業績ハイライト(2017年度中間期)
黒田幸徳氏:SOMPOホールディングス株式会社の黒田でございます。本日はお忙しい中、弊社電話会議にご参加いただき、ありがとうございます。2017年度中間決算及び通期業績予想修正につきまして、数値面を中心にご説明をさせていただきます。
それでは、2ページをご覧ください。最初に、2017年度中間期決算のポイントについてご説明いたします。
中間期の連結純利益は、(2017年)8月から9月にかけて北米地域を襲った北米ハリケーンの影響を、海外グループ会社では576億円追い込み計上をしたことなどによりまして、対前年同期比415億円減益の19億円となりました。
北米ハリケーンを除くと、連結のビジネスはおおむね想定どおりに進捗していると認識しております。例えば、政策株式削減などの各政策も計画どおり進めております。
また、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社は、介護事業については順調でございます。一方で、2017年度通期業績予想も修正しております。そのポイントは、北米ハリケーンの影響に加え、SI(SOMPOインターナショナル)、これはエンデュランスのことでございますけれども、この組織再編に伴う税金費用減少等によるプラス効果や、英子会社SOMPOキャノピアス売却の影響を受けて、一部マイナスの影響を織り込んだことなどです。
修正後の連結純利益は、310億円減益の1,520億円を見込みました。なお、株主還元の原資となります修正連結利益は、対期初予想比ではマイナス99億円となりますが、対前年度比ではプラス117億円の増益と、引き続き拡大を見込んでおります。
2017年度中間決算概況(連結)
4ページをご覧ください。
中間決算の数値は、こちらでご確認いただければと思います。損害保険ジャパン日本興亜株式会社の増収確保や、SIのPL連結を開始したことを主因に、トップラインは拡大しました。
一方で、海外グループ会社の北米ハリケーン影響を連結修正として、追い込み計上したことを主因に、連結経常利益及び連結純利益は減益となっております。
決算のポイント① 保険引受利益(損保ジャパン日本興亜)
主な要因は、次のページ以降でご説明いたします。5ページです。
保険引受利益の状況です。中間期は国内の自然災害が減少しましたが、北米ハリケーンの影響を損保ジャパン日本興亜でも51億円ほど受けたこと、及び為替変動の外為替支払備金の前年度差。また、中間期対比では、大口事故の発生が増加したことなどの一過性の影響もありまして、保険引受利益は約180億円減益して、275億円となりました。
決算のポイント② 連結経常利益
6ページをご覧ください。
連結経常利益です。先ほどのご説明の保険引受利益以外で、比較的大きな対前影響としては、SIのPL連結開始による海外グループ会社での増益及び、北米ハリケーン影響を追い込み計上したことが挙げられます。
中間期の連結経常利益は662億円減少の、37億円です。
決算のポイント③ 連結純利益
なお、連結純利益の推移を7ページにお示ししましたが、先ほどと同様の傾向になっております。
2017年度通期業績予想(連結)
それでは、8ページをご覧ください。
今期の業績予想です。北米ハリケーン影響のほか、プラスマイナスのいくつかの要素をふまえ、業績予想を修正しております。
期初からの変化幅は、連結経常利益でマイナス700億円、連結純利益でマイナス310億円です。これに伴い、株主還元の原資となる修正連結利益は期初予想を若干下回るものの、先ほどお話のとおり、対前年度比では117億円の増益を確保する見通しです。
2017年度通期業績予想修正のポイント
それでは、9ページをご覧ください。
通期業績予想の修正のポイントをお示しします。連結純利益を期初想定から310億円動かす要因は、主に4つの一過性のものになります。
1点目は、先進国での組織再編に過程において、達成する利益を見込んだことによります。(2017年)10月31日にリリースしておりますとおり、9月27日に旧エンデュランスのすべての会社を、SIに移管しております。
その後、11月になって、旧エンデュランスの持株会社の清算をしております。この清算に伴って発生する清算益及び税金費用の減少などで、今回はプラス711億円を見込んでおります。
2点目は、北米ハリケーンの影響です。詳細は後ほどご説明しますが、グループ全体で、連結純利益を608億円下押しする見込みを反映しました。
3点目は、9月11日に開示した英子会社SOMPOキャノピアスの売却影響です。業績面でも、ハリケーン影響を主因に下押しの圧力がかかっておりますけれども、別途連結ベースで認識する、売却に伴うマイナス影響の見込みとして、88億円となっております。
最後は、不動産の売却にかかる固定資産の売却損を、特別損失として見込んでおります。この影響額は、全体としてマイナス237億円です。
ご参考として、修正利益の計上の調整状況もお示ししました。申し上げたもののうち、キャピタル損益に該当する部分を控除することのほか、国内自然災害増加の影響額を織り込んでいることになりますけれども、対前年度では増益を確保するということでございます。
(参考)通期業績予想(連結経常利益)のブレークダウン
10ページです。ご参考までに、修正後の連結経常利益のブレークダウンをお示しします。各種要素の見込み方については、このページで詳細をご確認いただければと思います。
2017年度下期の連結純利益見通し
11ページをご覧ください。
中間期の連結純利益が、北米のハリケーンを主因に低位となりましたので、通期に向けて利益を押し上げる要素を、このページに改めてお示ししております。政策株式の削減はご存じのとおり、当社は下期に偏る傾向があります。今期も売却益が同様の傾向にあることが、1つ目の押し上げ要因になります。
また2つ目は、先ほどお話の、SI組織再編に伴う影響。これが、下期の連結純利益をプラス711億円嵩上げする見込みです。
3つ目は、中間期までに発生した事故の支払進捗に伴う、異常危険準備金の取崩。これが下期の見込み額などをふまえますと、プラス284億円あるということでございます。
したがって、中間期の低い進捗率にもかかわらず、今回お示しの利益予想は、現時点で十分達成可能なものと想定をしております。
(参考)経営数値目標等
12ページは、修正連結利益・修正連結ROEなど、経営計画数値の状況ですので、後ほどご確認いただければと思います。
2017年度中間決算概況(損保ジャパン日本興亜)
14ページをご覧ください。
ここからは、損保ジャパン日本興亜の決算概況をご確認いただきます。それぞれの項目については、次のページ以降でご説明します。
正味収入保険料
15ページです。正味収入保険料ですけれども、全種目の部分で増収となっております。災害種目の自動車保険では、今年(2017年)1月の商品改定効果を主因として、契約台数が増加しており、これを通じて良い増収ができております。また、火災保険や新種保険も、好調に推移しました。
損害率(リトン・ペイド)
16ページです。損害率ですけれども、火災保険や新種保険で前年度を上回る大口支払の影響があったことなどを受けて、中間期は対前年同期比で上昇しました。ただし、通期業績予想で想定した水準を下回ってますので、大きくご心配いただくような状況ではないと考えております。
損害率(アーンド・インカード)
17ページをご覧ください。アーンド・インカードベースの損害率です。北米ハリケーンの影響などにより、対前年同期比では火災保険などを中心に上昇しましたが、主力の自動車保険では0.6ポイントの改善となっております。全体としては、おおむね想定どおりの推移と見ております。
事業費率
18ページをご覧ください。事業費率です。人件費・物件費とも、きちんとコントロールできておりますので、計画どおりの認識でございます。
コンバインド・レシオ
19ページです。損害率及び事業費率を足したコンバインド・レシオになります。中間期のコンバインド・レシオは、損害率の面を反映して92.7パーセントと、対前年同期比で1ポイント上昇しましたが、通期業績予想で見込む水準については下回って推移しているということでございます。
資産運用損益
20ページは、資産運用損益です。中間期については、堅調な利配収入・政策株式の現物売却の進展もあり、資産運用粗利益は対前年同期比で42億円増益の、302億円となりました。
なお、連結子会社株式に係る有価証券評価損を認識しております。これは、期初から織り込み済みものと、残りは開示のとおりキャノピアス売却決定に伴う影響ということになり、ともに連結決算では消去するものになっております。
(参考)資産運用粗利益の内訳
利息及び配当金収入・有価証券売却損益・有価証券評価損の詳細は、こちらをご参考ください。
(参考)2017年度通期業績予想(損保ジャパン日本興亜)
22ページをご覧ください。損保ジャパン日本興亜の業績予想の詳細は、こちらのページでご確認いただければと思います。
(参考)通期業績予想の前提(損保ジャパン日本興亜)
また、23ページには通期業績予想の前提を掲載しております。
(参考) 自動車保険関連の指標
24ページには、自動車保険関係のいつものデータ(指標)を掲載していますので、ご覧ください。
(参考)国内自然災害
25ページをご覧ください。国内自然災害の状況を参考に記載しています。2017年度中間期は、台風18号などの影響はあったものの、正味発生損害は対前年同期比で94億円少ない、256億円となりました。通期では、期初予想では430億円を見込んでおりましたが、(2017年)10月に発生した台風21号の影響などをふまえ、530億円の見込みに変更しました。
(参考)責任準備金・支払備金
こちらのページは、責任準備金・支払備金等の参考データです。
業績概況(ひまわり生命)
それでは、28ページです。ひまわり生命の業績概況です。保有契約は順調に拡大し、計画どおり進捗をしています。2017年度中間期の当期純利益は42億円でして、保有の拡大及び標準利率改定に伴う責任準備金繰入額の増加がありますけれども、期初想定どおりの動きになっています。純利益の業績予想60億円との対比でも、順調な進捗と言えるかと思います。
当期純利益
ひまわり生命の当期純利益の増減要因は、こちらのページに記載しています。
修正利益・修正純資産(ひまわり生命)
修正利益・修正純資産の算出に関する補足は、30ページにお示ししております。
業績概況(介護・ヘルスケア事業等)
それでは、32ページをご覧ください。介護・ヘルスケア事業です。こちらも計画どおりの推移になっていると認識しております。介護事業の主要指標である入居率が着実に改善しており、黒字化を実現しました。このセクターの中間期の純利益は15億円となり、29億円の増益です。
介護事業の入居者数及び入居率
入居者数の増減と入居率の推移は、こちらに掲載していますので、後ほどご覧いただければと思います。
業績概況(海外保険事業)
それでは、35ページをご覧ください。海外保険事業です。トップラインはSOMPOインターナショナルのPL連結開始により、中間期は対前年同期比1,962億円増収の3,692億円となりました。一方で修正利益は、北米ハリケーンの追い込み計上の影響をここに含めたことによりまして、352億円の赤字となっております。
2017年度通期業績予想ですが、トップラインが伸びる想定は変わりません。ボトムライン、すなわち修正利益についてですが、北米ハリケーンの影響が下押し要因として残る一方で、SOMPOインターナショナルの組織再編に伴う影響により、前年度から432億円増益した、631億円の修正利益を見込んでおります。これは、対期初予想比でも47億円のプラスで見込んだということになります。
(参考)北米ハリケーン影響など
36ページです。今回大きく影響を受けた、北米ハリケーンの発生保険金などの概要です。中間期は重要度を勘案して、海外グループ会社の中ではSOMPOインターナショナルとキャノピアスの見込み額を、追い込み計上しております。発生損害額は、両社を合わせて650億円の見込みです。税率などを勘案した連結純利益影響は、マイナス576億円となります。
なお、グループ全体では、損保ジャパン日本興亜の発生保険金として51億円を見込んでおります。これを加えまして、(2017年)10月20日に開示しましたとおり、おおむね700億円強の発生損害額を織り込んでおります。これによる連結純利益影響は、およそマイナス610億円程度と試算しております。
ご参考まで、海外保険事業のくくりで、修正利益予想の期初と今回との変化要因もお示ししていますので、ご参考いただければと思います。
地域別業績
37ページには、地域別業績を掲載しています。
(参考)グループ会社別業績
38ページは、グループ会社別の業績になりますので、後ほどご確認いただければと思います。
(参考)SI(エンデュランス)業績概況
39ページです。SOMPOインターナショナルについて補足します。中間期は、既経過保険料の計上タイミングとともに、マーケットソフト化環境の中で収益性の悪化が見込まれるエナジー系の保険などにおいて、引き受けの謝絶などを行っていることから、保険料のトップラインが減収しております。
また、財物系の一部保険種目で損害率が上昇したことや手数料の増加などもありまして、計画対比では若干遅れているかなという認識でございます。
いわゆるOperating Incomeは、中間期は134億円のプラスでございましたけれども、修正利益は先ほどお示しの北米ハリケーン影響を反映していることにより、赤字となっております。なお、通期では、先ほどの組織再編に伴う影響を織り込んでおりますので、修正利益自体は増益の見込みということでございます。
財務健全性:ESR(99.5%VaR)
41ページです。ESRの状況をアップデートします。直近では226パーセントと、ターゲットレンジの範囲内であり、特段問題はありません。SOMPOインターナショナルの連結をふまえ、今回から米国金利の感応度も新たにお示ししておりますけれども、ご覧のとおり一定程度コントロールされている状況にあります。
(参考)実質自己資本・リスク量(99.5%VaR)のブレークダウン
なお、42ページに、実質自己資本とリスク量のブレークダウンを掲載しましたので、後ほどご確認ください。
資産ポートフォリオ(グループベース)
43ページをご覧ください。最後に、グループベースの資産ポートフォリオをお示ししますけれども、特段大きな動きはございません。政策株式の継続削減・国内低金利環境を背景に、安全性に十分留意の上、外国債券などでリターンを確保していくという運用方針にも、変更はございません。
以上で、説明を終了させていただきます。