GENDA at a Glance
申真衣氏:これより、株式会社GENDAの会社説明をさせていただきます。株式会社GENDA代表取締役社長の申真衣と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
まず、会社概要となります。当社の設立は約5年前の2018年5月になりますが、創業から約5年の直近通期決算で売上高461億円、営業利益42億円、ROE36パーセント、連結従業員数4,000名を超える規模に成⻑することができました。
GENDAグループ概要
現在は連結子会社6社、持分法適用関連会社2社を含めた8社のエンターテイメント企業を傘下に収める、純粋持株会社となっております。なお、一番右の米国現地法人のKiddletonについては、9月29日付で当社の100パーセント子会社となることを8月31日に発表しています。
沿革
続いて、当社の創業からの沿革について、説明させていただきます。当社は、創業前の2018年3月に共同創業者である片岡と私が出会うところから始まります。当時私は、前職にて充実した日々を送っておりましたが、現状からの変化やさらなる成長を求め、さまざまな起業家や経営者との面談を重ねる中で、片岡と出会いました。
バックグラウンドは異なるものの、前職での確かな実績を有する片岡と意気投合し、当社を共同で創業することを決めました。その2ヶ月後である2018年5月、アミューズメントマシンレンタルビジネスを祖業として、当社を設立し、創業1期目から黒字を達成しました。アミューズメント業界を中心に事業領域を拡大する中、創業3期目の2020年にセガサミーグループよりセガ エンタテインメント社の株式取得をしたことが大きな転機となりました。
そこから複数のゲームセンターのM&Aに成功するなどにより、事業規模を拡大してきました。そして今年7月28日、東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。
主力のアミューズメント施設運営を含む4つの事業内容
当社グループは「アミューズメント事業」の単一セグメントではありますが、現在はその中で「アミューズメント施設運営」「オンラインクレーンゲーム」「アミューズメントマシンレンタル」「セールスプロモーション」の4つのビジネスを営んでいます。現在は、右側のグラフのとおり、当社子会社であるGENDA GiGO Entertainment等が手掛ける「アミューズメント施設運営」の売上高が全体の9割超を占めています。
立地やターゲットに応じた3つの店舗形態で全国251店舗を運営
GENDA GiGO Entertainmentは「GiGO」ブランド等でゲームセンターを展開しています。そのGENDA GiGO Entertainmentは「ショッピングセンター型店舗」「都市駅前型店舗」「ロードサイド型店舗」と3つの出店形態を有しており、さまざまな立地に店舗展開を進められることが強みの1つとなっています。
Aspiration【大志】/Vision【野望】
GENDAのAspirationは「世界中の人々の人生をより楽しく」です。そのために2040年に世界一のエンターテイメント企業になることを目指します。
当社の成長戦略 M&Aを加速させ、さらなる成長ステージへ
その「世界一のエンターテイメント企業」になるための成⻑戦略について説明をさせていただきます。
成⻑戦略の1つ目は、「国内既存事業での連続的な成長」です。現在の主たる事業であるゲームセンターでの新規出店とM&Aによる店舗数の増加が業績を牽引しております。
成⻑戦略の2つ目は、「海外での連続的な成長」です。当社グループでは現在、アメリカ、中国、台湾へ進出しております。今後は米国でのさらなる成長や、それ以外の地域への進出も実現していきたいと考えています。
そして最も重要な3つ目の成長の軸は「M&Aによる連続的な非連続な成長」です。エンターテイメント関連領域における周辺企業のM&Aにより事業を拡大してまいります。国内外における連続的な既存事業の成長と、M&Aによる事業領域の拡大を伴う非連続な成長により、当社が作り出す世界中の楽しさの総量を増加させながら、「世界一のエンターテイメント企業」を目指してまいります。
世界一のエンターテイメント企業を目指すGENDAグループの 成長戦略を支える、3つの領域のプロフェッショナル人材
以上の成長戦略を実現するべく、当社では3つのプロフェッショナルチームを組成しています。1つ目はエンターテイメント企業の経営経験を有する人材、2つ目はテクノロジーの人材、3つ目はM&Aおよびファイナンスに精通した人材です。
エンターテイメント企業経営者
まずはエンターテイメント企業経営者のチームです。当社には、エンターテイメント企業での経営経験を有する人材が集まっています。
代表取締役会長の片岡はイオンファンタジーの代表取締役社長を5年間務めておりました。また、GENDA GiGO Entertainment取締役会長の上野は旧セガ エンタテインメントの代表取締役社長でしたし、代表取締役社長の二宮はバンダイナムコアミューズメントの執行役員を務めた経験を有する等、ゲームセンタービジネスに精通したメンバーを集めることに成功しております。
②テクノロジーチーム
また、テクノロジーについても非常に強いチームを組成し、内製でDXを進めることができています。
CTOに元グリーの執行役員開発本部長の梶原、VPoEに元ZOZOテクノロジーズのiOSリーダーの荒井をはじめ、その他にも、リクルートやヤフー等で活躍していたテックリード層が多数集結しています。これらのメンバーで、まだマニュアルな面が多いエンターテイメント業界においてDXを進め、お客さまへ新たなサービスの提供や業務効率の改善を進めていきたいと考えています。
顧客アプリの開発を内製化することで、アプリの新規会員数を大幅に増加
このメンバーで行ったことをいくつかお話しさせてください。まずはお客さま向けの会員アプリの改善です。
会員アプリのUIを改良し、アプリを活用したDX施策を推進しております。今後もこのようなDXを通じて、ゲームセンターに今までになかった楽しさを創出していきたいと思っております。
店舗業務をスマホで行う従業員用アプリをリリース
また、社内の業務アプリもテクノロジーのチームがゼロから内製で作りました。
景品管理のDXにより、管理コストを削減しつつ、発注の最適化を可能に
このアプリによって、店員が持つスマートフォン上で景品の在庫や売上状況を確認できるようになりました。
その結果、これまで事務作業等に割かれていた時間をお客さま対応に充てることができるようになるため、顧客満足度の向上につなげていきたいと考えています。
③ファイナンス/M&Aチーム
3つ目のプロフェッショナルチームはファイナンス/M&Aに関するチームです。CFOの渡邊を含む投資銀行出身者、公認会計士3名、元大手法律事務所の弁護士、メガバンクのM&Aファイナンスの人材がそろっています。
創業以来取り組んできた14件のM&A及び資本取引案件
これらのメンバーで、創業以来M&Aおよび資本取引をご覧のように行ってきました。
非連続的な店舗数増加等、連続的なPMI
以上のように、ファイナンス/M&AのチームがM&Aした会社を、アミューズメント施設運営のプロフェッショナルチームとテクノロジーチームでバリューアップさせてまいりました。
創業以来の売上高・EPS推移
このような施策の結果、売上高は創業時の4億円から461億円へ、1株当たり当期純利益は2.6円から約110円まで42倍に成長しました。
最後に、エンターテイメントで世界一を目指すGENDAがなぜゲームセンターを中心に事業をスタートさせたか、についてお話しします。
今ゲームセンターでは、クレーンゲームが大人気
一昔前はゲームセンターというと、ビデオゲームがイメージされていたかと思いますが、今は景品を獲得することを目的としたクレーンゲーム(プライズゲーム)が主流となっています。
プライズゲームの急成長により、2019年時点で市場規模は約5,400億円
ゲームセンターの市場規模の推移です。2006年の約7,000億円から2014年の約4,200億円まで市場規模は40パーセント縮小しました。
この間に起きていたことは、ご想像に難くないと思いますが、ネットやスマホのゲームへの置き換わりです。ですが、市場は2014年を境に拡大基調に反転します。
これを牽引したのが、プライズゲーム人気です。プライズゲームは5年で1.7倍もの飛躍的な成長を遂げました。
2020年の新型コロナウイルスの影響で市場規模そのものは大きく縮小しましたが、2021年においては、プライズゲームに限ってみると業界過去16年を遡っても最高額の売上を計上しています。
3つのトレンドがプライズゲームの成長を後押し
では、なぜそれほどまでにプライズゲームが伸びているのか。その背景にあるのが、全世界的な日本アニメの人気が急速に拡大したことによるものだと考えております。
アニメ人気の拡大の火付け役となったのが、「動画配信サービス」です。アニメのオンラインでの消費拡大が進んだ結果、好きなキャラクターのグッズをほしいというオフライン消費が拡大し、来店目的の明確化につながったと考えております。
また、中古市場サービスの発達がプライズ獲得のために課金する際の心理的ハードルの低下につながったり、SNSの浸透によりゲームセンターでの体験や感動が来店後も継続することによりリピーターや新規顧客の創出につながったと考えております。
以上のとおり、ゲームセンター市場は、アニメ需要により成長を継続する市場であるにもかかわらず、新規参入が極めて少ない、実は非常に魅力的な市場であると私たちは感じております。
アミューズメント施設運営企業のロールアップ余地
その魅力的な市場の中で我々はM&Aを積極的に推進していきます。ゲームセンター業界は、上位10社でも半数程度のシェアしかなく、業界再編余地があります。
11位以下にも100社以上のプレーヤーが確認できております。なかにはプライズゲームなどの人気商品への投資ができないために集客に苦労し、経営難に陥っている会社も存在します。それらの企業がGENDAグループにジョインすることで、例えば適切な投資を行うことができるようになり、お客さまにもっと喜んでいただける店舗作りを進めることが可能です。
実際に当社は昨年3社のアミューズメント施設をグループに取り込んでおります。今後も地方の小型店舗を保有するような会社、あるいは後継者不足に悩む会社の受け皿ともなりうるような取引を行い、全国津々浦々のお客さまにもアミューズメント施設を通じた「楽しさ」を享受していただけるようにしていきたいと考えています。
説明は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。