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中嶋汰朗氏:みなさま、本日はお忙しい中、当社の決算発表にご参加いただき誠にありがとうございます。株式会社ROXX代表取締役社長の中嶋汰朗です。本日は、まず当社の事業内容を簡単にご説明した後、2025年9月期第1四半期の業績、今後の成長戦略、今期の業績予想をご説明します。よろしくお願いします。

本日のプレゼンター

はじめに私の簡単な自己紹介となります。ROXXは私が大学在学中に立ち上げ、現在12期目となります。

私はもともとミュージシャンを目指してバンド活動を行っていました。なかなか売れず諦めかけたタイミングで、大学の講義でいろいろな起業家の方のお話を聞く機会があり、それを転機に、今度は音楽ではなく事業で大きなものを作りたいと同級生を集めて作ったのが当社となります。

同級生の就職先を探すことを最初の事業にしたところから人材領域に入りました。そこから何度も事業転換していく中で、主に年収200万円台の方、これから正社員を目指す方にフォーカスしてから、直近6年で大きく成長を遂げています。

事業概要

当社の事業概要についてご説明します。当社は、「ノンデスクワーカー」と呼んでいる、現場で働く方々を対象とした転職プラットフォーム「Zキャリア」を運営しています。主に、建築・物流・接客・飲食・製造・警備などの求人企業と、求職者をマッチングさせる事業を展開しています。

社会課題

社会課題についてです。前提として、労働人口は今後ますます減っていきます。特に、足元の2025年から2026年、2027年にかけて、実は急激に労働人口が減っていき、2030年で300万人以上、2040年で1,000万人以上が不足するといわれています。

業種別では、工場・販売・物流・建設・介護・飲食業界でそれぞれ50万人から100万人近く不足するといわれています。

社会課題

また、現在日本で働いている給与所得者のうち、年収400万円以下の方がおよそ半分、学歴別では約3分の2が非大卒、雇用形態別では約4割が非正規雇用であるのが現状です。

これまで、キャリアのある方に向けた転職サービスはかなり充実してきているものの、どちらかというと目先の生活に困っている方や、これから正社員として手に何らかの職をつけていきたいような方に向けた転職サービスは、実は多くありませんでした。

ノンデスクワーカー向け転職プラットフォーム

そのような方々に向けて、当社は「Zキャリア」という転職プラットフォームを展開しています。

ビジネスモデルの概要(Zキャリア)

あらためてビジネスモデルについてご説明します。「Zキャリア」には2つのマッチングルートがあります。1つは、「Zキャリア」で求職者を集め、当社内で転職支援を行うキャリアアドバイザーが、求職者に我々の持つ求人情報を紹介して企業とマッチングさせるルートです。

いわゆる一般的な成果報酬型の人材紹介で、転職が決まった際には企業から1件あたり約60万円の成果報酬をいただいています。

もう1つは、10名以下程度の小規模な人材紹介会社約400社に、パートナー紹介会社として「Zキャリア」のプラットフォームをご利用いただいています。

小規模ゆえに、なかなか大手企業との取引がなく、求人情報を持っていないような、立ち上げ間もない紹介会社が、「Zキャリア」を通じて求職者を企業に紹介するかたちで、我々がそのマッチングの間を取り持っています。

その際、パートナー紹介会社経由で成約した場合には、同じく約60万円を企業にお支払いいただきます。そのうち2割を「Zキャリア」が手数料としていただき、8割がパートナー紹介会社に支払われます。

求職者

現在「Zキャリア」に登録いただいている方の年収は平均で約258万円で、特徴としては、特に就きたい職種がないという方がおよそ半分を占めています。

また、パソコンを持っていない方が約3分の2を占めています。転職活動の序盤である、希望職種をベースに求人を探したり、これまで働いていた職種・業界で求人を絞っていくことが難しく、応募に際して必要な書類をうまく作成できないなど、一般的な転職活動とは異なる課題があります。

転職の理由としては、一番多いものが「非正規から正社員になりたい」、続いて「年収を上げたい」「今の労働環境をより良くしたい」と、目先の課題が強いという特徴があります。

求職者の特徴

求職者の特徴として、そもそも「自分で転職先を探せない」「面接を受けたことがない」「現場で働いていて面接を受けに行く時間がない」といったところに課題を感じています。

参考:求職者の流れ

そのような方々への認知拡大を図るために、1月4日から「Zキャリア」のCMをテレビやビデオオンデマンドサービスで開始しました。

求職者の流入から成約までの流れとして一番多いものは、検索、SNS、外部アライアンスなどで「Zキャリア」を知って流入してきた求職者に対して、電話やLINEを通じて直接企業を紹介し、決定時に我々がフィーをいただくケースです。

それに加えて、スカウト機能や、ある程度自分で探しやすいようなサービスの提供により、複数のルートを通じて入社まで支援する流れになっています。

求人企業

実際の成約先の職種としては、建築現場の管理・監督を行う施工管理が23パーセントと一番多く、続いて販売・サービス、事務、エンジニアリング、法人営業、その他と、かなり幅広く紹介しています。

求人企業の特徴

一般的なキャリア採用では、1社あたり多くて数名です。これに対して当社のお客さまに関しては、1つの求人につき数百人から数千人、同じポジションで全国を対象に、学歴・職歴を問わず募集している大手案件を中心に、「Zキャリア」に掲載いただいています。

先日も、串カツ田中ホールディングスさまの事例をIRに掲載しましたが、例えば毎年150名くらい採用している正社員のうち、約30パーセントを「Zキャリア」経由で採用いただいており、その他さまざまな採用サービスの中でも非常に高いシェアとなっています。

その他、ビーネックステクノロジーズさま、夢真さま、事務系ではマンパワーグループさまなども非常に採用人数が多く、それに伴って当社のシェアも約1割から3割とかなり上がってきています。今後もまだ上がる余地があると、興味深く捉えています。

Zキャリアにおける転職実績

実際に「Zキャリア」を通じて転職された方々は、平均所得が転職前の約258万円から約312万円に、約50万円上がっています。手取りに換算するとだいたい17万円前後から、3万円から4万円増えているイメージです。

使えるお金が増えると生活に少し余裕が生まれ、これまでできなかったことに挑戦できたり、遊びに出かけたりなど、さまざまなことを実現できます。特に、昨今の人手不足を背景に、学歴・職歴を問わない求人も増えており、そのような部分も新たな市場が生み出されている1つの要因となっています。

私やバンド時代の友人の経験から言えば、20代は好きなことをして、例えば非正規で自由度の高い働き方を選んでも、だんだん年齢を重ねたり、家族の環境や身近な環境も変わっていく中で、やはり安定した収入が欲しいと思うタイミングが必ずきます。

そのような時に、「Zキャリア」を通じて正社員になり、年収を上げていくきっかけを作るという事業を通じて、正社員就職の支援に取り組んでいます。

業績ハイライト

ここから2025年9月期第1四半期の業績についてご報告します。はじめに業績ハイライトです。第1四半期の売上高は10億6,600万円、前年同期比で49.3パーセント増と、通期業績予想の成長率とほぼ同水準の成長を実現しました。営業損益は赤字幅の縮小を実現し、非常に良いスタートが切れたと感じています。

続いて中期的な見通しについては、2027年9月期で売上高約100億円、営業利益率約20パーセントを目指しています。こちらは年明けから開始しているマス広告を含めた戦略投資の効果を問わずとも実現できる、大きな指標の1つと考えています。

そこにつながる今期の通期業績予想は、売上高は52億3,500万円、営業損益は前期と比較しておよそ半減のマイナス1億9,500万円と赤字を見込んでいます。

この後ご説明しますが、特に上期はマス広告を中心とした戦略で、採用や体制の変更など、後半しっかり伸びるように、足元でさまざまな施策に取り組んでいます。

以上のことから、営業損益は前期と比較して特に上期の赤字幅が大きくなると見込んでいるため、第1四半期の結果に関してもあくまで当初の見立てどおりとなっています。

2025年9月期第1四半期の業績サマリー

第1四半期の業績サマリーです。先ほどお伝えしたように売上高は前年同期比49.3パーセント増の10億6,600万円となっています。営業損益は1億7,200万円の赤字、営業損益率は前年同期比で12.0ポイント改善となっています。

業績(四半期)の推移

四半期の業績推移です。通期業績予想に対する第1四半期の進捗率は20パーセントとなっています。前期、前々期における進捗率がそれぞれ21パーセント、19パーセントですので、今期も例年どおりの順調な推移となっています。

売上高は前年同期比で大きく伸びている一方、赤字幅は縮小されていることから、収益性についても改善が進んでいるとお知らせできると思います。

売上高(四半期)の推移

続いて売上高の推移です。売上高構成別では、グラフの濃い紫色部分にあたる「Zキャリア」のパフォーマンス収入が前年同期比で97.4パーセント増と、引き続き大きく成長を続けています。

パフォーマンス収入は、当社経由の手数料と、先ほどビジネスモデルでご説明した社外エージェントの採用手数料を合計したマッチングの売上となっています。

なお、前年第4四半期と比較すると微増となっています。これは、9億1,800万円の売上高となった前年第3四半期に、当社のキャリアアドバイザー数を大きく増やしたことにより、第4四半期に成約数を大きく押し上げました。したがって、本来は第3四半期が季節性的には強いのですが、それを上回るかたちでの着地となりました。

前年第4四半期が一過性に強かったこともあり、今期の第1四半期に関しては伸びが止まったのではないかと見られてしまうかもしれませんが、前年第1四半期と比較した場合、しっかり約50パーセント伸びていることをあらためてお伝えしておきます。

例えば1月から3月に転職を支援した方は、だいたい次の四半期の4月入社となります。当社では入社月に売上として計上されるため、当社のビジネスモデル上、次の四半期の売上を作っていることになります。これは今後も変わらず、そのようなかたちで進んでいきます。

GMV及びテイクレート(四半期)の推移

GMVおよびテイクレートの推移です。当社では、転職決定時に企業からいただいている成約手数料の総額をGMVと呼んでいます。スライドのグラフは、当社経由および社外エージェント経由それぞれでGMVをを表したものになります。

濃い紫色が当社経由、薄い紫色が社外エージェント経由です。グラフ上部にある黄色の折れ線グラフがテイクレートで、当社経由のテイクレートは平均成約単価で約61万円の全額、つまり100パーセントが当社の売上になります。

一方、社外エージェント経由の場合は、平均成約単価約61万円に対して約17パーセントにあたる約10万円が当社の売上となります。

つまり、当社経由の成約が増えるほどテイクレートがどんどん上がっていく仕組みで、テイクレートは前年同期比11.6ポイントの増加となっています。今後も当社経由での成約は引き続き大きく成長すると考えており、テイクレートも徐々に上昇していくと見込んでいます。

なお、当社経由のGMVも前年第4四半期比で下がっていますが、先ほどご説明したとおり、前年第4四半期に当社経由の成約が一時的に大きく増えたことが要因です。一方、社外エージェント経由に関しては、季節性によって前年第3四半期で上がっており、通常のトレンドラインと考えています。

GMVの主要なKPI

GMVの主要なKPIについてです。求職者登録数は44万4,000人と、前年同期比で55.8パーセント増加しています。規模も非常に大きくなってきましたが、現状では目立った獲得単価の高騰はなく、順調に拡大しています。

なお、第1四半期はCM開始前の数値となっており、従来の集客チャネルからの流入による増加となっています。

成約単価については、今後は年に1回の開示とさせていただきます。理由としては、年度で見たときの推移がどうなっているのかが非常に重要と考えているためです。四半期単位では多少前後する数字であることから、年度単位で見ることで十分トレンドはお伝えできると考えています。

また、前年の通期決算発表でもお伝えしましたが、成約単価が上がり続けるのも良いとは限らないと個人的には考えています。というのも、制約単価が上がっていても、成約率が下がってしまうと、GMV、つまり我々の売上は伸びなくなってしまいます。一方で、単価が非常に低くても、その分、成約率が高い求人も重要になります。

つまり、ご支援した方々が1人でも多く転職を実現することで、違うターゲットをとっている企業の求人が増えます。このように、単価が安くても、今までよりたくさん転職が決まっているなど、そのようなところも見ていく必要があります。単価の上がり下がりについては、上がることは非常に良いことですが、下がっているからといって決して悪いことではない、ということをお伝えできればと思います。

売上総利益(四半期)の推移

売上総利益ならびに売上総利益率の推移です。当社は一般的な人材紹介企業とは異なり、先ほどお話しした「Zキャリア」のプラットフォームを通じて、当社以外にも約400社のパートナー紹介会社から紹介を行い、求人企業と求職者のマッチングを行っています。

「Zキャリア」のプラットフォーム利用料として、紹介会社から毎月約22万円をいただき、加えてパートナー紹介会社経由で成約した際には、1件あたり約10万円が当社の売上となります。このように、現状では、売上の大半は固定費に依存しない原価率の低いビジネスモデルとなっており、売上総利益率はおおよそ85パーセント前後と、非常に高い水準を維持していました。

一方で、第1四半期の売上総利益率が前年同期比で4.3ポイント下がっている点について、あらためてご説明します。

今期より試験的な取り組みとして、一部の主要クライアントに限り、RPOと呼ばれる採用業務の代行にトライしています。従来は求職者の紹介のみを行っていましたが、企業の募集要件の策定、ブランディング、つまり求職者の方にどのように映るのか、また、選考プロセスの設計などを行っています。さらに、入社後の離職率の低下に向けて、現場に課題があるのか、そのような部分のヒアリングも行います。実際、離職される方へ「なぜ退職するのか?」などのヒアリングといった部分にも深く入っていくことによって、関係性ももちろんですが、今後の業績の安定性の構築にもつなげていきたいと考えています。

また、現在、当社で開発中のAI面接機能なども、このような全体のプロセスを考える取り組みから導入に至るケースも出てくると考えています。今後、競合等の参入があった場合に備えて、単なる人材の紹介だけでなく、そのような部分が強みになる可能性もあります。今後も新しい取り組みに積極的に取り組んでいきたいと考えています。

今回、一部の人件費がRPOの売上原価として計上された結果、売上総利益率は85パーセントを下回る水準になりました。例えば、従来のようにお客さまの求人を作成する際には、どちらかというと販管費が含まれています。一方、RPOというかたちで受注した場合には、どうしても原価になってしまう会計上の問題もあり、若干下がっています。

今後どれぐらいRPOを増やしていくのかについては、今はまだ試験的な検討段階で、大きな戦略の変更はありません。このため、売上総利益率80パーセント台には変わりはないと考えています。

販売費及び一般管理費(四半期)の推移

販売費及び一般管理費の推移です。こちらは、売上高の成長に対して販管費が抑えられており、前年同期比で16.3ポイントの改善となりました。

また、前年の第3四半期および第4四半期は広告費を抑えていた反動により、今期の広告宣伝費は、当社で適切な水準と考えている3割を若干上回るかたちとなりましたが、求職者登録者数は増加しています。

業界全体では、求職者の獲得に苦戦しているという話をいろいろなところで聞きますが、当社においては順調に進捗しています。今後も、売上高に対して約3割程度を広告費に使っていきたいと考えています。

従業員数の推移

従業員数の推移です。今期第1四半期末時点で290名、前年同期比で20.3パーセント増加しています。Zキャリア事業の強化に伴う採用に加えて、プロダクト開発やコーポレートの採用も実施しました。

前年同期比の売上高の増加ベース49.3パーセントに対して、20.3パーセントの従業員数の増加ということで、従業員数あたりの売上高については成長しているといえます。これは、AI活用による業務効率化や、事業の成熟度の高まりによる改善結果と考えています。

一方で、「Zキャリア」の従業員数の増加も、売上の成長ドライバーの1つです。先ほどご説明したように、現在、登録求職者数が増加しています。このため、当社の従業員数も増加していないと、面談できるキャパシティを拡大させることができません。売上を増加させるためにも、やはり当社の採用も非常に重要になっています。

そのような意味でいうと、約20パーセント増加は少ないのではないかと思われるかもしれませんが、足元の第2四半期には中途採用を約50名、第3四半期には新卒78名が入社予定となっており、通期で見ると、しっかり人員数も増加する計画です。

中途採用においては約3ヶ月、新卒においては約6ヶ月を育成期間と見ていることから、今期における採用の結果は下期から効果が見込めると考えており、タイムラグが発生します。

参考:マス広告の重要性

中期的な見通しについてご説明します。今年の1月4日からマス広告を実施しています。背景としては、当社ターゲットにおいて、「正社員の仕事探し」と聞いても思い浮かべるサービスがないと答えている方は6割以上を占めています。

やはり「正社員になるならZキャリア」という認知をしっかり作り込むことが、長期的な参入障壁を抑制し、集客獲得数、登録求職者数を増やし、集客単価の抑制にもつながると考えているため、非常に重要な打ち手と捉えて、今回CMを実施しました。

参考:広告宣伝のクリエイティブ

今回、菊池風磨さんにうさぎの着ぐるみを着てご出演いただき、「正社員になろうZ!」というキャッチコピーで、非常にキャッチーなCMに仕上がっています。

参考:広告宣伝の目的と内容

広告宣伝の目的と内容についてです。あらためて、「正社員になるならZキャリア」という認知を世の中に作ることを第1の目的とし、テレビCMのみならず、「ABEMA(旧AbemaTV)」や「TVer」といったビデオオンデマンドサービスも含めて、放映を開始しています。

キャスト起用の背景については、先ほどお話ししたように、男女問わず、転職に対して堅苦しいスーツを着ているイメージがあるため、手軽に正社員になれるようなイメージを持っていただきたいと考えています。かなりタイミング良く、菊池風磨さんご自身も活躍されて露出が増えているため、結果的に非常に良かったと考えています。

制作費用については、制作費の一部が第1四半期にも計上されているのですが、制作および放映費の大半の部分は第2四半期から計上される見込みとなっています。

当社の認知度についてはあらためてこれから調査していきますが、しっかり集客の流入をモニタリングし、CMの効果を見極めながら、今後の戦略については判断していきたいと考えています。

参考:戦略投資の考え方

戦略投資の考え方についてです。今期に関しては、本来、このマス広告費を除けば、営業利益としては黒字化が見えてくるところではあります。しかし、やはり市場をしっかり押さえにいくことが、今後の中長期の成長につながると考えていますので、今回、大きく投資をするという意思決定をしています。

中期的な目標

中期的な目標については、ここから3年後の2027年9月期において、売上高は約100億円、営業利益率は約20パーセントという水準を目指して、引き続きがんばっていきたいと考えています。

2025年9月期通期の業績予想

あらためて、2025年9月期通期の業績予想についてご説明します。売上高は52億3,500万円、前年比50.6パーセントの増加を見込んでおり、高い売上成長が継続できると考えています。営業損失は1億9,500万円の赤字の見込みで、前年比で半減、営業損益率で9.8ポイントの改善を見込んでいます。

業績予想の前提

業績予想の前提については、スライドをご覧ください。

配置転換ならびに組織体制の強化

続いて、配置転換ならびに組織体制の強化について、具体的にご説明します。

前年の通期決算発表でもお伝えしたとおり、この第1四半期に、Zキャリア事業において、中長期的な生産性向上を目的とした、大幅な体制変更を実施しました。

具体的には、スライド左側の図にあるように、従来はすべてのプロセスを1人のキャリアアドバイザーが担当していました。ご登録いただいている求職者に電話をかけて、「面談をしませんか?」とお声がけし、ご要望に合った求人を紹介したり、企業への推薦、面接の対策やサポートを1人で行っていました。

これに対し、「Zキャリア」では面談をする前と後の工程別にチームを完全に2つに分け、分業制に体制変更しています。

われわれはインサイドセールス、フィールドセールスと呼んでいますが、面談を増やすチームと制約数を増やすチームで分けることで、効率面、品質面ともに向上する可能性が高いということが、過去の研究を重ねる中で見えてきたため、このような大きな変更を第1四半期に実施しました。

当然ながら、やるべきことや課題感の幅が狭まる分、より効率的に、スピードアップできます。一方で、第1四半期に体制の変更を実施したことで、生産性への影響は一時的に不可避と捉えています。足元では、当初の狙いに近いかたちで成果が見えてきていますので、下期にはしっかりと成果が上がってくると見ています。

体制変更を実施した10月から12月の売上は第2四半期に出てくるため、生産性のイメージとしては、どちらかというと、いったんは下がり、また下期に上がってくるということになります。通期で見たときにうまくいったとお伝えできるように、足元しっかり進めていきたいと考えています。

今回の変更については、個人的には実施して良かったとかなり感じていますので、通期で見ていただければと思います。

参考:業績の季節性

業績の季節性についてです。スライドは今期の業績に対する主要イベントをまとめています。まず最上段ですが、一般的な人材ビジネスと同様、当社の顧客の採用が4月入社に偏ることから、当社は4月が含まれる第3四半期の売上が高くなりやすい傾向にあります。加えて、前述のとおり、前年の第4四半期における自社でのマッチングにおいて、本来の季節性を上回る成約が出ていたことがあります。

スライドの2段目は、当社の採用と売上の相関についてです。中途採用については約3ヶ月、新卒採用においては約6ヶ月をおおよその育成期間と捉えています。そこから売上にしっかりと跳ねてくるということです。この育成の仕組み自体もだいぶブラッシュアップは進んでいますが、計画上もそれぐらいの時間がかかると見込んでいます。

先ほどお伝えしたように、今期第1四半期の中途採用はそれほど多くなかったのですが、第2四半期で約50名の中途採用と、第3四半期には新卒採用で78名が入社する予定です。こちらは採用コストならびに人件費部分が先行して発生することから、売上に反映されるのは下期以降になる見通しです。

当社としても、新卒採用を一気に増やしていくことから、若干見通しづらい部分もありますが、どちらかというと、中長期の安定した成長を見据えると重要な戦略と捉えています。前期も2024年卒で13名の採用を実施し、かなり活躍していますので、今後は中途採用ではなく新卒採用に置き換えていくことも、今期の取り組みの1つとしています。

最後に、今期に限ったポイントをスライドに2つ記載しています。1点目は体制変更についてです。すでに体制変更の実施自体は完了しており、結果としては良いかたちになっていると思います。ただ、この体制変更の結果として、一時的に生産性が下がるとお伝えしたとおり、この結果は次の第2四半期の業績に影響するため、一時的なダウンタイムが発生することはご理解いただければと思います。

2点目は、この1月から開始したマス広告の制作費が第1四半期の計上されると見込んでいましたが、主に第2四半期に計上されることになりました。CM制作費と放映日に変動はありませんが、この2点が第2四半期に重なると予想されます。

結果が出てくるのが下期になるため、通期の業績予想に変更はなく、引き続きしっかり達成できるように進めていきたいと考えています。

私からの説明は以上となります。

質疑応答:闇バイトへの対応状況について

「いわゆる闇バイト発生の有無とその対策において、「Zキャリア」における求人案件の状況を教えてください」というご質問です。

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