2023年3月期 通期の業績

舩木俊之氏(以下、舩木):社長の舩木です。2023年3月期の決算についてご説明します。昨年度通期の売上高は839億円、営業利益率も16.8パーセントと、2年連続で過去最高を更新しました。EPSも348円となり、年間配当は1株あたり130円としました。

中期経営計画数値の見直し

コロナ禍で需要が想定以上に拡大し、当然それを消化すべく我々は生産を行っていたのですが、なかなか追いつくことができず、また電子部品不足によって、一部の電子製品はいまだ出荷ができていないものもあります。

今年度は在庫も増えているため、直近の受注も減少傾向にあり、昨年度の第4四半期からこの第1四半期がボトムになって徐々に回復すると見込んでいます。

今年度はそのようなことを勘案し、売上高としては減収になりますが、営業利益率は17パーセント以上を計画していきたいと考えています。

売上高・営業利益率の推移

中期経営計画についても見直し、収益率の改善を一番重要な施策として考えています。2年後の売上高は850億円以上、営業利益は18パーセント以上を目指していきます。

生産改革の推進

中期経営計画の目標を実現するため、今年4月に人事配置を大きく変更しており、また改革を推し進めるため、生産と購買・SCMを分離して再編しました。

また、グループ会社のAPEMとも双方の経営資源をより一層相互に利用していきたいと考えており、電子製品の生産においては、外部のEMS等の有効活用を推進していきたいと考えています。

ソリューション提案の拡大

新しい分野では、新たな事業として今我々が立ち上げようとしているez-Wheel製品を活用したAMRやAGVのビジネスに加え、アルプスアルパイン社との合弁会社である、IDEC ALPS Technologies(IAT)の製品も5月から徐々に市場に導入していきます。この2つのビジネスの展開により、ソリューション展開のさらなる強化を推進していきたいと考えています。

DX推進による経営基盤の強化

特にサプライチェーンの構築については、APEMとIDEC両社の人材をコアに、グローバル拠点の最適化を推し進めていきたいと考えています。また、今進めているERPの導入もこの中計最終年度には完了します。さらなるDXの推進も含め、グローバルでの業務改革、業務効率化を進めていきたいと思います。

連結業績概要〈連結損益計算書〉-1

元山理映子氏(以下、元山):決算の詳細についてご説明します。通期の業績は2022年9月に発表した計画を上回り、2年連続で過去最高を更新しました。売上高は前期比18.5パーセント増となり、粗利率は前期比1.8ポイント増の44.6パーセント、営業利益率は3.1ポイント増の16.8パーセントとなりました。

連結営業損益変動要因

原材料価格高騰の影響を受けましたが、グローバルでの製品価格の改定や不採算製品の見直し、新製品の拡大に加え、拠点再編などの構造改革による固定費削減、販管費の低減により収益性は大幅に向上しました。その結果、営業利益は前期比で約44億円増加しました。

連結業績概要〈連結損益計算書〉-2

第4四半期の業績概要については、前期比で売上高・営業利益が増加した一方、流通在庫の増加や地域・製品ミックスの変化により、第3四半期比では減少しました。

仕向地別売上状況

仕向地別の売上状況については、各業界の需要が堅調に推移し、日本の売上は伸長しました。米州やEMEAにおいても高水準の需要が継続しており、また円安効果も寄与し、売上が増加しました。またアジア・パシフィックも、中国やその他のアジア地域の需要が堅調だった結果、売上高は伸長しています。

仕向地別売上状況 (四半期推移)

四半期ベースでは流通在庫の影響により、米州の売上は第3四半期比で減少し、中国の旧正月の影響でアジア・パシフィックも減少したことから、海外売上高比率は若干下がっています。

製品別売上状況

製品別売上高については、その他事業を除く主力事業は前期を上回り、好調な状況が続いています。なお、通期より製品種類別の区分を一部変更したことから、従来のスイッチ事業をHMI事業へと名称変更しています。詳細は参考資料の製品別売上区分に記載しているため、ご参照ください。

製品別売上状況 (四半期推移)

四半期ベースでは、中国での売上高比率が高いインダストリアルコンポーネンツなどの事業が第3四半期比で減収となりました。

受注状況

受注高については、中国の景気減速の影響や先行的な受注の落ち着き、流通在庫の影響などにより減少傾向となっています。しかし、受注残高は3月末時点で315億円あり、依然として高い水準にあります。

受注状況 (四半期)

第4四半期については、中国の受注回復によりアジア・パシフィックは第3四半期比で受注が増加し、EMEAも好調な状況が継続しています。一方、流通在庫が増えている日本や米州では受注が減少しました。

連結業績概要 〈連結貸借対照表〉

資産については、売上拡大に伴う棚卸資産や売上債権の増加、使用権資産など固定資産も増加したことなどから、総資産は前期末比で約92.7億円増加しました。自己資本比率は前期末比で4.9ポイント上がり、56.1パーセントとなりました。

連結業績概要 〈連結CF計算書〉

営業活動によるキャッシュ・フローについては、法人税等の納付が約52億円となり、棚卸資産や売上債権の増加もあったことから、前期比26億円減少の約70億円となりました。設備投資額は、戦略的な投資として国内外拠点への自動化設備の導入や金型投資、ERPなどのDX投資が増加したことに加え、海外におけるオフィス賃借料などの使用権資産、リース資産の増加により、前期比で約16億円の増加となりました。

2024年3月期 通期業績予想

今期の業績予想についてご説明します。今期はグローバルで増加している流通在庫や為替の影響を考慮し、売上高は810億円と減収予想としていますが、在庫の消化や受注の回復に伴い、下期にかけて徐々に売上高・利益は拡大していくと見込んでいます。

なお、今期計画よりAPEMの会計処理を変更したため、原価から販管費に約5億円振り替えています。また、生産改革やDXをグローバルベースで推進するなど、収益性向上に継続的に取り組んでおり、営業利益率は17パーセントと3年連続での過去最高の更新を計画しています。

2024年3月期 連結売上高予想

製品別、仕向地別の売上高予想は表のとおりです。

2024年3月期 配当予想

配当については、中間配当65円、期末配当65円の年間配当130円、予想配当性向は39.8パーセントとなります。

2024年3月期 為替レートと為替感応度

通期の為替レートと為替感応度については表のとおりです。

長期ビジョン

今回、IDECの長期ビジョンを新しく策定しました。IDECでは多様な社会課題を解決し、持続的な成長を実現するため、2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定しました。この長期ビジョンの基盤は「The IDEC Way」です。

マテリアリティ

長期ビジョン策定に伴い、マテリアリティについてもあらためて見直しました。4つ目の項目として「企業基盤」を新たに追加し、価値創造を促進する経営構造の整備や組織風土の醸成、人材の育成の推進により、人的資本やガバナンスの一層の強化を図っていきます。

中期経営計画の取り組み

中期経営計画についてご説明します。現在進行中の中期経営計画は、2022年5月にスタートした3ヶ年計画です。4つの基本戦略でマテリアリティとも紐づく取り組みをテーマに設定し、「PASSION FOR YOUR SUCCESS」の実現を目指した取り組みを行っています。

中期経営計画数値の見直し

昨年中期経営計画を発表した際には、最終年度に売上高800億円以上、営業利益率16パーセント以上という目標を掲げていましたが、初年度に目標数値を達成したため、今回計画を修正しました。

長期的に営業利益率20パーセントを目指していくため、売上高850億円以上、営業利益率18パーセント以上の達成に向け、さまざまな改革や取り組みを推進しています。

注力業界

注力業界は、今後急速な成長が期待できるAGVやロボット、工作機械、自動車業界です。装置の搭載だけでなく、エンドユーザーやシステムインテグレーターに対する提案を強化することで、ソリューション提案による競争力強化に取り組んでいます。

IDECグループの新コンセプト「HMI-X」

新コンセプトとして「HMI-X」を掲げています。人と機械の関係の大きな変化に伴い、そこに存在する最適なインターフェースのあり方が変化していくことをIDECでは「HMI-X」と定義し、実現に向けた各種の取り組みを行っています。

HMI-Xをリードする製品群

スライドにHMI-Xをリードする製品の例を示しています。RFIDリーダやタッチレススイッチ、セーフティコマンダのような新しいニーズにお応えするための新製品だけではなく、多様なシーンで人の安全・安心、ウェルビーイングを実現するソリューションなどがあります。

HMI-X:安全・安心・ウェルビーイングを実現するソリューション例

こちらのスライドにはソリューションの事例を記載しています。AGVやAMRなどに搭載することで安全な場所から装置を止められる「非常停止アシストシステム」や、近づいたり軽く触れるだけで装置を一時停止させられる「ANSHINセンサ」、建設現場で作業者が天井と高所作業車などの間に挟まれることで発生する重篤な労働災害を防止する「挟まれ防止システム」などがあります。

HMI-X:マテハン業界でのソリューション例

また、近年需要が拡大しているマテハン業界における事例として、2022年に戦略的パートナーシップ契約を締結したフランスのez-Wheel社製品と、IDECの安全機器を組み合わせたソリューションや、自動認識機器の引き合いが増えています。

お客さまや業界によってニーズが異なるため、単品販売からシステムのフルセットアップまで対応できる体制作りを進めています。

製品戦略

製品戦略としては、売上の伸び率や市場シェア、収益性の高いHMIや、安全・安心製品の分野、成長性の高いオートメーション&センシングに注力し、7パーセント以上のCAGRを目指しています。

HMIの新製品や安全のポートフォリオ拡充を進めるとともに、ソリューション比率を現行の10パーセント水準から20パーセントに拡大していくため、IAT製品やez-Wheel製品などを活用することで、お客さまの課題を解決するさまざまなソリューションの提案を進めています。

地域戦略

地域戦略では、成熟市場でのプレゼンス拡大を進めています。また、市場規模が大きく、売上拡大が期待できる中国やインドでの取り組みを強化しており、リソースの強化や体制の整備に取り組むことで、アジア・パシフィックの売上高は、4年前に比べて約2倍に伸びています。今後も7パーセント以上のCAGRを想定しています。

収益性向上の取り組み

収益性の向上は、最も重視している取り組みです。生産体制やプロセスの抜本的見直しによる品質・コストの改善や、グローバルベースでの自動化・省力化による戦略的なコストダウン、グローバル購買機能の強化などの生産改革推進と、低収益や不採算製品の見直しなどにより、原価率の低減を図っていきます。

投資政策

投資政策については、サステナビリティ投資や人的投資などを含む成長投資を、より拡大していきます。

また、グローバルでの自動化・省力化設備の導入に加え、現在推進しているERP刷新やSCP導入などのDX投資も加速しています。

株主還元については、これまでも安定的に行ってきましたが、今後も継続的な配当や機動的な自社株取得など、積極的な株主還元を行っていきます。

Bluetooth搭載パルス方式 マルチユースミリ波レーダセンサ

錦朋範氏(以下、錦):アルプスアルパイン株式会社と設立した、合弁会社IDEC ALPS Technologiesの最初の開発品として、「Bluetooth搭載パルス方式 1A1M形 マルチユース ミリ波レーダセンサ」を発表しましたのでご紹介します。

本製品は、Bluetooth通信を搭載したパルス方式のミリ波レーダセンサで、車載向けのミリ波レーダ技術を産業用途に適用したものです。

距離の検出のみならず、反射強度の違いなど、用途に応じたさまざまな検出が可能なセンサとなっており、ご覧のように、IDECとアルプスアルパイン、お互いが得意とする技術を融合して生まれた製品です。ビデオをご覧いただきたいと思います。(こちらより視聴できます)

Webサイトには、さまざまなユースケースを想定した多くの動画を掲載していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

ESGの取り組み

ESGの取り組みついてです。IDECでは気候変動への対応を重要な経営課題として認識しており、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言に2021年に賛同を表明し、中期目標を設定して提言に沿った開示を行っています。

前期より内部炭素価格を導入し、省エネ設備への切り替えを活性化したり、自家消費型の太陽光発電設備の計画的な追加導入を進めたりするなど、CO2排出量削減に取り組んでいます。

また、メーカーである以上、環境を配慮した製品開発に重点を置き、それが今後のビジネスチャンスと捉え、環境経営を推進しています。生物多様性にも、できるところから取り組んでおり、今後もこのようにさまざまな環境対応を進めていきます。

ESGの取り組み

吉見晋一氏:人的資本の投資拡大、働き方改革などによるエンゲージメントの向上、企業基盤の強化に取り組んでいます。

エンゲージサーベイについては、2019年に第1回を実施し、2022年の秋に第2回を実施し、そのギャップを確認しています。

1回目のエンゲージサーベイから出てきた課題については、「人材育成システム」「コミュニケーションの活性化」「働き方改革」「風土改善」「ダイバーシティ」というカテゴリーに分け、それぞれ人事制度の改革等を行っています。

また、人材育成についてもいろいろな課題があったため、教育体系についてもグローバルに見直しを行っています。

ESGの取り組み

ガバナンスに関してですが、この2年の間に指名委員会・報酬委員会を設置し、現在運営しています。

指名委員会については、2021年に任意の指名委員会を設置し、その中でサクセッションプランを描き、次世代経営者の選抜に向けた育成を行っています。

報酬制度については、2022年度に報酬委員会を作り、今年度からの報酬についての改善を行っています。

ESGの取り組み

6月の株主総会に付議予定にしていますが、役員報酬の制度改定を行います。取締役の報酬については、固定報酬と業績連動型、ならびに株式報酬に区分し、業績連動部分とインセンティブの部分になるパフォーマンスシェアユニット分については、それぞれ財務指標等を見ながら変更していきます。

非財務においてもKPIに入っており、例えば基本的にはCO2の削減を目標に設置しているので、それを達成することを前提にしています。

質疑応答:マルチユースミリ波レーダセンサの用途について

元山:「マルチユースミリ波レーダセンサとは、どのような場所で使われる物なのでしょうか?」というご質問です。

:さまざまな動画をWebサイトに掲載していますので、詳しくはそちらをご覧ください。例えば、スライド左上のような水や液がかかる洗浄工程でのボトルの検知や、中央上段のようなタンク内の液面の量の検知ができます。金属のタンクの場合は樹脂の窓から、樹脂のタンクの場合は樹脂越しから、非接触でタンク内の液面を測ることが可能になっています。

また、左下に示したとおり、Factory Automation(FA)においては、材質や色の影響を受けないため、光電式では苦手な真っ黒のゴムやそのようなロール状の物も、巻き太りや巻き細りを検出することが可能です。

その他、FAから少し発展させたケースとして、スライド中央上段のように駐車場における車の検知にも使用できます。サイズや強度が変わってくるため、人と車を見分けて検知することも可能です。

右上に記載したとおり、洗車機においても、正確に車幅を測り、よりきれいに車を洗えます。この場合も車の色に依存せず、洗車機の水や洗剤などにも影響を受けずに測定できます。

質疑応答:受注高の回復時期について

元山:「今期の受注高の計画のイメージを教えてください。また、受注高のボトムはいつ頃になりそうだとお考えでしょうか?」というご質問です。

小川泰幸氏(以下、小川):受注高について推移を表していますが、各エリアによって推移が異なります。日本や米州については、流通在庫の増加の影響があり、第4四半期にはかなり受注が減少しているという状況があります。また、第1四半期以降については、現在の減少傾向から回復傾向に徐々に移っていくというのがイメージとして想定している内容です。

EMEAとアジア・パシフィックについては、この第4四半期の時点で、受注は若干回復傾向に移っています。そのため全体としては、第2四半期以降には受注の回復、売上の回復という流れに推移していくと考えています。

質疑応答:役員報酬の非財務指標について

元山:「役員報酬の非財務指標は、CO2削減率以外でどのようなものがあるのでしょうか?」というご質問です。

吉見:業績連動部分は、賞与部分と株式報酬部分が全体の35パーセントくらいを占めています。FTSEというグローバル指標があり、CO2の削減のほかにはその内容をKPIに取り込んでいます。

質疑応答:中国における受注高のフォローアップについて

元山:「受注高のフォローアップで、中国についてはいかがでしょうか?」というご質問です。

小川:中国の受注高の状況ですが、アジア・パシフィックの推移として、かなり早い段階から受注高が増加したという状況があります。その後に景気の減速もあって、中国の受注高減少は、他のエリアよりも早い段階で推移として表れてきていました。

今、足元の状況としては、コロナ禍後の影響もある程度、落ち着いてきているという状況がありますので、足元としては、受注の回復傾向が見られている状況です。

質疑応答:2023年度の第1四半期の受注状況について

元山:「2023年度の第1四半期の受注はどのような状況でしょうか?」というご質問です。

小川:エリアごとに異なった推移の状況です。先ほどお伝えしたとおり、アジア・パシフィックについては第1四半期において回復傾向が見られてきており、欧州もそこまで悪くはない状況です。

日本と米州は第1四半期くらいをいったん底と想定しており、その後、回復を見込んでいくというのが今想定している内容になっています。

質疑応答:今年度の価格改定の影響について

元山:「今年度の価格改定の影響についてお聞かせください」というご質問です。

小川:ここ数年来、原材料の高騰や人件費の高騰の影響がありましたので、計画的な価格改定を行っています。

価格改定は、各エリアや製品の特性も踏まえて政策的に行ってきています。昨年度についても、だいたい全体の売上の影響としては2パーセント程度が価格改定の影響となっています。今年度については、昨年度改定したものの影響があると想定されています。

さらに、原材料の状況やエリアの状況に応じ、一律ではないのですが、製品ごとの損益改善のために、各エリアで価格の見直しは計画的に行っていく予定にしています。今年度についても、同程度影響を想定して計画しているというのが、価格改定の影響です。

質疑応答:次期社長候補について

元山:「舩木崇雄氏が取締役に新任予定ですが、次期社長候補の1人と捉えてよいでしょうか?」というご質問です。

吉見:6月の総会で取締役に上程しています。2022年より指名委員会を立ち上げており、その指名委員会の中で、取締役の候補になり得るレイヤーと、今後執行役員を目指すレイヤーという大きく2つに分けて選抜研修を行っています。

その第1レイヤーに対象者としてが入っていました。今回1年間のトレーニングで、社外研修や社内のいろいろなメニューをこなしてもらい、指名委員会として取締役に推薦しています。

ただし、今後社長になれるかどうかについては、基本的に確約していることではありません。候補ではありますので、今後の実績を見て、最終的には指名委員会が上程していくと思います。今後の活躍次第ということになろうかと思います。

質疑応答:ワイドミュラー社との協業成果、現状、今後について

元山:「ドイツのワイドミュラーとの協業成果と現在の状況、これからについて教えてください」というご質問です。

舩木:ワイドミュラーとの業務提携は、我々として中長期的な戦略と捉えています。今現在は、先方が持っている技術を活用した、スクリューレスの製品を販売し、マーケットの中では順調にシェアを拡大していっていると思います。

それ以外にも、彼らの販売力を使って我々の商品を販売したり、お互いの技術をより一層使って、ワイドミュラーおよびIDECの事業拡大に結び付けたりといった、どちらかというと中長期的な技術面での戦略パートナーと置いています。今は、非常に良いパートナーとしてお互いに認識しています。

質疑応答:2023年度上期としての業績予想について

元山:「2023年度上期業績予想は出ますか?」というご質問です。

小川:今回は、通期の開示とさせていただきます。上期と下期については、定量的な開示をしていませんが、先ほどお伝えしたとおり、今は、流通の在庫水準もあるため、上期にある程度、消化が進んでいくことを想定しており、受注の回復が徐々に見られることも想定しています。上期と下期については、下期のほうが売上、利益共に高くなっていくことを想定している状況です。

質疑応答:グローバルERP導入時期と計上コストについて

元山:「グローバルERP導入はいつからでしょうか? こちらのコストは、すでに計画に入っているのでしょうか? 差し支えなければ、いくらコスト計上となっているのか教えてください」というご質問です。

小川:グローバルのERPシステムやSCPのシステム導入は、すでにプロジェクトとして開始しています。昨年度の投資の中でも、数億円の投資が発生しています。

今年度は設備投資として、年間40億円強の設備投資を予定しており、その中で今年度の投資計画には、10億円くらいのレベルで設備投資を織り込んでいます。

今後2年でプロジェクトを推進し、地域ごとに段階的に導入を進めていくことを想定しています。