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松本俊人氏(以下、松本):みなさま、こんにちは。アズ企画設計代表取締役の松本です。本日は土曜日でお休みの方も多いと思いますが、これから当社のプレゼンテーションを始めます。どうぞよろしくお願いします。

本日の流れとしては、当社の概要、事業内容、決算概要および中期経営計画、今後の成長戦略と新たな取組み、株主還元の順でご説明します。

会社概要

松本:まず、会社概要です。当社は、東京本社と埼玉本店の2ヶ所で営業している不動産会社です。特に収益不動産と、現在はクラウドファンディングサービス事業も重視して事業を進めています。

スライドに記載のとおり、従業員数は50名から60名ほどの比較的小さな会社で、東京本社に40名、埼玉本店に20名弱が在籍しています。

企業理念

松本:企業理念に「空室のない元気な街を創る」を掲げ、空室問題を解決し、元気な街を創ろうと事業を進めています。当初は埼玉本店からスタートし、地域密着営業を行っていましたが、約8年前から東京に進出し、現在は首都圏を中心に不動産に関わるAからZまで幅広い事業を展開しています。

代表者紹介

松本:私のプロフィールです。不動産に関わる事業を埼玉や東京で展開してきました。10年ほど前から東北へも進出しており、空室問題を解決し、街を元気にするというコンセプトで事業を進めています。

アズ企画設計の歴史

松本:当社の歴史についてご説明します。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):こちらについておうかがいしいます。もともと渋谷で売買仲介を行っていたところから川口に移ったのですよね?

松本:実際に当社の経営に私が携わり始めたのは1993年からですが、もともとは友人の会社でした。その会社は渋谷にあり、当社がM&Aというかたちで買収した後、本店移転を目的に埼玉県川口市で事業をスタートさせています。元の会社の所在地が渋谷だったということで、渋谷を中心に事業を展開したことはありません。

坂本:本格的に事業を始めたのは川口からということですね。

松本:おっしゃるとおりです。

坂本:川口から発展してきた経緯などもおうかがいできればと思います。

松本:私が当社の経営に携わったのは1993年5月からで、川口で事業をスタートしました。スライドに記載のとおり、当初は地域密着の営業を展開していたのですが、2016年12月に本社を東京に移転してから、都心・首都圏まで幅広い物件を取り扱うように事業内容がやや変わっていきました。

そして、2018年に当時のJASDAQに上場するものの、その後、社会的な金融問題により当社の業績が少しダウンサイドになってしまうのですが、案件を見直すことで事業を立て直し、現在、中計の3年目に入っています。8月28日には、東京本社の移転も控えており、次の展開に向かって努力しているところです。

坂本:スライドのグラフを見ると、東京に本社を移転してから売上高が飛躍的に成長していますが、この背景を簡単に教えてください。

松本:実際に移転してみてわかったのは、東京の情報量の多さです。埼玉では、取り扱う情報の7割から8割は地元のものでしたが、東京に移転してからは、埼玉の情報だけではなく、首都圏の情報を幅広く扱えるようになりました。

当社の特色(1)

松本:当社の特色です。当社は、埼玉県川口市という比較的コンパクトな中規模都市から事業をスタートし、30年の歴史のうち約22年は地域密着営業を行ってきました。

その中で、オリジナルキャラクターである「ハウスくん」を考案し、広報誌の「ハウスくん通信」を発行しています。また、「アズサロン」という同業者の交流会も25年ほど開催しています。このように、お客さまや取引先に当社のことを覚えていただく取組みを続けていることが1つ目の特色です。

当社の特色(2)

松本:もう1つの特色として、この10年ほど、川口市に拠点を構えるサッカーチーム「アヴェントゥーラ川口」をサポートしています。現在は関東リーグ2部でがんばってくれています。

私自身はサッカー経験があるわけではないのですが、川口市の代表的なスポーツになってほしいという願いを込めて、スポーツを通じた街の活性化という意味でも、青木公園にある競技場をホームグラウンドにして、チームを応援しています。

過去には選手兼社員が6名、現在はOBの社員が1名、現役の社員が2名、このチームに所属しています。社員の活躍と選手の活躍、加えてチームとしての活躍を会社全体で応援しています。

サステナビリティへの取組み

松本:サステナビリティについては、2021年11月から取り組んでおり、不動産事業を通じて地域や社会と共生を目指しています。

事業内容(1) 3つのコア事業

松本:事業内容をご説明します。当社は、不動産の販売・賃貸・管理の3つの事業を行っています。そのうち、売上高の9割以上を不動産販売事業が担っており、こちらを強化しています。

事業の詳細については後ほどご説明しますが、もともと起業した当時は、スライド中央の不動産賃貸事業、特に住居系のリーシングがメインでした。その後、賃貸の件数が多くなってくるにつれて、不動産管理にも事業を拡大していったのですが、先ほどお伝えしたとおり、本社を東京に移転してから、不動産販売事業の業績が非常に良くなりました。現在は売上の9割以上がレジデンスやビルの販売となっています。

ターゲットとして、不動産販売事業は富裕層の不動産投資家や黒字企業などを対象にしています。一方、不動産賃貸事業と不動産管理事業のターゲットは伝統的な富裕層である不動産オーナーや地主などが対象です。

不動産販売事業はフロー収益型のビジネスモデルです。ストック型である不動産賃貸事業や不動産管理事業の比率をどのように高めていくかが当社の課題だと認識しています。

坂本:販売物件の中から不動産管理事業を受けることがあると思いますが、何割くらいの割合で受けているのか教えてください。

松本:現在は3割から4割くらいですが、年々この割合は増えています。直近では45パーセントくらいになってきていると思います。

坂本:安定したサブスクリプション収益になっていきますね。

松本:おっしゃるとおり、安定収入です。会社の知名度とともに、不動産管理事業の受託割合が増えています。

事業内容(2) 不動産販売事業

松本:メインの不動産販売事業についてです。一都三県を中心に、3億円から10億円くらいの投資用不動産を販売しています。先ほどお伝えしたとおり、現在は居住用のレジデンス、1棟のマンションといった案件の取り扱いが多く、案件種別の拡充が当社の課題です。

ほかにも、プレミアムマンションなどの実需の事業や、収益不動産についても、ここ数年は既存の中古物件を扱うだけではなく、土地から購入して開発することもあります。

坂本:不動産販売が主力事業とのことですが、主に取り扱っている物件の規模はどの程度でしょうか? また、直接買い取りの流れも教えてください。

松本:現状は3億円から10億円で、特に3億円から5億円くらいの価格帯が案件としては多いです。ただし、なるべく価格帯を上げ、種別も事業用の割合を増やすべく取り組んでいます。

事業内容(3) 不動産賃貸事業

松本:不動産賃貸事業についてです。不動産賃貸事業は、当社がオーナーから不動産を借り上げて貸し出す事業(サブリース)ですが、一般のアパートやマンションだけではなく、未利用の土地やオフィス、場合によってはホテルなどの不動産を借り上げて、当社で投資・運用を行っています。

例えば、トランクルームやコインパーキング、シェアオフィス、民泊などのオペレーションも不動産賃貸事業として展開しています。

事業内容(4) 不動産管理事業

不動産管理事業です。不動産管理事業は、不動産オーナーや投資家の所有不動産、または収益不動産のハード面やソフト面の管理を当社で行い、入居者に快適な環境を提供するサービスです。年々、管理戸数を増やしており、現在1,800戸ほどの管理を行っています。また、ストック収入となっていますので、事業の強化にも取り組んでいます。

当社の強みについて

当社の強みは、一言で言うと物件の取得からリノベーション、賃貸、販売の一連の流れにおける回転の速さです。

千代田区神田岩本町にある新築オフィスビルは満室まで3ヶ月、世田谷区深沢にある物件は満室まで1.5ヶ月でした。単にリーシングを早期に行うだけではなく、ビフォーアフターで賃料を増額させています。スピーディーな展開と付加価値が特長です。

坂本:御社がリノベーションを施すとのことですが、リノベーションの費用はオーナー負担になるのでしょうか?

松本:社有物件の場合は当社負担です。サブリースの場合は当社で投資することもあり、そのようなケースが多いです。

坂本:それはおもしろいですね。うまくいけば、御社のサブリースと賃料の差をかなり取れるということでしょうか?

松本:そのとおりです。

当社のポジショニングと事業領域の拡大について

松本:当社のポジショ二ングと事業領域の拡大についてご説明します。スライドに記載しているとおり、当社は現在、青丸の場所に位置していると考えています。取扱物件の価格帯は3億円から10億円、および15億円程度ですが、上場リートと比較するとやはり価格は低いです。

縦軸は案件の種別です。事業用(オフィス等)と居住用(レジデンス等)で分かれていますが、当社は比較的、居住用の物件を多く取り扱っています。そのため、今後はオフィスビルなどの事業用の不動産を増やし、10億円から20億円の価格帯の案件を扱えるよう、取組みを進めています。既存事業は継続しつつ、事業の領域を広げていきたいと考えています。

当社の課題について

当社の課題についてです。当社は2月決算で、売上は下期偏重となっています。そのため、売上・利益が平準化していないのが一番の課題です。さまざまな取組みの結果、徐々に改善しているものの、11月・12月・1月・2月と第3四半期から第4四半期に偏重しています。年間通じて、売上・利益の平準化を目指しています。

また、業界的な課題として、収益不動産の租税効果による影響があります。居住用の不動産を取得した時点で、消費税が租税公課としてカウントされてしまうため、損益計算書上、利益をやや圧迫してしまいます。

その期に売却できれば租税公課が解消されますが、期をまたぐ場合はその期の利益がやや下振れしてしまうため、こちらについても、売上・利益を平準化することで解決していこうと考えています。

坂本:これは平準化しなくては厳しいのでしょうか? 最近は、四半期決算において投資家の見る目が厳しくなっています。最終的に、ある程度成長して株主に還元できればよいと思いますが、気になりますか?

松本:みなさま数字を意識されているため、気にせざるを得ません。

坂本:僕は投資家としても活動していますが、さほど気にしていません。数年分の四半期決算を見れば凹凸がわかるため、最終的な部分を重視しています。不動産業界の偏重傾向は、投資家のみなさまもおそらく理解しています。安定したからといってPERが高くなるわけではありませんが、お考えはよくわかりました。

松本:そのように考えている方が多いと助かります。

坂本:これは基本だと思います。

2023年2月期 決算概要(1)

松本:2023年2月期決算概要と中期経営計画についてご説明します。2月決算のため、8月で上半期のゴールに近づいています。売上高は93億7,400万円、営業利益は4億9,500万円、経常利益は3億4,900万円、当期純利益は4億9,300万円です。

前期(2022年2月期)は東北事業の特別損失を減損処理した関係で、当期純利益がマイナスになっています。この部分はイレギュラーな結果になりましたが、メインの事業は順調に成長してきていると考えています。

2023年2月期 決算概要(2)

セグメントごとの詳細をご説明します。保有不動産の賃貸収入や東北ホテルのコスト削減、現在も行っている民泊事業の売上稼働率の上昇を要因に、2023年2月期は特に不動産賃貸事業が伸びました。引き続き、それぞれの事業を強化していきます。

中期経営計画(2022年2月期~2024年2月期)

中期経営計画です。毎年、売上高約10億円、当期純利益約1億円の積み上げを目指しています。中期経営計画最終年度となる今期は、スライド右端の数字を目指し、計画どおりに進めています。次期中期経営計画については、今期のうちに発表したいと考えています。

坂本:不動産販売事業をメインに行っていくことになると思います。現在、事業用のオフィスビルを中心に、3億円から5億円程度の物件を購入しているというお話がありました。

成長を見せるという意味で売上を伸ばすことは大切だと思いますが、利益を求めることも、方向性としては考えられると思います。物件を厳選して購入し、保有期間の長期化を図れば、現在の売上でも利益率は上がってくると思います。このあたりの売上・利益のバランスについて、お聞かせください。

松本:とてもよいご指摘です。私および当社の幹部社員も考えていますが、物件を厳選して利益率を上げ、長期保有によるストック収入の向上を目指しており、それが実現しつつあります。

ただし、取扱件数を増やしていかなければ、優良物件には出合えません。厳選したいところですが、Sランクの物件を見つけるために、Aランクであれば10件、Bランクであれば20件を取り扱うことになります。数多くの情報から物件を厳選し、すべてSランクの優良物件としたいところですが、現状は難しいという課題もあります。

坂本:所有していても、損にはなりませんよね。

松本:多くの物件を取り扱うことにより、厳選されたSランクの物件を見つけることができます。

坂本:一概には言えませんが、Sランクの物件はおそらく利益率が高いと思います。現状の物件規模は3億円から5億円ですが、10億円、20億円規模の物件のほうが利益率は高くなりますか? 

Sランクが10億円から20億円であればよいのですが、10億円から20億円のA・Bランク、3億円から5億円のA・Bランクは、利益率が違うのでしょうか?

松本:物件が小規模だからといって、必ずしも利益率が低くなるわけではなく、物件の売上額が少ないと数を増やさなくてはいけません。価格帯を上げることによって、一定の利益が確保されます。

また、個人よりも法人のほうが必要性が高く、事業法人がターゲットに入ってくることにより利益率も上がる可能性が高いです。

坂本:買い取りも含めて、事業法人をターゲットに開拓していくということでしょうか?

松本:そうですね。在庫を増やすことで長期保有が可能になるため、現在はそこを目指しています。

中期経営計画達成に向けた成長戦略

松本:成長戦略と新たな取組みということで、現状をご説明します。ポイントは2つで、価格帯の向上と商品種別の多様化です。

現在のメインの価格帯を3億円以上にし、10億円から20億円まで最終的に規模を拡大したいと考えています。また、種別についてはレジデンスからオフィスや店舗などの事業系を増やしていきます。

不動産開発事業(新築建設)やプレミアムマンション事業(区分マンション)は、実需の区分の種別数を増やし、価格帯の向上を目指し強化しています。

購入資金も必要なため、資金調達方法を新たに4種類増やしています。また、水面下で業務提携やM&Aを進めています。

成長戦略 – 営業戦略① 価格帯の向上

営業戦略として価格帯の向上を意識して取り組み、一定の成果が出ています。今後も価格帯を上げて、売上・利益を向上させるように努めます。

成長戦略 – 営業戦略② 商品種別の多様化

松本:商品種別の多様化についても結果が出てきています。スライドの円グラフに事業用ビルおよび区分マンションをピンク色の枠で示していますが、割合としてはレジデンスが多かったところから居住用から事業用へとその面積が増えています。実需のプレミアムマンションや区分マンションなども取り扱っていこうとしています。

成長戦略 – 新たな取組み① 不動産開発事業

松本:新たな取組みということで、まずは不動産開発事業についてです。写真横の表に記載のとおり、世田谷区用賀、板橋区大和町、台東区東上野、板橋区本町と4つプロジェクトを行っています。土地を購入し、そのエリアに合ったものを当社で企画して開発しています。

IRでもお知らせしましたが、板橋区大和町の物件は防音マンションということで、やや味付けした企画となっています。

成長戦略 – 新たな取組み② プレミアムマンション事業

松本:プレミアムマンション事業についてです。プレミアムマンションはどちらかというと実需向きで、収益不動産ではないのですが、都心の5区を中心に、プレミアム感がある物件を差別化して提供するということで、過去に2件販売しました。

現在は、日暮里、新宿、九段にて、すべて最上階で、ある意味ではペントハウスとも言えるような差別化した物件を企画・商品化中です。このような物件の取扱いを今後も増やしていきたいと思っています。

成長戦略 – 新たな取組み③ 不動産特定共同事業(不特法)

松本: 不動産特定共同事業法についてです。クラウドファンディングサービスは現在最も力を入れている事業です。8月17日から8月22日まで、Webで「ハウスくん2号ファンド」のPRを行っています。

当社では、オーナーへの少額出資や当社の新たな資金調達手段として、クラウドファンディングを利用しています。昨年実施した1号案件は、2,000万円の募集に対して約7,700万円集まりました。現在、2号案件を3,000万円ほどで募集していますが、今朝の時点で5,800万円と、募集額の約195パーセントの出資が集まっています。

成長戦略 – 新たな取組み④ 不動産エージェント制度

松本:不動産エージェント制度についてです。当社の社員数は現在50名から60名ですが、社員以外に不動産の営業を行ってもらうため、3年前からケラー・ウィリアムズのフランチャイズとしてエージェント制を導入しています。現在、40名ほどのエージェントが活躍しており、今年、エージェント制の部門を子会社化し、強化しています。

坂本:このエージェント制というのは、宅建の資格を保有しておらず、また、開業しなくても、御社に物件や顧客を紹介して成約すればフィーをもらえるビジネスという認識で合っていますか?

松本:そのとおりです。

坂本:本業でなくても紹介できる方がいればよいですね。

松本:そうですね。昨年ですが、当社のエージェントの中には副業で3,000万円ほどの収入を得ている方も出てきました。

坂本:どのような方がエージェントとして登録していますか? 士業の方が多いですか?

松本:大家業の他、税理士や社労士、行政書士などの士業の方も多いです。

坂本:非常におもしろい取組みですね。

成長戦略 – 新たな取組み⑤ 資金調達手段の検討

松本:資金調達手段の検討についてです。先ほどの不動産特定共同事業法のクラウドファンディングサービスにも関係していますが、「Funvest」や「Bankers」など、他社のクラウドファンディングサービスを利用した資金調達を行っています。

また、各銀行のコミットメントライン・当座貸越は、ある程度の枠を取って資金を借りています。このような取組みによって事業が拡大しています。

成長戦略 – 新たな取組み⑥ IT投資

松本:IT投資についてです。これは時代の流れですので、さまざまなサービスの利用や業務提携によって、スライドに記載しているような効率化を着々と進めています。IT投資の主な目的は効率化ですが、効率化によって空いた時間は、営業力を強化するために活用します。今後とも、IT投資を進めていきたいと考えています。

その他の取組み① 新株予約権の発行

松本:現在、第3回新株予約権の発行を行っており、行使が進んでいます。昨年、行使価額を1,640円と1,800円に設定しました。当社は東京証券取引所が設定している上場維持基準に達していなかったため、流通時価総額の基準の達成を目的に、株主数を増やそうということで行っています。

8月9日時点で、第3回行使の約80パーセントまで進んでいます。今後も、業績を拡充して行使が進むように努力していきます。

その他の取組み② 東京本社の移転

松本:東京本社の移転についてです。スライドに写真がありますが、8月28日に、丸の内オアゾの一角にある新丸の内センタービルに移転します。8年前、神田に本社を構えて以降、業績が急激に伸びました。移転することにより新たな交流を増やし、業績の拡充に努めていきます。

その他の取組み③ IR/PRの拡充

松本:IR/PRの拡充についてです。本日のような投資家を対象にした説明会に、今後も積極的に参加したいと思っています。開示する情報の質・量や、発信チャネルを充実させ、IR、PRを拡充していきたいと考えています。

配当政策

松本:配当政策についてです。今期から株主への配当方針を見直しました。これまで、自己資本比率30パーセント以上を掲げて事業を進めてきましたが、期末における不動産の在庫を増やそうとすると自己資本比率が低下し、30パーセントを達成できる状況にありません。

一方で、期末に在庫を増やすことによって営業活動を強化できますので、業績の状況をみて配当を実施することにしました。みなさまに、よい結果を報告できるように今後も努めていきます。

株主優待

松本:株主優待については、今年2月からQUOカードを年2回贈呈することに変更しました。株主へのメリットを考え、年2回に増やしています。

2024年2月期 第1四半期 不動産販売事業の状況(1)

松本:2024年2月期第1四半期の不動産販売事業の状況です。率直に言いますと販売が進んでいません。

IRで順次ご報告していきますが、現在の状況は決して悪くはありません。その理由としては、第1四半期までに在庫を着実に確保しており、なおかつ、現在リフォーム中の物件や新築中の物件が順次完成し、これから優良な物件をお客さまに提供できるためです。

質疑応答:第1四半期の販売数が0件である理由について

坂本:「第1四半期の販売は0件で、例年この時期は少ないとのことですが、0件である理由について、単純に販売が思わしくなかったのでしょうか? それとも仕入れている物件が大型化して、交渉が長引いているのでしょうか? 在庫はあるというお話だったのですが、このあたりを含めてもう少し教えてください」というご質問です。

松本:例年第1四半期の販売は少ないのですが、第1四半期に予定していた物件の販売が、第2四半期から第3四半期にずれ込んでいます。したがって、物件に魅力がないということではなく、営業のタイミングがやや遅れ気味だったことが要因です。

質疑応答:株主優待変更の方針と今後の見通しについて

坂本:「今回の株主優待の変更はどちらかというと、一人ひとりに多く株を保有してほしいというよりは、株主数を増やしたいという考えだと思っているのですが、そのあたりについて教えてください。また、この方針はしばらく続くのでしょうか?」というご質問です。

松本:ご指摘いただいたとおり、目的は株主数を増やすことにあります。加えて、取扱高と出来高を増やしたいと考えており、おかげさまで少しずつ成果が出ているのではないかと考えています。

質疑応答:東北のホテルにおけるコスト削減方法について

増井麻里子氏:「東北のホテルは、どのような部分でコスト削減をしたのでしょうか?」というご質問です。

松本:IRでリリースしていますが、東北のホテルは、まず営業を止めました。しかし、止めただけで、一時期は従業員をそのまま雇用し続けていましたので、お客さまが来ない状態で人件費が発生し続けていました。

そこで、営業を止めて、スタッフの方にも円満に辞めていただいて、最終的にはホテルを売却しました。3施設を売却し、1施設は地元の高校の寮として、さらに1施設はコールセンターとして転用しました。

寮とコールセンターというかたちで、ホテルをホテル以外の用途にして安定収益化を実現しました。売却と利用方法を変えることで収益化したことと、その手前でコスト削減できたということで、事業の円満な方針転換ができたのではないかと考えています。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:クラウドファンディングは現在乱立していますが、他社にない強みの部分や改善しなければいけない部分があれば教えてください。

回答:当社はまだ協力会社のプラットフォームに載せている状況ですが、有力企業と積極的に連携し、募集チャネルの多様化を進めて幅広い顧客層の取込みを図っています。また、今後「当社らしい」仕組み作りを社内で行っていく予定です。

<質問2>

質問:代表の株式保有が多すぎて、市場の売買の活発化に影響があるように感じるのですが、その点について何かお考えがあればコメントいただきたいです。

回答:現在、新株予約権の発行をしており、徐々に割合は低下している状態です。それ以降の展開については、その際に公表します。

<質問3>

質問:3つのコア事業以外に何か検討していることがあれば教えてください。

回答:現状はそれぞれのコア事業の中で取組みを拡大している状況です。一方、業務提携やM&Aにより現在の3つの取組みとは異なる領域の柱ができることは考えられます。

<質問4>

質問:プレミアムマンションのターゲット層について教えてください。

回答:1.5億円以上のものが多いこともあり、ターゲットとして想定しているのは、富裕層の方や、パワーカップルと呼ばれるような世帯年収が高く、購買意欲の高い方です。

<質問5>

質問:IT投資はどこまで進める予定ですか?

回答:顧客利便性の向上を目指しているため、必要だと考えられるのであれば進めます。一方で、前述のクラウドファンディングなどによる投資も考えられますが、現在公表できるような情報はありません。