2024年9月期第3四半期決算説明

小田慎三氏(以下、小田):株式会社スマサポ代表取締役社長CEO小田慎三です。

藤井裕介氏(以下、藤井):株式会社スマサポ代表取締役副社長COOの藤井です。

小田:まず、昨日夕方に宮崎県日向灘沖で発生したマグニチュード7.1という非常に大きな地震により被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。また、余震など万が一に備え、避難準備やできるだけ事前の対策等、くれぐれもお気をつけいただきたいと思います。

ただいまより、株式会社スマサポの2024年9月期第3四半期の決算説明会を実施します。

NEWS

ニュースを2つご紹介します。まず、1つ目は売上高です。

メインサービスの「スマサポサンキューコール」と入居者アプリ「totono」が順調に伸びています。YoYでは5億3,400万円増、135.5パーセントで着地しています。

2つ目は、営業利益です。

こちらも売上増加に加え、2年前から継続して実施している取引条件の見直しと各種のアライアンスによる業務効率化などを積極的に進めてきました。その結果、黒字に転換し、YoYで1億8,000万円の改善となっています。

INDEX

本日のインデックスです。1つ目は、業績とKPIの進捗についてご報告します。2つ目は、スマサポについてです。毎回ご説明していますが、今回が初めてという方もいらっしゃいますので、あらためてご説明いたします。3つ目は、当社の成長戦略および事業計画をご説明いたします。

2024年9月期第3四半期 業績ハイライト

2024年9月期の第3四半期の業績のハイライトです。売上高は20億3,700万円、YoYで5億3,100万円の増収です。

また、営業利益についてもYoYで1億8,000万円改善しています。

続いて、トピックスについてご報告します。入居者アプリ「totono」が累計20万ダウンロードを突破しました。直近の8月2日のIRで発表したとおり、8月時点では25万ダウンロード突破となっています。

入居者アプリ「totono」はUI・UXのデザインを大幅にリニューアルしたところ、おかげさまで入居者のみなさまから大変ご好評をいただいています。「使いやすくなった」「色味がきれいになって非常に良くなった」というお声をたくさんいただきました。

管理戸数が8万戸を超え、東証プライム市場に上場されている株式会社ジェイ・エス・ビーに「totono」を導入していただきました。みなさまご存知のように、株式会社ジェイ・エス・ビーは学生専門の会社で、デジタルネイティブといわれる世代の方々に我々の「totono」を使っていただき大変ありがたく思っています。

業績の推移_全体

業績報告をスライドのグラフでご説明します。

売上高については、2024年9月期の現第3四半期時点で、2023年9月期通期の19億4,900万円をクリアできています。

前年は赤字決算となっていた営業利益についても、第3四半期は1億600万円の黒字となり、1億8,000万円の改善という大幅なV字回復を果たしています。

2024年9月期第3四半期 主要KPIハイライト

藤井:主要KPIについてご説明いたします。

「スマサポサンキューコール」の導入管理会社数は累計783社となりました。10月1日以来、前期末比で56社増加している状態です。

最重要視するKPIである入居者とのコンタクト数は23万9,188件です。これは入居者にどれだけ連絡を取ることができたかという数字で、商品数×単価でいうところの、商品数に当たります。

今期の目標進捗率は68パーセントと、第3四半期は本来75パーセントですので、想定していた件数よりも若干少なくなっていますが、1商材当たりの単価が非常に伸びています。

入居者とのコンタクト数は、今まで入居時の1点だけでしたが、入居後にサービスを提供するアプリ「totono」と主力の2つのサービスが有機的につながってきています。

従来はインターネットやウォーターサーバーなど、商材を限定して電話1本で販売していましたが、「スマサポサンキューコール」から「totono」へと有機的に連合することで、インターネットとウォーターサーバーに限らず、電気やガス、Wi-Fiなど、商材数が増加してきています。

コンタクト数は68パーセントという進捗ではありますが、連合により、1コンタクトにおける単価が非常に上がってきている状況です。

結果として、トータルの売上が20億3,700万円ですので、その75パーセントほどを占める「スマサポサンキューコール」の売上としては、15億円強が計上されるかたちとなっています。   一方、入居者アプリ「totono」のKPIとしては、不動産管理会社数が121社で、前期末比から17社増加しています。

アプリのダウンロード数に関しては24万2,746ダウンロードで、進捗のうち97パーセントを達成しています。足元では、先日のIRでもご報告したとおり、25万ダウンロードを突破しており、期中の目標をすでにキャッチアップしている状態です。

スマサポサンキューコールの主要KPIの進捗

スライドのグラフは、「スマサポサンキューコール」のKPIの進捗を示したものです。2024年9月期第3四半期のコンタクト数はYoYで3万4,975件増加している状況になります。

入居者アプリ「totono」の主要KPIの進捗

スライドのグラフは、入居者アプリ「totono」のKPIの進捗を示したものです。

契約管理会社数は通期予想154社に対し、4分の3が終わった第3四半期で121社となっています。期末までにあと33社増やすのは厳しいと思ってはいますが、先ほど小田からもありましたように、株式会社ジェイ・エス・ビーのような大口受注を獲得しています。

以前にも申し上げたように、管理会社数はあくまでも指標であり、管理会社が何戸管理しているかが一番重要になってきます。管理戸数でいうと、非常にありがたいことに比較的管理戸数を多く抱える会社と契約できていますので、アプリのダウンロード数に関しても順調に伸びている状況になります。

2024年9月期通期業績予想の修正

そのような状況を踏まえ、本日15時に、決算短信の配信と同時に適時開示というかたちで通期業績の修正も発表しています。本日の発表では、前回発表した25億1,300万円の売上に対し5,800万円の営業利益、26億円の売上に対し1億円の営業利益となり、母数の増減率は70パーセントという非常に大幅な上方修正をかなえることができました。こちらは件数も順調に増加しています。

それに加え、「スマサポサンキューコール」と「totono」のサービス同士の結びつきをしっかり行うことで、各商材を数多く販売することができています。結果として、1コンタクト当たりの単価が上昇していることが見て取れます。

さらに、粗利すなわち営業利益は、原価や販管費も非常にシビアにコントロールしており、前回予想の5,800万円から修正予想は1億円となっています。第3四半期末の実績は、営業利益率が5.2パーセントという状況になりますが、このあたりを引き続き改善していきたいと思っています。

通期の業績の中でいうと、足元の第3四半期終わりの着地が、売上高20億3,700万円、営業利益1億600万円となります。今回の修正で、営業利益1億円ということになりますので、第3四半期終わりで1億600万円あったものが、第4四半期終わりで1億円と、第4四半期単体で見ると赤字となるのが見て取れるかと思います。

これは、入居時サポートとなる「スマサポサンキューコール」の売上が、どうしても引っ越しのシーズンと連動するためです。我々のステージ上でいうと、3月・4月を含む第2四半期・第3四半期は売上が大きく上がり、10月・11月・12月とともに、7月・8月・9月を含む第4四半期は閑散期になります。

つまり、第1四半期と第4四半期に関しては比較的売上が少なく、第2四半期と第3四半期には多くなるという事業の季節性を有していますので、そのような事情から第4四半期に関しては赤字を見込んでいます。

加えて、各種投資を引き続き行っていきたいと思っています。第3四半期の営業利益は1億600万円での着地ですが、通期の着地としては修正後も1億円と見ています。経常利益、当期純利益の段階利益に関しては、営業利益から類推されるという状態になっています。

以上が、本日開示した決算短信および、通期業績予想の修正で発表した上方修正の詳細内容になります。

会社概要

小田:2つ目のインデックスのスマサポについて、あらためて私からご説明します。まずは、会社概要です。当社は、本社を東京に置くほか、大阪、福岡、北海道、和歌山白浜にも拠点を置いています。

経営陣の紹介

経営陣についてご紹介します。私をはじめ、副社長の藤井など、プロパーの役員全員が、不動産管理業界において、入居者と管理会社との問題に取り組んできたメンバーです。

ミッション

スマサポが掲げるミッションは「不動産とIT技術を融合させてsmartなくらしをsupport」です。これまでアナログだった不動産管理会社と賃貸入居者のコミュニケーションの領域で、データやテクノロジーを活用して新たな価値を創造し提供することを、ミッションに掲げています。

事業ドメイン

事業ドメインとしては、不動産の管理業界に対し、我々のアイデアで開発したソリューションをご提供しています。

不動産業界の課題

不動産業界には、書面など紙のデータや電話でのコミュニケーションなどの非効率なやりとりを中心に、さまざまな課題が山積しています。

スライド左側にあるとおり、不動産業界にはさまざまなプレーヤーが存在します。不動産オーナーや、不動産管理会社、不動産仲介会社、そして実際に部屋を探し入居する入居者など、不動産業界に存在するプレーヤー間のコミュニケーションが、どうしてもアナログであるために、さまざまな問題やトラブルが発生しています。

管理会社と入居者のコミュニケーション課題を解決

我々は、管理会社と入居者のコミュニケーションにフォーカスし、課題を解決していこうと立ち上げた会社です。

当社が提供するソリューション

当社が提供する主なサービスソリューションは「スマサポサンキューコール」です。

入居者が引っ越しをする時に必要となるインフラである、インターネットや電気、ガスのほか、ウォーターサーバーなどのご案内、取り次ぎを行っています。

今後、我々のキラーコンテンツとなる入居者アプリ「totono」は、管理会社と入居者との間でアナログかつ一方通行だったやり取りを、デジタルかつインタラクティブ、すなわち双方向でのやりとりに変えていきます。これによって、新たなビジネスのマネタイズや、ビジネスの創出ができると考えています。

こちらもIRで発表していますが、「SKB」は当初、賃貸の入居者と管理会社との鍵のやりとりを便利化しようと考えたサービスでしたが、今、地方自治体において、引き合いを多くいただいています。地方自治体は、例えば公民館や体育館、ゲートボール場のような施設の管理を、市役所の窓口1つで行っているところがあり、市役所にお勤めの方々にとっても鍵の管理が非常に面倒だったためです。

不動産に特化して作った商品でしたが、このあたりも新たな取り組みとして、売上利益に寄与できるものと考えています。

主要サービスのKPIサマリー

主要KPIでは、「スマサポサンキューコール」と入居者アプリ「totono」にフォーカスを当てています。「スマサポサンキューコール」では、契約管理会社のほか、何より入居者とのコンタクト数を重要と考えています。今、このコンタクト数の拡大と併せ、単価も増加しており、売上の増大に寄与しています。

また、入居者アプリ「totono」も契約いただいている管理会社数が増え、120社を超えていますが、それ以上に、実際にお使いいただいているアプリのダウンロード数が主要KPIとなっています。こちらが8月時点で25万ダウンロードを超えました。

スマサポサンキューコール:サービスの概要

「スマサポサンキューコール」のサービスの概要です。従来は、入居者が管理会社にコンタクトをとる機会というと、クレームとはいわないまでも、設備のトラブルや騒音など困り事があって初めてとなるのが主でした。管理会社の立場からすると、入居者とのコンタクトとは、入居者から何か連絡があった時に対応するという、どちらかというとリアクションが主でした。

それが、我々の「スマサポサンキューコール」が入ることにより、まず入居の際に我々からご連絡を差し上げて、これからの新生活におけるインフラの対応や取り次ぎに対応します。

同時に、管理会社の自己紹介ではありませんが、「これから管理会社さんがこのようなかたちで対応してくれますので、この電話番号にかけてください」という案内や、入居時のアンケート調査などを我々が行います。

従来のように何かあった時に初めて連絡するのではなく、まず入居の際に我々が代わりにしっかりとごあいさつして、住み心地の調査や入居時のインフラのお手伝いなどを行うというのが、この「スマサポサンキューコール」の概要となっています。

スマサポサンキューコール:ビジネスモデル

このように管理会社は、我々に業務を委託することによって収益が上がります。我々は入居者にインフラをご提供することで収益が上がります。こちらを管理会社とシェアすることで、管理会社にとっては非常に有益なサービスになります。

totono:サービスの概要

主力商品の入居者アプリ「totono」においては、入居者と管理会社のコミュニケーションを円滑にしていきます。これまではどうしても電話連絡が主になっていたため、就業時間中に電話しないといけなかったり、土日はつながりにくかったりということがありましたが、これをデジタルのチャットコミュニケーションに変えることで、入居者はいつでも気づいた時に連絡が取れるようになります。

totono:ビジネスモデル

これによって、コミュニケーションは活発になりますし、なによりも従来はリアクションばかりだった管理会社が、こちらからアクションをかけることができるため、さまざまなサービスを入居者に展開することも可能となっています。

したがって、冒頭にご説明したように、例えば地震や大型台風など、日本は自然災害と切り離せない生活になっていますが、そのようなことがわかった時にこちらから注意喚起していくことも可能です。地震発生時に対応がわからない、避難場所がわからないといった時も、管理会社の発信で避難誘導や安否確認ができるかたちになっています。

我々は、今後の賃貸不動産業界において、入居者アプリ「totono」はインフラとして欠かせないものと考えているため、いち早くみなさまのお手元に届くよう営業を強化していきたいと思っています。

成長戦略

成長戦略および事業計画についてです。2024年9月期の基本方針は、非連続的成長を図るため、入居者アプリ「totono」の先行投資の期間と位置づけ、「スマサポサンキューコール」とのバランスを見ながらの成長を目指します。

実質的なアクションプランとしては、3つ掲げています。1つ目が「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化です。2つ目は入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大です。3つ目は入居者アプリ「totono」の他社連携等による収益機会の拡大です。

①「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化

1つ目のアクションプランである、「スマサポサンキューコール」の拡大による、安定収益の強化についてです。昨年2023年8月より、日本最大の管理会社である大東建託グループへサービスの提供を開始し、1年が経過しましたが、順調に稼働を続けています。

また、株式会社リクルートの「申込サポート by SUUMO」という電子申込システムとの連携も果たし、こちらも順調に拡大を続けています。

申込関連業務は今後、紙からデジタルに変わっていきます。株式会社リクルートが提供する「申込サポート by SUUMO」で電子申し込みを行うことにより、我々の「スマサポサンキューコール」と自動連携するため、「SUUMO」の電子申し込みが増えるにしたがって「スマサポサンキューコール」も拡大していくような座組みになっています。

②入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大

2つ目のアクションプランである、入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加についてです。2024年6月時点で120社を超える契約者数を突破していること、また非常に重要なダウンロード数は8月時点で25万ダウンロードを超えることから、さまざまなアライアンス先との提携が叶っていきます。

③入居者アプリ「totono」の他社提携等により収益機会の拡大

3つ目のアクションプランである、入居者アプリ「totono」の他社連携事例についてです。現在はブックオフグループホールディングスと提携し、引っ越しの際に必ず出る不用品買い取りを宅配で行うようなサービスもスタートしています。

また、警察OBからなる株式会社ヴァンガードスミスという、近隣トラブルの対応、騒音・クレームに対応するコールセンターとも事業連携をしており、騒音・クレーム、近隣トラブルが起きた時はこの株式会社ヴァンガードスミスと「totono」の連携により、入居者には迅速な対応と事態の収束を提供することができます。

管理会社にとっても、従来は自社対応していたものを株式会社ヴァンガードスミスにアウトソーシングすることで、自社の管理業務の削減につながっています。当然ながら「totono」のダウンロード数の増加に伴って業務効率化が叶っていくため、これによって我々は非連続的な成長を目指していきたいと思っています。

成長ストーリー

我々が描く成長ストーリーについてです。当社は設立以来、「スマサポサンキューコール」を基盤として事業を拡大してきました。2022年12月にIPOをしましたが、入居者アプリ「totono」を賃貸業界のプラットフォームにすべく、営業を注力しており、現在は順調に拡大しています。

ここからの成長戦略としては、「totono」からBtoBtoCということで、実際に利用している入居者に対するサービス展開をすることにより、非連続成長を果たしたいと思っています。今はちょうどその過渡期であり、これからBtoBtoCモデルを確立していくフェーズに入る段階ですので、このあたりはぜひご期待いただきたい最重要なところです。

SNSを活用したIR情報の発信

このような我々の取り組みや、新たなアライアンス先との提携といった情報は、株主や投資家のみなさまには、逐一ご報告、配信しています。「X(旧・Twitter)」「note」でIR情報を随時配信しているため、スライドのQRコードからアクセスいただければと思います。頻繁にIR情報を発信しておりますので、ぜひ楽しみにご覧いただけたらとIRチーム一同思っています。

以上が、2024年9月期第3四半期の決算説明です。

質疑応答:来期以降の投資の方針について

小田:「上方修正の数字を見ると、第4四半期単独では営業赤字の計算になります。来期以降に向けた投資を行う前提を可能な範囲で教えてください」というご質問です。

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