいています。

事業内容:ブランディング事業(単一セグメント)

事業内容について簡単にご説明します。弊社は、企業のブランディング支援を行う会社です。

ブランディングというと「ちょっとわかりにくい」とよく言われます。弊社は、ブランディングの中でも、ミッション、ビジョン、バリューを作って浸透させることを得意としています。人的資本経営に関するブランディングが得意な会社と覚えてください。

事業内容:支援領域別売上高推移

支援領域別の売上高の推移です。弊社は、コーポレート領域とリクルーティング領域があり、近年はインナーブランディングのニーズが非常に高まっています。そこで、社内リソースをリクルーティング領域からコーポレート領域に大きくシフトした結果、コーポレート領域が年平均成長率19.2パーセントと大きく成長しています。

今後もインナーブランディングを中心に、コーポレート領域をさらに大きく成長させていきたいと考えていますので、ぜひご期待ください。

事業内容(特徴と強み):垂直統合型ブランディングカンパニーとしての競争力

垂直統合型ブランディングカンパニーとしての競争力として、他社と比べて何が違うかをご説明します。

広告業界では、まずブランドコンサルティング会社がコーポレートアイデンティティ(CI)やスローガンなどを作ります。その後、広告代理店がマーケティング施策を考え、映像は映像制作会社、WebサイトはWeb制作会社、デザインはデザイン制作会社、イベントはイベント制作会社が行うという、非常に多層構造の業務フローが一般的です。

この場合、多くの会社が携わることでコミュニケーションが非常に複雑になり、利益も分散されます。

対して弊社では、ブランディングから企画、Webサイト、映像、グラフィックのデザイン、Webマーケティングまで一貫して行っています。それにより、顧客から「コミュニケーションロスが非常に少ない」「事業理解が高い」「クリエイティブの質も統一される」と高く評価され、選ばれ続けているのです。

創業時、この多重下請け構造の一番下の映像制作からスタートしたため、「この構造を変えたい」という思いを強く持っています。

事業環境: 海外と比較して相対的に低い日本の従業員エンゲージメント

海外と比較して相対的に低い日本の従業員エンゲージメントについてです。毎回お話ししていますが、非常に重要な部分であるため、あらためてお話しします。

スライドは、調査会社Gallupが調査した従業員エンゲージメントの国際比較です。調査項目は非常に多く、例えば「私は仕事の上で、自分が何を期待されているかがわかっている」「この1週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした」「この半年の間に、職場の誰かが私の仕事の成長度合について話してくれたことがある」などです。

そのような質問をした結果、日本は調査した139ヶ国中132位で、エンゲージメントが非常に低いことがわかりました。やはりエンゲージメントの数値が低いと、仕事に本気で取り組めないという悪影響があり、離職もあります。

日本の大手企業は今、非常に危機感を感じており、本気でこの数字を上げにいこうとしている会社が多いです。先日も『日本経済新聞』で、日立製作所、出光興産、京浜急行電鉄などが、役員報酬と従業員のエンゲージメント数字を連動させるという記事が発表されました。今、そのぐらい危機感を感じているのです。

事業環境: コーポレート-インナーブランディングへの追い風

インナーブランディングへの追い風についてです。日本企業の人材マネジメントの実践状況は、人材マネジメントが「効果的に実践できている」という企業はまだ4パーセントしかなく、弊社がお手伝いする余地が依然として大きいと感じています。

2025年9月期第2四半期決算概要

2025年9月期第2四半期の決算概要についてご説明します。売上高は第1四半期に引き続き、前年同期比で増加しています。売上高進捗率は通期予算比で54.1パーセントと、概ね計画どおりの進捗です。

販管費は、即戦力となる経験豊富な中途社員の採用が成功し、人件費・採用費が前年同期比で増加しています。前年同期にはなかった株主優待を行い、その費用を計上しています。各種利益は、臨時的な販管費増加があり、営業利益、経常利益、四半期純利益は前年同期比で微減です。

事業領域別売上高:2025年9月期(2024.10〜2025.3)

事業領域別に見ると、コーポレートブランディング、インナーブランディング、リクルーティング支援領域で前期を上回っています。サステナビリティブランディングは、近年ニーズが小さくなっており、減少しています。

四半期別売上推移

四半期別売上高の推移です。スライドは、四半期ごとの売上高推移をグラフにしたものです。当社は、クライアント企業の大半が事業年度末を迎える3月を含む第2四半期に、売上高が大きくなる傾向があります。また、第4四半期も大きくなる傾向があります。

特に、採用系の納品が3月に固まりますが、近年は採用からアウターブランディング、インナーブランディングにシフトしている関係で、少しずつグラフの長短が平準化してきています。

2025年9月期第2四半期 貸借対照表

貸借対照表に関して、大きな変動はありません。

2025年9月期通期業績予想

業績予想です。2024年11月14日に発表した内容から変更はありません。売上高17億5,000万円、営業利益5,000万円の計画を達成すべく、尽力していきます。

成長戦略

成長戦略についてご説明します。当社の成長戦略は「重点顧客への営業強化」と「新規受注強化」の2点です。

重点顧客への営業強化

創業以来、主に大手企業を中心に、中小・ベンチャー企業を含めた累計920社の顧客との取引があります。毎期、およそ7割がリピーターです。

重点顧客への営業強化: 優良顧客基盤におけるクロスセル

優良顧客基盤におけるクロスセルについてご説明します。我々は、大手企業に力を入れて営業しています。大手企業は部門が多く、経営企画部や人事部を中心に、営業部、広報宣伝部などあらゆる部門と取引をさせていただくことで、1社当たりの取引を大きくしています。

重点顧客への営業強化: 部門横展開によるクロスセルの推進

部門の横展開によるクロスセルの推進です。スライドは、重点顧客に対するクロスセルで多いケースを掲載しています。

例えば、まず人事部門から採用サイトを発注いただき、経営企画部門をご紹介いただいて、インナーブランディング、コーポレートブランディング、サステナビリティブランディングなどに展開します。このように、多くの部署からのクロスセルが増えています。

新規受注強化: ターゲット市場の開拓余地

2つ目の成長戦略は、新規開拓です。スライドは、現在のターゲット市場の開拓余地を示したものです。現在までの累計取引社数は920社程度です。これまでにお仕事をいただいたところも含めたもので、アクティブで取引しているのは年間およそ450社です。

上場会社、未上場大手子会社、独立系の準大手・中堅企業をメインターゲットとしており、今後の対象企業は約1万社から数万社あると見込んでいます。開拓余地は非常に大きくあると考えています。

新規受注強化: マーケティングテクノロジーの活用

マーケティングテクノロジーの活用です。新規営業は、マーケティング部門とインサイドセールス部門が連携して行っています。今期から、新たなマーケティングテクノロジーを導入したものの、新しいテクノロジーは何かと不具合が多く、想定したほどの効果はまだ出ていません。新規受注に関しては少し時間がかかる見込みです。

重要KPI

重要KPIです。2025年9月期より、KPIを「受注額」「通年受注額1,000万円以上の顧客社数」「新規受注社数」の3つに決めて走っています。受注額は、KGI(重要目標達成指標)である売上高の先行指標として一番確実であるため、メイン指標として追いかけます。

2023年9月期の受注額が低かったため、2024年9月期の業績に影響がありましたが、2024年9月期の受注額は約17億円と好調だったため、2025年9月期の滑り出しはまずまずです。ただし今期に入ってからの受注について、既存クライアントからのリピートは順調であるものの、新規受注が伸び悩んでいるため、下期は重点的に力を入れていきたいと考えています。

通年受注額1,000万円以上の顧客社数は、リピート強化の結果がどのようになっているかという指標です。既存クライアントへのクロスセルやアップセルにより、1社当たりの単価を高めることが目的です。第2四半期では、大きく実績を伸ばしました。既存クライアントのクロスセルが非常にうまく進んでいます。

新規受注社数について、ここ数年は追ってきませんでした。しかしながら、新規が増えなければ既存顧客は当然増えないため、今期からあらためて力を入れていくために設置した指標です。

数年前から、フィールドセールス、マーケティング、インサイドセールスに分けて、効率的で効果的な営業体制を敷いています。マーケティングDXの導入により、問い合わせは非常に増えているものの、ベテラン営業を既存クライアントの担当、若手営業を新規受注の担当にしたこともあり、問い合わせに対して受注率が下がっています。

対策として、上期には9名のベテラン営業の採用に成功しました。これにより、下期は新規受注社数も大きく伸ばしていきたいと考えています。

中長期成長イメージ

中長期の成長イメージです。現在、従業員のエンゲージメント向上、離職率の低下、生産性向上など、社員のパフォーマンス向上のためのインナーブランディングのニーズが非常に大きくなっています。問い合わせや相談も数多くいただいているため、インナーブランディングを中心に、大きく成長したいと考えています。

インナーブランディングの後は、その先の社外に対するアウターブランディングの強化につなげていきます。そのために、大手・中堅代理店からベテラン社員を約10名採用しました。

すぐに、今期の結果としては出てこないかもしれませんが、来期以降のアウターブランディングを大きく伸ばせる布石が打てました。これから、インナーブランディングからのアウターブランディングへの戦略で大きく伸ばしたいと考えています。

湊氏からのご挨拶

本日はご視聴いただき、誠にありがとうございました。当社はこれからも株価向上に向けて努力していきます。今後ともみなさまのご支援のほど、よろしくお願いします。