エグゼクティブサマリー
大石良氏(以下、大石):代表取締役社長の大石です。スライドに沿ってご説明します。
まずは第3四半期のサマリーです。おかげさまで、第3四半期も順調に成長を継続することができています。サーバーワークス、G-genともに売上高・営業利益が当初想定を大幅に上回る見通しとなったことから、2025年2月期の連結業績予想を上方修正すると発表しました。
加えて、私は決算説明会で毎回「まだまだマーケットは伸びているため、会社としてはトップラインの成長を最優先に考えている」とお伝えしています。一方で、「会社としてトップラインの成長はどのくらい持続すると考えているのか?」「今後の利益計画についてはどのように考えているのか?」というご質問を、株主や投資家のみなさまからいただくケースが増えました。このようなご要望を受け、当社としては2025年4月予定の通期決算発表時に、中期経営方針を公表することを計画しています。
業績予想の修正
業績予想の上方修正についてです。期初のガイダンスでは、売上高を333億9,200万円としていましたが、今回355億6,000万円に修正し、前回発表比106.5パーセントとなっています。経常利益は4億9,200万円としていましたが、今回9億9,600万円に修正し、前回発表比202.3パーセントとなっています。
業績ハイライト(実績)
第3四半期のサーバーワークスグループ全体の業績ハイライトです。売上高は261億9,600万円の前期比132.3パーセント、営業利益は8億2,400万円の前期比114.6パーセントで着地しました。サーバーワークス単体の数字はスライドに記載のとおりです。
また、連結子会社G-genの営業損失はマイナス2,800万円、持分法適用関連会社のスカイ365、富士フイルムクラウド、パーソル&サーバーワークスの3社の投資損失は合わせてマイナス9,700万円となっています。これらを取り込んで、営業利益は8億2,400万円での着地となりました。
業績ハイライト(実績)
スライドの表は、主要科目の前期比較です。連結の売上高は前年同期の198億200万円に対して、今期は261億9,600万円となっており、前期比132.3パーセントの成長を達成しています。
経常利益は前年同期の8億1,900万円に対して、今期は8億4,900万円となっています。一方、サーバーワークス単体で見ると10億円を超える利益を達成している状況です。
特に富士フイルムクラウドやパーソル&サーバーワークスのような新しい領域に積極的に投資することで、先行投資の負担がありながらでも十分に利益成長できることが、チャートからもおわかりになると思います。
業績ハイライト(実績)
今回修正した業績予想に対する、第3四半期終了時点での進捗率です。第4四半期終了時点で、どの指標でも進捗率100パーセントを達成できるように、第4四半期もしっかり進めていきたいと考えています。
主要トピックス1
第3四半期の主要なトピックスについてご案内します。まずはサーバーワークス単体のニュースです。
社員エンゲージメントサーベイで非常に高いシェアを誇っている、リンクアンドモチベーションさまの「モチベーションクラウド」において、最高評価「AAA」を取得しました。私は決算説明会でも何度か「当社の採用は非常に順調に進捗している」とお伝えしています。その要因の1つとして、エンゲージメントサーベイ等で社員からの非常に高い評価があると言えます。
これらが呼び水となり、優秀なエンジニアの採用につながっていくという非常に良いサイクルができていると自負しています。今後もこの良いサイクルをしっかりと強化して、より良い採用につなげていきたいと考えています。
主要トピックス2
次にG-genのニュースです。毎年、Googleさまがパートナーのエンジニアを表彰する制度があります。その中で「Google Cloud Partner All-stars 2024」では4名、「Google Cloud Partner Top Engineer 2025」では24名、G-genのメンバーがそれぞれ表彰されました。
24名という数は、Googleさまのパートナーの中でも単独の企業としては最大の表彰数となっており、G-genのエンジニアが非常に高く評価されていることがおわかりになると思います。
売上高の推移 -連結-
第3四半期の業績について、もう少し詳細にご説明します。スライドのグラフは、四半期ごとの売上高の推移です。ご覧のとおり、順調に成長を続けており、前年同四半期比121パーセントで着地しました。
売上高の推移 -製品・サービス区分別-
スライドのグラフは、売上高を製品・サービス区分別で示したものです。ご覧のとおり、リセールの割合が非常に大きくなっていますが、それ以外のクラウドインテグレーションやMSP(マネージドサービスプロバイダ)のような周辺サービスもしっかり成長することにより、全体として継続的な成長が達成できています。
製品・サービス区分別 -売上高前期比較表-
スライドの表は、製品・サービス区分別の売上高の前期比較です。この数字の中で、リセールだけは為替の影響を受けています。ご存じのとおり、想定していたよりも円高が進んでいない状況があったことから計画よりも上振れし、前期比134パーセントで着地しました。
クラウドインテグレーションは前期比126.9パーセント、MSPは前期比112.4パーセントとなっており、周辺サービスがしっかり成長することで、全体としてはバランスの取れた成長が実現できていると考えています。
製品・サービス区分別 -各社売上構成-
サーバーワークスおよびG-genの製品・サービス区分別の売上高です。サーバーワークスについてはスライドに記載のとおりです。G-genは順調に伸びてきていますが、まだ弱い部分のあるMSPを十分に強化することで、より安定的な収益基盤を築いていきたいと考えています。
クラウドインテグレーション - 各指標の推移 -
クラウドインテグレーションのプロジェクト単価と数の推移です。プロジェクトですので、期ごとの増減は多少ありますが、全体としてはプロジェクト数と取引社数が少しずつ増えていると理解しています。
リセール -為替レートの推移-
参考までに、過去の為替レートの推移をお伝えします。AWSのサービスは、ドルで仕入れて、その時のレートで日本円で請求するというオペレーションになっています。そのため、為替によって売上高が増減することはありますが、利益率への影響はありません。一方で、利益の絶対額については多少のアップダウンがあることをご理解いただければと思います。
リセール - リザーブドインスタンス・Savings Plans-
四半期ごとの実際のAWS利用料です。スライドのグラフは、ドルベースの表示となっています。私は決算説明会で何度か「このグラフは当社にとって非常に重要な意味があるものだ」とお伝えしています。
薄い黄色の部分は実際のAWS利用料、濃い黄色の部分はお客さまが予約購入した分です。この両方の部分が伸びることにより、全体としての成長が達成できているとご理解いただければと思います。
リセール -AWSアカウント数・ARPUの推移-
実際のAWS利用料は、AWSアカウント数と単価の掛け算となっています。アカウント数については、順調に伸びている状況です。単価については、約1万9,000ドルで推移しています。
こちらも決算説明会で何度かお話ししていますが、私どもとしては単価が上がりすぎるのは良くないと考えています。なぜなら、お客さまには「クラウドはリーズナブルで長く使えるサービスだ」と理解してもらいたいからです。
そのため、お客さまのコストが高くなったり、無駄な使い方をされたりしている場合は、私どもが積極的にコンサルティングし、利用量を減らしていく活動も行っています。このような取り組みの結果、単価が1万9,000ドル前後で推移しているとご理解いただければと思います。
LTV(顧客生涯価値)
スライドのチャートは、私が好きで使っているものです。ご覧のとおり、2012年、2013年、2014年と非常に古くからご契約いただいているお客さまも、私どもへの支払いを少しずつ増やしてくださっています。これらが地層のように積み重なって、全体としてこのような成長が実現できていると認識しています。
営業利益の前期比増減要因分析
決算説明資料には、営業利益の前年同期比増減要因分析のような細かいデータも載せています。分析が必要な方は、これらもご利用いただければと思います。
グループ人員数推移
スライドのグラフは、グループの人員数の推移です。ご覧のとおり、製造部門と販管部門のどちらの分野も順調に採用を継続できている状況です。
先ほどトピックスでお話ししたように、当社は社員からも非常に高い評価をもらっています。さらに最近は、このような社員の評価が直接表に出るようなサイトがいくつかあります。私どもとしては、当社の良い評判がそれらのサイト等を通じて外に知られるようになって、採用力に直結していると認識しています。
エンジニアのAWS資格取得推進
実際に入社してくれたエンジニアは、当社の4ヶ月のトレーニングを通じて、AWSの知識を身につけるだけでなく、AWS認定資格の取得も進めています。これらが表に出ることで、当社のエンジニアが優秀であるというレピュテーションが世の中に広まり、それがまた次の案件獲得につながっていきます。このような良いサイクルができていると考えています。
第3四半期の決算概況についてのご説明は以上です。
2025年2月期第3四半期に関する主なQ&A
決算説明資料はホームページからもダウンロードできますが、「想定される質問」として、今回の決算説明会でみなさまからご質問いただくだろう主な内容を回答とともに掲載しています。
1つ目は、中期経営方針の件です。こちらの期間や具体的な内容については、実際の発表をお待ちいただければと思いますが、ここでは方針の狙いをお伝えします。
先ほどお話ししたとおり、私どもはこのマーケットをまだ十分に成長可能性があると見ています。一方で、会社としてはどのくらい伸びると思っているのか、どのような利益計画なのかという経営方針について、株主や投資家のみなさまと共有し、しっかりコミュニケーションを取っていきたいと考えています。今回はそのための材料を提供しているとご理解いただければと思います。
2つ目は、G-genの受注損失についてです。こちらはスライド6ページに記載したとおり、第2四半期でも引き当てた、大規模プロジェクトにおける追加の受注損失となっています。当該プロジェクトの完了は2025年12月になる見込みです。この受注損失引当金は、実際には非常に保守的に将来の赤字の可能性を計上したという性格のものであり、私どもとしては、適切な会計処理と認識しています。
3つ目は、リセールについてです。ARPUが減少しているように見える理由については、先ほどもご説明したとおり、会社としては一定程度、意図的に行っているものとご認識いただければと思います。
私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:採用計画の進捗状況について
司会者:「採用計画の進捗状況はいかがでしょうか?」というご質問です。
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