1.連結業績ハイライト
佐藤茂氏(以下、佐藤):みなさまこんにちは。パートナーエージェントの佐藤でございます。それではさっそくでございますけれども、2018年(平成30年)3月期通期の決算説明をさせていただきます。
まず、連結業績ハイライトでございます。平成30年3月期連結会計年度の売上高は41億200万円、前期比7.6パーセントの増加。営業利益は1億9,500万円、前期比4.7パーセントの減少。経常利益は3億2,500万円、前期比40.6パーセントの増加という結果でございました。
1.連結業績ハイライト(前期営業利益との比較)
引き続き、連結業績ハイライトでございます。
まず、売上においては、2億9,000万円の増加。主な増加の理由は、ファスト婚活の「OTOCONパーティー」の(利用者倍増による)売上の増加ならびに、ソリューション事業のマッチングシステム提供案件が寄与しております。
続きまして、原価増加におきましては、主に「OTOCONパーティー」の出店ならびにめばえ保育ルームへの出店、パートナーエージェントの出店ということで、(新規)出店に関わる原価が大きく増加しております。
続きまして、諸経費増加の7,700万円も、出店に関わるものでございます。
広告費は、約6,000万円ほど、計画よりも未消化という状況でございます。主に、パートナーエージェント事業の広告費の未消化が原因でございます。広告上のCPA・CPOの採算がなかなか合わず、広告投資(の成果)が生めなかったということが、主な理由でございます。
1.連結業績ハイライト(当期業績予想と実績との差異)
続きまして、当期純利益でございます。1億1,700万円ということで、前期比でマイナス41.9パーセントというかたちになりました。ここのマイナスにおいては、先般リリースをお出ししましたが、企業主導型保育事業のめばえ保育ルームの譲渡に伴いまして、譲渡における制約から、すでに受領した補助金の減損会計処理が必要になりまして、約1億3,100万円の特別損失が発生したというのが、大きな要因です。
1.連結業績ハイライト(資本業務提携の枠組み)
資本提携(の枠組み)ということで(ご説明申し上げますと)、保育の大手会社のGLOBAL GROUPの100パーセント完全子会社であるGlobal Kidsに対して、当社のめばえ保育事業を全部譲渡いたしました。譲渡に伴いまして、未出店のところの店舗の開設ですとか、運営移管コンサルティング、またはコンテンツのコンサルティングという役務提供もさせていだたくと同時に、Global Kidsの保育士の方のESならびにQOLを上げるための、保育士向けオンライン婚活のサービス・システム提供をさせていただきます。
これらの取り組みから、0.3パーセント未満ではございますが、1,000万円の資本提携というかたちをとらせていただきまして、婚活事業ならびに保育事業で、引き続き連携していくという狙いでございます。
2.平成31年(2019年)3月期 通期業績予想
続きまして、平成31年度3月期の通期業績予想でございます。今期でございますが、売上高は43億8,100万円、前期比6.8パーセントの増加。営業利益は2億6,900万円、前期比38.1パーセントの増加。経常利益においては2億7,600万円、前期比マイナス15.1パーセントの計画で、走っております。
3.主要指標・業績の推移 売上高 営業利益(通期)
続きまして、業績の推移でございます。
今期は、先ほど申し上げた(売上高で)43億8,100万円、(前期比)6.8パーセントの増加です。これは、パートナーエージェント事業の入会会員数を約7パーセントちょっと回復させる計画であるということと、ファスト婚活での「OTOCONパーティー」の30パーセントの成長を見込みまして、前期比6.8パーセント増加の計画です。
営業利益は2億6,900万円、前期比38.1パーセントの増加です。これも(先ほどのご説明と)同様に、パートナーエージェントの入会(会員数)の回復のために、「OTOCONパーティー」の成長による利益の増加を計画しております。
3.主要指標・業績の推移 売上高(四半期)
続きまして、四半期ごとの売上高の推移は、ご覧のとおりでございます。
3.主要指標・業績の推移 営業利益、営業利益率(四半期)
12ページの営業利益の推移も、ご覧のとおりでございます。
4.セグメント別売上高・利益の状況①
続きまして、セグメント別の売上高と利益の状況をご報告申し上げます。
まず、平成30年3月期のセグメント別売上高からご報告申し上げます。パートナーエージェント事業は30億1,100万円、目標達成率は90.8パーセント。ファスト婚活事業は7億200万円、目標達成率は103パーセント。ソリューション事業は3億2,000万円、目標達成率は142パーセント。QOL事業は1億4,600万円、目標達成率は65.5パーセントという結果でございました。
また、セグメント別の利益でございますが、パートナーエージェント事業は6億8,000万円、達成率は71パーセント。ファスト婚活事業は7,300万円、達成率は117.7パーセント。ソリューション事業は、1億3,100万円。ここはマイナス1,600万円の計画でしたが、1億3,100万円で着地いたしました。QOL事業においては、マイナス5,000万円の予定でございましたが(結果としては)マイナス6,900万円というかたちでございました。
4.セグメント別売上高・利益の状況②
続きまして、セグメント別の売上高と利益の前年との対比でございます。
パートナーエージェント事業においては、(売上高は)当連結会計年度では30億1,100万円、前期比でいうとマイナス1.1パーセントでございます。ここにおいては、前々期の平成29年3月期においては、システムトラブルによる返金がありましたので、この売上を加味しない場合は、売上自体はマイナス9パーセントという結果でございました。
ファスト婚活事業においては7億200万円、前期比58.1パーセントの増加。ソリューション事業においては3億2,000万円、前期比9.7パーセントの増加。QOL事業においては1億4,600万円、前期比51.3パーセント(の増加)でございました。
続きまして、セグメント利益でございます。パートナーエージェント事業においては6億8,000万円、前期比マイナス2.3パーセント。ファスト婚活事業においては7,360万円で、前期から大きくプラスになっています。ソリューション事業においては1億3,100万円、前期比2.6パーセントの増加。QOL事業においてはマイナス6,900万円、前期比マイナス4,300万円という結果でございました。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針要約)①
続きまして、各事業の状況と今期の取り組みについて、ご説明をさせていただきます。
まず、各事業のサマリーでございます。パートナーエージェント事業は、今年(平成30年)の4月に、サービスのコンセプトを新しくいたしました。
今年の1月に、ドロンジョとブラック・ジャックを使った広告が非常にヒットいたしましたが、引き続き、認知度の向上が重要なテーマでございます。
また、婚活パーティーですが、マッチングアプリのマーケットが非常に広がっておりますので、我々の強みである婚活パーティー「OTOCON」とのマーケティングの連動は、重要な施策の一つでございます。
続きまして、ファスト婚活事業においては、新たな出店はいたしませんが、既存(店舗)の4店舗で改装をいたしまして、より集客効率が上がるような施策を行っております。また、先ほど申し上げたオンラインマッチングの市場が非常に拡大しているというところもありまして、引き続き、自社でのマッチングアプリの開発も検討をしております。
ソリューション事業においては、「CONNECT-ship(コネクトシップ)」で、今順調に会員が増えておりますけれども、今期(の4月)より課金を開始いたしました。また、自治体向け(の婚活支援)の「parms」という、当社の(婚活マッチング)システムがございますけれども、ここも順調に導入先が決まっております。自治体においては、システムの提案・導入というところに、注力してまいります。
QOL事業におきましては、めばえ保育ルームの売却というかたちになりましたが、引き続き、当社の成婚退会者さま向けのサービスの拡充ならびに、「ナシ婚」というマーケットが広がっておりますので、そこに対する新規事業の開始を検討しております。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針要約)②
次のページにある図をご覧ください。婚活サービスのレイヤーをプロットすると、(一番上に)結婚相談所のユーザーがいて、その下に婚活パーティーのユーザーがいて、その下にマッチングアプリを使っている婚活ユーザーのマーケットがあります。
当社においては、赤い部分の結婚相談所領域の、パートナーエージェントのブランドで展開しております。婚活パーティーにおいては、「OTOCON」というブランドで展開しておりまして、マッチング領域においては、今は複数のサービスに出資するかたちで、事業を展開しております。
我々のマーケティング上で非常に重要な施策がございます。2年前にテレビCMが解禁されまして、大手の会社がテレビCMのマス広告を積極的に展開しておりますが、当社がそこに出遅れており、認知度が低いということが、1つの課題でございます。
先ほどのドロンジョとブラック・ジャックの広告が非常にヒットいたしましたので、この第2弾を夏に展開し、第3弾を一番の商戦期である来年(2019年)の1月に展開して、マス広告の投資をしながら認知度の向上を図っていくということが、重要な施策の1つ目でございます。
2つ目に、婚活パーティーやマッチングアプリのユーザーのすそ野が非常に広がっておりますので、関連するサービスへの投資だけではなく、自社のサービスの展開というものも、現状は検討しております。
そして、一気通貫させた婚活サービスを展開することで、(マッチング)アプリからパーティー、パーティーから結婚相談所といったマーケティングの連携をしていくということが、今期の大きな取り組みです。
パートナーエージェント事業の認知度拡大(①)、マッチングサービスのユーザーのすそ野の拡大(②)、そして、すべてのサービスのマーケティングの連携(③)が、我々の婚活事業における、重要な施策になっております。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)①
続きまして、パートナーエージェント事業(のご説明)でございます。19ページにありますのが、(平成30年)1月に展開した広告でございます。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)②
(先ほど申し上げた)サービスコンセプトの変更について、ご説明いたします。基本的に、お客さまに提供するサービスのプロセスですとか、お客さまの成婚にこだわっていくというところは、変わらず展開しております。「成婚率の高さ」が、我々の成長してきた大きな原動力ではあったのですけれども、「成婚率の高さ」や「成婚No.1」という表現だけですと、広がったユーザーのすそ野に対して、なかなか対応しきれていないという分析がありました。
成婚率の高さを生み出しているものが、「専任コンシェルジュ」の専任担当制度や、我々のシステムを利活用した「婚活PDCAサイクル」や、お客さまの活動状況が可視化できるような「フィードバックシート」などです。
我々の成婚率を高めていくためのエッセンスがあるのですけれども、「PDCA」とか「フィードバックシート」という表現は、なかなか一般のお客さまに伝わりにくいということで、これをもうちょっと一般の方にわかりやすく(するために)、「チーム婚活×スマート婚活プログラム」という、我々の成婚率やサービス品質の高さを、一言二言でわかりやすく表現するようなコンセプトに変更したということが(今期の取り組みの)大きなところでございます。
実際に(平成30年)4月中旬に展開しまして、もう少し継続的な検証が必要でございますけれども、広告の反動率ですとか、ホームページにいらっしゃった方の転換率は改善しております。まだまだ我々の方でも、そのあたりのコンセプトやサービスのところでのチューニングの余地はありますので、引き続きお客さまに理解していただきやすく、ファンになっていただきやすい、商品コンセプトのブラッシュアップをしていきたいと考えております。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)③
パートナーエージェント事業の1つの成長のドライバーとなるのが、出店でございます。今期においては、先ほど申し上げたパートナーエージェント自体の認知度(向上)・ブランディングをしていくということと、マッチングアプリ開発への投資をすることを優先しております。
今期においては、新規出店を抑えて、既存のマーケティングの見直しや既存店の有効活用というものを、主な方針としております。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)④
今期におきましては、赤い棒グラフの年間入会会員数では、前年対比107パーセントとなる8,630名を計画しております。黄緑色の折れ線グラフは、期末在籍会員数でございます。入会会員数の増加に伴って(前年対比)107.3パーセントを見込みます。(青い棒グラフの)年間成婚会員数においては、ほぼ横ばいの計画ということでございます。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)⑤
続きまして、我々の強みである成婚率でございます。前期(平成30年3月期)においては27.2パーセントということで、前期比で1.4ポイント下がりましたが、過去2番目となる成婚率の高さでございますので、この成婚率の高さは引き続き維持していくということで、改善してまいる次第でございます。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)⑥
次のページでございます。我々の高いサービス品質や、高い成婚率を実現しているのが、店舗でお客さまの対応をしているコンシェルジュの存在と、ITシステムでお客さまのサービス品質を(さらに)上げていくというのが、我々の強みです。その我々の強みをさらに発揮するために、AIの機能を実装いたします。マッチング精度を上げて、お客さまの成婚精度を高めていく、もしくは生産性を高めていくという取り組みもしてまいります。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)⑦
続きまして、ファスト婚活の「OTOCONパーティ」でございます。今期においては、参加人数は35万7,000名と、前期比32パーセントの成長を考えております。
成長率がやや鈍化しているように見えますけれども、大都市への出店が一巡いたしまして、地方都市への出店をもって、32パーセントの増加を計画しております。また、「OTOCONパーティー」においては、アプリのリニューアルを通じてCRMを強化いたしまして、リピート率の向上やマーケティングコストの低減にも、取り組んでいこうと考えております。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)⑧
続きまして、我々のマッチングの領域でございます。(マッチングアプリの)「Dine」(を運営する株式会社Mrk & Co)社に対する出資を終えて、もう複数の出資を検討しております。また、我々のノウハウや強みを発揮した、婚活に特化したマッチングアプリの自社開発の検討も進めております。
我々の好調な「OTOCONパーティー」はさらに伸ばしつつ、アプリの自社サービスでお客さまの獲得をしつつ、そしてマーケティング上の連携を、今期は実現していきたいと考えております。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)⑨
続きまして、ソリューション事業でございます。今年(平成30年)の4月に、大手のNozzeさんに、新たに「コネクトシップ」へ加盟していただきました。今登録してくださっている会員数は、当社の会員を含めて2万人を超える数になりました。
また、「コネクトシップ」に登録されている会員同士の月間のコンタクト……お見合いの成立は2万9,000件ということで、これもパートナーエージェントと同様に、登録された会員が非常に高い確率でお見合いができているという実績があります。
当然ですけれども、各事業者ごとのお客さま満足度を高めるために、お見合い数(コンタクト成立件数)というのが、重要な指標でございます。多くのお見合いが組めるということで、より「コネクトシップ」の会員登録率を上げていただくと同時に、新たな事業会社にさらに「コネクトシップ」に参加していただけるように、引き続き努力をしてまいります。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)⑩
29ページでございます。「parms」という、地方自治体向けの婚活マッチングシステムでございます。一番最初に京都府に導入させていただき、昨年(平成29年)は福島に導入いたしましたが、今年(平成30年)は埼玉県に対しての導入が決まりました。引き続き、複数の地方自治体に提案中でございますので、導入先が増えていくように努力・営業してまいりたいと考えております。
5.各事業の状況と今期の取り組み(平成31年3月期方針)⑪
最後に、QOL事業でございます。めばえ保育ルームの売却は、先ほど申し上げたとおりでございます。今は4,000弱ぐらいの成婚退会がありますが、ここは引き続き、賃貸マンションや中古マンションなどの不動産の仲介事業への展開や、サービスアイテムの拡充ならびに、先ほど申し上げた「ナシ婚」への事業参入を検討しております。
6.株主優待
株主優待は、ご覧のとおりでございます。
あと1点、ご報告が漏れてしまいましたが、今年(平成30年)はソリューション事業において、婚活パーティーのマーケットが非常に伸びておりますけれども、婚活パーティーのポータルサイト・メディアを新規事業として検討しております。今回のめばえ保育ルームの売却に伴った婚活・結婚事業への集中ということで、先ほど申し上げたパートナーエージェント事業へのマス広告・アプリ開発以外にも、新規事業には積極的に投資をしてまいりたいと考えております。
ご説明は、以上でございます。
質疑応答:今後2、3年で狙うポジションは?
質問者1:よろしくお願いします。業績に与えるインパクトでは、広告費がすごく大きいのではないかという気がします。電車に乗っていても、御社の広告を拝見したりしていますが、私どもは効率的なのかと感じることがあります。
もっと効率的だったら、売上も利益も伸びているのだろうという印象があるのですが、その部分に関して、どうしていらっしゃるのでしょうか?
また、現状やっている広告ではないかたちの手法があるのかないのかというところも、可能性だけでも教えていただけますでしょうか?
佐藤:それでは、私からお答えさせていただきます。基本的に、パートナーエージェント事業における売上に占める広告費や、1入会あたりの広告費の指標のCPOを設定して、マーケティングの活動をしております。
冒頭のご説明で、「約6,000万円ぐらいの広告(費を使い切ること)ができなかった」ということがございました。前期においてはこれ以上広告を踏むと、いわゆる1入会あたりの広告コストのCPOが悪化して、利益率がさらに悪化すると判断して、広告が6,000万円未消化という状況がありました。
ですので、当然広告は、踏めば踏むほど入会数・売上は増えていきますが、一方で利益の悪化がありますので、基本はCPA・CPOというKPIをもとに、利益をしっかり担保する考え方で、マーケティングの投資対効果を図りながらマーケティング活動をしております。
あと、今年(2018年)の1月・4月・8月ならびに来年(2019年)の1月には(1億数千万円というマス広告の予算を設計しております)。以前よりも、多くの交通広告やマス広告を展開しておりますが、基本的に我々の設計は、先ほど申し上げた1入会あたりのCPOがいくらかを季節ごとに設定しまして、通期でのCPOがいくらになるかを決めております。
先ほど申し上げた(ように)今期においては、認知度・検索数を増やしていくことが(目標に)ありますので、通常のCPOがいくらかという設計に加えて、1億数千万円というマス広告の予算を設計しております。今期においては、パートナーエージェント事業におけるCPOは、悪化させる計画を組んでおります。
(なぜかと言うと、要因の)1つに、先ほども申し上げましたが、2年前にテレビCMが解禁されまして、大手の会社がテレビCMをたくさんやっておりました。我々はずっと、効率的なインターネットのダイレクトレスポンスの広告をやっておりました。
例えば3年前は、当社「パートナーエージェント」や大手会社の「楽天オーネット」という社名(そのもの)の検索数で言うと、だいたい3分の1ぐらいの開きがあったのですけれども、このテレビCMが開始されてからの2年間で、この検索数の開きが7倍になってしまいました。
(そのため)まず、効率的な(インターネットの)ダイレクトレスポンスの広告も重要ですけれども、一方で認知度を上げていかないと、なかなかこれ以上の成長は難しいということで、マス広告への投資を決意しました。しっかり認知度を上げて広告数を増やしていこうということが、先ほど申し上げた重要性の1つです。
また、広告以外のやり方においては、いわゆるお客さま紹介入会です。会員さまからの紹介入会は、今期はMAツールを導入いたしまして、すでに会員になられたお客さまに対する紹介促進や、過去に資料請求をされたお客さまのリテンションをかけて、直接広告費に頼らないCRMによって、入会を増やしていく努力を継続してやってまいります。
当然ですが、広告に頼らない入会が増えてくれば利益改善がされていきますので、その分はしっかりマス広告に投資をしていくという方針で、今期はやっております。
質問者1:もう1点、おうかがいできればと思います。他社さんのことなのでお話ししにくいのかもしれませんが、老舗のところの社長が代わって……何もしないで自滅していた印象があると、そのように(代替わりに)転じる可能性もあるのだろうと思うのですが。今後の2、3年以内に、業界はどう変わっていく余地があると思ってらっしゃるのでしょうか?
以前、「御社はどこのゾーンを狙ってらっしゃるんですか?」とお尋ねしたことがあると思いますが、狙うべきポジションや外部環境の変化を、どう見ていらっしゃるのでしょうか?
佐藤:ありがとうございます。向こう2、3年の、当社が狙うべきポジショニングはどこかというご質問になります。僕たちの創業の想いでもあり、我々の強みである、「せっかく婚活を始めたお客さまに(とって)高い成果を残していく」というDNAは、当然変わらずにやってまいります。
ですので、先ほど(申し上げたように)成婚率の高さに非常にこだわりすぎたがゆえに……僕たちの、お客さまに対する自社の良さをアピールするポイントが、成功率の高さにフォーカスしすぎて、その結果、特定のユーザーしか取れなかったという反省がございました。これに基づきまして、提供するサービスや結果の品質は変わらず、よりお客さまの品質の高さをわかりやすくする「チーム婚活」とか「スマート婚活」というコンセプトに、プロダクトを変えていったということがあります。
あと、もう1つ。例えば、婚活ユーザーが検索するキーワードには、「結婚相談所」「婚活」「マッチングアプリ」などがあります。まさに今、「結婚相談所」という検索の領域が、パートナーエージェントの事業でございます。「婚活」という検索の対象となる事業が婚活パーティーやマッチングアプリで、「マッチング」という検索の対象事業は、マッチングアプリ(そのもの)でございます。
結婚相談所も含めて、婚活パーティーやマッチングアプリのユーザーの裾野が、今は確実に広がっているので、私どものユーザーの裾野を広げるためには、婚活パーティーの強化や、マッチングアプリの事業サービスが、まず必要だと考えています。
ただ単に参入すればいいのではなく、婚活パーティーもマッチングアプリにおいても、私どもの強みであるサービスの品質や、「継続して婚活ができるからこそ、結果ができる」というエッセンスを、婚活パーティーにもマッチングアプリのサービスにもしっかり活かして、我々のサービスドメインみたいなものは、一気通貫してやっていこうと考えております。
質疑応答:「ナシ婚」に向けたサービスの展開
質問者2:本日はありがとうございます。2つうかがいたいのですけれども、半年前のパートナーエージェント事業の広告については、投資段階だというお話でした。そこは(2018年)1月以降変えられて、一定の成果が出てきているという手ごたえを掴んで、従来の回復軌道に戻ったという認識なのでしょうか? だからこそ、今回のようなマス広告をして、認知度を上げていくという判断をされたのかなと思っているんですけれども、その見方をしていいのでしょうか?
それと併せて、今期のパートナーエージェント事業の成約件数(成婚数)を、ほぼ横ばいで見ていらっしゃるのですけれども。会員数が増えていく中、それ(成約件数)がぐんぐん上がっていってもいいと思うのですけれども、慎重に見ていらっしゃる理由が何かあれば、教えてください。
もう1つは、新しいサービスで、「ナシ婚」(の需要)に対するサービスを考えていらっしゃるかと思うのですけれども。なかなか言いにくいところもあるかもしれないのですけれども、どのようなことを考えていらっしゃるのか、もし可能であれば教えてください。
佐藤:はい、承知しました。1つ目の広告と3つ目の「ナシ婚」については私から回答させていただきまして、2つ目の成婚率については、婚活事業責任者の紀伊から回答させていただきます。
まず、広告の回復の手応えがあるのかというところでございますが、今「100パーセントある」という確信ではございませんが、1月に展開したドロンジョとブラック・ジャックの広告は、Webの来訪数・検索数ともに過去最高となりました。
今年の1月の段階では、先ほどの(ご説明にあった)「チーム婚活×スマート婚活」というコンセプトが未導入でしたので、広告の表現に対するプロダクトのギャップがあり、(ドロンジョとブラック・ジャックの広告には)来訪効果はあったけれども、なかなかコンバージョンに結びつかなかったという反省がありました。そこから、4月中旬にプロダクトを変更したという経緯があります。
次に、8月(に向けた施策)でございますけれども、先ほどの「チーム婚活×スマート婚活」の、コンセプトのブラッシュアップを、もうちょっとしていかなければいけないと考えています。8月になりますと、1月に展開したドロンジョとブラック・ジャックの広告の、いわゆる鮮度みたいなものが、やはり落ちてきます。8月に向けて、広告の誘導とプロダクトをどうしていくかを図り、改善しながら、やっているような状況でございます。
1年前で言うと、なかなか広告の効率も悪く、プロダクトの営業のKPIも悪く……という状況から、改善の入り口はもう見えて(きています)。あとは、継続して改善していけば、各KPIは上がっていくという手応えを感じています。当然でございますが、「これでいける」となれば、しっかり踏めるところは踏んで、勝負をしていきたいと考えています。
「ナシ婚」においては、ここも他社とジョイベンでやるところでございます。まだリリース前でございますので、しかるべきタイミングで、しっかり我々の事業のコンセプトやターゲットをご説明してまいりたいと思います。ただ、まずは試験的な事業を1つやって、状況を見ようということでございます。ここにとても巨額の投資をしていくというわけではなく、試験的に事業を行っていこうという位置付けで考えています。
紀伊保宏氏:成婚数が横ばいというところに関して、ご説明させていただきます。昨年(2017年)の夏くらいが、入会(数)が一番減ったところで、そこから徐々に徐々に回復してきています。今、佐藤がご説明申し上げたとおりです。ご入会いただいてからご成婚に至るまでのお客さまの平均期間が、だいたい1年から1年半です。入会(数)が減少していた昨年に入会された方が、成婚に転換していくのが、この1年から1年半後(になります)。
なので、今期は、前期にご入会いただいた方が、成婚・退会される(割合の)多くを占めるため、成婚者数が横ばいというかたちになります。
質問者2:ありがとうございました。
質疑応答:株式会社Mrk & Coについて
質問者3:株式会社Mrk & Coに、1億円のご出資をされたということでした。前回の説明会で、もしかしたらご説明があったのかもしれないのですけれども。この会社は未公開だと思うのですが、どれくらいの時価総額に相当する会社なのでしょうか?
佐藤:今のご質問においては、先方との契約において非開示というかたちになっていますので、ここではお答えを差し控えさせていただきます。
質問者3:あと、この会社がもうすでに、マッチングアプリの日本版を出されているみたいなのですけれども。御社がまた、独自のマッチングアプリを出される可能性があるということでした。そうすると、株式会社Mrk & Coに対する出資者としての立場と、商材同士が競合する立場で、利益相反があると思います。そうすると、たぶんこちらのマッチングアプリは、あまりダウンロード数がないようなので、それをそのまま譲り受けるという選択肢はないのでしょうか?
佐藤:私からお答えさせていただきます。まず、マッチングアプリの領域・ターゲットとは、大きく2つあります。いわゆる恋活系のマッチングアプリと、婚活系のマッチングアプリがあります。使っていらっしゃるユーザーの年齢層も目的も、大きく異なっています。多くのマッチングアプリは、20代前半の恋活ユーザーをターゲットにしたものです。当社が出資しているこの「Dine」というサービスも、恋活のサービス領域でございます。
一方、婚活マッチングアプリ領域においては、私の認識している限り、本当に数社しかプロダクトをリリースしていない状況でございますので、まだまだそこには参入の余地があるというところと、住み分けはできると考えています。
質問者3:「Dine」のサービスを使われるユーザーの方から、御社になんらかのかたちで送客する仕組みはあるのでしょうか?
佐藤:投資契約の中にも書いてございますが、マーケティング上の連携は、段階的に取り組んでいこうという話をしています。ただ、先ほど申し上げたように、「Dine」さんは今、恋活のサービスですので。
そこから、パートナーエージェントの婚活というと、コンセプトも金額感も大きく異なります。昨年(2017年)に、「OTOCON」と「Dine」の共同開催のパーティーをやっています。今年(2018年)中に「Dine」のアプリの中に、「OTOCON」のパーティーへの誘導コンテンツみたいなものを、試験的に実装していこうと思っています。
彼らにも、サービスのコンセプトとターゲットがありますので、あまりにも無理な連携をしてしまうと、お互いのブランドが(すでに)築いてしまっているものがありますので、試験的に段階的に、連携の強化を図ってまいります。
質問者3:ありがとうございました。