目次
青山英生氏:ケイティケイ株式会社代表取締役社長の青山です。2024年8月期第2四半期の連結決算についてご説明します。
今回は、最初に2024年8月期第2四半期の決算概況、次に2024年8月期の業績予想、最後に2024年8月期第2四半期までの取り組みについてお話しします。
業績ハイライト
決算概況です。スライドの表に、売上高や利益についてまとめています。売上高に関しては、前年同期比でほぼ横ばいの結果となりました。営業利益・経常利益は前年同期比で減益となり、純利益においては前年同期を上回る結果となっています。
この上半期にグループ会社のオフィスをリノベーションし、私どもがグループビジョンとして掲げている「Change the office mirai」を実現するオフィスを作り上げました。これにより、自社の社員のエンゲージメント向上を図っています。
これからのIT関連やオフィス関連のもととなるようなライブオフィス、あるいは今後のいろいろな展開のためのショールームのようなものを作った結果、経費が膨らんでいます。さらに、人材面において、特にIT分野で先行的に人材を投入したことも経費が膨らんだ要因になっています。
ただし、このことはもともと予想しており、株価の状況から、当初より一部の政策保有株式を売却することを考えていたため、純利益は前年同期を上回っています。
2024年8月期 第2四半期決算概況
スライドの表に第2四半期の予算比を掲載しています。売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべてにおいて、予算比を上回る結果となりました。
四半期毎の売上高の推移
四半期毎の売上高の推移です。第1四半期と第2四半期は、前年同期比でほぼ横ばいの結果となりました。
四半期毎の営業利益の推移
営業利益に関しては、先ほどお伝えした先行投資の要素もあり、第1四半期、第2四半期ともに前年同期比で減益となりました。
営業利益の分析
ウォーターフォールチャートによる営業利益の分析です。売上総利益については、利益率の向上によって稼ぐ力はついていますが、繰り返しお伝えしているIT関連の先行投資等で経費が増えてしまったことにより減益となっています。
売上総利益と利益率
売上総利益と利益率の推移です。2022年8月期第2四半期は、総利益率が21パーセントでした。そこから2年が経った2024年8月期第2四半期は23.6パーセントまで向上しています。今後も、利益率を高めるような施策や商品製作等を行っていきたいと考えています。
セグメント別実績(サプライ事業)
次に、セグメント別の業績です。サプライ事業においては、売上高は前年同期比でほぼ横ばいとなりました。
セグメント利益に関しては、前年同期比96.5パーセントとやや下回っています。こちらは、駒ヶ根工場や春日井工場を含めた自社製品の販売がやや鈍化したことが要因です。この上半期に新規活動が少し停滞してしまったことが課題だと認識しています。
こちらは下期に挽回し、私どもの製品をより多くのお客さまにお届けできるような活動を強化していきたいと考えています。
セグメント別実績(ITソリューション事業)
ITソリューション事業においては、売上高・セグメント利益ともに減収減益となりました。
スライド右側のグラフをご覧ください。2022年8月期第2四半期に比べ、2023年8月期第2四半期は売上高が30パーセントほど伸びました。これに対する若干の反動により、売上高は前年同期比で97.7パーセントとなっています。2022年8月期第2四半期と比べると、売上高は約127パーセントの成長となっています。
この要因として、2022年度は半導体不足のため、非常にタイトな商品供給の中でビジネスを展開していました。昨年度は半導体不足が解消して通常に戻り、その反動で売上高等も伸びました。それに比べて本年度は逆の反動が起きてしまったこともあり、売上高が若干減っています。
セグメント利益に関しては、人材の先行投資等が影響して減益となりました。
貸借対照表
バランスシートは前期から大きな変化はありません。現段階においては自己資本比率が44パーセントとなっています。今後もきちんとした戦略的な活用も考えていくことが課題だと認識しています。
2024年8月期 業績予想
2024年8月期の業績予想は、期初計画から変わっていません。売上高は180億円、営業利益は3億8,000万円、経常利益は4億8,000万円を計画しており、1株当たり当期純利益は57円92銭として、計画どおり遂行しています。
配当に関しては、上期は中間として1株につき8円、期末も1株につき8円、計16円を計画しています。こちらも予定どおり進めたいと思っています。
サプライ事業の取り組み
2024年8月期第2四半期までの取り組みです。スライドは、私どもの基盤事業であるサプライ事業の概念図です。真ん中に、利用、返却、入荷、生産というかたちで循環を表したモデルが出ています。
この図の左下に、当社のリサイクルトナーの外箱とカートリッジが写っていますが、その横に「YORIDORI(ヨリドリ)」と記載しています。こちらは、私どもが開発している新しい仕組みです。
スライドのイラストは、スマホ画面上にQRコードが載っています。このQRコードをフルに活用し、サーキュラーエコノミー、すなわち循環型のビジネスモデルの実現に向けて、トレーサビリティの確保などを具体的なビジネスに盛り込んでいくのが、私どもの「サステナブルパートナープログラム」です。
概要を簡単にご説明すると、私どものリサイクルトナーにはQRコードが付いています。現段階においても、スライド右上の写真でお示ししたように、工場でQRコードを読んでいます。背景には山が写っていますが、このような場所でバーコードスキャナーでQRコードを読み取っており、さらに工場から出荷しトラックに積む時にも、スキャンしています。
一番のポイントは、今後お客さまがご利用になる際にも、QRコードを読んでいただくことで、リサイクル製品が循環することを確実に立証できるという、トレーサビリティが可能なモデルを考えているということです。
スライドに「顧客参画型システム」と記載していますが、従来は私どもケイティケイ側のみで、入荷と出荷の際にQRコードを活用していました。今後は、利用するお客さまも、この同じQRコードを読み込むことにより、資源を有効活用する姿をしっかり見ていくことができます。
トレーサビリティを確保することで、確実な回収体制と再資源化をさらに図り、結果としてCO2削減量や、廃プラスチックの削減量等もきちんと数値化し、環境貢献レポートとしてお客さまに提出することも考えています。
近日中に、この仕組みについてもリリース予定ですが、先行してご案内しました。
ITソリューション事業の取り組み
ITソリューション事業の取り組みについてです。ITソリューション事業では、リアルの展示会等も開催していますが、Webメディアも公開し始めました。今後はリアルの営業とITを使ったWeb型の集客の両輪で、ビジネスを展開していきたいと思っています。
1点、スライドの左上の「展示会・セミナーの開催」にお示しした「MRO」という言葉について、ご紹介します。これは「メンテナンス・リペア・オペレーションズ」の略語で、お客さまの保守や修繕など、さまざまな業務オペレーションについての提案を意味します。
このようなMRO領域のニーズについても、セミナー等で非常に関心をいただいているため、今後ビジネスの中に織り交ぜて、提案していきたいと考えています。
企業価値向上に向けた取り組み
IR活動については、2年続けて「名証IR エキスポ 2023」に参画しています。数多くの個人投資家の方と接点を持ち、当社事業について、より多くの方に知っていただくように努めてきました。あわせて、個人投資家向けのセミナーについても開催しています。
スライド右側は、当初よりお伝えしている、グループ会社のオフィスのリノベーション事例で、私どものグループ会社の写真が載っています。
リノベーションの結果、オフィス全体に、フリーアドレスに対応したWi-Fi環境を構築し、どこでも、誰でも、自由に仕事ができるだけでなく、結果としてアイデアが生まれたり、いろいろなミーティングができるような環境を整備しました。
今後は社内での活用だけではなく、お客さまにもご案内しながら、グループビジョンである「Change the office mirai」を進めていきたいと考えています。
トピックス
こちらは参考資料です。私どもはこの2024年3月1日に、新しい会社をグループに迎えました。東海桜井株式会社です。こちらは主にスキャニングサービスをビジネスとして展開しています。
私どもはもともと、ドキュメントソリューションという、紙をプリントアウトするプリンティングソリューションを展開してきました。同時にITソリューション事業として、複合機やプリンターで打ち出した紙をデータ化して、サーバなどきちんとした安全な環境に収納するネットワークセキュリティも手がけてきました。
お客さまといろいろなお話しをする中で、特に電帳法をきっかけに、過去に打ち出し保管してある書類をスキャニングして、データ化したいというニーズの多さに気づきました。
東海桜井株式会社はもともと、そのようなスキャニングを手がけており、私どもとしては、紙の打ち出しあるいはデジタル化、以前に保管した書類もきちんとデジタル化するようなことをフルラインアップで提案するためにグループ化しました。
スライド右側のイラストは、私どもグループ会社の中に新しいピースが加わったことを示しています。今後は、相乗効果を狙ってお客さまにいろいろなサービスを展開していきたいと考えています。
トピックス
「YORIDORI」では、環境貢献数値を提案しています。お客さまに特段、新しいことをしていただく必要はありません。私どものトナーに付いているQRコードをスキャンしていただくだけで、循環型もきちんと証明できるかたちで環境貢献数値をご案内できる仕組みです。
単にリサイクルトナーを販売するだけではなく、このようなプログラム自体に加盟していただくようなことを、今後進めていきたいと考えています。
トピックス
こちらは今年の2月、中部経済新聞に掲載された記事です。
サステナビリティへの取り組み
サステナビリティへの取り組みですが、私どもの工場がある長野県の駒ヶ根市からも要請を受け、学校と一体となった人材育成事業「ウミガメプロジェクト」に参画しています。
また、機会があればぜひネットで検索していただきたいのですが、スライド右側にはSDGs情報メディア「EARTH NOTE」についてご紹介しました。数多くの企業や学校、病院、自治体等、さまざまな団体にご協力いただき、それぞれがSDGsに取り組んでいることを、私どもが勉強すると同時に、それらを1つのメディアにまとめてご紹介するという活動をしてきました。
最近では数多くのお問い合わせもいただいていますが、私どもも環境貢献企業の一員として、このような活動をきちんと今後も進めていきたいと考えています。
サステナビリティに関する主な指標の推移
「ktk Fact Book 2023」では、私どもの男女の賃金格差、女性活躍、管理職に占める女性の割合、男性の育休等の実態を数字で示しています。これは社員にも共有して、今後きちんとしたかたちで会社が運営できるように、数字も公開した上で、より良い会社になるように努めていく所存です。
株主還元(配当)
配当についてのご案内です。期初の予想どおり、今期は上期8円、下期8円、通期16円を予想しています。スライドのグラフのとおり、2018年からほぼ右肩上がりで配当を増やしてきました。
私どもの中期経営計画においても、配当性向を30パーセントまで引き上げるように努力するとご案内しています。今後もこの方針に沿って、株主のみなさまにきちんとしたかたちで安定的に還元ができるように努めていきたいと考えています。
株主還元(株主優待制度)
昨年、株主優待制度として、当社の株式を20単元・2,000株以上保有する株主さまを対象に「ケイティケイ・プレミアム優待倶楽部」を新設しました。
進呈するポイントを、さまざまな特典や商品に交換していただけるプログラムを用意しています。ぜひこちらもご覧になって、当社の株式や会社自体にますます関心を持っていただくようお願いします。
会社概要
最後に会社概要です。こちらは、ご覧いただければと思います。
以上、2024年8月期第2四半期の決算の状況をご説明しました。これから通期に向かって、きちんとしたかたちで戦略を実行して、当初の予想どおりの業績を上げられるように努めていきますので、引き続きご支援いただきますよう、よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。