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三浦陽平氏:アイドマ・ホールディングス代表取締役の三浦です。本日は貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。2025年8月期第2四半期決算についてご説明します。

本日は、業績ハイライト、事業方針、成長戦略の3点についてお話しします。

エグゼクティブサマリー

今期は、大きく3つの方針で事業を推進しています。1点目に、AIを活用することによって、現在社員が行っている業務や、クラウドワーカーであるパートナーが実行している業務を、AIを活用することにより、費用を最適化する取り組みを行っています。

2点目は、ワークインフラの提供です。企業とさまざまなキャリアを持つ全国の働き手を、ダイレクトにつなぐことができるようなワークインフラを開発し、提供していく取り組みを今、進めています。

3点目に、今までは営業支援事業が主力でしたが、Webマーケティングや、バックオフィスの支援など、中小企業が抱えるさまざまな業務課題を解決する事業の展開を広げています。それら一つひとつの業務支援サービスを「ユニット」と名付けて、1つの企業に対して複数のユニットを提案する取り組みを進めています。

2025年8月期第2四半期の連結業績に関しては、売上高が約62億5,000万円で、前年比で約24パーセント成長しています。進捗率は、計画に対して48パーセントとなっています。

営業利益は約15億円で、前年比で約20パーセント増加しています。進捗率も51パーセントとなっています。

受注件数は、営業支援が約2,000件、人材支援が約1,000件となっており、どちらも前年比で20パーセントを超えています。

特に営業支援は、計画に対して進捗率が約5パーセント伸びています。この要因の1つ目として、通常の四半期の営業日数が60営業日から62営業日のところ、今回は12月の営業日数が少し多かったため、65営業日であったことが挙げられます。

2つ目の要因として、受注率の改善と商談件数の増加が計画どおり進捗していることが挙げられます。また、第1四半期で取り組んだAI活用などの施策は、第2四半期から一部利益にもヒットできるように動いていましたが、費用の最適化につながるだけでなく、商談件数の増加に寄与しています。

3つ目の要因として、後ほど詳しくご説明しますが、複数の新しい施策を第1四半期、第2四半期で投資して、運用を開始したことが挙げられます。

売上高 [第2四半期主要KPI推移]

売上高は、前年同期に比べて営業支援、人材支援のどちらも成長しており、全体では前年同期比で約26.7パーセントの成長となりました。

営業利益・営業利益率 [第2四半期主要KPI推移]

営業利益は第1四半期、第2四半期と順調に進捗しており、特に第2四半期は過去最高を記録しました。

第2四半期の営業利益率は約25パーセントと、第1四半期に比べて微増しています。人件費が想定よりも最適化できたこと、また、AIへの投資により業務委託費用を最適化できていることが、利益率の改善につながっています。

第3四半期については、新規サービスの開発を引き続き実行しながら、AI活用への投資も同時に行っていきます。

4月1日に、2025年卒の新入社員が約40名入社しています。また、中途社員も15名ほど入社していますので、第3四半期から第4四半期にかけては人件費が一定増加する可能性があると考えています。

全サービス受注件数 [第2四半期主要KPI推移]

受注件数です。当社サービスは、13ヶ月契約が基本となり、按分した売上を毎月計上していく構造になっています。1ユニットあたりの平均客単価は約300万円です。これらの受注が、来期以降の売上高につながっていきますので、基本的な先行指標として受注件数を開示しています。

営業支援の第2四半期の受注件数は、前年同期比で42パーセント増加しています。人材支援についても前年同期比で25パーセント増加しています。平均すると、受注件数は前年同期比で約36パーセント増加しています。

四半期ベースでは、それぞれ過去最高の受注件数で着地しており、営業支援も人材支援も、商談数、受注率を安定的に伸ばすことができています。同時に営業日数の増加があり、商談件数自体が相対的にも多かったため、受注件数の伸びにつながっています。

第3四半期についても引き続き、商談数、受注率は順調に推移しています。しかしながら、営業日数の兼ね合いもあるため、第2四半期対比では同程度を基準として、多少の前後がある着地を想定しています。

昨年度の第2四半期から第3四半期にかけて、受注件数が微減してしまった最大の要因は、商談日数が延びたことにより受注率が下がってしまったことでした。現在は、新規商談から次回の提案までのリードタイムを重要指標としてマネジメントしています。これらの取り組みにより提案までのリードタイムを短くすることができ、受注率の安定化に寄与することができていますので引き続き取り組んでいきます。

さらに、当社サービスをご利用いただいたことがないお客様に対してAIが電話をかけて企業の受付対応を行い、決裁者につながった先だけをクラウドワーカーが対応するというシステムの活用を4月から社内で開始しています。そのようなシステムのデモを見ていただくことによって、受注率が向上していく可能性もあるため、これからのさまざまな新規の取り組みも、受注率の増加につながってくる可能性があると考えています。

連結損益計算書_会計期間 [全体と過去対比]

連結損益計算書を前年同期・前四半期と比較したものです。スライドに記載のとおりですので、詳細は割愛します。

連結損益計算書_累計期間 [全体と過去対比]

今期と前年同期との累計での比較になります。すべての指標で、原則、伸びている状態です。

原価・販管費率の構成割合比較 [第2四半期会計期間]

原価・販管費率の構成割合比較です。スライドでは、注目いただきたい箇所を赤枠で囲っています。スライドの表の一番右端が前年累計との対比、その左隣が第1四半期との対比を示しています。

業務委託費は第1四半期に比べて4.1ポイント減少しています。AI活用によって、業務委託費用の最適化を推進したことによるものです。その他の項目については、さまざまな開発やメディアの制作などを行っていることにより、費用が増加しました。

第2四半期の人件費は前年対比でマイナス1.3ポイントと下がっていますが、第3四半期以降、社員増加によって、変化の可能性が若干あります。

支払手数料、広告宣伝費は、パートナー企業の開拓などを行って、紹介手数料を増やしています。継続的に広告宣伝やイベント、展示会などでの企画や出展、パートナー企業の開拓を戦略的に行って投資していきます。

原価・販管費の考え方

我々は業務委託費を、運用にかかる費用、戦略的に投資していくべき費用に分解しています。

特に運用にかかる費用を分解して、効率化できる部分はAIを活用していったり、人員の配置を最適化していったりしながら、積極的に効率化しつつ業務委託費用の最適化を図っています。

『AI受付通過くん』

第1四半期にもお話ししましたが、「AI受付通過くん」では、代表電話や、さまざまな企業の部署に電話した時に、責任者、決裁者につないでいただくために、AI機能を活用します。

今まで人が行っていたところをAIが代替することによって、費用を抑え、人員を増やさなくても純粋に稼動ボリュームを増やせるように開発を進めました。

すでに社内では、今年3月の中旬から運用を始めています。特に4月に入ってからは、1日のうちの約4分の1はこの「AI受付通過くん」で運用しており、自社のアポイントを取得する部分で利用しています。

『AIモニタリング』&『AIロールプレイング』

また、AIで議事録などのモニタリングを行う体制や、ロールプレイングについても、AIですべて実現することを目指し、第1四半期で投資を行いました。第2四半期には運用フェーズに入り、活用を進めています。

各AIサービスの開発進捗

各AIサービス開発の細かな進捗状況は、スライドに記載のとおりです。「AI受付通過くん」に関しては、社内運用が始まっており、今後は、サーバーの増強やシステム面の強化を行います。さらにその受付を通過できた後の、オペレーターの育成を強化し、1日当たり数万件の稼働を実現する予定です。

当社で稼働しているうちの2分の1程度を、「AI受付通過くん」で突破できるような状態を作っていこうと考えています。

すでに一部のお客様へのアナウンスも進めており、非常に反応が良いと感じています。特に、生成AIの音声ではなく、ある程度の成果が出ているオペレーターの声で60シナリオ程度の会話パターンを収録し登録することで対応できるという仕組み自体が、お客様にとっては非常にインパクトがあります。第4四半期頃から本格的に、お客様への提供にも踏み出していこうと準備を進めています。

「AIモニタリング」と「AIロールプレイング」についても、モニタリング業務は今、すべてAIでできるようになっています。もともとは全部の打ち合わせを人力でチェックしていたため、時間とコストが非常にかかっていました。これらをすべてAIで実行して、お客様との状況を可視化することができるようになっています。

さらには、打ち合わせのアジェンダを整理して、タスクにするような機能や、Webサイトのライティング業務や、SEO対策の記事の生成も、すでに完全に自動化できています。

今後はAIのカスタマイズを継続的に行い、単純に打ち合わせの内容を取得するだけではなく、お客様の反応や声のトーンを分解し、心情なども把握できる状況を作ろうと進めています。一部うまくいっているものもあり、疑念の有無などは人間がチェックするのと同等のレベルでできるようになっています。さらに、改善策を提案できる状態を作ろうと準備を進めています。

AIでのロールプレイングについては、今まで人が行っていた商談のロールプレイングをAIで実行する運用を進めました。

現状、1回のロールプレイングに相当な時間がかかってしまい、業務中に行うには負荷がかかってしまうといった大きな問題が発生しました。既存の営業業務に影響する可能性があるということで、今は「ショートロープレ」として、さまざまな内容を10個くらいのコンテンツに切り分けて、ロールプレイングできる状況を作っています。

こちらを応用し、面接ができるAIを開発しています。すでに、一部のクラウドワーカーの面接をAIで実行しており、今後、社員面接にも活用しながら、精度を高めていこうという動きも進めています。

こちらは、自社の業務委託費を最適化しつつ、お客様にも提供することで付加価値の向上につながる取り組みにもなっているため、積極的に推進していきます。

2025年8月期 通期 業績進捗

通期の業績進捗についてです。売上高も利益も計画どおりに進んでいます。受注件数も想定どおり進んでいます。さまざまな施策がヒットすると当然、受注件数増が見込まれるため、来期の売上高や利益につながってくるという構造になっています。

売上&利益進捗 [過去対比]

スライドは、売上および利益の進捗率を前期、前々期と比較したものです。

受注件数&進捗率 過去対比

スライドは、受注件数の進捗率を前期、前々期と比較したものです。

『商材バンク』リリース

現在、お客様とのすべての打ち合わせをモニタリングし、打ち合わせでの対応やお客様の満足度を測定しています。訪問は原則行っておらず、すべてオンライン上で行うことをルールにしているため、お客様との打ち合わせを可視化できています。

1ヶ月あたりの打ち合わせ件数が約4,000件で、もちろん、中にはご指摘も入っていますが、直積的なご指摘ではない軽い懸念などもすべてウォッチした結果、約4パーセントが現在のご支援状況で懸念のある打ち合わせとなっています。

つまり、160件程度が懸念ありの打ち合わせです。そちらの懸念を分解すると、アポイントが取得できない、もしくはアポイントは取得できているものの受注ができないという、2つの要因が多くを占めています。

テストマーケティングを行うことを主軸にしているため、トークスクリプトを変更したり、対象先を変えたりして改善できますが、商材やサービスの特性上、どうしても改善できないケースもあります。そのため、アポイントが取得しやすい、もしくは、受注率や粗利率が高いといった早期に結果が出る商材やサービスを集めて、インターネット上で提供するサービスをスタートしています。

すでに、アポイント率と受注率、粗利率が高い商材を94社ほどピックアップしています。アポイントの取得率や受注率が高い、もしくはフロントとなるアポイントが取りやすい商材を扱って自社商材を商談したいというお客様に対して、マッチングを始めています。

現在、あらゆる業種ごとにアポイント率や受注率が高い商材をデータベース化しています。まずはこちらを扱うことによって、しっかりキャッシュ・フローを担保し、P/L上黒字になった段階で自分たちの商材を販売するといった、上流の商材サービスの事業戦略を提案できるポジションを作ることができます。このような付加価値の強化も実施しています。

株主還元について-配当-

配当は、今期も引き続き行う予定です。

株主還元について-自己株式-

自己株式の取得は前期にも開示したとおり、20万株取得しています。2月の下旬に、取得を完了しています。

経営方針

事業方針についてです。経営方針として、経営理念とビジョン、戦略の3つを定めています。そちらを基に、今期の3つの事業方針を進めています。

経営戦略

日本の人口が減っていくことは、すでに確定しています。それに伴い、労働人口も確実に減少し、特に当社のメイン顧客層である中小企業では、人手不足に対する課題がますます深刻になっていくと考えています。

このような大きな流れがあることを前提に事業を行っているため、流れが真逆に変わらない限り、大きく成長が鈍化することは、原則ないと考えています。

労働人口が減り、人材が採用できないことに対しては、テクノロジーを使って生産性を上げるか、もしくは外部を活用するかの2択になります。特に外部活用のマーケットでは、当社が中小企業分野において日本でナンバーワンになろうと取り組みを進めています。

ワークインフラの考え方

企業の人材採用の課題と経営課題を、テクノロジーとクラウドワーカーを活用した具体的なソリューションで解決していくサービスを提供します。

働き手に対しては、働く場所や時間に制約があったり、スキルや知識がなくて仕事ができなかったりする方に、無償で就労機会や教育機会の提供を行います。

このようなマッチングを行い、ワークインフラカンパニーになることが、ベースとしての取り組みです。こちらを営業分野やWebのクリエイティブ分野、バックオフィス分野などで提供するビジネスを展開しています。

『スポットワークス』リリース

「スポットワークス」というメディアのリリースに向けて動いています。まだ外部への販売やマネタイズはしていませんが、サイト自体は出来上がっています。

サイトには、現在7万3,000人のクラウドワーカーにご登録いただいている状態です。最大の特徴は、企業が「スポットワークス」に預かり金を入れておき、求職者が仕事を完了した段階でポイントが付与され、そのポイントは瞬時に現金化できる仕組みになっています。

企業からすると、一人ひとり面談して業務委託契約を結ばなくてもよく、「スポットワークス」内ですべて完結できることが特徴です。

例えば、議事録を作ってほしいなど簡単なタスクベースの仕事をチャットのシステム上から指示すれば、「スポットワークス」に自動で掲載され、クラウドワーカーが即時実行して納品し、ポイントが付与される仕組みになっています。

当社はクラウドワーカー活用のメディアを運用していますが、基本的には企業とクラウドワーカーが面談して、中長期的に業務委託契約を結ぶケースが多いため、スポットでの仕事に適したモデルではありません。

オフラインではなくオンラインでできるあらゆるタスク業務をスポットで依頼できるプラットフォームを提供することによって、インフラ上で企業と働き手が自由に働けるようにしていこうという方針で、事業展開を進めています。

「スポットワークス」のマーケットで一定のシェアを作ることができれば、当然オフラインにも進出していきます。場合によっては、海外のオンラインワークなどもできると思っています。このような取り組みも実施していこうと考えています。

『営業のワークインフラ』リリース

「Sales Crowd」という営業支援システムのフルリニューアルを準備しています。リニューアル後の「Sales Crowd」は、お客様とクラウドワーカーが当社を通して仕事をするプラットフォームから、当社は介在せず、営業ができるクラウドワーカーと企業が直接つながり、システム上で営業業務を依頼できるインフラに進化します。

実現すると、当社を活用する必要はなく、お客様とクラウドワーカーがシームレスにつながり、仕組みさえあれば営業活動が効率的に実施できるインフラとなります。今期中にリリース予定で、お客様にも提供を開始していこうと考えています。

『スポットワークス』& 『営業のワークインフラ』進捗

スライドには、先ほどお伝えした内容をまとめています。

『ユニット型業務支援事業』サービス詳細 [1/2]

ユニット型業務支援事業として、もともと営業支援で提供していたサービスをご発注いただいたタイミングで、追加ユニットの提案機会をいただき、クラウドワーカーを活用した組織構築支援やクリエイティブの支援など、営業支援とは別軸での提案を行っています。

これまではご発注いただいたお客様の約20パーセントに追加のユニットをご契約いただいていましたが、現状は3割くらいまで上がってきています。

今後は何パーセントというよりも、1ユニット発注されたお客様のポテンシャルや経営課題を見て、3ユニットや4ユニットを同時に提供していくオペレーションを組み、初回営業のタイミングから4人分採用していただくイメージで取り組む複合型のパッケージを提供していこうと考えています。

いずれにしても、すぐに業績にヒットするかは確定的でないため、テストをしながら受注件数や総合的な売上のアップにつなげていこうと考えています。

『ユニット型業務支援事業』サービス詳細 [2/2]

現在当社が目指しているのは、2030年に売上高が3,000億円規模になるような会社になることで、すでにさまざまな取り組みを進めています。

売上高が3,000億円になるためには、現在の約4,000社のお客様に対して1年間に300万円のサービスを提供するといったイメージではなく、まずお客様自体を5倍の約2万社にしていこうと考えています。

顧客数を5倍にするためには、当然5倍の商談を行い、1年間で約2万社のお客様と契約する必要があります。電話営業における受付を通過する仕組みや、商談ができる仕掛けを複数作っていますので、5倍にできる可能性は十分あると考えています。

さらに、今後は1社に対し1サービスではなく、例えば営業支援ユニットを2ユニットや3ユニット、場合によってはバックオフィスユニットなど、あらゆる業務課題をヒアリングした上で、適切なユニットを人の代わりに提供し、1社に対して平均5人分程度のリソースを提供していこうという取り組みを行っていきます。

1ユニットあたりの客単価は300万円でサービス設計をしているため、2万社かける5ユニットで1,500万円、イコール3,000億円という売上高を実現できると考えています。このような大きな事業方針をもとに準備をしています。

本日は、第2四半期の進捗や業績ハイライト、今期の事業方針についてご説明しました。

3つの成長戦略

なお、スライド34ページからの成長戦略については、今期の第1四半期の説明会でもご説明しましたので、本日は割愛します。

スライドには、受注率を上げる、商談数を増やす、追加ユニット受注件数を増やすなど、具体的な取り組みを記載していますが、こちらは現在、順調に進捗しています。

本日はご参加ありがとうございます。