2022年3月期 第2四半期連結決算業績

山田潤氏:2022年3月期第2四半期決算について説明させていただきます。本日の内容は、第2四半期の連結決算業績の報告、中期経営計画の進捗と今期末の通期の連結決算業績予想でございます。

はじめに、2022年3月期第2四半期の連結決算業績です。売上高は61億円、前期比10億5,000万円、14.7パーセント減でした。これはスライド右側に記載の収益認識基準等適用により、売上の計上方法を一部変更した点が響いています。

実質の結果は下段に記載しています。前期分を今期の収益認識基準と同じ計算方法で計算した場合、前期は61億7,500万円となり、今期は2,500万円減となります。

収益認識基準の変更があっても利益面は変わりませんので、以降の利益については収益認識会計基準等適用の概念は省いてご説明します。

営業利益は、前期比600万円増の3億700万円でした。営業利益率も0.8ポイントアップの5.0パーセントです。経常利益は2,900万円増の3億4,000万円でした。

当期純利益は、3億9,600万円増の5億7,200万円でした。第1四半期に株式の売却を行って出た株式売却益の増益分も含め、当期の純利益は3倍程度になっています。また、ほぼ計画どおりで進捗しています。

2022年3月期 第2四半期連結営業利益 増減要因

営業利益の増減要因です。売価要因は、調味料と機能食品がともにマイナス要因に働き、1,400万円減となりました。数量要因は、調味料が大きくマイナスになったのに対して、機能食品のセグメントがプラス要因となり、1,400万円減という結果になりました。

原価要因は、機能食品はプラスでしたが、調味料が大きくマイナスとなり、6,200万円減となりました。調味料のマイナスは、主に原料費の高騰および労務費の上昇に起因しています。

販管費は去年よりもさらに下がって4,900万円の増益でした。これは、調査研究費と試験研究費の減少、配送の運賃の見直しを行った結果が反映されているためです。

また、子会社も、主に水産物を取り扱っていますマルミフーズの利益が向上し、子会社で4,700万円の増益となりました。その結果、営業利益は昨年よりも700万円増という結果になっています。

セグメント別 売上高

それぞれのセグメントごとの売上高に関しては、今期は調味料が31億5,600万円、前期よりも1億9,700万円程度減収となりました。これは液体の調味料、粉体の調味料ともに大きく数字を落とした結果です。

機能食品は、前期比6,000万円増の14億4,800万円でした。機能性食品素材の売上が好調に推移したため、このような結果になっています。

水産物は前期比9億2,100万円の減収となっていますが、これには先ほどお伝えした収益認識会計基準が大きく影響しています。収益認識会計基準の適用により、約10億円の減収がありましたので、結果としてここで10億円ほど数字を下げています。その他は前期比900万円増、全体としては10億5,000万円減の61億円となりました。

セグメント別連結売上高推移(19年3月期2Q~22年3月期2Q)

7ページにそれぞれのセグメントの過去4年間の推移を記載しています。調味料は昨今、不正表示の問題とコロナ禍の影響があり、数字を下げている状況です。

機能性に関しては、4年前の数字に復活してきたところです。水産物は昨年の半分程度になっていますが、スライド一番右の棒グラフ(今期分)の上に白い四角の部分があり、10億2,500万円と記載しています。こちらが収益認識会計基準による数字であり、約10億円、水産物がここに関与しています。

セグメント別 連結営業利益

セグメント別の連結営業利益に関しては、調味料は前期比7,400万円減の2億3,300万円という結果でした。こちらの減益要因に関しては、液体調味料の原価上昇、売上減が大きく影響しています。

機能食品に関しては、前期比3,400万円増の3億9,800万円でした。機能性食品素材のアンセリンと、NAGの販売が好調に推移した結果、ご覧のような結果となりました。また、水産物は、昨期に赤字が一転し、前期比3,600万円増の2,400万円の営業利益を出すことができています。原料費の高騰などがありましたが、売価への反映としっかり儲かるものの販売に注力した結果、赤字からの脱却ができています。

スライド一番下段の全社営業利益については、前期比700万円増となっており、トータルとしては3億700万円となりました。

連結営業利益推移(19年3月期2Q~22年3月期2Q)

過去4年間の営業利益の推移についてです。コロナ禍前は5.9パーセントありましたが、コロナ禍後は4.2パーセントから5.0パーセントまで回復してきています。

2022年3月期第2四半期 業績概要(調味料)

10ページは、調味料のさらに細かいセグメントの収支についてです。調味料はここ2年ほど苦戦しています。昨期も減収でしたが、今期も液体調味料で前期比1億3,600万円の減、14億5,200万円となりました。粉体調味料も前期比5,800万円の減収で、結果として16億8,600万円となっています。

香辛料は前期比300万円の減収で、それに伴い、営業利益も前期比7,400万円減収の2億3,300万円という結果でした。先ほどもお伝えしましたが、この要因は、液体調味料の減収が響いたためです。結果として、利益率も前期比1.8ポイント減、7.4パーセントとなりました。

2022年3月期第2四半期 業績概要(機能食品)

11ページは機能食品についてです。機能性食品素材は売上高が前期比7,200万円増、11億8,800万円となりました。また、機能食品は売上高が前期比1,200万円減の2億6,000万円という結果でした。機能性食品素材では、アンセリンがここ5年、6年ほど好調に推移しており、今期も好調です。機能食品では、子会社のUMIウェルネスの商品の売上がほぼ丸ごとこの部分になります。通販の主力商品の販売が非常に苦戦しており、それが減収要因となっています。

合計の営業利益に関しては、前期比3,400万円増の3億9,800万円であり、機能性食品素材の増収効果により増益となっています。営業利益率も前期比1.3ポイント増の27.5パーセントという結果でした。

連結貸借対照表

12ページは、B/S(連結貸借対照表)についてです。流動資産は現預金が4億円ほど伸び、5億1,900万円増の151億4,200万円、固定資産が4億8,200万円減となっています。流動負債、固定負債については、それぞれ税金分の変動などがあり、ご覧のような結果となっています。

経営ビジョンと基本戦略

現在進めている中期経営計画「Create Next YSK」の進捗状況と今後の業績予想についてお伝えします。「Create Next YSK」は、基本方針として「顧客に支持される食品メーカーへ」を経営ビジョンとして掲げています。

それに伴う基本戦略が5つあり、国内調味料では顧客の信頼回復、品質保証体制の抜本的見直しでは顧客に支持される品質保証体制、国内機能性では差別化とフィールド拡大による成長、海外展開では海外事業のステージアップに向け体制整備、そして新たな事業分野創出では新規事業育成に向けた体制整備を基本方針としています。

その事業の基本方針を支えるために、コンプライアンスとコミュニケーションの活性化などを経営基盤の強化戦略として盛り込んでいます。また、我々の大きな収益源である開発を成長させていくために、開発機能の強化戦略についても10年スパンで考えています。主には、外部とのオープンイノベーションを軸に、開発機能の強化を進めています。

個別戦略(1)

国内の調味料に関しては、一昨年の不正表示を受けて、顧客の信頼回復を第一の戦略としています。不正表示に関する得意先の監査は終了していますので、今後は新規案件の開発依頼の再開をメインに活動しているところです。

業務用分野では、コロナ禍で顧客の新規の開発案件が減少しましたが、東京ラボを活用したスピードの対応で実績化が増えている状況です。

また、今、海外原料が非常にリスクになっています。やはりメーカーとしては安定供給が信頼を左右しますので、特に中国産の原料調達のリスクヘッジを急ピッチで進めているところです。

個別戦略(2)

品質保証体制の抜本的見直しについてです。顧客に支持される品質保証体制の確立を目指して、食品不正表示に対する再発防止策が2021年3月までにすべて実行され、対策が完了しています。現在、全社を挙げてこの対策を継続しているところです。

また、掛川工場に続き、大東工場、焼津・団地工場でも来春までに、食品安全システム「FSSC22000」の認証取得を全社を挙げて目指しているところです。

個別戦略(3)

国内機能性の基本戦略は、差別化とフィールド拡大による成長です。我々は差別化された商品を持っていますし、現在も開発を進めています。それを用いてフィールドの拡大をさらに行うことによって、機能性の部分を成長させていこうと考えています。

我々はNAGとアンセリンをメインで販売していますが、昨今はこの2つの素材に経営資源(ヒト・モノ・カネ)を投入してきました。

具体的には機能性表示食品制度というものがあり、そこに対応する研究開発投資、試験投資に積極的に関わっていきました。スライド左側のグラフの濃いブルーの部分がYSKのNAGの使用製品のデータですが、この投資の結果、3年前のNAG使用の機能性表示食品の登録件数3件が21件に増えています。なお、関節症の機能性表示食品全体では、87件が205件と増えていますが、我々の市場のシェア率に関しても、3.3パーセントから9.3パーセントと増えています。

また、スライド右側のグラフをご覧ください。尿酸値改善の機能性表示食品も3年前は2件だったものが32件に、また市場全体でも2件だったものが33件と増えていますが、当社のシェア率は50パーセントをキープしています。この活動は今後も続けていき、機能性表示食品を今後も増やしていく予定です。

今年4月に発売したフコースに関しても、昨今、順調に機能性食品制度で対応が進んでいますので、近々フコースによる機能性表示食品が販売されるのではないかと思っています。

個別戦略(4)-1

続いて、海外展開についてお伝えします。海外展開は今期中にステージアップに向けた体制整備を進めています。具体的には、今年10月に海外事業推進部を作りました。これまでは海外営業部しかなかったのですが、海外事業を実際に推進していく上で、工場の建設を見据え、推進部を作りました。海外事業をさらにステージアップ、スピードアップして進めていきます。

海外事業全体としては、スライドに記載しているグラフの薄いブルーが調味料の売上、濃いブルーが機能性の売上となっています。グラフの一番右側の2021年は上期のものになりますが、その他の2016年から2020年までは通期の数値となっており、単位は2016年を1とした場合の伸長率で見ています。調味料、機能性ともに順調に伸びており、2016年から5年間で2倍以上となっています。

個別戦略(4)-2

調味料と機能食品で売れている国は若干異なりますが、それぞれの国で良好に推移している状況です。調味料分野については戦略エキスを用いて、タイ、ベトナム、中国で拡販しています。

機能性分野については、各国の原料認証制度もありますので、この制度を早く取得して、各国でさらに売りやすい環境にしていくことを現在の戦略として進めているところです。

個別戦略(5)-1 新たな事業分野創出に向けて

新たな事業分野創出に向けてです。今月11月5日にリリースしましたが、「食の周辺領域の取り組みを拡大し、サステナブルな社会の実現へ」という考えに協同し、フードテック特化型ファンド「食の未来ファンド」に出資しました。

「食の未来ファンド」とは中長期的にお付き合いしていくことになりますが、その目的は大きく5つです。まず、中期経営計画に挙げた「新たな事業分野創出」の拡大、フードテック領域のスタートアップ企業との情報共有、また、当社の持つ開発・製造・販売ノウハウとの融合、新たな価値創造の加速と事業領域の拡大を図っていきます。さらに、スタートアップ企業への継続的な出資の拡大を検討しています。

個別戦略(5)-2 新たな事業分野創出に向けて

「食の未来ファンド」は、クラウドキッチンに取り組まれている「cookpy」さま、植物肉のDAIZさま、調理と食品加工のDXをされているスパイスコードさまなどに出資されており、ファンド規模としては12億円となっています。

我々以外にも丸井グループさま、静岡銀行さま、バリュークリエイトさま、レオス・キャピタルワークスさまなどが出資されています。

プライム市場選択と改善計画書の提出に向けて

2021年8月27日に、我々はプライム市場に進めていくことをリリースしました。

流通株式時価総額と売買高の部分が、今現在、プライム市場に向けて不足している部分です。この部分が基準として未達ですので、積極的なIR活動はもちろんのこと、流通株式の増加や情報の発信をこれまで以上に積極的に行い、この基準をクリアしていくことを目標としています。また、新CGコードへの対応もしっかり行っていくつもりです。

2022年3月期 連結業績予想(概要)

最後に今期の業績予想です。計画としては、上期は順調に推移していますので、それを継続し、公表値どおりの売上高120億円、営業利益7億5,000万円、経常利益8億円、当期純利益8億5,000万円、ROE4.3パーセントを目指していくつもりです。

私からは以上でございます。ご清聴ありがとうございました。