会社概要
木村晃氏:木村工機代表取締役社長の木村です。まず、会社概要についてご説明します。
本社は大阪市にあり、大阪城の近くに位置しています。8つの営業拠点と3つの製造拠点で日本全国をカバーしています。
当社は1947年に伸銅品の卸売業として設立し、1953年に空調機器の製造販売業を開始してからは業務用空調を中心に事業を展開してきました。
近年では、八尾製作所の建て替え工事を進めており、2024年4月には主力棟が稼働開始しました。技術開発においては、新型の斜平形楕円管熱交換器(コイル)を組み込んだ新製品開発を進めています。
事業領域
当社の事業は業務用空調機器の開発・製造・販売を主としており、その領域は産業・商業・保健の各分野にまたがります。
産業空調分野の領域は、大規模工場・食品工場・精密機器工場・データセンターなど、商業空調分野の領域は大型店舗・商業施設・オフィスビルなど、保健空調分野の領域は、医療、福祉施設・学校・図書館・ホテルなどで、これらの領域でそれぞれの特性にあった製品を提供しています。
また、当社は、建設業界との関わりが深く、ゼネコンからの発注を受けたサブコンと呼ばれる、設備工事事業者が、当社の主要取引先になります。施主から注文を頂戴するケースもありますが、サブコンや商社経由が売上の上位を占めています。
主な製品 「冷温水式AHU」「冷温水式FCU」
当社の主な製品について説明します。当社では、冷温水式AHU(エアハンドリングユニット)、冷温水式FCU(ファンコイルユニット)、空冷HP(ヒートポンプ)式空調機&外調機、冷温水式&空冷HP式工場用ゾーン空調機、その他の5つに分けて管理しています。
まずは、「冷温水式AHU」「冷温水式FCU」についてご説明します。冷温水式またはセントラル空調方式とも呼ばれるこの方式は、中央に熱源装置をまとめて設置し、これによって生成された冷温水を建物内で循環させて空調します。
自然界に存在する水を使用するため環境にやさしく、大規模な建物ではエネルギー効率が良いといわれます。一方で、これらの設備の設計や工事には、専門的な技術が必要となります。
主な製品 「空冷HP式 空調機&外調機」
次に、「空冷HP式空調機&外調機」についてご説明します。空冷HP式は、個別分散空調方式ともいわれます。
エリアごとに分散設置し、室内機と室外機の間を冷媒ガス(フロンガス)を循環させて空調する方式です。
空気から熱エネルギーを取り出す省エネ性の高い技術です。管理や施工もセントラル空調と比べて容易で、中小型の建物に適しています。
HP製品には、室内機と室外機を分けて設置する「直膨式」と、室内機と室外機を一体化した「HP式一体形」があります。
立形ルーフトップ外調機をはじめとする「HP式一体形」シリーズは、当社の主力製品で、室内機と室外機を一体にした構造は、冷媒ガスの使用量や漏えいリスクの低減に繋がります。
主な製品 「工場用ゾーン空調機」
「工場用ゾーン空調機」も、当社の主力製品の1つです。近年の温暖化の影響による気温上昇で、職場環境の改善、従業員の健康・パフォーマンス向上を目的として、工場に本格的な空調を導入するケースが増えています。
当社の空調機は、工場や体育館など、大空間の暑熱対策に導入されています。20メートル先まで気流が十分に届くため、広い工場内でも快適な環境を提供でき、高い除湿能力で、湿度が問題となる環境でも快適さを維持できます。
また、当社独自開発の吹き出し口で結露を防ぎます。さらに、オールフレッシュ外調機と組み合わせて室内を陽圧化する「陽圧換気空調システム」では、より良い室内環境を保つことが可能となります。
2025年3月期 第2四半期 決算概要
それでは、2025年3月期第2四半期の概要について説明します。
当期間は、生産体制の国内回帰による設備投資需要が、引き続き堅調に推移し、売上高は、前年同期比9.0パーセント増の70億2,300万円、売上総利益は、前年同期比6.2パーセント増の31億4,400万円となりました。
その他、当期間のハイライトについては、スライドに記載のとおりです。
財務状況 損益計算書
売上高及び各段階利益についてはスライドに記載のとおりです。
設備投資需要が堅調で、工場、公共施設等での空気質改善の需要を取り込めたことにより、売上高は好調に推移しました。
利益面では、中間純利益において、八尾製作所旧工場棟解体による特別損失3,300万円の計上及び税額控除の減少等による法人税負担増3,900万円が影響したものの、前年同期並を確保することができました。
財務状況 営業利益
営業利益の詳細についてご説明します。売上総利益は、労務費の増加、減価償却費の増加はあったものの、当社独自製品を中心とした販売により高収益率を確保することができました。
販管費は、人件費の増加、売上増加に伴う荷造運賃の増加により微増となりました。
財務状況 貸借対照表
当中間会計期間末における貸借対照表はこちらのとおりです。資産合計は、建設仮勘定の増加、棚卸資産の増加、売上債権の減少等により、前事業年度末に比べ4,900万円減少し、201億1,000万円となりました。
負債合計は、未払金、未払消費税等、仕入債務、借入金、未払法人税等の減少等により、前事業年度末に比べ6億5,600万円減少し、98億5,300万円となりました。
純資産合計は、中間純利益の計上による増加等により、前事業年度末に比べ6億700万円増加し、102億5,700万円となりました。
財務状況 キャッシュ・フロー計算書
キャッシュ・フローの状況です。当中間会計期間における現金及び現金同等物は、前事業年度末より9,200万円増加し、18億800万円となりました。
営業活動の結果、取得した資金は、11億6,200万円となりました。主な増加要因は、税引前中間純利益13億5,300万円、売上債権の減少5億9,200万円、減価償却費2億9,000万円で、主な減少要因は、法人税等の支払額4億7,300万円、未払消費税等の減少1億7,200万円等によるものです。
投資活動の結果、支出した資金は6億8,300万円となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出5億9,100万円、無形固定資産の取得による支出4,700万円、有形固定資産の除却による支出2,200万円等によるものです。
財務活動の結果、支出した資金は3億8,700万円となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入15億円であり、主な減少要因は、短期借入金の減少額14億4,500万円、配当金の支払額3億2,000万円等によるものです。
2025年3月期 第2四半期 分野別・方式別売上高
分野別・方式別の売上高の状況についてご説明します。
産業分野については、機械、精密機器、食品、半導体等の工場において、冷温水式AHU、ルーフトップ外調機が増加したことや、昨今の猛暑への対策として工場用ゾーン空調機の導入が引き続き順調であったことで、前年比3億1,900万円増加の43億1,600万円となり、構成比は61.5パーセントとなりました。
商業分野については、前期にあった大口の更新改修案件の影響により減少したものの、前年比1億4,700万円減少の9億200万円となり、構成比は12.8パーセントとなりました。
保健分野については、ホテル・病院の新設案件、運動施設、図書館、ホール等の公共施設で更新改修案件が増加し、前年比4億800万円増加の18億500万円となり、構成比は25.7パーセントとなりました。
方式別ですが、冷温水式、HP式ともに伸長しましたが、その中でも冷温水式の伸長が大きく、構成比で30.7パーセントとなりました。
2025年3月期 第2四半期 製品別売上高
製品別の売上高の状況についてご説明します。
冷温水式AHUは、精密機器・半導体関連、薬品工場等の環境改善の新設導入案件が増加し、対前年3億4,800万円増の11億4,400万円となりました。
また、冷温水式FCUも、更新改修案件が増加し、対前年6,200万円増の3億8,600万円となりました。
空冷HP式空調機&外調機は、食品関連、給食センター、機械部品等幅広い業種でルーフトップ外調機等が増加したことで、対前年2億3,400万円増の34億6,600万円となりました。
工場用ゾーン空調機は、昨今の猛暑対策のための導入案件が順調に推移し、対前年6,600万円増の9億2,300万円となりました。
その他では、前年同期に熱交換器の大型案件があったことが影響し、対前年1億3,100万円減の11億200万円となりました。
受注状況
受注高及び受注残高の状況についてご説明します。
各分野における設備投資の増加等の影響により、当期の受注は、前年比23.6パーセントの増加となりました。特に産業分野の需要が引き続き堅調に推移しました。
当期は、納期が正常化する中で受注高を積み上げることができ、受注残高は高水準を維持し、対前年6.2パーセント増加となりました。
Topics:「サステナビリティレポート2024」をリリース
木村工機のサステナビリティに関する取り組みをご報告する「サステナビリティレポート2024」を発行しました。
当社の事業概要や事業方針、気候変動対応等の環境への取り組み、健康経営・人的資本などの社会課題への取り組み、ガバナンスの状況等について、2023年度の活動を中心に報告しています。
サステナビリティ活動を通して、幅広いステークホルダーのみなさまとのさらなるコミュニケーションの促進を図っていきます。
「サステナビリティレポート2024」については、こちらよりご覧ください。