業績ハイライト
石川泰彦氏:まず、ファーストハーフの実績でございますけれども、4ページでございます。これは全社の数字でございます。
まず左上の、売上高が352億6,300万円ということで、前期比9.4パーセントの伸長率。
業績予想を棒グラフの右側に点線で書いてございますけれども、それが341億円でございましたので、少し上回ったということです。
営業利益でございますけれども、19億6,600万円ということで、前期比11.8パーセントの増加でございました。業績予想を上回ることができました。
経常利益でございますけれども、前期比で14.8パーセント増。
右下の四半期純利益でございますけれども、13.7パーセント増。
私どもが予想しておりましたレベルを、すべて上回って終われたということでございます。
業績増減要因:売上高 前年同期比
その増減の中身について、少しお話をさせていただきます。
売上でございますけれども、医療(関連受託事業)で14億2,900万円の増収ということで、この中身が新規の受注、そして派遣売上の増加。これらにつきましてはもう少しくわしく、次のページで申しあげますので、ここではざっくりとご理解いただけたらと思います。
また介護も、医療の金額を上回る増収がございました。15億7,800万円です。
また保育も、5,700万円のプラスです。こちらは、介護はとくにM&Aによる事業所の増加、そして国からの処遇改善加算というのがございます。それらが一応、経理上は売上に盛っていきますので、そういうことがプラスの要因としてございました。
業績増減要因:営業利益 前年同期比
次に、営業利益の増減でございます。こちらは、売上とはかなり違った絵になってございます。
まず、医療でございます。営業利益に関しましては、医療がたいへんに貢献したということでございます。3億8,600万円です。その中身は、生産性の向上、そして先ほど申しました増収の効果。
一方で、積極的に人材投資といいますか、処遇改善を行っており、これはコストとしてかかってくるためマイナスでございます。それを差っ引いての生産性(向上)のところで、プラスを出すことができたということでございます。
一方、介護でございます。トップラインが非常に伸びたのですが、若干のプラスという結果でございます。これは、プラスの面では先ほどの増収効果。それから、生産性向上。このあたりを積極的に行っております。
(その一方で)みなさまがご存じのように、M&Aには費用がかかります。ワンタイムのコストがかかりますので、それはまさに投資でございますけれども、その分が一時的にコストとしてのってきますので、ネットでは2,500万円という数字になったということでございます。
また介護でも、国の施策がございますけれども、我々が独自に人材投資ということで、処遇改善を積極的に行っております。
他は、とくに全社費用のところでは、非常に人の採用を総合職の面でも積極的に行っております。また、上場関連費用の通期化についても、ほんの少しマイナスに出ております。
医療関連受託事業(四半期業績)
さて、次の7ページでございます。このページは、医療(関連受託事業)について、もう少しくわしくご説明をさせていただきます。先ほどはファーストハーフの数字でございましたけれども、四半期ごとの数字になってございます。
まず、左上の数字(売上高)でございます。医療の売上は、大半が委託。これが、売上の91パーセントを占めてございます。
一方、派遣売上が徐々に上がってきているのですが、元々パイが小さいので、今の時点でも構成比7パーセントというところでございます。これらを総合して、医療全体の売上は、伸び率で5.7パーセントでございました。
普通の会社で考えると、伸び率が5.7パーセントというのはゴミみたいな数字に見えると思うのですけれども。私どもの医療事業って、どういう事業なのか? ということを考えていただきますと、人があって、売上が伸びるというビジネスでございます。生産性を除けば、売上が伸びた分、人の頭数が増えていなくては、おかしいということになるわけです。
私どものエリアで言いますと、2万人ぐらいの人が現場で働いてくれています。10パーセント売上を伸ばすためには、2万人の中で10パーセント増やさないといけない。(つまり)2,000人増やさないと(売上が)増えないということでございます。
(売上を伸ばす分が)5パーセントでも(人を)1,000人増やさないといけないということでございますので、そういう観点で5.7パーセントという数字をご覧いただけたらと思います。
この2年ほど話題になっております派遣も、引き続き売上は好調です。(右上の派遣売上成長率のグラフにあるように)前期は34パーセントぐらい伸びたのですけれども、今期が27パーセントということで、ちょっと落ちたように見えます。
8月は季節要因かもしれないのですけれども、なぜか少し伸びた・鈍ったというのがありました。ただ、今足元では30パーセントを超えてきておりますので、依然、かなり高い伸び率であるということでございます。
そのようなことも反映して、(資料の左下の)営業利益のところでは、営業利益率(折れ線グラフ)が10.6パーセントということで、前年同期(2017年3月期第2四半期)が9.4パーセントでしたので、1.2ポイント改善しました。私どもとしましても、これはかなりの数字と思っております。
後でも申し上げますけれども、(その要因を)一言で言えば、生産性改善。あるいはそれをやるためのトレーニング、そのあたりの投資といいますか。この活動が、実を結んでいるのではないかと思っております。
また、処遇改善等を積極的にやっておりまして、ディレクショナリィな数字しか載せていませんけれども、離職率は着実に下がるという方向で進んでいるということでございます。
介護事業(四半期業績)
次に、介護事業でございます。これも四半期ごとの数字でございます。左上の売上高を見ていただきましたら(おわかりのように)約30パーセントの伸び率で伸ばすことができました。
この要因は2つございまして、1つはM&Aです。積極的にM&Aをやることで、この(資料の)右側の利用者数の伸び率も見ていただきましたら(おわかりのように)、訪問介護・デイサービスともに、25から30パーセント弱ぐらいの数字で伸びております。
ただ、忘れてはいけないのが、既存の事業はどうなっているかということだと思います。既存も後で申し上げますけれども、着実に伸びております。この(売上高の)数字がすべてM&Aというわけではないというあたりは、ぜひ見ていただきたいと思います。
一方、左下の営業利益のところでございます。結果的に、第2四半期は4.3パーセントという営業利益率です。前年同期が5.6パーセントでしたので、少し下がって見えるということでございます。
ただこれは、すでにリリースしてしておりますけれども、大きなM&Aをクローズしていますので。そのワンタイムが効いてきたということで、4.3パーセントと(なっております)。
この営業利益率の点線のグラフは、そういうワンタイムのところを除いたときにどのように見えるかな、という見え方を示しております。
右下の月末入居率等は、依然高い率で推移していますので、このあたりが売上・利益ともに支える、しっかりした数字になってきたかなと思っております。
介護事業:開設時期・M&A実施時期別の業績
今申し上げましたM&Aおよび既存のところについて、少しわけて状況を説明したチャートが、こちらの9ページでございます。
この棒グラフで表されている①・②・③です。この①が、従来からの事業所。②が、昨年度買収した事業所。そして③が、今年度買収した事業所。このように、ビンテージでわけてございます。
まず、従来事業所(①)のところです。右側の表を見ていただきましたら(おわかりのように)、売上高で6.4パーセント増えております。したがって、オーガニックといいますか既存のところも、それを超える伸びで伸ばしているということ。
そして、営業利益もほぼ計画どおりで推移しているということでございます。新規の②、昨年買収をさせていただいた事業所はどうなっているかといいますと、売上・営業利益ともに計画以上という結果が出てきております。
今年度のすでにクローズしている部分(③)についても、2億2,300万円という売上高。これがどう推移するかは、これからしっかりと見ていき、またマネージしないといけないということでございます。
以上が、数字のご報告でございます。
ソラストのトレーニングについて①
今から、こういう数字をやっていく背後にある、我々のアクティビティについてお話をさせていただきます。このページが、いちばん説明が難しいページでございますので、そういう頭で聞いていただけたらと思います。
「ソラストのトレーニングについて」です。先ほどご説明した医療(関連受託事業)は、なぜそういう(業績の)数字が出ているかといいますと、ひとえにトレーニングです。
それでは、「トレーニングをどういう考え方で、どのようにやっているか?」ということでございます。まず基本概念として、この(資料の)右側に書いてございます。
「価値の高い人」。「『あの人は優秀だ』と言われるような人は、どういう人なのか?」というと、それは、「クオリティーの高い仕事を生産的にできる人」なんだと、こういう定義をしています。
これは、仕事上での優秀な人でございますので、(仕事をしていない)土曜日・日曜日の行動は関係ないということなんですけれども。したがって、クオリティーと生産性にフォーカスしたトレンドを、やっているということです。
そしてもう1つ重要なことが、「クオリティーと生産性はトレーニングで実現できる」ということです。
もっと言えば、「価値の高い人=クオリティーの高い仕事を生産的にできる人」であり、「クオリティーと生産性はトレーニングで実現できる」ということは(つまり)この下に書いてますけれども、「価値の高い人=よくトレーニングされている人」だと。仕事における価値の高い人・優秀な人というのは、よくトレーニングされている人だという考え方でもって、我々はトレーニングに臨んでいます。
ソラストのトレーニングについて②
従って、(オレンジの矢印の先にある)目的というところに書いてございますけれども、結局我々のトレーニングは、「一人当たりの価値を上げよう」という考え方で、しっかりやろうということでございます。
あとは(その下に)クオリティーと生産性、それぞれの中身がございます。
「いくつかトレーニングをやっていく上で、本当に業績に反映されていく、インパクトのあるトレーニングとはどういうもので、どのようにやればいいんだ?」ということで、我々は必死になって考えているわけです。今日は時間の関係でくわしいことは言えませんけれども、3点ございます。
最初のステップは、人を減らすこと。ともかく、これを徹底します。まず人を減らすということが受け入れられない限り、生産性なんかは、絶対に出せないということでございます。
2つ目が、どんなトレーニングでもいいのではなくて、やはり仕事・業績に結び付く内容をやろうということです。
そして3つ目は、「今日のトレーニングは、なかなかよかったね」と終わるのではなくて、行動変化に結び付いたかどうかをしっかり見ていくこと。つまり、行動が変わらない限り、ビジネスの結果は変わりません。そういう考え方に基づいてやっています。
そして、そういうことがしっかりうまくいってクオリティーが上がれば、お客さんは「商品・サービスがよくなったね」ということで、よりたくさん買ってくれるはずだと。つまり、売上が上がるはずだと。
そして、生産性が上がれば効率がよくなるわけですから、利益率が向上するはずだと。そして、これらを通じて利益が上がって、利益が上がった結果、処遇改善もできていくはずだという考え方でございます。処遇改善が起これば、それが結果として一人当たりの価値を高めることになる、ということでございます。
ソラストのトレーニングについて③
これをやってきた結果として、先ほど申し上げた売上増5.7パーセント・利益率向上1.2ポイント・利益増18.2パーセント。そして、少ないですけれども処遇改善も、医療(関連受託事業)の全社員のコンペンセーションが3パーセント上がっています。
今私が申し上げたことをみなさまに信じてもらえるかどうかが、今日の私のチャレンジでございます。後ほど、聞かせていただければと思います。
コーチとしてのマネージャートレーニング
(コーチとしてのマネージャートレーニングは)このようなトレーニング風景なんですけれども。
(動画が流れる)
雰囲気を感じていただければということで(動画を)出したんですが、まだまだ支社、あるいは勤務する病院のチームによって、ばらつきがあります。
しかし、(トレーニングが)非常に前に進んでいるところでは、「私たちは今期(人員を)2人減らします。その結果、社員の時間給はこれだけ上がります」と言うんです。はっきり言って、私はそれを聞いてびっくりしました。
コミュニケーションの役割と評価
そのような結果が、徐々に出つつあるということです。前回も申し上げたんですけれども、こういうことをやるにつけて、私たちが非常に取り組んでいることはコミュニケーションです。
以前、(資料の)下の「組織インフラに寄与する内容」ということで、例えば申し上げたのは、メールマガジンです。社員の個人の携帯を登録してもらって、そこに毎週メルマガを送っているんです。「その登録率が、どれぐらい早く100パーセントになったか」と業績が、密接に関係あるという話をさせてもらいました。こういうことを、ものすごく重視しています。
なぜならば、こんなことすらできないところは、(資料の)上に挙げているような業務の内容は、できるはずがないという考え方なんです。実際、下の「登録」するとか毎回サイトを見る(「活用」)とか、そういう一見簡単な行動すらとれないところは、業績も上がりません。
一方、そういう行動がしっかりと早くとれるようになっているチームは、明らかに(資料の)上の、業績に役立つような内容のトレーニングおよびその結果が実行されています。
したがって、これは非常に密接につながっていると。一事が万事ということでございます。
組織インフラのコミュニケーションと業績の関係
こういった組織運営のインフラに寄与するようなことがらも、しっかりとKPIで見ていっているということでございます。
(先ほどの資料の)組織インフラ(の強化に寄与する内容)というところにあった、例えば「カイゼン提案書」というもの。「私はこんな失敗をしました」「これからこんなふうに、同じ間違いをしないようにやります」「こういうところは、もっとこうしたほうがいいんじゃないですか」というような、社員からの提案です。
これの提出数がどんどん増加していく。増加率が高いチームほど、支社利益の増加率も高いと。明らかに、そう感じます。
トレーニングとコミュニケーションで利益率を改善
そういうことを非常にうまくやってくれているチームは、ここで出ている関西ブロックです。私どもは全国で42支社あって、それを5つのブロックに分けています。だいたい1ブロックで、売上を100億円ぐらいもっています。そのワンオブゼムが、関西ブロックです。
ここでは、関西ブロックに属する各病院ごとの利益率を、2015年3月期のファーストハーフ(1H)と今年(2018年3月期)の1Hで比べているんですけれども。下の低い(濃い)点線が、関西ブロックの2015年の1Hのディストリビューションです。
今の(2018年3月期の関西ブロックの)ディストリビューションがこれ(濃い実線)です。明らかに下の数値が上に寄ってきている。つまり、ばらつき(σ)が小さくなって、そして平均が上方にシフトしていると。典型的なクオリティー改善です。
ブロック毎の状況
一方、これを医療全体で描いているのが、この薄い線です。明らかにこの医療全体をけん引しているのが、今の関西ブロックということでございます。これを関西ブロックだけではなくて、他のブロックにどんどん横展開をしていきたいということでございます。
(資料の左側に)関西ブロックと他のブロックの売上成長率、それから(資料の右側に)利益成長率というのを、四半期ごとにとっています。見ていただくとおわかりのように、関西ブロック(濃いグラフ)は、非常に上がってきているということでございます。これを、早く横展開できれば、けっこういけるのではないかなという思いを持っている次第です。
トピックス
さて、次にM&Aでございます。つい最近ご報告をさせていただいた、私どもにとって大きな案件が、このベストケア株式会社という会社と、それから株式会社日本ケアリンクということでございます。
これまではけっこう小さな、何千億円とか、1~2億円、数億円というような案件をパッパッとクローズしようということで、やってきたわけです。幸い今年は、(ベストケアで)30億円とか(日本ケアリンクで)42億円とかいったような、それなりの規模の案件をクローズできたということで、たいへん喜んでいる次第ですけれども。
介護事業の事業規模(年間売上高)
これらをアニュアライズ、年間ベースで売上に寄与したらどうなるかということを示しているのが、22ページのグラフでございます。2016年3月期以前のレベルでは、介護の売上は122億円だったのですけれども。それが今クローズした、あるいは(クローズ)しようとしているものを付け加えると、230億円を超えるような売上規模になる。これが、今の私どもの実力値でございます。実力値としては、このようなところまでこられたのではないかなと思っております。
ベストケア、ケアリンクの買収に関連して
したがって、そこをもう少し整理しますと、介護事業の売上300億円実現に、大きく前進してきたと。
300億円というのは、私が掲げています経営ビジョンの中で、一定の数字でございますけれども。そして、全社の年間売上規模(は800億円)。これも先ほど医療(関連受託事業の売り上げ増)が5.7パーセントなど、我々としてはかなり高い成長率で伸びているということも勘案しますと、全社の年間売上規模は800億円近くになってきたのではないかなと(思います)。
そして、先ほどのベストケア、ケアリンクともに、のれん償却後の営業利益は黒字を見込んでおります。
また、エクイティ・ファイナンスは行わず、デット・ファイナンスをします。それによって、方向性として、ROEに対していい効果があるようなかたちでやっていきたいと思っております。
マネジメント人材の充実
もう1つ重要なことが、経営人材の強化でございます。
今日ここ(決算説明会)にも新たに参加を始めた、玉井(真澄氏)も常務から専務に上がり、そして、他の川西(正晃)さん・木内(大)さん・増原(一博)さんという、ここに掲げている人たちは、外部から入ってきてくれました。
みな専務執行役員(玉井氏・川西氏)あるいは常務執行役員(木内氏)、あるいは執行役員(増原氏)という、まさに経営チームの重要な一角を占める人たちです。
こういうかたちで、経営人材の強化・深みをつけていこうということをやっております。
リーダー人材の積極採用
実際、こういう人たちを含めたリーダー人材の採用人数を、過去3年はだいたい、年間18人くらいでやっていました。これがすでに26名ということで、積極的に人材の投入・投資を図っていくということでございます。
業績予想
さて、最後に今期の業績予想でございますけれども、これは期初に出させていただいた予想を変えてございません。
通期では、売上高700億円・営業利益約40億円・経常利益約40億円・当期純利益約26億円という数字を、現段階では維持させていただきたいと考えております。
私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。
質疑応答:M&Aの現況について
質問者1:質問は2点あります。
1点目は、期初の予算に織り込んでいたM&Aの現況について。期初の説明会で、今期は買収案件で約16億円の貢献を予算に織り込んでいました。現状ではどのような状況になっているのかを、教えてください。
2点目は、来年の報酬改定の影響について。まだ詳細はこれから決まってくるかたちですが、どういう見方をされているのかを教えてください。
石川:はい。そうしましたら、初めに私から申し上げてから、後は藤河(芳一氏)から、フォローアップとしてお答え申し上げます。
まず、M&Aが期初の計画に比べて、今はどうなのかということでございます。我々は、より大きく前進していると思っています。そう申しますのも、M&Aという手法は性格上、相手さまがいらっしゃいますので。
なかなか、毎期毎期の予算にきちっと入れ込んで、そのとおりに(進行する)ということにはならないものであります。そういうものも含めて、確実にできるようなレベルのものを、当初は入れさせていただきました。そして、それにかかる費用も同じでございます。
そういう意味では、私どもが当初計画していたものよりもかなり前に進んでいるということが、現状でございます。
藤河芳一氏(以下、藤河):報酬改定について。実際には、報酬改定は決まった報酬としては出ておりませんけれども、我々としては、インパクトは限定的だと判断しております。なぜかというと、3つ理由がございます。
1つ目は、サービスポートフォリオですね。こちらがM&Aによって、非常にバランスよく配置されているというところで、1つのセグメントに集中されている事業から分散しておりますので、かなり(インパクトは)限定的になるのではないかなと思っています。
2つ目は、M&Aを通じて中重度、それから認知症対応のコンテンツが、非常に大きくなっております。そういう部分では、また(インパクトを)分散できるのではないかというところです。
3つ目は、オーガニックな生産性について。トラックレコードが伸びておりますので、そのシナジーを考えますと、十分に報酬改定の分を吸収できたうえで、成長できるのではないかと考えております。
以上の3つの理由を考えております。
質問者1:わかりました、ありがとうございます。
質疑応答:新規・既存顧客の構成比について
質問者2:質問は2点あります。
1点目は、売上の伸び率(売上高成長率)について。スライドの7ページ(医療関連受託事業(四半期業績))でご説明のとおり、2018年3月期第2四半期では5.7パーセントと、伸び率が上がってきています。これについて、新規顧客獲得の部分と、既存顧客の伸長による部分では、どのような構成になっているかを教えてください。
2点目は、価格の是正が業界で起きていて、それはおそらく、売上の伸びや生産性の向上にもつながっていると思います。この部分は、もう山を越えたと考えてよいでしょうか。業界あるいは御社の顧客において、価格是正と収益性・生産性の伸びしろの関係について、教えてください。
石川:まず、新規と既存のコントリビューションの割合ですけれども、半々ということでございます。ただ半々と言えども、両方とも従来よりも高い伸び率を示しています。
それから、価格是正というところですけれども。これは私どもも非常に積極的に、価値の訴求、すなわち契約金額の改定というものは、お願いをしております。
したがって、「山場を越えたかどうか」というご質問でしたが、まったく越えていません。これからだと思っています。すでに改定して価格を上げていただいたところもございますけれども、もっともっと我々はしっかりとお願いをして、向こうのバジェットイヤーのサイクルの中で、しっかりとご返答いただくようにしていきたいと考えて、進めております。
質問者2:1つ目のご回答について、もう少しお尋ねしたいのですけれども。例えば、この2017年3月期の第1四半期・第2四半期の売上の伸び率が、それぞれ1.6パーセント・2.6パーセントです。
この部分でも、新規と既存のコントリビューションは、やはり半々ということでしょうか?
石川:ちょっと、感覚的なお話になるのですけれども。(2017年3月期第1四半期・第2四半期の)当時は、おそらく既存のほうが高かったのではないかと思っております。ですから、方向性としては今のほうが、我々から見たときの新しいお客さまから頂いている契約の割合は、増えてきていると思います。
質問者2:ありがとうございます。次に、介護事業について1つ質問があります。
このスライドの22ページのところで、介護事業の事業規模が232億円になったということでした。訪問介護等の、おおよその事業構成比と売上高の比率を教えてください。
藤河:ご質問ありがとうございます。私からご回答いたします。基本的には、訪問介護が25パーセント・デイサービスが25パーセント・施設系が35パーセント。(そして)それ以外という割合が、私どもとしては理想的な構成比だと思っておりますし、この円のシェアを変えずに大きくしていくことが、ソラストとしては理想的だと判断しております。
そしてこのシェアというものは、大きくは変わっていかないと思っています。
質問者2:今回は、(M&Aにより)例えば株式会社日本ケアリンクさんも入ってくるというところから、この構成比が変わるのかなと思ったのですが、変わらないのでしょうか?
藤河:大きくは変わりません。そう申しますのは、ベストケア株式会社さんでは、主にデイサービスを行ってらっしゃいます。そのため、在宅介護と施設系のシェアのバランスは大きく変わらないまま、売上だけが大きくなっていく。そのようなイメージでございます。
質問者2:わかりました、ありがとうございました。
質疑応答:のれんの償却について
質問者3:今のお話ですと、M&Aによる売上の上乗せを、期初で16億円と見ていたけれども、今回のことで10億円ぐらい(増えて)26億円ほどになるという理解でよろしいでしょうか?
藤河:はい(私からご回答いたします)。まず、今年のM&Aによる売上を16億円と見ておりましたのが、26億円を超えてくる数字になっております。
質問者3:ありがとうございます。
2点目は、その他新規M&Aの17億円というのは、これは終わった話でしょうか? これからの話でしょうか?
藤河:その17億円につきましては、その他のM&Aをした事業所のコントリビューションとなります。もうすでに完了したものです。
質問者3:あと最後に確認なのですが、のれんの償却は、今まではどのようにされているのでしょうか? 物によって違うと思いますが、だいたいのところを教えてください。
石川:それでは、こちらは春山からお答えさせていただきます。
春山昭彦氏(以下、春山):私からお答えします。のれんは、小型のものはおおむね10年でございます。それで、第3四半期以降については、ベストケア・ケアリンクの償却期間は、監査法人と協議中でございます。
質問者3:補足の質問なのですけれども、ベストケアさん・ケアリンクさんで、のれんは44億円ぐらいということでしょうか?
春山:そうですね。ちょっと今は手元に数字がないのですが、おおむねの金額ですと、そのくらいになりうるかなという感じです。
質問者3:わかりました、ありがとうございます。
質疑応答:トレーニングの伸長の差について
質問者4:2点お尋ねします。
1点目は、トレーニングについて。今まで、関西ブロックでは非常にうまくいっているということでした。うまくいっているところとそうではないところの差は、どういうところにあるのでしょうか? また、それはどのくらいの期間で埋めていくのでしょうか? これにより、御社の利益率の向上がある程度予測しやすくなりますので、教えてください。
石川:はい。「トレーニングがうまくいっているところと、うまくいっていないところの差は?」「うまくいっていないところは、いつごろうまくいくのか?」というところでした。
「ぜひ知りたい」というのが、私の考えですね。まず、うまくいっているところとうまくいっていないところ。これは完全に、そのブロックではブロック長・その下の拠点では拠点長・その下の病院では統括責任者。このそれぞれのレベルにおけるリーダー層の、コミュニケーション力です。これに尽きます。
したがって、そういう人たちのコミュニケーション力。つまり、行動を起こさせられるようなコミュニケーション力。これを徹底して、今やっているんです。関西ブロックでは、これを本当にブロック長がうまくやってくれていて、いい結果が出たんです。これをともかく、ベストプラクティスとして、一生懸命に横展開を図っているところです。
そして、「(ほかのブロックは)いつ関西ブロックのように数字が出ますか?」と言いますと、ちょっと答えはないです。ただ明らかに、いろいろな現場で徐々によくなってきています。そういう実感を、私は持っています。たいへん申し訳ないのですが、いつということは、わかりません。
質問者4:わかりました、ありがとうございます。
2点目は、介護について。介護のサービス別の割合をご説明いただきました。要介護度の比率も教えてください。
藤河:実績では、2をちょっと切るぐらいの介護度でございます。それを、2.5ぐらいまでは、持っていきたいと思っております。
質問者4:これは、(ベストケアさん・ケアリンクさんの)2社の買収をしただけでは、あまり変わらないということでしょうか?
藤河:いえ、上がります。
質問者4:ありがとうございます。
質疑応答:「リーダー人材」のバックグラウンドについて
質問者5:1点だけお尋ねします。先ほどのお話にもありましたが、トレーニングによる生産性の改善という部分について。全体で生産性を改善するにあたって、スライド26ページの、リーダー人材の積極採用がキーになってくるのかなと思います。
今期に関しまして、今のところ(2017年)11月の段階は26人ということですが、今年は何人採用する予定でしょうか? 来年(2018年)以降、このリーダー人材の採用は増やしていくのでしょうか?
あと、差し支えなければ、執行役員を含む管理職の採用推移に関して、ここで採用される「リーダー人材」とされる方のバックグラウンドとして、もともと医療・介護領域で経験を積まれた方を採用されているのか。それともまったく異なる、執行役員等の経営の経験がある、マネジメントのプロの方を採用されているのか。
お話しできる範囲で構いませんので、教えてください。
石川:はい。今ご質問いただいた内容を、全体的にお答えしたいと思います。
まず、すみません、ちょっとスライドの言葉の使い方が悪かったかもしれないのですが、先ほど(決算説明の際に)お見せした(トレーニング風景の)ビデオ。あのシーンというのは、現場の人たち・現場のリーダーさんたちのトレーニング風景です。
そして、その現場の人たち・リーダー人材というのは、大半が(医療・介護領域の)中からの登用です。この人たちは、自分の家の近くの病院に通ってくれています。女性が多いのですけれども。
少しずつ、そういう人たちを(医療・介護領域の)外から採ることもするのですが、今までのトラックレコードでは、大半が中から(の採用)ということです。
そしてその大部分がリーダー層ということです。私たちの企業の中では、2万人中1,300人ほどをリーダーというかたちで、(個々に)レベルはあるものの位置付けております。そういう人たちをしっかりと育てていこうということで、やっています。
ここ(スライド)で言っている(2018年3月期4~11月のリーダー人材採用人数の)26人というのは、いわゆる総合職の位置付けです。この人たちは、拠点長・ブロック長、あるいは本社・支社の責任者といったような仕事をしてもらう人たちです。
先ほども申し上げましたように、そういった人材も、非常に大事だと考えております。ブロック長1人が代わるだけで、ブロック全体が変わるんですよ。拠点でも同じです。
ですから、ブロック長・拠点長といったような現場、あるいは介護の事業所長等を積極的に採用していこうということを思っています。
そして、そういう人たちのバックグラウンドなのですけれども。普通は、同じ業界のいい会社から人を採るということがあります。私たちの行っております、事業の業界。ここから来ている人は、非常に少ないです。ぜんぜん関係のない業界から来ている人が、非常に多いです。
当然その時に、人をマネージメントする力・コミュニケーション力・今まで数字として結果を出してきたのかどうか。そういうビジネスにおける、一般的なパフォーマンスなりトラックレコードというものをしっかりと見て、採用させてもらっているというところです。
質問者5:わかりました、ありがとうございます。