2017年度 第3四半期累計 連結決算総括
それでは2017年度第3四半期決算について、ご説明いたします。
まず初めに、2017年度第3四半期決算を総括いたします。
営業利益は、集団訴訟和解金や前年同期の年金制度改定影響などはあったものの、主にアジアにおける二輪車の好調な販売や、コストダウン効果などにより、7,067億円と前年同期比べ 0.6パーセントの増益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、持分法による投資利益の増加や米国法人税率引き下げ影響 3,461億円などにより、9,515億円と前年同期に比べ 4,309億円の増益となりました。
2017年度 第3四半期累計(9ヵ月間) Hondaグループ販売台数
続いて、9ヶ月間累計のホンダグループ販売台数です。
二輪事業では1,480万7,000台。四輪事業では390万3,000台。パワープロダクツ事業では378万5,000台となりました。
この中から、主要市場であります、日本・米国・中国における四輪事業と、インドの二輪事業の状況について、お話しいたします。
主要市場の状況 四輪事業1
まず日本での四輪車販売実績は、50万6,000台で、前年同期に比べ2.9パーセントの増加となりました。
「N-BOXシリーズ」の2017年暦年における新車販売台数は21万8,000台で、登録者も含む新車販売台数において、第1位となりました。また、JNCAP予防安全性能アセスメント、および衝突安全性能評価ともに、最高評価を獲得しました。軽自動車では、N-BOXが初めてとなります。
広い室内空間や、乗用車間隔の走りなどを特長としている「STEP WGN」の販売台数は、2017年10月末時点で、150万台を超えました。
主要市場の状況 四輪事業2
米国の四輪車販売実績は、全体市場が前年を下回るなかで、前年同期並みの127万6,000台となりました。10月に発売された新型「Accord」が、2018North American Car of the Yearを受賞しました。
ホンダとしては、2016年乗用車部門の「Civic」、2017年トラック部門の「Ridgeline」に続き、3年連続での受賞となりました。また「Clarity」シリーズは2018 Green Car of the Year®に選出されました。
米国での2017年暦年の販売台数は、164万1,000台と過去最高となり、米国での累計販売台数は4,000万台を突破しました。
主要市場の状況 四輪事業3
中国での四輪車販売実績は、115万台と前年同期に比べ15.7パーセントの増加となりました。また2017年暦年の販売台数は145万8,000台と過去最高を記録しました。「Civic」「Accord」「Crider」などがご好評をいただいており、12月には「Acura TLX-L」を発売しました。
主要市場の状況 二輪事業
インドでの二輪車販売実績は、スクーターでは「Activa」など、モーターサイクルでは「CB Shine」などの増加により、437万9,000台と前年同期に比べ20.1パーセントの増加となりました。また、2017年暦年の販売台数は、545万6,000台と過去最高を記録しました。10月には、新型スクーター「Grazia」を発売しております。
トピックス
続きまして、直近のトピックスについてご説明いたします。
11月にソフトバンク株式会社とホンダは、第5世代移動通信システム(5G)の普及を想定し、自動車を中心としたモビリティーとさまざまなモノが「つながる」ことで、新たな体験や価値を提供するコネクテッドカー技術の強化を目的とした、共同研究を開始しました。
また、12月には交通事故ゼロ社会の実現に向けた自動運転技術の確立を目指す取り組みにおいて、人口知能技術に強みをもつSenseTime社と、共同研究開発契約を締結しました。
二輪事業では、バングラデシュにおけるさらなる生産・販売台数獲得を目的に、新工場の建設を開始しました。
2017年度 第3四半期累計(9ヵ月間) 決算概要
続きまして、9ヶ月間累計の損益状況です。
売上収益は11兆4,464億円、営業利益は7,067億円、持分法による投資利益は1,897億円、税引前利益は9,245億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は9,515億円となりました。1株当たり四半期利益は、529円39銭となっております。
2017年度 連結業績見通し
次に、2017年度の連結業績見通です。
売上変動構成差に伴う利益増やインセンティブの減少、為替影響などを反映し、前回公表した見通しを修正しております。
売上収益は15兆2,000億円、営業利益は前回見通しより300億円増益の7,750億円、持分法による投資利益は2,400億円、税引前利益は1兆450億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1兆円としました。
1株当たり当期利益は557円70銭と見込んでおります。
見通しを算出するにあたっての為替レートです。
第4四半期の為替レート前提は、1米ドル105円です。通期平均では1米ドル110円としております。
配当
配当金についてです。
2017年度の年間配当金の予想については、営業利益や持分法による投資利益の増加により、前回公表した予想に比べ1株当たり2円増配の98円とし、当第3四半期末配当金は、1株当たり25円としました。
2017年度 第3四半期 売上台数の状況
続きまして、決算の詳細をご説明いたします。
まずHondaグループ販売台数についてですが、二輪事業では487万台と、前年同期に比べ7.7パーセントの増加です。四輪事業では134万4,000台と、前年同期に比べ2.4パーセントの増加です。パワープロダクツ事業では119万6,000台と、前年同期に比べ1.8パーセントの増加となりました。
連結売上台数は、ご覧の通りです。
2017年度 第3四半期 損益状況
続きまして、損益の状況です。
売上収益については、すべての事業における増加などにより、3兆9,571億円と、前年同期に比べ13パーセントの増収となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費の増加などはあったものの、売上変動及び構成差に伴う利益増などにより2,845億円と、前年同期に比べ37パーセントの増益となりました。営業利益率は7.2パーセントとなっております。
持分法による投資利益は、545億円です。税引前利益は3,465億円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、持分法による投資利益の増加や米国法人税率引き下げ影響などにより5,702億円と、前年同期に比べ4,014億円の増益となりました。
1株当たり四半期利益は、318円50銭となっております。なお為替レートは、1米ドル113円と前年同期と比較し、4円の円安となっております。
【 二輪事業* 】Hondaグループ販売台数
続きまして、事業別のHondaグループ販売台数です。
二輪事業では当第3四半期のHondaグループ販売台数は、インド、ベトナム、タイなどにおける増加により487万台と、前年同期に比べ7.7パーセントの増加となりました。
【 四輪事業 】Hondaグループ販売台数
次に四輪事業です。
当第3四半期のHondaグループ販売台数は、中国における「Avancier 」や「CR-V」などの増加や、タイにおける「City」などの増加により、134万4,000台と、前年同期に比べ2.4パーセントの増加となりました。
【 パワープロダクツ事業 】Hondaグループ販売台数
続いて、パワープロダクツ事業です。
当第3四半期のHondaグループ販売台数は、日本における建機搭載用エンジンなどの増加や、オーストラリアにおける芝刈機などの増加により119万6,000台と、前年同期に比べ1.8パーセントの増加となりました。
2017年度 第3四半期累計(9ヵ月間) Hondaグループ販売台数
なお、9ヶ月間累計の事業別のHondaグループ販売台数は、ご覧の通りです。
2017年度 第3四半期 売上収益事業別増減
続きまして、当第3四半期の売上収益についてです。
すべての事業における増加や、為替換算による増加影響などにより、3兆9,571億円となりました。なお、為替換算影響プラス1,485億円を除く、事業別売上収益の増加額はご覧の通りでございます。
2017年度 第3四半期累計(9ヵ月間)売上収益事業別増減
また、9ヶ月間累計の売上収益はご覧の通りです。
2017年度 第3四半期 税引前利益増減要因
次に、税引前利益の増減要因についてご説明いたします。
当第3四半期の税引前利益は3,468億円と、前年同期に比べ859億円の増益。営業利益は2,845億円と、前年同期に比べ768億円の増益となっております。
その増減要因です。
売上変動構成差等により737億円のプラス、コストダウン効果等については原材料価格の変動影響等はあったものの、116億円のプラスです。
販管費の増加により279億円マイナス、研究開発費の増加により85億円のマイナス、営業利益段階での為替影響は280億円のプラスとなっております。持分法による投資利益の増加により53億円のプラス、金融収益及び金融費用により36億円のプラスとなっております。
2017年度 第3四半期累計(9ヵ月間)税引前利益増減要因
続いて、9ヶ月間累計の税引前利益です。
前年同期に年金制度改定影響が含まれていたことや、集団訴訟和解金などはあったものの、売上変動構成差等に伴う利益増や、持分法による投資利益の増加などにより9,245億円と、前年同期に比べ1,045億円の増益となっております。
【 二輪事業 】 売上収益/営業利益(率)
次に事業別の業績ついて、ご説明いたします。
まず二輪事業です。売上収益は連結売上台数の増加などにより4,991億円と、前年同期に比べ18.7パーセントの増収となりました。
営業利益は、台数変動及び構成差に伴う利益増などにより648億円と、前年同期に比べ54.8パーセントの増益となりました。営業利益率は13パーセントとなっております。
【 四輪事業 】 売上収益/営業利益(率)
次に四輪事業です。売上収益はアジア地域での増加などにより2兆9,014億円と、前年同期に比べ11.7パーセントの増収となりました。
営業利益は、販管費の増加などはあったものの、台数変動及び構成差に伴う利益増などにより1,674億円と、前年同期に比べ29パーセントの増益となりました。営業利益率は、5.8パーセントとなっております。
【 パワープロダクツ事業及びその他の事業 】 売上収益/営業利益(率)
次にパワープロダクツ事業及びその他の事業です。売上収益はパワープロダクツ事業の連結売上台数の増加などにより934億円と、前年同期に比べ16.4パーセントの増収となりました。
営業利益は、台数変動および構成差に伴う利益増などにより15億円と、前年同期に比べ79億円の改善となりました。なお、パワープロダクツ事業およびその他の事業に含まれる航空機および航空機エンジンの営業損失は80億円と、前年同期に比べ42億円の改善となりました。
【 金融サービス事業 】資産/売上収益/営業利益(率)
次に金融サービス事業です。当第3四半期末の金融子会社資産の合計は9兆8,671億円となりました。売上収益は、オペレーティングリース売上の増加などにより5,271億円と、前年同期に比べ15.7パーセントの増収となりました。営業利益は、増収に伴う利益の増加などにより507億円と、前年同期に比べ19.7パーセントの増益となりました。営業利益率は9.6パーセントとなっております。
事業別 売上収益/営業利益(率)の状況 (9ヵ月間)
なお、9ヶ月間累計の事業別の業績は、ご覧のとおりです。
所在地別 売上収益/営業利益の状況 (3ヵ月間)
次に、当第3四半期の所在地別セグメントの業績についてご説明いたします。
まず日本についてです。為替影響による増加などはあったものの、販管費の増加などにより営業利益は632億円と、前年同期に比べ21.3パーセントの減益となりました。
北米の営業利益は、販管費の増加はあったものの、台数変動および構成差に伴う利益増などにより1,060億円と、前年同期に比べ26.6パーセントの増益となりました。欧州は、台数変動および構成差に伴う利益増などにより営業利益は25億円と、前年同期に比べ72億円の増益となりました。
アジアの営業利益は、台数変動および構成差に伴う利益増やコストダウン効果などにより1,111億円と、前年同期に比べ35.4パーセントの増益となりました。南米・中東・アフリカなどのその他の地域は、台数変動および構成差に伴う利益増などにより営業利益は77億円と、前年同期に比べ85億円の増益となりました。
所在地別 売上収益/営業利益の状況 (9ヵ月間)
なお、9ヶ月間累計の所在地別セグメントの業績は、ご覧のとおりです。
持分法による投資利益
次に、持分法による投資利益についてご説明いたします。
持分法による投資利益は、中国における販売台数の増加などにより545億円と、前年同期に比べ11パーセントの増益となりました。なお、アジアにおける持分法による投資利益は470億円となっております。
2017年度 第3四半期累計(9ヵ月間) 設備投資
次に、設備投資についてご説明いたします。
9ヶ月間の設備投資の実績については、四輪事業における新型車導入のための投資の減少などにより2,849億円と、前年同期に比べ837億円減少いたしました。事業別の為替換算影響を除いた増減額は、ご覧のとおりです。
Hondaグループ販売台数 見通し
続きまして、2017年度の連結業績見通しについてご説明いたします。
まず、Hondaグループ販売台数についてです。二輪事業では、主にインドにおける増加などを織り込み1,941万台と、前回公表した見通しより23万台の増加です。四輪事業では、中国などの販売の増加を織り込み522万5,000台と、9万5,000台の増加です。パワープロダクツ事業では、前回公表した見通しから変更なく、616万5,000台を見込んでおります。
連結売上台数 見通し
連結売上台数の事業別見通しについても同様に、販売台数の変化を織り込み、二輪事業で1,282万台、四輪事業で369万5,000台と、それぞれ修正しております。
2017年度 連結業績見通し
続きまして、通期の連結業績見通しです。営業利益は7,750億円、税引前利益は1兆450億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は1兆円となっております。
対前年度 2017年度見通し 税引前利益増減要因
この連結業績見通しの、前年度実績からの増減要因です。営業利益は657億円のマイナス、持分法による投資利益は752億円のプラス、金融収益および金融費用は285億円のプラスとなっております。
対前年度 2017年度見通し 営業利益増減要因
営業利益の増減要因を組み替えて、前年度実績から為替影響と年金制度改定影響を除き、2017年度見通しから集団訴訟和解金の影響を除いて比較すると、620億円の増益を見込んでおります。
対前回見通し 2017年度見通し税引前利益増減要因
前回公表した通期見通しに対しては、売上変動・構成差等により330億円のプラス、コストダウン効果等で110億円のマイナス、販管費の増加により200億円のマイナス、研究開発費の減少により70億円のプラス、営業利益段階での為替影響により210億円のプラス、持分法による投資利益により350億円のプラス、金融収益および金融費用により250億円のプラスとなっております。
2017年度 設備投資・減価償却費・研究開発支出 見通し
2017年度の設備投資・減価償却費・研究開発支出の見通しは、設備投資は前回と同額の5,050億円、減価償却費は前回と同額の4,650億円、研究開発支出は前回見通しより100億円減少の7,400億円を予定しております。
説明は以上です。ありがとうございました。