2017年11月期通期決算説明会

辻庸介氏:マネーフォワードの辻です。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。本日は当社マネーフォワードの、初めての通期決算説明ということで、始めさせていただきます。

それでは、お手持ちの資料とパワーポイントにしたがって、ご説明させていただければと思います。全体で1時間をいただいておりますので、説明は30分から40分程度に納めて、ぜひたくさんご質問をいただければと思っています。

本日は、ハイライトをまとめてポイントを申し上げてから、会社概要・2017年11月期の業績発表・その他の戦略的取り組み・今後の成長戦略および今期2018年11月期の業績見通しについて、ご説明いたします。

通期業績ハイライト

まず、通期業績ハイライトです。

通期連結売上高は前期比88パーセント増加の29.0億円と、大きく成長しています。みなさま方に公表させていただいた業績見通し比に対しては、8パーセントの上振れになっております。

その内訳として、当社にはPFMサービスとMFクラウドサービスという、2つのメイン事業がございます。PFMが前期比で74パーセント増加、業績見通し比で14パーセントの上振れです。クラウドが前期比で105パーセント増加、業績見通し比で3パーセントの上振れです。

連結営業損失は8.0億円の赤字ということで、業績見通しでは10.0億円と発表させていただいており、2.0億円、業績見通しより改善しています。また、前期比では0.8億円改善しています。

最後に、広告宣伝費を除いた営業損益は0.4億円増加ということで、プラスに転換しています。

ここは従来申し上げている通り、我々はサブスクリプションSaaS型のモデルですので、基本的にはセールスフォースさまなどのようなモデルです。

このあたりは、経営の意思としては黒字を作れるかなと思っております。現状はIPOを含めて、財務基盤が安定していますので、引き続き投資をしっかりして、中長期の成長拡大を見込んでいくことを想定しています。

2017年11月期第4四半期以降の主なトピックス

続きまして、2017年11月期第4四半期以降の、主なトピックスをご紹介いたします。

まず、個人向け「マネーフォワード」の利用者が、600万人を突破いたしました。

次に、先日ご紹介させていただいた、クラビス社のM&Aによるグループ化です。

また、(2017年の)年末に発表しましたけれども、ブロックチェーンや仮想通貨を活用した送金・決済領域を研究する「MFブロックチェーン・仮想通貨ラボ」を設立しています。

そして、ネットとリアルの融合ということで、“未来のおかね”を学べるお店「mirai talk」の店舗の1号店を、新宿にオープンいたしました。こちらは、すでに発表済みの案件です。

最後に、国内外のSaaSおよびFintech企業に積極的に出資を行う「マネーフォワードファンド」を立ち上げることを、本日(2018年1月15日)発表させていただいております。これについては、後ほど詳しくご説明いたします。

2018年11月期見通しについて

次のページで、2018年11月期の見通しについて、ご説明させていただいております。

「売上見通しについて、どの程度発表させていただこうか?」という議論を、取締役会を含めて行ったのですが、我々のような急成長企業が一本値で見込みを出すというのは、正直なかなか難しいなというのが、経営の実情です。

投資に関しても、フレキシブルに必要なときに動くという、経営の自由さを失うこと・中長期の成長を損なってしまうことが正直ございますので、どのような開示の仕方をするかを、いろいろ検討いたしました。

社内取締役会(で話したところ)では、投資家のみなさまにしっかり開示をして、その数字を守っていくことを前提におきまして、今回、連結売上高と営業損益に関しては、レンジで発表するかたちにさせていただければと思っております。

最も大事なものが、売上高の伸びだと思っております。連結売上高は、引き続き強い成長をしていくということで、前期比プラス50から60パーセント成長の、43.5億円から46.5億円を見込んでおります。

営業損益に関しては、引き続き投資を拡大していくということで、5.0億円から8.0億円の赤字を見込んでおります。

また今回、我々はクラビス社さまをM&Aいたしましたが、EBITDAというキャッシュ・フローの概念が大事かなと思っております。そちらは、マイナス3.7億円からマイナス6.7億円を見込んでいます。

今期からグループ化したクラビス社および、MF KESSAIやmirai talkからの収益貢献も、開始見込みです。

以上が、ハイライトのご説明です。

Mission/Vision/Value

続きまして、ここから会社概要をご説明いたします。このあたりはご存じの方も多くいらっしゃいますので、駆け足でご説明いたします。

当社は「Mission」「Vision」「Value」というものを、なによりも大事にしています。(Missionの)「お金を前へ。人生をもっと前へ。」ということで、お金の課題をテクノロジーで解決することを、目指しています。

主要サービス

主要サービスに関しては、サービスラインナップが徐々に拡充してきております。PFMサービス、MFクラウドサービス、そして新規サービスとしてMF KESSAI・SiraTama・mirai talkというかたちで、広がっております。

自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』

先ほど申し上げた主力事業の「マネーフォワード」は、ユーザー数が600万人を突破しています。

くらしの経済メディア『MONEY PLUS』

また、くらしの経済メディアの「MONEY PLUS」を拡充しています。

SaaSプラットフォーム『MFクラウドシリーズ』

クラウドに関しては、企業向けSaaS型サービスプラットフォーム(「MFクラウドシリーズ」)を提供しています。

クラウド記帳サービス『STREAMED』

また、今回グループにジョインしていただきました(クラビス社の)「STREAMED」というクラウド記帳サービスは、アナログデータをデジタルデータで読み込んでいくというものを提供しています。

企業間後払い決済サービス『MF KESSAI』

また、「MF KESSAI」というものを立ち上げております。これは、請求代行与信と請求代行BPOの受け皿となるかたちです。今後は、バックオフィスの人間を採用できない会社が増えてくると思いますので、その受け皿になっていこうと進めております。

“未来のおかね”を学べるお店『mirai talk』

また14ページは、先ほど申し上げた「mirai talk」です。著名なFPの横山(光昭)さまと一緒に、「お金の体質改善」を目指しています。

メディアの方に「お金のライザップ」と書いていただいたように、お金の体質改善を目指して、実店舗でライフプランや家計改善のアドバイスをやっていくことを考えております。

人生を楽しむ貯金アプリ『しらたま』

また、(しら)ずに(たま)るということで、「しらたま(SiraTama)」と名付けさせていただいた、貯金アプリを提供しております。

以上、駆け足ですけれども、このようなサービスを提供させていただいている会社です。

売上高推移

続きまして、2017年11月期業績です。

先ほど申し上げたように、(売上高は2013年11月期の)300万円から始まりまして、(2014年11月期で)7,600万円、(2015年11月期で)4億4,100万円、(2016年11月期で)15億円、(2017年11月期で)29億円ということで、順調・急速に成長しているという次第です。

売上高(主要サービス別、前期比)

(売上高の)29億円の内訳です。売上高を、主要サービスのPFMとMFクラウドで記載しております。

今回、PFMが13億8,400万円・MFクラウドが15億円ということで、売上高はMFクラウドがPFMを若干抜きましたが、両サービスともに大きく成長しているというかたちです。

売上高(主要サービス別、四半期推移)

19ページでは、それ(主要サービス別の売上高)を四半期ごとに開示しています。両サービスとも順調に、右肩上がりに伸びています。

当社のサービスの特性上、月額課金モデルで解約が非常に低いサービスですので、基本的にはストック型で着実に、右肩上がりで伸びているビジネスモデルです。

売上高(業績見通し比較)

20ページは、業績見通しの比較をさせていただいております。

今回、より大きく業績見通しが伸びたのは、PFMです。全体の14パーセント(の上振れ)なのですが、この内訳は、BtoBtoCの事業収入です。

金融機関さまや一般事業者さま向けのサービスが、業績見通しより29パーセント大きく伸びているところが特徴です。

BtoBtoC事業は先方さまのニーズもございますので、なかなか業績見通しですべてを抜くことは難しく、どうしても保守的になる分、ちょっと上振れする可能性があるのかなと考えております。

売上総利益 / 営業損益推移

21ページは、売上総利益・営業損益の推移です。

売上総利益率は、(2016年11月期の)52パーセントから(2017年11月期は)67パーセントということで、大きく15パーセント向上しています。また、広告宣伝費を除く営業損益は黒字化しています。

ただし今期は、広告宣伝費を除くところも、営業損益にしっかり投資をしていこうと思っておりまして、いったん赤字になるかなと見込んでおります。

財務基盤の強化

22ページは、財務基盤の強化のご説明です。連結現預金残高が、57億円に増加しています。IPOによる資本増強および銀行借入を実施しまして、財務基盤を大きく強化しているところです。なので、このあたりの財務基盤の強化という背景のもとに、しっかり投資を広げていくことと、中長期の成長をとっていくことを考えております。

以上が、2017年11月期業績のまとめです。

PFMサービスの収益構成

ここからは、各サービスのご説明をさせていただきます。

まず、PFMサービスです。こちらは前回の資料にもございますが、3種類のバランスがとれた収益構成になっております。プレミアム課金収入・メディア/広告収入・BtoBtoC事業収入で、それぞれ、ほぼ3割から4割というかたちです。

PFMサービス売上高

成長率に関しては、全カテゴリで(前期比)プラス60パーセントを超える、高い成長を達成しています。プレミアム課金収入が85パーセント、メディア/広告収入が61パーセント、BtoBtoC事業収入が73パーセントで、順調に伸びております。

プレミアム課金収入(売上高推移)

それぞれの売上高推移について、ご説明します。プレミアム(課金)ユーザーの推移は、(2017年12月末時点で)12万人を突破して、右肩上がりで増加しております。

メディア/広告収入(売上高推移)

次のページは、メディア/広告収入ですけれども、こちらは若干(四半期で)デコボコがございます。あと、「お金のEXPO」というイベント(協賛)収入が1年に1回、大きく入ってきています。(「お金のEXPO2017」の開催を受けて)第4四半期において(過去最高の四半期売上高の)1億5,300万円ということで、大きく伸びております。

BtoBtoC事業収入(売上高推移)

28ページは、BtoBtoC事業です。こちらは今回、初めて内訳を開示しているのですが、フロー収入とストック収入を分けております。

ストック収入に関しては、提供させていただいている会社さまから月額運用費を頂戴していまして、ユーザーが伸びれば伸びるほど、月額運用費が少しずつ上がっていきます。あとは、提携先さまが増えていくと、運用費が上がっていくという仕組みです。

フロー収入は、案件次第でイニシャルフィーを頂いていますので、案件があるごとに若干デコボコします。内訳はこちらの資料のようになっており、ストック収入に関しては、基本的に右肩上がりで増加しております。

プレミアム課金 (トピックス)

29ページは、プレミアム課金のトピックスです。よく、「どうやってプレミアム課金者数を増やすのですか?」というご質問をいただいています。

今回、口座画面とホーム画面のリニューアルを実施して、ユーザビリティのさらなる改良ということで、課金率向上を目指しています。

今回(2018年1月に)ホーム画面の改良という大きなものを行い、比較的反応も良いので、これは課金率向上につながってくるのかなと考えております。

メディア/広告(トピックス)①

30ページは、先ほど申し上げたメディア/広告のトピックスです。第4四半期(2017年10月22日)に、「お金のEXPO2017」を開催いたしました。我々のビジョンである「お金に関して、正しい情報を発信していく」ということで、さわかみ投信の澤上(篤人)さまや、レオス・キャピタルワークスの藤野(英人)さまをはじめ、お金のプロフェッショナルの方々にご登壇いただきまして、2,000名以上の参加者にお越しいただきました。

メディア/広告(トピックス)②

また、「MONEY PLUS」というくらしの経済メディアが、LINEさまのアカウントの記事に選ばれまして、LINEアカウントを通じて配信を開始しています。こちらでも、読者層の拡大を目指していきたいと考えております。

BtoBtoC事業(トピックス)

32ページは、BtoBtoC事業のトピックスです。「MFUnit」というサービスを提供しています。これは、我々の資産管理機能を他社さまにご提供するというサービスです。その第1弾として、株式会社ジャルカードさまにJALカードアプリの機能を提供することを行っております。

これは、今後いろいろな会社さまに提供していこうと思っており、こちらもBtoBtoC事業の商品ラインナップを広げていくことを考えております。

以上が、PFMサービスのご説明です。

MFクラウドサービスの収益構成

続きまして、MFクラウドサービスをご説明します。これは前回お見せした収益構成ですが、86パーセントがMFクラウドシリーズ販売収入です。

MFクラウドサービス売上高

内訳は、MFクラウドシリーズ販売収入が大きく伸びまして、プラス124パーセントとなっております。アライアンス事業収入は、プラス33パーセントです。

MFクラウドシリーズ販売収入(売上高推移)

36ページは、その内訳です。MFクラウドシリーズの売上が(2017年11月期)第4四半期で4億600万円ということで、2年前(2016年11月期)第1四半期の9,000万円から、着実に右肩上がりに増えています。これは月額課金の、サブスクリプションモデルという特徴です。

アライアンス事業収入(売上高推移)

一方、アライアンス事業は、どうしても(四半期で)デコボコがございます。今期は「MFクラウドExpo」を開催してイベント収入がありましたので、過去最高の売上高を記録していますが、このあたりは今後もデコボコがあるかなと思っております。

MFクラウドシリーズ (トピックス)①

MFクラウドシリーズのトピックスとしては、全国の(7つの)商工会議所さまとの提携を開始しています。今、安倍政権の生産性向上の取り組みの中でも、商工会議所さまが非常に重要なポジションを占められています。そこともしっかり連携していくというかたちで、商工会議所に来られる中小企業の方々にMFクラウドシリーズをご紹介いただくという提携を、させていただいております。

MFクラウドシリーズ (トピックス)②

「未来投資戦略2017」で、日本の活性化のために開業率を(10パーセント以上に)上げていこうということがございます。会社設立をサポートする、「MFクラウドのおまかせ会社設立」をリリースしています。

これは、会社設立からやらせていただくというものです。創業からMFクラウドを使っていただけるというメリットもありますので、そのようなかたちで進めております。

MFクラウドシリーズ (トピックス)③

MFクラウドシリーズの新しいチャレンジといたしまして、販売代理店さまとの協業を開始しています。今回(2017年12月より)NTTドコモさまから「MFクラウドシリーズは良いね」ということでお話をいただきまして、販売チャネルを拡大しています。

アライアンス (トピックス)

こちらは、年に1度やらせていただいている「MFクラウドExpo」と、BtoB向けのイベントもさせていただいています。オープンアンドコネクトというテーマで、いろいろなすばらしいクラウドサービスがございますので、そのような方々にご登壇いただいたというかたちです。

以上が、クラウドの説明になります。

『MFブロックチェーン・仮想通貨ラボ』の設立

続きまして、その他の戦略的な取り組みです。

今、世間で記事として取り上げられるのは、「仮想通貨」「ICO」の話が非常に多いです。もともと僕自身は、ブロックチェーンを、インターネットに並ぶような技術になる可能性を秘めているものと思っております。今も少し投機的な動きをしているのですが、実際の技術を使って、送金・決済領域の研究をしていこうということで、今回「MFブロックチェーン・仮想通貨ラボ」を立ち上げております。

CTOの中出(匠哉氏)は、もともとFXの会社のシステム開発や運用を担当していたベテランです。彼と、神田(潤一氏)という、日本銀行や金融庁さまでFintechの設計をしていた人間がタッグを組んで、責任者となっています。この2人で、今後のブロックチェーン技術や仮想通貨を新しく研究し、そしてサービス化していこうということで、(2017年)12月末に立ち上げております。

やはり、ここの関心が非常に高くて、12月末に立ち上げたあとも、人財の応募をすごくいただいています。世の中で非常にホットな領域だなと実感している次第です。

BASE社への出資

これは(2018年)1月初めに発表した、資本業務提携です。新しいEコマースプラットフォームのBASE社さまと一緒に、決済まわりや、BASEさまのプラットフォームに乗られている店舗の方々にクラウドサービスを提供する、包括的にいろいろな取り組みをしていこうということで、出資をいたしました。

海外SaaSプレイヤーとの協働を開始

45ページは、当社初の海外案件です。インドネシアでクラウド型会計やHRサービスを提供する、Sleekrグループというすばらしい会社がございます。この会社に、今回出資をさせていただくかたちになりました。同時に、私が取締役に就任させていただいて、Sleekr社の経営に参画していくことを、本日(2018年1月15日)発表いたします。

やはり、インドネシアだけではなく東南アジア全体は、非常に大きな可能性を秘めているなと思っています。海外進出をしっかりしていこうということで、(こちらを)足がかりにしていきたいと思っています。

『マネーフォワードファンド』の立ち上げ

このようないろいろな取り組みや案件をご紹介させていただく中で、「マネーフォワードファンド」を立ち上げることを、本日(2018年1月15日)発表いたしました。国内外問わず、SaaSの分野とFintech企業に対して出資を行います。

我々の特徴としては、出資だけではなく、サービス連携、ユーザー送客、営業・マーケティング、経営などを行います。我々自身が、このSaaSやFintechの新しい企業なので、なかなか難しい点が多くありました。そのような経験やノウハウをシェアさせていただいて、お金だけではなく、実際に事業を伸ばすアドバイスを可能な限りさせていただこうということで、「マネーフォワードファンド」を立ち上げました。

これはすでに、ロボアドバイザーのお金のデザインさまや、クラウドファンディングのLIFULL Social Fundingさま、CAMPFIREさまに出資させていただいています。今回(新たに)BASEさま、Sleekrさまということで、今5社に出資させていただいているというかたちです。

今後も、この取り組みについては積極的に行っていきたいなと思っていまして、国内外のSaaS/Fintech企業を盛り上げていくことを考えています。

金融機関との連携強化(業務提携)

47ページは、金融機関との業務提携です。引き続き、金融機関さまと(業務提携を通じて)個人・法人ともに、金融機関利用者向けサービスを拡大しています。

金融機関との連携強化(API連携)

48ページは、API連携です。「(『未来投資戦略2017』においては)2020年までに80行以上の銀行におけるAPI導入が目標」とありますけれども、現状はここに記載させていただいている銀行さまと、API連携を始めているというところです。

金融機関との連携強化(PFMサービス)

49ページは、金融機関さまとの連携強化です。もともと「マネーフォワードfor○○」、例えば「マネーフォワードfor静岡銀行」さまといったアプリをご提供しています。ここから、さらに「かんたん通帳」や、あと先ほど申し上げた「MF Unit」のほか、「通帳Unit」「記事配信Unit」「おつり 貯金Unit」というものを、今後サービスラインを拡充していくようなかたちです。

金融機関との連携強化(MFクラウドサービス)

また、今後大事になってくると思うのが、MFクラウドのデータを使ったビジネスです。MFクラウド会計や請求書にたまったデータをもとに、ファイナンス・融資のところに、なんとかイノベーションを起こせないかということで、チャレンジしているところです。今は、GMOさま・住信SBIネット銀行さま・福岡銀行さまというかたちで、実現しています。

今後は、福井銀行さまのサービス取り扱いを開発中です。この案件に関しては、明日(2018年1月16日)の『ガイアの夜明け』さまで取り上げていただく予定です。

また、もう1つの取り組みとして、銀行さま向けにこのクラウド会計・確定申告を広げていこうということで、福井銀行さまにサービス提供を開始いたしました。また、北洋銀行さまのお客さま向けサービスも、今開発を続けているところです。

以上が、現在の取り組みのご紹介です。

中長期戦略について

最後に、今後の成長戦略と2018年の今期の業績見通しの紹介について、ご説明いたします。こちらは、上場のときから同じスライドを使わせていただいていまして、その進捗をご説明しています。

成長戦略に関しては、座布団型に増えていくサブスクリプションモデルなので、中長期的なキャッシュフローの、現在価値最大化を重視しているところです。

また、人財戦略に関しても、引き続き投資をしていきます。

ブランド戦略では、ブランド認知向上や、社会貢献とそれを支える企業文化の醸成が、もっとも大事だと考えていまして、それをしっかりしていきましょうということです。

あとは、Fintech領域やテクノロジーの発展へも貢献していきたいというかたちで、考えています。

成長戦略

こちらに(成長戦略として)4点、ユーザー基盤の更なる拡大・ARPUの向上/マネタイズ力の強化・新たなサービスライン拡充・データ活用による高付加価値化を掲げています。

成長戦略の進捗①

ユーザー基盤に関しては、「マネーフォワード」が(利用者)600万人を突破し、会計事務所さまにも非常に使っていただいているというところです。また、サービスラインも拡充していまして、1つのサービスでは届かない幅広いユーザー層に、サービスを提供していくことを考えています。

また、ARPUに関しては、順調に伸びているのかなと思います。先ほど申し上げたように、広告宣伝費を除いた営業損失額は、通期で黒字化をしています。

成長戦略の進捗②

新たなサービスラインの拡充に関しては、先ほど申し上げたような取り組みをさせていただいています。また、データ基盤に関しても、融資やクラウドファイナンスといったものを続けていきます。

ここではデータ基盤の構築を加速していまして、人財が非常に枯渇していますので、人財採用が、けっこうポイントになるのかなと思っています。

2018年11月期連結売上高見通し

56ページは、(2018年11月期)連結売上高見通しです。先ほどの資料と同様、(2013年11月期の)300万円から始まって、7,600万円、4億4,000万円、15億円、29億円ときています。今期(2018年11月期)は、下限で43億5,000万円・上限で46億5,000万円というかたちを見込んでいます。

売上高見通し (PFMサービス)

その内訳です。PFMサービスは、前期比26パーセント以上の成長を目指しています。先ほど申し上げたBtoBtoC事業が、どうしても保守的に見るかたちになっていますので、このようになっていますが、今後の見通し次第では、力を入れて伸ばしていきたいなと思っています。

売上高見通し (MFクラウド)

こちらはMFクラウドの見通しです。前期比プラス63パーセント以上に、しっかり伸ばしていくことを考えています。PFMとMFクラウドに続く第3、第4の柱を立てていこうということで、イメージ的にはどうしてもJカーブになりますので、PFMとクラウドが収益化に貢献していますけれども、それらが伸びている間に新規事業をしっかり作って、合計を上げていくことを考えています。

売上高見通し (新規事業その他)

新規事業として、「MF KESSAI」「mirai talk」に継続投資をしていきます。今期は、(前期比プラス)1.3億円以上の売上を出していこうと考えており、今は順調に伸びているのかなと思っています。

EBITDAの変動要因

60ページが、EBITDAの変動要因の詳細です。資料のいちばん左側が、2017年11月期のEBITDAで7億8,200万円となっており、赤字というかたちです。今期は、売上高を14億5,000万円伸ばします。また、前期はテレビCMがあり広告宣伝費が発生しましたが、今期はテレビCMの予定がないので、その分が若干減るということで、3億900万円の上積みがございます。

人がいちばん大事なビジネスですので、引き続き開発人財・営業人財の採用を強めていこうということで、9億3,000万円の人件費の増加を見込んでいます。前期は人件費がだいたい5億円くらい増えていますので、前期よりさらに人を増やして、心機一転でビジネスを強くしていくことを考えています。

その次の3億1,800万円が、グループ拠点集約にともなう賃料増加です。今、当社は何拠点かに分かれているのですけれども、強い企業文化醸成を目指して、グループ集約をしようということで、移転の前倒しを予定しています。

その他の費用の増加が4億円弱ということで、最終的には6億6,700万円くらいの赤字に着地すればいいかなと考えています。こちらは、先ほど申し上げた売上の下限の43.5億円の場合のEBITDAですので、上振れしていた場合は、6億6,700万円から改善することを予定しています。

売上総利益 / EBITDA見通し

売上総利益は、(2017年11月期実績の)19億4,000万円から(2018年11月期計画が)26億8,800万円ということで、引き続き、成長を予定しています。ただ、新規事業などに人件費を使っていきますので、いったん売上総利益率は下がっていきます。62パーセントということで、5パーセントほど下がる見込みです。また、先ほど申し上げた広告宣伝費を除くEBITDAも若干、一時的な低下を見込んでいるというかたちです。

今後の成長戦略

右肩上がりの中長期の成長を続けていこうということで、ご覧いただいている資料の下側が個人向け・真ん中の青色が法人向け・上側が新規のビジネスということで、しっかり(事業の)3本の柱・4本の柱を伸ばしていきたいなと考えています。

早口で恐縮ですけれども、私からは以上です。