ポイント
濱渦隆文氏:ファイバーゲートの濱渦です。2024年6月期第3四半期の決算についてご説明します。まずポイントとして、第3四半期累計ですが、経常利益が前年比で10.3パーセントの増益となっています。
全社としては、第3四半期までの数字で計算したEBITDAのマージンは32.4パーセントです。ホームユース事業のクロスセル販売の部分では、フロー売上比率が10.6パーセントに達しました。
ビジネスユース事業においては、第3四半期累計の営業利益が前年比で54.3パーセントと高い伸びを見せました。通期の見通しについては、現状据え置きとしています。
2024/6期3Q連結決算概要
概要を詳しくご説明します。第3四半期累計として、売上高は前年比で約16パーセント増の95億3,700万円となり、経常利益は前年比で約10.3パーセント増の18億9,600万円となりました。
経常利益率は前年比で約1パーセント減少することになっています。第3四半期は、比較的利益率の低い不動産事業の売上が入ったため、利益率は下がっています。
連結決算概要 四半期別推移
四半期別の推移です。発生ベースですが、ホームユース事業とビジネスユース事業それぞれで過去最高の売上となっています。営業利益は、ビジネスユース事業と不動産事業において前年比で伸長しています。
特にビジネスユース事業については、後ほど詳しくご覧いただきますが、これまで受注から納品までの時間がかかっているところがネックでした。しかし、ようやく納品が進み、売上も利益も伸長しました。
ホームユース事業については、増収を続けています。フローの売上の利益率は高いですが、この第3四半期において、一時的に苦戦しており、利益率については少し減少してしまいました。
EBITDAの推移
EBITDAの推移です。第3四半期のEBITDAを12ヶ月換算で見ていただくと、マージンは32パーセントで、金額としては48億円です。今後も、比較的高い水準のマージンのまま継続できると見ています。
ホームユース事業 開通戸数内訳
ホームユース事業の開通戸数の内訳です。第3四半期発生ベースのホームユース事業における新築案件の開通戸数は、ほぼ前年並みの水準です。実際に、ホームユース事業のマーケットとして、ニーズに変わりはないと認識しています。今回の第3四半期については、新築の割合が非常に高くなったという傾向です。
昨年も同じですが、1月、2月、3月の第3四半期は、新築が非常に多く出てくる傾向があります。今回の第3四半期も同様で、57パーセントという非常に高い比率となっています。これまでにない高い比率ですが、第4四半期以降は、比率がまた少し下がることが想定されます。
ホームユース事業 クロスセルの状況
ホームユース事業のクロスセルの状況です。クロスセルにも注力しています。フローの売上として、クロスセルでどれだけの比率で貢献したかということについて記載しています。
第3四半期は約8,000万円、クロスセルは10.6パーセントまで向上しました。ストックも合わせると1億円を超える金額まで増えています。
今後もクロスセルについては、商材を増やす等により比率を高めていきたいと考えており、まだお勧めできていないところもあるため、こちらを徹底し、比率を上げていくことを推進していきたいと考えています。
ビジネスユース:営業利益率と顧客内訳
ビジネスユースはスライドのとおり、営業利益率が33.3パーセントと高い伸びを見せることができました。第2四半期も上昇していたのですが、さらに高められたということです。
これは、大規模な案件の獲得の継続や、より高度な、高付加価値なサービスの提供により利益率が上がっていくという傾向にあります。
スライドで顧客属性の内訳を示しています。「医療/介護」「公共/交通/物流」「観光」などの納品数が多くなりました。
こちらの分野が、2年ほど前にこちらでご説明した、我々の注力したいと考えているターゲット領域であり、ちょうどこの領域が、このタイミングでようやく実を結んできました。この領域は今後もまだ伸びる余地があると考えているため、引き続き注力していきたいと考えています。
またこの背景としては、やはりパートナーとなる企業の拡大が前提となっています。直近1年で3割ほどパートナー数が増えていますが、引き続きパートナーの開拓を進めながら、ビジネスユース事業をさらに拡大していきたいと考えておりますので、ぜひご期待いただければと思います。
ストック収入・フロー収入の推移
ストック収入・フロー収入の推移です。グラフのとおり、この第3四半期のストック収入は21億2,000万円となりました。これは通信分野のところです。
一方でフロー収入は10億9,000万円で、およそ3分の2がストック、3分の1がフローという構成となっています。今後も当面はこのような構成が続くものと見ていますが、ストックについては着実に積み上がってきています。
主要指標の推移
KPIの状況です。第3四半期が終わり、レジデンスWi-Fiのサービス接続済戸数はようやく60万戸を超えました。引き続きこのペースを守りつつ、数を増やしていくことを想定しています。
ビジネスユースについては、フロー売上を先行指標とし、初期の売上が発生するフローの売上を追っていますが、第3四半期に大きく伸ばし、グラフのとおり6億3,800万円まで積み上がりました。第4四半期も引き続き、このフロー売上の増加を目指します。
2024/6期連結決算見通し① 総括表
通期の決算の見通しです。冒頭にお伝えしたとおり、通期の着地の見通しは据え置きとしています。売上高137億円、営業利益25億3,000万円、経常利益25億2,000万円を目指しています。
第3四半期の結果まで出ており、残り第4四半期の見通しはスライドの表のとおりです。特にビジネスユースについては、下期の想定利益率26パーセントを達成できる見通しです。
2024/6期連結決算見通し② 主要前提条件
KPIについても据え置きの内容です。通期としては、レジデンスWi-Fiサービス接続済戸数62万戸、ビジネスユースのフロー売上高11億円を目指します。
配当方針(2024年3月13日発表)
配当方針については3月13日に発表したとおり、ようやくキャッシュフローの改善が見えてきたため、株主のみなさまへの還元を強化したいと考えています。
これまでの方針と変わって配当性向を33.3パーセントと設定しています。今後は成長を維持しつつ、株主への還元、財務強化のすべてを図りながら進めていきます。
トピックス
トピックスを5つご紹介します。
地域最大級の移動型クラフトフェアWi-Fi協賛
1つ目のトピックスは、地域最大級の移動型クラフトフェアWi-Fi協賛です。昨年に続き、このようなイベントに我々のフリーWi-Fiスポットを地域貢献として提供しています。
今後もこのような機会があれば、地域貢献も兼ねて対応していきたいと考えています。
ラピダス千歳ムービングハウスにWi-Fi提供
2つ目のトピックスは、ラピダス千歳の「ムービングハウス」へのWi-Fi提供です。北海道千歳市に、ラピダスが工場を建設中です。その工事に従事する作業員の方々が、株式会社アーキビジョン21のコンテナを使った簡易型の住居「ムービングハウス」に移住します。
その「ムービングハウス」の中に、当社がWi-Fiを提供しています。ラピダス千歳工場の工事はこれからもまだまだ続いていきますので、引き続き提供を継続していく予定です。
東神楽町と通信/環境連携協定締結
3つ目のトピックスは、北海道の東神楽町と連携協定を締結したことです。ビジネスユース・再生可能エネルギー事業の両方の分野において、今後協力させていただくことになりました。
町の施設へのWi-Fi提供および、CO2削減に向けた再生可能エネルギーの推進の両面で、我々のサービスを提供していきます。
フェイスネットワーク社、再エネシステム導入
4つ目のトピックスは、フェイスネットワーク社の再エネシステム導入です。フェイスネットワークは、ホームユース事業において、すでにパートナー企業となっています。
今後は、当社グループの再生可能エネルギーシステムの導入も進めていきます。
通信サービスに加えて再生可能エネルギーというエネルギーインフラも提供し、より付加価値の高いサービス実現を目指しています。
個人投資家向けIR説明会実施
5つ目のトピックスは、個人投資家向けIR説明会の実施です。随時開催しており、直近では3月13日に、代表の猪又による説明会をオンラインで開催しました。内容については、スライドに記載のとおり、動画、書き起こしのQ&Aも含めて公開していますので、ぜひ一度ご覧いただければと思います。
今後についても、随時オンライン説明会を予定しています。直近では5月28日に予定しており、代表の猪又がみなさまに向けてご説明する場となっていますので、ぜひご視聴いただければと思います。
Wi-Fi, Anywhere 「すべての施設にWi-Fiを」
第3四半期が終わり、残り最後の1四半期を残すところとなりました。「すべての施設にWi-Fiを」というテーマで進めていますが、ビジネスユース事業については徐々に成果が出始めてきています。
今後も、全社員一丸となってこのテーマを実現していくとともに、次なるサービスである再生可能エネルギー事業を組み合わせ、ハイブリッドのインフラサービスをより一層実現できるように進めていきます。
引き続きみなさまのご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。本日はご視聴ありがとうございました。