損益計算書

阿部良二氏:みなさまこんにちは、伯東株式会社代表取締役社長の阿部でございます。本日は当社の2022年3月期第2四半期の決算概要の説明と、通期業績予想および配当予想の修正についてご説明させていただきます。

2022年3月期第2四半期決算については、先日短信を公表しています。詳細についてはそちらをご覧いただきますようお願いします。

2022年3月期上半期は新型コロナウイルス感染症の影響が続くものの、ワクチン接種の加速による経済活動の再開によって顧客の生産や設備投資が進み、さらに、半導体需要の急拡大から、受注・売上が伸長しました。

第2四半期では、売上高が前年度比20.9パーセント増加の914億2,800万円、営業利益が152.3パーセント増加の41億7,100万円を計上することができました。

セグメント情報

セグメント別の売上高・利益を見ると、民生・産業機器分野および車載用ICや一般電子部品の増加により、半導体デバイスを中心とした電子部品事業が大きく伸長しました。

さらに、半導体関連の設備投資の活発化により、PCB関連や真空機器が伸長し、電子・電気機器事業も好調でした。また、工業薬品事業においては、顧客プラントの稼働回復と化粧品関連製品の堅調さが売上高・利益の伸長に貢献しています。

貸借対照表

B/S面では2021年3月期末に比べ、総資産が約36億円の増加となりました。売上の増加に伴う売上債権の増加と半導体デバイスを中心とする販売在庫の増加が主な要因となります。投資有価証券が約14億円増加していますが、保有株式の株価上昇が主な要因です。負債面では有利子負債が約18億円増加しています。

キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは7億4,100万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは2億4,300万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは3億3,800万円の収入となったため、現金および現金同等物は前期末と比較して8億9,800万円増加し、当第2四半期末は187億6,500万円となりました。

通期業績予想の修正

今年度の通期業績予想及び配当予想の修正についてご説明します。

売上高については、電子部品事業において自動車、産業機器、通信機器を中心に半導体需要の拡大が続いており、電子・電気機器事業においても活発な半導体製造関連の設備投資により好調に推移しています。

新型コロナウイルス感染の再拡大や、世界的な半導体の供給不足の今後に与える影響も懸念されますが、現時点において前回の公表値を上回る見込みとなりました。

利益面においては、売上高の増加に伴う利益の増加に加えて、主に電子部品事業の利益率の改善により、各利益ともに前回の公表値を上回る見込みとなりました。その結果、通期業績の見通しとしては、売上高1,850億円、営業利益65億円、経常利益63億円、当期純利益44億円を予想しています。

配当予想の修正

今年度の配当予想の修正についてご説明します。当社は2021年4月30日に新中期経営計画「Change&Co-Create 2024」を公表しました。

資本効率の改善を経営上および財務上の重要課題と位置づけ、計画期間中は配当と自己株式の取得により、総還元性向100パーセントを目標とした株主還元を実施することを基本方針としています。

2022年3月期の通期連結業績が前回予想を上回る見通しとなりましたので、第2四半期末配当については、普通配当を1株当たり60円とし、期末配当についても普通配当を1株当たり60円とすることを見込んでいます。

この結果、年間配当予想は1株当たり120円、連結配当性向は55.5パーセントとなります。以上が2022年3月期第2四半期の概要および通期業績予想と配当予想についてです。

社長メッセージ

最後に私から、みなさまへ2点お伝えしたいことがございます。

1点目は、半導体の需給逼迫についてです。今回の半導体不足は、コロナ禍の中でのPCやスマートフォンの急激な拡大や、それに伴うデータセンターと5Gインフラの増産、さらに自動車生産の急速な回復により引き起こされています。

このような要因を考えると、半導体不足の状況は来年も継続すると思われます。当社は仕入先さまとお客さまの間に立ち、半導体や電気部品を円滑に提供できるよう日々努力しています。日本の産業を支える重要なサプライチェーンの一端を担っているという自負のもと、今後も精一杯のサポートを行っていく所存です。

2点目は、今年度よりスタートした新中期経営計画 「Change&Co-Create 2024」についてです。ここ10数年、当社の利益が伸び悩んでいることへの危機感を全社で共有し「今変わろう 夢のある伯東へ」という思いのもと、事業構造の変革に取り組んでいます。中期経営計画の中で、今年度は来年度からの飛躍のための準備の1年と位置付け、経営資源の再配分や組織の変更、DX化の推進による生産性向上などに着手し、収益改善に取り組んでいます。

また、計画を着実に進めていくために、毎月の執行役員会議において、定期的に各施策の進捗を確認し議論を深めています。スピード感を持って変革を実現することで、定量的目標達成はもちろん、外部環境の変化にも耐えうる強い企業体質の構築を目指しています。

併せて中長期的な視野から、半導体、部品、機器、化学の4つの既存ビジネス・ユニットに次ぐ、第5、第6の事業創出を目指し、新事業プロジェクトを立ち上げます。「環境」「医療」「脱炭素」などのキーワードを軸に新事業を模索、検討しており、何とか来年度には結果を出せるよう取り組んでいます。

さらに、「社員満足度を上げれば必ず業績も上がる」といった信念から、今年度は社員満足度を上げるための人事制度改革にも着手し、来年度より、評価制度を含めさらに透明性を高めた新人事制度をスタートさせる予定です。

中期経営計画にもとづき、様々な施策を着実に実行し、すべてのステークホルダーのみなさまの利益向上を図るべく、継続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指していきます。今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

最後までご視聴いただき誠にありがとうございました。