2023年3月期決算説明

中島太氏:みなさま、こんにちは。株式会社ハイマックス代表取締役社長の中島です。弊社の2023年3月期決算説明動画をご覧いただき、誠にありがとうございます。

直近の業績数値や取り組む状況などのほか、新たに中期経営計画を作成しました。その要旨をご説明します。よろしくお願いいたします。

目次

ご説明する内容です。最初に2023年3月期の決算概要、次にこれまでの中長期経営計画の実績、そして2024年3月期の業績予想、最後に今年度から取り組む、次期中期経営計画の概要についてご説明します。

損益計算書(連結)

はじめに、2023年3月期の決算概要です。売上高は173億3,100万円、前期比3.9パーセントの増収と、過去最高を更新しました。

利益面では、外注単価が上昇した影響はありましたが、生産性向上と増収効果で、営業利益18億3,300万円、経常利益18億4,400万円、当期純利益12億9,400万円と、それぞれ前期比約7パーセント程度の増益となりました。

サービス分野別売上高(連結)

サービス分野別の売上高です。まず、システム・ソリューションサービスは、銀行・公共の案件で拡大した一方、クレジットの次期受注案件の立ち上がりの遅れが発生し、65億7,600万円と、前年と比べ8,000万円減少しました。

システム・メンテナンスサービスは、公共・流通およびDX案件などの拡大により、107億5,500万円と、7億3,100万円増加しました。

業種別売上高(連結)

金融・非金融の内訳です。金融向けは、ネット銀行および都銀向け案件や、証券のエンドユーザー取引およびDX案件が拡大しましたが、一方でクレジットの次期受注案件の一部に立ち上がりの遅れが発生しました。

非金融向けは、公共の中央官庁、空運およびDX案件が拡大し、流通の大手スーパーやコンビニ向け案件も拡大しました。

顧客別売上高(連結)

顧客別のトピックスです。まず、SIer経由の取引は前期比4.4パーセント増加し、 売上高構成比では69.9パーセントとなりました。金融では銀行および証券向け案件が拡大し、非金融では公共および流通向けの案件が拡大しました。

エンドユーザー向けの取引は、前期比2.7パーセント増加し、売上高構成比で30.1パーセントとなりました。金融では、銀行および証券向け案件が拡大しましたが、クレジット案件が減少しました。非金融では、公共の空運向け案件がコロナ禍の影響も落ち着きを取り戻し、拡大しました。

営業利益分析(連結)

スライドのグラフは、連結営業利益において、前年と比べて増益となった要因を整理したものです。

前期の営業利益である17億1,600万円から、まず、利益を押し上げた要因としては、売上高の増収により1億3,000万円増、生産性の向上により8,800万円増、一方、利益を押し下げた要因としては、外注単価のアップで5,300万円減、販管費の増加で4,800万円減です。

その結果、当期の営業利益は18億3,300万円となりました。

受注高及び受注残高の状況(連結)

受注高および受注残高の状況です。当期は、一部で次期受注案件の立ち上がりの遅れにより、システム・ソリューションサービスが減少しました。この影響により、受注残高は28億6,100万円、前期比4パーセント減となりました。

受注残高の内訳(連結)

受注残高の内訳については、金融とエンドユーザー向けで減少しています。

業績の推移(連結)

直近5年間の主な業績指標などの推移です。当社では、株主資本コストを約5パーセントと試算しています。これに対し、売上高営業利益率10パーセント台、ROEも13パーセント台を維持しています。

株価及び株主総利回り(TSR)の状況

2018年3月末をスタートとして、その後の株価に関する当社とTOPIXとのパフォーマンスの推移を比較したグラフです。またご参考までに、一定期間における株主さまにとっての投資収益性を示す、株主総利回りの数値も記載しています。

中長期経営計画の振り返り

続いて、2016年度から取り組んできた、中長期経営計画「C4 2022」の取り組み状況をご報告します。初めに、この7年間の売上高および営業利益の推移です。年平均成長率は、売上高で6.7パーセント、営業利益で11.6パーセントとなりました。

中長期経営計画の振り返り

主力である受託開発事業拡大への取り組みについては、第2・第3の柱となる顧客作りとして、年間売上高が10億円以上あるお客さまグループを、当中計前の1社から5社まで増やすことができました。

また、重点顧客4社における、この7年間の年平均成長率は6.6パーセントで、特に取引領域を拡大すべく、非金融の比率を高めてきました。

中長期経営計画の振り返り

売上高に占める非金融分野比率やエンドユーザー取引比率を、当中計前の約20パーセントの水準から、「売上高を拡大させつつ30パーセントに高める」という目標に対して、それぞれ30パーセントを達成し、その後も水準を維持しています。

中長期経営計画の振り返り

DX案件の状況です。総売上高の2割程度はDX案件を受注するよう取り組んできました。当初は金融向けが中心でしたが、近年では主要な全業種でDX案件を受注し、広がりが出てきました。

中長期経営計画の振り返り

体質の強化への取り組みについては、重点教育としてプロジェクトリーダーの育成および開発力強化に向けて、社内教育の再整備に取り組んだほか、DX技術者の育成に注力しました。

また、将来の新規ビジネスの創出に向け、チャレンジするマインドを持った人材の育成や、全社員を対象にeラーニングの必須講座を導入し、さらなるスキル向上を図りました。加えて、自社開発プロセス標準を見直し、その浸透に注力しました。

これらの取り組みを通じて、生産性および品質向上に伴う収益性の向上につなげました。

中長期経営計画の振り返り

情報処理技術者試験制度などによる資格取得状況の一覧表です。社内表彰制度の充実を通じて継続的に資格取得を推進しています。特にDX関連資格取得数は、累計で189資格まで増加しています。

中長期経営計画の振り返り

R&D投資に関しては、AI技術、クラウド技術、コンテナ技術、開発手法など先端技術の研究・調査へ継続投資しています。また、社内技術交流会である「HM-Tech Day」を継続的に開催しています。研究実績やデモを通じて、先端技術を社内展開すると共に、多様化するお客さまのニーズへの対応を目指しています。

その他、M&Aについては、買収案件情報を収集し、随時、検討していますが、成約には至っていません。情報収集を継続し、事業規模および動員力の拡大につなげていきます。

2024年3月期 業績予想(連結)

2024年3月期通期の業績予想に関してご説明します。今期の連結業績の見通しについて、売上高は181億5,000万円と4.7パーセントの増収を見込んでいます。また、利益面では、営業利益は15億8,000万円、経常利益は15億8,500万円、当期純利益は10億8,000万円と計画しています。なお、1株当たり当期純利益は、92円83銭です。

各業種別売上高の動向(連結)

売上高の構成比率は、金融向けが67パーセント、非金融向けが33パーセントと見通しています。まず金融向けは、銀行の都銀・証券代行案件およびクレジットのエンドユーザー案件が一部収束する一方で、証券の新規エンドユーザー案件の拡大や、コロナ禍で停滞していた生保の新商品対応や、DX案件の拡大を見込んでいます。

非金融向けは空運業界の案件の回復や、流通のDX案件やネット販売システムの拡大のほか、その他の製造業向けDX案件や、エンドユーザーとの取引の拡大を見込んでいます。

営業利益予想分析(連結)

連結営業利益の見通しです。今期は減益となる見通しを出さざるを得ない状況と判断しました。昨今の物価上昇などを鑑み、人的資本への投資の一環として、社員の月額給与水準の引き上げを実施しました。その他にも、IT投資や新卒採用の増加、教育や体質強化のための投資などがコスト増加の要因となっています。

これにより、売上の増加や生産性の向上の計画では、十分に補えない見通しとなりました。引き続き、生産性向上と売価改善への取り組みを継続し、さらなる利益の積み上げに注力していきますので、ご理解いただければ幸いです。

配当の状況

配当の状況です。当社の配当政策の基本方針では、安定的かつ適正な利益還元を継続して実施することを目指しています。その適正水準として、連結配当性向は40パーセントを目安にしています。

2023年3月期の配当は前期と比べ、年間で3円の増配となりました。2024年3月期についても、利益予想を踏まえ、1株につき43円と据え置きで計画しています。配当性向は46.3パーセントとなる見込みです。今後も基本方針に基づき、安定的かつ適正な利益還元を継続していきます。

次期中期経営計画の概要

次期中期経営計画の概要です。当計画の基本戦略は、これまでの中長期経営計画「C4 2022」をベースに、さらなる既存顧客との取引領域の拡大による深耕を図る計画となっています。

主力である受託開発事業の拡大では、非金融分野およびエンドユーザー取引における比率は30パーセントを維持します。また、デジタル技術を核としたDX案件を積極的に受注し、売上高の25パーセントまで高めていきます。

人的資本への投資では、まずDX技術案件を専門的に取り扱う部門を設置し、当該部門にてDX技術者数およびDX技術系の資格保有数を増やしていきます。そして、全社施策としてPLの増員に向けても、投資を継続します。

社内での技術者の育成に加え、ビジネスパートナーの会社を含め、開発人員の増強に努めていきます。

次期中期経営計画 (3ヶ年事業計画)

さらなる事業拡大に寄与する資本提携やM&Aを積極的に検討します。なお、当該中期経営計画における3ヵ年事業計画の数値は、2023年4月から社員の月額給与水準の引き上げを実施した影響などにより、経費の見通しが大きく変わったこともあり、再度見直しました。

この数値については、2024年3月期の第1四半期の決算発表時に公表する予定です。何卒ご容赦いただきたく、引き続きよろしくお願い申し上げます。以上で、当社の2023年3月期の決算説明を終了いたします。ご清聴ありがとうございました。