会社概要
小川誠氏(以下、小川):株式会社イオレ2021年3月期第2四半期の決算説明会をオンラインにて開催します。代表取締役社長の小川でございます。初めにイオレについてご説明しますので、当社への理解を深めていただけたらと思います。
まず、会社概要についてです。設立は2001年4月25日で、従業員が91名、2017年の12月に東証マザーズに上場しました。事業内容としては、インターネット広告事業を中心に展開しています。
沿革
次に沿革です。設立当初、サッカーニュースのコンテンツを配信するコンテンツ事業から始まり、2005年の「らくらく連絡網」の運用開始とともにメディア事業を開始しました。2014年には、プライベートDMP「pinpoint DMP」の提供を開始するとともにアドテクノロジー事業を開始しました。
また、足元においては10月にリリースしました「HRアドプラットフォーム」の提供を開始し、プラットフォーム事業へと変化してきました。当社はインターネット広告の進化とともに歩んできています。
事業概要
次に事業概要です。pinpoint事業を中心とした運用型広告事業と、「らくらく連絡網」を中心とした自社メディア事業から成り立っています。
事業概要 ― 自社メディア【らくらく連絡網】
まず、自社メディアの「らくらく連絡網」のご紹介です。39万団体、696万人の方にご利用いただく日本最大級の連絡網サービスです。特徴としては、大学生のゼミや研究室、サークル活動、部活などの連絡ツールとして、また、PTAや子供の習い事の父母会の連絡網としてご利用いただいています。
一方、円グラフにある39万の団体においては、スポーツ系の団体で最もご利用いただいています。
事業概要 ― 自社メディア【らくらく連絡網】(続き)
「らくらく連絡網」と他のSNSとの違いについてです。「らくらく連絡網」は連絡網という特性上、公的な情報の必要性が非常に高いところに位置付けられています。一方、他のSNSと違い、個人の意思で入会するサービスではなく、団体の代表者、幹事さまの意思によって入会を推奨されるサービスであるということが大きな特徴です。
らくらく連絡網を活用したビジネスモデル
「らくらく連絡網」を活用したビジネスモデルです。「らくらく連絡網」で取得したデータを「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」といったメディアとデータ連携させています。一方、匿名加工化したデータを「pinpoint DMP」に格納し、第三者面での広告配信を行うというビジネスモデルとなっています。
事業概要 ― 自社メディア【ガクバアルバイ】【らくらくアルバイト】
「ガクバアルバイト」と「らくらくアルバイト」のご紹介です。「ガクバアルバイト」は大学生に特化した掲載型の求人情報提供サイトです。「らくらくアルバイト」は連携求人メディアへ応募者の送客を行う求人情報ポータルサイトです。
事業概要 ― 自社メディア【ガクバアルバイ】【らくらくアルバイト】(続き)
それぞれのポジショニングです。「ガクバアルバイト」は特化型の求人メディアである一方、「らくらくアルバイト」は求人メディアをポータル化し、応募者を送客するポータル事業と位置づけています。
事業概要 ― 運用型広告【pinpoint】
pinpoint事業のご紹介です。こちらのスライドの図は、アドテクノロジーの領域における概念図です。赤い線が当社の事業領域となっています。メディアの先にいる、誰に広告を配信するかというDMPを保有していることが最大の特徴です。一方、広告出稿主に最適な効果をお返しするという点で、トレーディングデスク自体も自社で行っています。
事業概要 ― 運用型広告【pinpoint】(続き)
スライドにあるように、「らくらく連絡網」のデータを匿名加工化し、DMPに格納しています。一方、「らくらく連絡網」以外の提携企業が保有するデータも格納しており、総数で言うと2,000万人を超えるデータがDMPに格納しています。こちらについては、Cookie以外の手法で日本にあるさまざまなメディア面にデータを使った広告配信を実現しています。
DMP(Data Management Platform)ベンダー表
DMPのベンダー表です。上下にCRM系と広告系に分かれている中、当社の「pinpoint」は広告系に位置づいています。また、最大の特徴は、1st Partyデータ、つまり自社で「らくらく連絡網」を中心としたデータサプライヤーの役割もできている点です。今後、Cookie等の規制により、3rd Partyデータを中心にデータを保有している他社と比較して、大きく優位性を図っていけるものと考えています。
業績推移 ― 四半期別売上高
続いて、2021年3月期第2四半期の業績についてです。まず、四半期別の売上高についてご説明します。新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の影響を受け、第1四半期は前年同期比で46.7パーセントの減収でした。
一方、第2四半期は前年同期比28.1パーセントの減収となり、前年同期比との乖離が縮小しています。足元において販売状況は継続して回復基調であり、さらに回復が加速している事を確認しています。
業績推移 ― 四半期別経常損益
次に四半期別の経常損益です。第1四半期は前年同期比1億4,100万円の減益となりました。一方、第2四半期は前年同期比7,700万円の減益となり、減益幅は徐々に回復しています。
業績ハイライト
次に業績のハイライトです。新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の影響を受けた5月前後を底に、業績の回復傾向は確認できたものの、前年同期比では減収減益となっています。
外部環境と業績への影響
次に外部環境についてです。スライド左側の折れ線グラフは求人広告掲載件数を示しています。ご覧のように、5月を底に前年同月比でおおむね50パーセントを割り込んでいます。一方、9月においても新型コロナウイルスの第2波の影響を受け、徐々に回復傾向が確認できているものの、まだ先行きは不透明な状況です。
スライドの右側は雇用形態別の件数推移と対前年同月比推移です。アルバイト・パート、正社員ともに同じようなダウントレンドとなっています。
外部環境と業績への影響 ― 2021年3月期第2四半期
外部環境と業績への影響です。ネガティブな部分としては、新型コロナウイルス感染症の影響により、いまだ経済は回復しておらず、まだ新規の受注が前年並みに獲得できる環境にはありません。また、新卒採用については、各企業において2022年度卒業生の採用活動の遅れが見受けられます。
ポジティブな部分としては、運用型広告における当社の運用力を背景に、他社から当社への乗り換えが加速しています。また、販促系広告分野においては、新型コロナウイルス感染症による打撃を直接受けた業界以外からの受注は回復しています。さらに、上長のオンライン同行による商談により受注率が向上しています。さらなる営業効率の改善に取り組んでいきます。
2021年3月期業績予想
2021年3月期の業績予想です。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、雇用情勢が悪化しています。外部環境が不透明なことから、2020年8月14日にレンジ形式で業績予想を公表しています。
現状では想定どおりの進捗状況であり、新型コロナウイルス感染症の収束状況が不透明であることから、2020年8月14日に開示した業績予想は据え置きますが、今後、業績予想の修正が必要となった時点で速やかに開示します。
今後のロードマップ
今後のロードマップです。緊急事態宣言中の5月前後を底に、売上高の回復傾向は確認できています。外部環境としては、少子高齢化を背景とした労働力不足という社会的課題はあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大による企業の採用意欲の回復時期については不透明な状況が継続しています。
自己資本比率
自己資本比率は87.4パーセントであり、財務基盤は引き続き安定しています。
2021年3月期戦略
続いて、2021年3月期の戦略進捗状況についてです。「HRアドプラットフォーム(HR Ads Platform)」の事業化、「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長、新卒採用分野の拡大、自社メディアの開発状況の4点を挙げています。
事業の「選択と集中」
今期の前提としては、withコロナ時代に対応した事業の「選択と集中」を進め、収益力確保を優先し、あらためて成長曲線を描く上での基盤構築を目指しています。そして、それぞれの事業で、注力する事業と経済回復後に補強する事業に分けています。
注力する事業としては、「HRアドプラットフォーム」、「pinpoint及びその他運用型広告」、新卒採用分野、販促広告分野です。「pinpoint及びその他運用型広告」においては、コロナ禍の影響で「プレイヤーチェンジ」の可能性がありますので、こちらの分野にも注力しています。新卒採用分野、販促広告分野においては引き続き注力していきます。
1.HRアドプラットフォームの事業化 ― 求人広告領域の変遷
1つ目の「HRアドプラットフォーム」の事業化についてです。海外と日本の変遷図をご覧ください。販促広告、つまりインターネット広告市場で起きた流れが、数年遅れで求人広告市場に適用されます。
日本において、「Yahoo!」等の掲載型広告が始まると、求人においても掲載型の求人広告がWebで始まります。一方、リスティング広告、運用型広告という流れをくみ、日本の求人広告領域においても、リスティング広告の先にある運用型求人広告の分野である「HRアドプラットフォーム」が始まります。
一方、海外においては、日本より先んじて求人広告分野が進化しています。2019年6月に、アメリカで運用型求人広告、つまり「HRアドプラットフォーム」と類似したサービスが開始されたことを確認しています。
1.HRアドプラットフォームの事業化 ― 全体像
「HRアドプラットフォーム」の全体像です。人を必要とする求人企業が「いくらで応募者を獲得したいのか」が入札という概念になります。また、入札とともに予算の上限額を入力すると、事前にATSに格納している求人原稿がさまざまな求人メディア面の仕様に合わせ、自動で出稿されます。それを通じて求職者にリーチすることができます。また、求職者の応募者情報はATSの管理画面上にすべて集約されます。
1.HRアドプラットフォームの事業化 ― 今期ロードマップ
「HRアドプラットフォーム」の今期のロードマップです。サービス自体は10月12日にリリースしました。第3四半期においては、派遣メディアとの連携、求人ASP事業者との連携、求人広告メディアとの連携を図っていきます。また、第3四半期においては基幹システムの機械学習等の追加機能の開発、年明けからは他社のATSとの連携をそれぞれ開始します。また、サプライ・サイドのメディアの連携については、汎用化の開発を進めていきます。
1.HRアドプラットフォームの事業化 ― トピックス
トピックスです。10月9日に「HRアドプラットフォーム」に関する特許を出願しました。人材領域では珍しい手法ですが、こちらの知財戦略とともに「HRアドプラットフォーム」の事業拡大を図っていきます。
また、株式会社キャリアインデックスの運営する「Lacotto」との提携を開始しました。
リリース後の市場の反応としては、求人企業からの引き合いはもちろんですが、大手ATS及び複数の大手求人メディアからのお問い合わせ、引き合いが非常に多かったということで驚いています。今後も各社との連携を模索しつつ、段階的にリリースに向けた開発を継続していきます。
1.HRアドプラットフォームの事業化 ― HRアドプラットフォーム成長戦略
「HRアドプラットフォーム」の成長戦略です。今期に無事リリースすることができましたので、来期以降はできるだけ早い段階で、「HRアドプラットフォーム」を買い付けできるボリュームについて、大手求人メディアと同等の在庫量を確保することに注力していきます。
一方、2025年3月期においては、新たな求人市場が大きくでき上がっていると思いますので、新しい市場でのマーケットリーダーを目指していきます。
1.HRアドプラットフォームの事業化 ― 全体戦略イメージ
全体戦略イメージです。「HRアドプラットフォーム」のリリースをもちまして、求人企業は、当社の「pinpoint」というデータを活用した採用活動、「HRアドプラットフォーム」を通じた求人メディアの自動出稿、ならびに「ジョブオレ」を通じたアグリゲーションサイトでの採用活動が可能となりました。
2.「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長
「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長について、成功のために必要なことは3点あると思います。1つ目はデータの優位性です。当社では「らくらく連絡網」を通じて、精度の高いデータを保有しているのが強みです。求人広告市場で特に重要となる情報と認識しています。今後の展開としても、「らくらく連絡網」の会員データ以外のデータサプライヤーとのアライアンスやパートナーづくりを推進し、新たなデータの拡充を図っていきます。
2つ目は運用ノウハウです。当社の強みとしては、運用型の求人広告サービスである「Indeed」において、「ジョブオレ」は独自の運用手法と高いコンバージョンレートを実現するノウハウがあります。大手SNSと連携した運用型広告の実績も長いところが特徴です。
今後の展開ですが、2000年代のリスティング広告の登場と拡大の時期と同様、もうすでに営業力勝負ではなくなっていると思っています。したがって、運用力勝負における過程においては十二分に当社のプレゼンスを発揮していけるものと思っています。
3つ目は求人原稿数です。「ジョブオレ」をフックに「pinpoint及びその他運用型広告」による求職者の獲得を図ることができます。今後は「ジョブオレ」のさらなる拡大と「HRアドプラットフォーム」の推進によって、取り扱う求人原稿数の拡大に努めていきます。
2.「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長(続き)①
事業の選択と集中を進める中、「pinpoint及びその他運用型広告」は全体の売上構成比で73.5パーセントまで伸長しました。引き続き強化を推進していきます。
2.「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長(続き)②
前述したとおり、運用型広告における当社の運用力を背景に、足元において他社からの乗り換えが加速しています。また、「Indeed」の認定パートナー制度において、2020年上半期総合売上「シルバーパートナー1位」を受賞しています。一方、グラフにある販促分野においても前年同期比で49.3パーセントの増収となっています。
2.「pinpoint及びその他運用型広告」の伸長 ― ジョブオレの歩み
「ジョブオレ」についてです。2021年3月期の第2四半期終了時点で、取り扱い求人原稿数は5万原稿に迫る勢いです。これは前年同期比で約2倍強の伸長となっています。
3.新卒採用分野の拡大
新卒採用分野の拡大についてです。今回テーマに挙げた4つのうち、当社が少し苦戦しているのがこちらの分野になります。新卒採用において、新型コロナウイルス感染症の影響により、2022年度の卒業生の採用人数がまだ固まっていない企業が多く見受けられます。よって、企業の採用活動が遅延している状況です。
それを打開すべく、足元においては、戦略パートナーと中途採用並びにアルバイト分野での提携に向けた準備をしています。
4.自社メディアの開発状況 ― 自社メディアの保守・運用フェーズへの移行
自社メディアの開発状況です。「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」については、投資フェーズが終了し、現在は保守・運用フェーズに入っています。
一方「らくらく連絡網」については、8月31日に新アプリをリリースをし、それをもって保守・運用フェーズに入ることができました。これまでメディアにかけていた投資並びにリソースは、今後「HRアドプラットフォーム」に投入していきます。
らくらく連絡網.app ― らくらく連絡網新アプリ
新アプリ「らくらく連絡網.app」のご紹介です。開発の目的としては、「らくらく連絡網」の保守・運用の工数の削減や、ユーザーの利便性をより追求するためです。機能を絞った「連絡特化型」アプリを実現しました。
一方、今後の展開としては、「新しい生活様式」が求められるなど、事業環境の変化から法人利用ニーズが高まる傾向があり、カスタマイズが可能なSaaSソリューション事業への活用も検討中です。具体的には、教育の現場、自治体、マンションの組合などに、連絡に特化した機能をSaaSソリューションとして提供していくということを軸に検討しています。
らくらく連絡網.app ― らくらく連絡網新アプリ(続き)
連絡特化型アプリ「らくらく連絡網.app」の特徴です。必要な機能に絞ったシンプル設計、煩わしいコミュニケーション不要、簡単操作で使いやすいということを念頭にリリースしました。
新型コロナウイルス感染症拡大に対する社内対応
新型コロナウイルス感染症拡大に対する当社の対応についてです。引き続きテレワークと出社を組み合わせた業務体制を実施しています。また、現在も執務室を約50パーセントに制限できるかたちで運用しています。先ほどポジティブなところでお話ししましたが、当社においてはこの勤務形態のほうがむしろ事業形態にマッチしているのではないかと認識しています。
一方、業務への対応として、テレワーク下における新卒オンボーディングのための一環として、メンター制度を実施しています。
らくらく連絡網の会員数・団体数増加
最後に、その他の取り組み状況です。「らくらく連絡網」の会員数は696万人、団体数は39万団体となりました。こちらも新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、団体活動が制限されたことにより、前年同期比では伸び悩んでいます。特に緊急事態宣言中の利用頻度、並びに大学自体がいまだにオンラインを中心とした授業形態をとっているため、1年生のサークル活動への入会に影響が出ています。
ガクバアルバイト・らくらくアルバイトの取り組み状況
「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」の取り組み状況です。「ガクバアルバイト」の新規登録者数は、求人掲載件数の回復基調に伴い、前年同期比で32.2パーセント減少しています。しかし、第2四半期だけ切り出すと、会員数は前年同期比で伸びています。
「らくらくアルバイト」の会員数は、「らくらく連絡網」の会員数増加に伴い、前年同期比で7.6パーセント増加しています。
2021年3月期第2四半期 B/Sサマリー
こちらはB/Sのサマリーとなります。
PR TIMES STORY(HRアドプラットフォーム取材記事)
付録として、「HRアドプラットフォーム」の事業に至った背景、並びに開発の背景について、取材記事形式で記載しています。
PR TIMES STORY(HRアドプラットフォーム取材記事)(続き)
スライドの右下にあるのは、日本における求人広告と販促広告、ならびに海外の変遷図です。我々の「HRアドプラットフォーム」は、日本初の運用型求人広告プラットフォームに位置付いています。すべての変遷は、掲載型広告から始まり、リスティング広告、運用型広告という流れになっています。
一方、求人広告についても、掲載型の求人広告が始まり、次に「Indeed」をはじめとしたリスティング求人広告が始まり、今は運用型の求人広告が始まるという流れです。また、海外においても、2019年6月に「HRアドプラットフォーム」と類似したサービスがリリースされています。
今後については、「Indeed」を含めたリスティング広告での採用活動、ならびに当社のような運用型求人広告プラットフォームを活用した採用手法に二分されていく市場ができあがると思っています。
スライドの左上にありますが、求人企業側は、これまでの掲載型の求人課金、つまり期間で価格が決まっているものではなく、「いくらで1人の応募者を獲得したいか」を入札という仕組みを使ってリスクなく求人広告が掲載できることになります。
また、コロナ前になりますが、市場としては、少子高齢化を背景に営業マンが対峙して販売するモデルに限界を感じてきた求人メディアが多かったのではないかと思います。よって、「HRアドプラットフォーム」に連携する求人メディア側からすると、自動的に求人原稿が出稿される仕組みの中において営業コストと原稿作成コストを削減できる等のメリットがあります。
一方、求職者については、これまで、ある期間にしか1求人メディアに掲載されていない求人に出会うのは奇跡だったわけですが、「HRアドプラットフォーム」を活用することで、本当に必要な求人がリアルタイムに求職者のもとにお届けできるというメリットがあります。
今回、特許を出願しましたが、軸としては、入札という仕組みを用いて、求人原稿を各求人メディアの仕様に合わせて自動出稿することができるという点があります。
HRアドプラットフォームの機能として、求人メディア側は、自社メディアに合った企業や職種を出稿することが可能になっています。また、独自のアルゴリズムを活用し、求人メディア内で検索した際の表示位置が調整されます。
一方、求人企業については、入札以外に予算消化の管理システムをご利用いただくことになるため、予算の上限を入力すると、入札金額総額が上限を超えた時点で求人が自動的に停止する仕組みになっています。
10月にリリースし、現在は引き続き、複数の求人メディアの開拓と連携の開発を進めると同時に、機械学習等を用いた追加の機能開発を行っています。また、現状は当社が運営する「ジョブオレ」というATSからのみ入札ができるかたちになっていますが、年明けからは他社が運営するATSからも入札買付けができるよう、プラットフォームを開放していく予定です。
2020年3月期第2四半期決算説明についてのまとめ
今回の決算説明会においてお伝えしたいことを、さらにダイジェスト版で私から抜粋してお伝えします。まず、ご心配をおかけしています業績についてです。新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、第1四半期は非常に影響を受けた業界でした。
決算説明資料にも記載していますが、外部環境においては、求人掲載数が前年比で約50パーセントから60パーセント以上ダウンしている状況は依然変わっていません。
一方、我々が前向きに捉えている部分としては、まず、5月に業績の底を確認できたことです。第2四半期については回復が進んでいることを確認しています。また、足元の状況においては、それがさらに加速しています。
ただ、悩ましい部分としては、どちらかというと新規のお客さまから我々の運用型広告をご利用いただくというよりは、コロナ禍において他社から運用力の高い弊社に乗り換えていただいているところが非常に強い要素であり、「他社より早く回復しているのではないか」という印象です。
また、何度もご説明していますが、「HRアドプラットフォーム」については、「Indeed」を含むリスティング求人広告と二分する市場になっていくと予想していますので、この部分については力強くマーケットリーダーを目指していきたいと思っています。
質疑応答:新卒採用市場の回復時期について
司会者:新卒採用市場が回復してくる時期に関するご質問です。「新卒採用市場が回復してくる時期はいつ頃と見ていますか?」
小川:新卒採用市場については、大学4年生、つまり2021年卒業生の企業の採用計画がすでに決まっていた中で、新型コロナウイルス感染症が発生したという状況があります。どちらかというと、本当に影響を受けるのは2022年卒の方だと思っています。
新卒採用が少し遅れている点についてですが、経済の回復が不透明な状況から、2022年卒業生の採用人数を決めかねている企業が多い印象です。つまり、採用人数が決まらないことから、どのくらい広告出稿するべきなのかという予算組も遅れている点が見受けられます。
また、市場の回復についてですが、我々は新卒採用だけに注力しているわけではありません。足元においては、中途並びにアルバイト市場も拡大傾向にあります。
新卒も併せた採用市場の回復については、現在フリーフォールのような状況で落ち込み、リーマンショックの時と非常に似ています。リーマンショックでは、回復に5年から7年くらい時間がかかったと言われています。
一方、リーマンショックから10年以上経ち、日本では少子高齢化がさらに加速している点を鑑みると、今回のコロナ影響からの回復のスピードは、リーマンショックより早いと思っています。とはいえ、足元ですぐに回復するものではなく、予測としては、2年から3年で戻ってくるのではないかと考えています。