logmi Finance
logmi Finance
ヒビノ株式会社2469

東証スタンダード

サービス業

人が集まるところにヒビノ

IR担当:本日は貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございます。設立61周年の当社について、成り立ちから現在の事業形態、当社を取り巻く環境、経営戦略等についてお話しします。

ヒビノ ロゴ

こちらは当社のロゴです。音楽がお好きな方でしたら、目にしたことがあるかもしれません。しかし、みなさまが生活される中で、「ヒビノ」の名前を目にすることは少ないと思います。

当社が取扱う商材は、業務用、プロ向けではありますが、実は、みなさまの身近なところに存在しています。東京証券取引所のシンボルであるマーケットセンターのリング状大型LED、テレビ局、ホールやアリーナ、TVドラマやCM、映画、現在開催中の大阪・関西万博、大型のスポーツイベント、コンサートや音楽フェスティバルなど、ヒビノのことはご存じないかもしれませんが、みなさまの生活の中でヒビノは間接的に関わっています。

「人の集まるところにヒビノあり」という言葉のとおり、音響、映像、音楽、ライブという4つのフィールドで、オンリーワン企業、ナンバーワン企業を目指しています。

それでは、当社の事業セグメントについて、まずは売上高構成から見ていきます。

事業別売上高構成

こちらは2025年3月期のセグメント別の実績です。当社グループは、「販売施工事業」「建築音響施工事業」「コンサート・イベントサービス事業」の主に3つのセグメントから成り立っています。

ヒビノグループは、「音響」と「映像」の分野で販売とサービスの事業を展開しています。

販売施工事業の中の業務用音響機器の販売、建築音響施工事業、コンサート・イベントサービス事業のコンサート音響、コンサート映像の4つの部門で、業界トップの位置づけです。

ヒビノグループをご理解いただくために、まずはヒビノの成り立ちからお話しします。

ヒビノの挑戦の歴史

ヒビノは万博の開催をきっかけに事業を拡大してきました。

1964年にヒビノ電気音響創業、1970年に大阪万博でコンサート音響、1984年につくば万博、モーターショーでイベント映像事業、1990年代にドーム・アリーナ進出、2002年に映像製品の開発・製造・販売を開始しました。

当社の創業者である日比野宏明は、日本のメーカーがテレビの国産化に成功する3年前に、17歳でテレビを自作し、「街の科学者」と呼ばれるような人物でした。

設立は、東京五輪が開催された1964年です。当時、ジャズ喫茶や音楽喫茶が流行していて、個々の店の要望に合うようカスタマイズした音響装置を製造しました。

音楽喫茶は最盛期には関東に数百店舗あり、その8割を手がけていましたが、なにぶん個人経営者がほとんどで、一般家庭へのステレオ装置普及とともに退勢していきました。これを契機に商流を法人向けにスイッチし、放送局やホール、劇場施設への納入を目指しました。

当社業容の歴史の上では、転換期の節目が、万博開催年前後に現れます。最初の展開としては1970年の大阪万博で、創業者の日比野宏明は、万国博ホールで行われたライブコンサートで使用されていた音響装置に感銘を受け、すぐさま行動に移しました。

そのスピーカーから聴こえてくるクリアでパワフルな音質、非常にコンパクトな筐体は衝撃的でした。当時マイクロホンで世界トップシェアのアメリカShure社のスピーカーシステムでした。

「いい声をよりいい音で聴かせることができる」スピーカーシステムが普及すれば、日本のコンサートホールや劇場の「音質」は格段に向上します。日比野宏明はこの画期的な製品に惚れ込み、「次は舞台音響だ」と、早速この販売権を獲得し営業展開させます。この対応が、今後の輸入品ビジネスを基軸としたモデルとなりました。

しかし、当時は固定相場制の時代で「1ドル=360円」と、あまりに高価な機材は思うように売れず、すぐには軌道に乗りませんでした。

そこで、「実際に使ってもらえば、品質の良さをわかってもらえるはずだ」と、一計を案じた日比野宏明は、音楽関係者に向けてこの機材のデモンストレーションを行うことを思いつき、コンサートを開く歌手やバンドに直接アプローチを試みました。

当代一流の歌手が認めたShureの評判は口コミで広がりましたが、そのうちに、「購入するのは無理だけれど、貸してもらえないか?」という問い合わせが舞い込むようになります。

このような経緯で、1971年に音響機材のレンタルサービスを行うPA事業が始まりました。ここで音響機材の販売と機材レンタルという収益構造の骨格が確立しました。

機材レンタルは1971年、このビジネスを始めたばかりの頃、音楽フェスティバルの先駆け「箱根アフロディーテ」でピンク・フロイドの音響をサポートしたことで、海外アーティストからの依頼が増え、スタッフの技巧技量も飛躍的に高まるとともにノウハウを蓄積させました。

1978年にはボブ・ディランの初来日公演も先方からボーカルを活かす音場を求められ、当時実現が難しかった機材も自社開発して臨むなど、現在の当社イズムとなる勢いを増していきました。

このようなことからヒビノのPA事業部は、海外アーティストの要求する高品質な音響機材を調達できる会社として、業界で高い評価を得るようになっていきます。

また、日本のタレントも自分で作詞作曲するようになり、アリスや甲斐バンド等が当社の顧客になってくれたことで、音響機器は順調に普及していきました。現在ではポピュラーとなった天井吊り下げ式のスピーカーも当社が先駆けです。

このように、ヒビノは音響のパイオニアとしてコンサート業界をリードしていきました。

次の契機はつくば万博の頃、1984年に大学卒業間もない現社長である日比野晃久がイベント映像事業を立ち上げます。当時のテレビはまだ小さいブラウン管でしたが、三菱電機が37インチのブラウン管を開発し、画面が大きくなっていました。

この時、「これからはコンサートのステージにも大型映像演出の時代がくる」と確信します。意気込んで営業したものの、現実は大変厳しく、「コンサートは聴きに行くもの」と、主催者側は映像を不要なものとして全く受け入れてくれませんでした。

それでも、日比野晃久は、「大型映像の時代は必ず来る」との信念で諦めることなく、コンサート以外にも営業活動を展開していきました。

悪戦苦闘の結果、ついにモーターショーでの活用に活路を見いだします。当時は国内開催のモーターショーが活発な時代であり、派手な映像演出が会場に華を添えました。

映像事業の発展を後押ししたのは、1990年代の会場の大型化です。東京、福岡、大阪、名古屋と相次ぎドームが建設され、アーティストのドームツアーが始まりました。ドームのような大規模会場では、演者が豆粒ほどの大きさにしか見えないため、大型映像の需要が一気に高まりました。

今では誰もが「コンサートを観に行く」と言います。それを切り開いたのはヒビノであり、音楽業界の発展に貢献したことを誇りとしています。

2005年の愛知万博開催のタイミングに合わせ、2002年に映像製品の開発・製造・販売に参入しました。これまでは、自社製品を持たず、各種映像機器はメーカーに要請し、製造してもらっていました。

しかし、これではノウハウの流出になってしまうと考え、自らがメーカーになることを決めます。青色発光ダイオードで有名な日亜化学工業とLEDディスプレイを共同で開発しました。この技術は今でも世界的な評価を得ています。

以上の流れで、音と映像、販売とサービスのヒビノのビジネスモデルの原型ができました。

ここからは、現在のヒビノグループの事業内容について説明します。

販売施工事業

まず、創業以来のビジネス、販売施工事業です。放送局やスタジオ、ホール、シアター、コンサート・イベントサービス会社を中心に、世界中のプロフェッショナルから高い評価を得る音響・映像・照明機器等を輸入販売しています。

市場競争力のある輸入ブランド116

取扱い輸入商品ブランド数は、音響機器メーカーを中心に・映像・照明機器メーカーなど、合わせて116ブランドです。

音響の「JBL」や「Shure」は、みなさまの中にも「名前を聞いたことがある」という方がいらっしゃるのではないでしょうか?

業務用音響機器

機器販売の中心は、業務用音響機器です。創業以来展開しているこの事業は、業界トップの位置を維持し続けています。

競合会社を聞かれることは多いのですが、業務用音響機器販売の上場企業はありません。

みなさまの目にとまりやすい実績も多く、後ほどあらためて紹介しますが、昨年開業した長崎スタジアムシティや大阪・関西万博等の案件を担当しました。

当社が取り扱うミキシングコンソールは在京の全TV局で採用されています。また、テレビやコンサートの現場ではShure社のマイクが数多く使われています。

LEDディスプレイ・システムの開発・製造・販売

販売施工事業では、映像製品も扱っており、自社開発の高品質・高精細LEDディスプレイ・システムを開発・製造・販売しています。

東京名物として世界的にも有名な「渋谷交差点」の景色を飾る「渋谷QFRONT」と「渋谷駅前ビジョン」の大型LEDディスプレイは当社製です。

新宿駅東口の「クロス新宿ビジョン」に投影されていた巨大猫はご記憶にありますか? こちらのディスプレイも当社製です。2021年に放映が開始されるやいなや、SNSを通じて瞬く間に世界へ広まり、新宿を代表する新たなランドマークとなりました。

冒頭でもご紹介した東京証券取引所マーケット・センターのリング状のLEDディスプレイ・システムも当社製です。

この数年は映像製品の販売が好調で、販売施工事業の業績をけん引しています。大型LEDディスプレイ需要増の背景に「全国のスタジアム・アリーナ建設」や「都市再開発」があげられます。

その他、スポーツ・エンタテインメント、交通ハブ、商業施設、企業のショールームなどでも採用が増加しています。

販売施工事業の強み

次に、当事業における2つの大きな強みについてお話しします。

1つは、当社が取扱う「ブランド」です。プロのお客さまに高い評価をいただいている、市場競争力のある「強いブランド」を獲得し、国内外メーカーの幅広い製品カテゴリーの商品を取りそろえ、販売しています。独立系でニュートラルな立場にいる当社は特定のメーカーに縛られることなく、お客さまが望まれる「理想的なシステム」の提供が可能です。これは、ヒビノだからこそできることで、高いシステム構築力はメーカーのシステム販売にはない強みです。

もう1つの強みは、グループの総合力を活かした音響、映像、照明、制御、ネットワークのトータル・ソリューションの提供です。中でも、音空間の設計・施工から機材のシステム販売まで、ワンストップで提供できる体制を実現しているのは、国内で唯一、当社のみです。

建築音響施工事業

次に、建築音響施工事業を紹介します。こちらは、2015年にM&Aにより、音響機器販売の営業力強化を視野に参入した事業分野です。現在は、日本音響エンジニアリングや日本環境アメニティなどグループ会社3社が、当セグメントに属しています。

当事業では、音楽・放送・制作スタジオをはじめ、試写室・視聴室、ホール、実験室など、音空間の設計・施工を行っています。国内最大の建築音響技術者集団であり、名実ともに国内トップクラスです。

建築音響/音響計測・評価・開発支援/騒音対策/航空機・工場 騒音モニタリング

音・音響に関するコア技術をもとに、製造業の音に関する研究開発支援や、航空機・鉄道・道路、工場・事業場の騒音への対策など、社会のより良い音環境づくりに貢献しています。

建築音響施工事業の強み

こちらは、建築音響施工事業の強みです。まず、国内最大の建築音響技術者集団であり、名実ともに国内トップクラスです。そして、音空間の企画から設計・施工までを一貫して行う責任施工体制が確立されています。

建築音響業界における知名度は高く、業界内では高いブランド力を有しています。建築音響施工事業の展開により、グループ全体の受注機会の拡大、商品の販売拡大につながっており、シナジー効果が生まれています。

ここで、当事業のトレンドについてお話しします。AIの急速な発展で、データセンターの建設が急速に進んでおり、現在、多くのプロジェクトが進行しています。

サーバーや冷却システムの作動によって生じる騒音や低周波音は周囲の住民に影響を与えることがあり、問題解決、未然防止策として、騒音対策のニーズが高まっています。このビジネスチャンスを逃すことのないよう営業を強化し、さらなる成長を目指していきます。

コンサート・イベントサービス事業

コンサート・イベントサービス事業を紹介します。

音響・映像システムの貸し出し、オペレート(1/2)

当事業では、コンサートやイベント会場において、マイクやスピーカー、アンプやミキシングコンソール等の音響機材と、大型LEDディスプレイやプロジェクター等の映像機材の貸し出しを行っています。

音響・映像システムの貸し出し、オペレート(2/2)

本番では、当社のエンジニアがその機材を運用し、観客に音と映像を届けるという重要な業務を担っています。日本のコンサートやイベント業界においては、黎明期から今日まで、常に業界をリードし続け、音響・映像ともに、業界トップを誇ります。

「コンサート」の現場は、音響・映像・音楽・ライブと、ヒビノのすべての事業が展開されている主戦場です。

コンサートの実績

こちらは、コンサートの実績です。ドームやアリーナ等の大規模コンサートを得意とし、アーティストからの信頼も厚く、複数のアーティストから、長年にわたるご指名をいただいています。

強み 世界トップクラスの「機材」×「人材」

当事業の強みは、豊富な機材と優秀な人材に尽きます。

保有する機材は、音響も映像も世界トップクラスの規模を誇っています。ドーム会場であれば5会場、ホール規模なら30会場を同時に運用することができます。競合他社が追随しづらい、また、参入障壁の高い事業と言えます。

コンサート市場

こちらは、コンサートプロモーターズ協会が発表している市場調査です。2024年の公演数は前年と同水準で推移しましたが、2024年の動員数はスタジアム・アリーナ公演の増加に伴って6,000万人に迫り、過去最多となり、市場規模(総売上額)は、前年の5,140億円から6,121億円に増加して過去最大を記録しました。

関東圏の新設アリーナ6会場で約640公演が開催されたこともあり、アリーナの公演数(2,679回)は前年比124.5パーセント、動員数(2189.8万人)は前年比131.2パーセントと拡大が続いています。

コンサート以外でも幅広いフィールドをカバー

コンサート以外では、MICE、スポーツイベント、博覧会、企業イベントやバーチャルプロダクションなど幅広いフィールドをカバーしています。

バーチャルプロダクションは、コロナ禍で大きな打撃を受けた際、新規事業としてスタートさせました。CMやドラマ・映画等で採用され、顧客層の幅を拡げ、順調に実績を積み重ねています。SDGsの観点からも、今後ますます制作現場での導入が進む分野と考えています。

以上、3つの事業について説明しました。

ここで、昨年度のトピックスについて紹介します。昨年10月に開業した長崎スタジアムシティは、サッカースタジアムを中心に、アリーナ、ホテル、商業施設、オフィスから構成される複合型施設です。

建設にあたり、当社では3つの事業部とグループ会社3社が連携し、建築音響施工からLEDディスプレイ・音響・照明システムの販売施工まで、グループの総合力で、顧客のニーズに応えるトータル・ソリューションを提供しました。

開業後においては、スポーツイベントやコンサートで、音響や映像のサービス提供が見込まれます。

現在、経済産業省とスポーツ庁が推進する「スタジアム・アリーナ改革」により、全国各地でアリーナの建設計画が進んでいます。これを追い風に、営業を強化し案件取得に努め、業績の拡大を図っていきます。

前期2つめのトピックスは、現在開催中の大阪・関西万博です。パビリオンや施設への機材販売やレンタル、イベントにおけるサービスの提供を行い、その数は50案件以上にのぼります。

大阪ヘルスケアパビリオン「XD HALL」は、ヒビノグループで音響・映像・床振動システムの設計施工を担当しました。

今期は、コンサート・イベントサービス事業における貢献が期待できます。

以上、昨年のトピックスの紹介でした。

事業環境

こちらは、ヒビノグループを取り巻く中長期の事業環境です。

大阪・関西万博の開催、中長期に進行する放送局建替計画や都市再開発に伴う豊富なホールの新築計画、さらにIR(統合型リゾート)、全国におけるスタジアム・アリーナの新設計画、活況なライブ・エンタテインメント市場と、中長期においてすべての事業で事業環境は追い風です。取りこぼしのないよう積極的に営業展開していきます。

連結業績

こちらは、2025年3月期の業績です。

長崎スタジアムシティと大阪・関西万博が業績をけん引し、売上高は過去最高を更新し、594億7,300万円となりました。

2026年3月期の業績予想は、8月に期初予想から売上高665億円、営業利益43億円、経常利益42億円に上方修正しました。第1四半期の上振れ分を乗せたかたちでの修正になります。

中期経営計画「ビジョン2025」

ヒビノは、2022年5月に中期経営計画「ビジョン2025」を発表しました。今期は最終年度にあたり、売上高750億円、海外売上高比率30パーセント以上、経常利益45億円を目標に掲げています。

業績予想は連結売上高や経常利益の目標に対し、やや未達の見込みとなっていますが、目標との乖離を少しでも縮められるよう、残された期間でできる限りの成果を積み上げていきます。

業績の季節性

ここで、ご参考までに、当社の業績について深くご理解いただくために、業績の季節性についてお話しします。

販売施工と建築音響施工の2つの事業の業績は、建設業界と同様の季節性があり、第4四半期集中の下期偏重型です。利益は、年によって第2四半期がマイナスとなることもあり、第3四半期まで利益の進捗率は高くありません。

コンサート・イベントサービス事業の業績は、夏の音楽フェスティバルがある第2四半期、カウントダウンコンサートがある第3四半期に大きく伸長します。第4四半期は、コンサートやイベントの閑散期にあたり、例年、利益はマイナス傾向です。

グループ全体としてみると、第4四半期に集中して利益が積み上がるパターンです。

株主還元

株主還元については、当社は株主のみなさまへの利益還元を重要な経営課題と位置づけ、安定配当の継続を基本方針としています。記念配当を実施した前期から、今期は増配となる見通しで、中間、期末とも40円、年間80円配当を計画しています。

配当性向は上場来の平均で30パーセント強となっており、年によって変動はあるものの、持続的な利益成長に応じた安定的な増配を重視しています。

また、今期5月26日から9月30日の期間、自己株式の取得を実施しました。

ハニカム型経営

当社は「ハニカム型経営」を戦略として、イノベーションやM&Aによる新領域に挑戦しています。ハニカムとはハチの巣のように正六角形をすき間なく並べた構造を指し、強度があり、衝撃への吸収力に優れる特徴があります。

ハニカム型経営は、ハチの巣の孔を増やしていくことで強靭な事業構造を形成できるとの考え方に基づいています。個々の事業は小さくても、その世界でナンバーワンというニッチトップな事業の集合体を目指しています。

ハニカム型経営を推し進めるM&A

こちらの売上高推移のグラフをご覧ください。

⽔⾊の部分がM&A⼦会社の売上分です。M&A子会社の売上高は、この10年間で約320億円増加し、売上全体に占める構成比も20パーセントから60パーセントへと上昇、買収後、子会社のほとんどが順調に売上を伸ばしています。

これまで、総額で約100億円ほどの金額をM&Aに使っていますが、すでに投資額を上回る累積純利益を獲得できており、9割以上の案件が成功しています。

一般的に、M&Aの成功率は2割から4割程度と言われていますが、それと比べても当社のM&Aは結果を出していると捉えていただけると思います。

M&Aの基本方針は「グループ間の連携によるシナジー創出」「事業領域の拡大」「新規領域への挑戦」の3点です。直近の状況をお伝えすると、国内では、映像制作会社やクリエイター向けの高級チェア販売会社、海外では、オーストラリアやシンガポールの音響映像システム販売会社のM&Aを行っており、順調にグループ連携が進んでいます。

これからも、しっかりと利益が獲得できる案件を見定めて、堅実なM&Aを実行していきます。

グローバル展開の加速

この10年間、当社はグローバル展開を戦略の柱の1つと位置づけ、アジアでは機器販売、欧米ではレンタルサービスの展開をエリア戦略とし、M&Aを活用した拠点拡大に取り組んできました。

2025年3月期現在、海外売上高比率は13.6パーセントとなり、進出国数は9ヶ国に拡大、事業のグルーバル化は着実に進展しています。

日本・アジア・北米・欧州の世界4極体制の確立を中長期の目標に掲げ、音響・映像を軸に、販売・施工とサービスを組み合わせたヒビノ独自のビジネスモデルを世界各地に展開し、グルーバルなAV&ITグループとしての地位を築いていく方針です。

音と映像で、世界に感動をクリエイトする

「音と映像で、世界に感動をクリエイトする」は、ヒビノが掲げるパーパスです。

世界中の人々や社会に対して、ヒビノグループが果たすべき企業使命をもってさらなる飛躍を目指していきます。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

facebookxhatenaBookmark