1-1. 2019年12月期 1-9月実績
大川昌男氏:2019年12月期の第3四半期実績について説明します。 2019年12月期第3四半期の連結決算業績は、半導体での販売減少により売上高が1,370億円と、前年同期比で6パーセント減収、営業利益は120億円と前年同期比で33パーセント減益となりました。
また、営業外損益に前年同期比で大きな増減はなかったものの、営業減益により、経常利益は115億円と前年同期比34パーセントの減益となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は84億円と、前年同期比で37パーセントの減益となりました。
1-2. 2019年12月期 1-9月実績[セグメント別]
セグメント別の状況を説明します。自動車セグメントは、アジアや欧州でエンジン排ガス測定装置の販売が増加したことなどから、売上高が520億円と前年同期比で8パーセントの増収となりました。
利益面では2018年に計上した米州での一時費用がなくなったこともあり、営業利益は27億円で61パーセントの増益となりました。
環境・プロセスセグメントは、日本で水質計測装置、欧州で大気汚染監視用分析装置の販売が増加し、売上高は138億円増と前年同期比で3パーセントの増収となりました。
一方で、研究開発費の増加などによって営業利益は9億円となり、前年同期比で18パーセントの減益となりました。
医用セグメントは、為替ユーロ安円高推移により売上高が減少し、売上高は187億円と前年同期比で3パーセントの減収となりました。営業利益は、研究開発費の増加などにより10億円で前年同期比30パーセントの減益となりました。
半導体セグメントは、半導体メーカーの設備投資調整局面が継続しており、販売が減少しました。その結果、売上高は335億円と前年同期比で26パーセントの減収となりました。営業利益は74億円となり、前年同期比47パーセントの減益となりました。
科学セグメントでは、アジアや欧州向けの販売が減少し、売上高は188億円と前年同期比で4パーセントの減収となりました。営業損失が2億円となりました。
2-1. 2019年12月期 通期業績予想
2019年12月期通期連結業績予想および配当について説明します。まず当期の為替の前提につきましては、1ユーロを125円から122円に変更しました。USドルについては、従来予想の1ドル110円を据え置いています。
通期の業績予想については、直近の受注動向および業績の進捗に鑑み、売上高は従来の予想から60億円下方修正して2,070億円、営業利益は20億円下方修正して230億円としました。
また営業利益の減少により経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益はそれぞれ20億円と、15億円下方修正しました。
なお、当期の配当予想については変更がなく、1株当たり130円を予定しています。
2-2. 2019年12月期 通期業績予想[セグメント別]
セグメント別の通期業績予想について説明します。自動車セグメントでは、アジアの景気減速の影響を受け、販売が鈍化することを見込み、売上高を20億円下方修正するとともに、営業利益を10億円下方修正しました。
医用セグメントでは、為替のユーロ安円高推移の影響などから、売上高を20億円下方修正しました。また、費用の増加を見込み、営業利益を5億円下方修正しました。
科学セグメントは、第3四半期までの業績進捗などから売上高を20億円、営業利益を5億円下方修正しました。
環境および半導体セグメントにおいては修正はありません。
3. 為替の売上高・営業利益への影響
次のスライドをご覧ください。為替影響について説明します。第3四半期では、前年と比べて対USドル、対ユーロ円ともに円高に推移しました。
その結果、売上高において33億3,000万円の減収影響が、営業利益では3億8,000万円の減益影響が発生しております。
為替の1円円高による影響額は、USドルにおいては売上高が4億7,000万円、営業利益が2億7,000万円、ユーロでは売上高が3億4,000万円、営業利益が1,000万円の損失を想定しています。
4. 営業利益分析(前年同期比較)
次のスライドをご覧ください。前年同期と比較した営業利益分析を説明します。営業利益は前年同期と比べて58億7,800万円減少していますが、減少の1番の要因は半導体を中心とした売上高の減少によるものです。
5. 設備投資額・減価償却費・研究開発費
設備投資は足元の進捗を勘案し、通期予想を140億円に見直しました。減価償却費・研究開発費については、前回予想から変更ありません。
6-1. 社債の発行(2019年10月17日)
次のスライドをご覧ください。ここからはトピックをいくつかご紹介します。1つ目として、10月17日に社債を発行しました。第5回発行としての7年債は年率0.18パーセントで150億円、また同時に第6回発行として10年債を年率0.27パーセントで150億円発行しています。
資金使途としては、2020年に償還を迎える社債150億円の償還資金、設備資金、投融資資金などを想定しています。
6-2. 電動化車両バッテリー評価試験設備「CELL 0」開設
次のスライドをご覧ください。かねてよりみなさまにご案内していましたHORIBA BIWAKO E-HARBORにおける電動化車両バッテリー評価試験設備「CELL 0」が完成しました。
バッテリーの幅広い温度試験を初め、さまざまな面から性能評価できるだけでなく、「CELL 0」から「CELL 3」までを連動させ、電動化車両のエネルギーマネジメントをトータルに評価することのできる「Test in the Loop」システムを立ち上げることとなります。
今後は、モーターやバッテリーの試作段階から実写化環境下でのデータ測定や、自動車のドライブトレインの開発に利用されるシュミレーションモデルの性能検証という側面から、自動車開発サイクルの効率化に貢献し、電動化ビジネスのさらなる拡大を目指します。
またアナリスト・投資家のみなさまに向けてはご希望に応じ、見学会を実施します。見学をご希望の方は、弊社IRチームまでご連絡ください。
6-3. 堀場テクノサービス 新社屋建設開始 (2019年11月1日)
製品メンテナンスや受託試験など堀場のサービスビジネス推進を担当する堀場テクノサービスの新社屋建設開始についてです。
38億円をかけて2020年11月に完成する予定の新社屋には、情報収集、発信機能の強化に加え、分析ラボ、校正・メンテナンス設備、研修スペースなどを拡充させます。
サービス部門は製品が使われているあらゆる現場に入るお客さまと向き合います。お客さまへの質の高いサービス業務の提供は継続的に堀場の製品を使っていただくサイクルを生み出すことになるため、営業の最前線ともいえます。
そのために人材育成をはじめとした投資を行ってきました。2020年8月に公表した中長期経営計画「MLMAP 2023」では、お客さまを全方位でサポートするため、稼働データを使ったメンテナンスサービスや、計測データを活用してのコンサルティングといったデータマネジメントを中心としたビジネスモデルを確立させることを重点施策として掲げました。
これまでの投資による成果を最大化し「堀場はサービス」という新たな視点でのビジネスの確立を目指します。
6-4.「2019堀場雅夫賞」授賞式を開催 (2019年10月17日)
次のスライドをご覧ください。堀場では2003年に創業者の名前を冠した「堀場雅夫賞」を創設しています。この賞は国内外の若手研究者・技術者支援を通じて、分析・計測の重要性を広く世に知らしめていくことを目指しています。
16回目となる今回は、ご覧のとおりこれからのエネルギー社会構築に不可欠な電動化に関わるテーマを設定しました。2019年10月10日に行われた授賞式では、受賞者による研究内容の発表とともに、当日ご出席の行政学術機関における有識者の方々と直接議論する場を設けました。
また本賞の審査委員長を務めた、2019年ノーベル化学賞受賞者である吉野彰先生もご多忙のなか出席いただき、盛況のうちに幕を閉じることができました。
「堀場雅夫賞」の狙いは、ただ表彰するだけでなく、受賞件研究の実用化を支援していくことにあります。今後は受賞者やその研究室機関との連携を強化し、研究内容の具現化や堀場における電動化ビジネスの拡大にも取り組んでいきます。弊社からの説明は以上です。