2017年12月期 第3四半期決算説明会
深井未来生氏:本日は、当社の2017年12月期第3四半期決算説明会にお越しいただき、どうもありがとうございます。
冒頭にご説明を申し上げますと、本来この場には代表の宮嶌(裕二氏)が立って、3ヶ月に1回ご説明を差し上げているところでございます。すでにリリースさせていただいておりますとおり、今代表が2ヶ月間、育児休暇をとらせていただいております。本日もこの場には参加しないということで、私(深井未来生氏)が代わりに参加しているということでございます。
いろんな(宮嶌氏の)育児休暇のリリースを出してから、ポジティブな意見やネガティブな意見などを、さまざまいただいております。しかし、例えば意思決定の場ですとか、取締役会の決議ですとか、そういったものにはしっかり代表も参加するかたちをとっておりますので、ガバナンスの低下みたいなところは、ご心配いただかなくて大丈夫かなと思っております。
また、今日の(決算説明会の)場も含めてなんですけれども、適切な権限移譲はなされております。そこはどうか、政府が進めている働き方改革の一助になればと思っておりますので、ご容赦いただければと思います。
それでは私から、2017年12月期第3四半期の決算の説明を申し上げます。すでに(2017年10月20日)13時の決算発表のタイミングで資料はお配りしておりますし、お手元の資料でもご確認いただいていると思います。私から要点を中心に、あとは質疑応答というかたちでお話しさせていただければと思っております。
01. ハイライト
ハイライトとして、今回は3点ほど挙げさせていただいております。
1つ目は、決算です。まず、売上・利益ともに当社としては、おおむね計画どおり進捗していると考えております。今までの季節的な傾向なども考えて、この(2017年12月期)第3四半期のタイミングでこのくらいの数字が残せているというのは、当社としてはおおむね計画どおりであると判断しております。
2つ目は、「駅メモ!」です。当社でもっとも主力のタイトルになりますけれども、こちらのDAU……Daily Active Userの略でございます。簡単にいうとユーザー数です。こちらは、堅調に推移しております。
こちらは資料にはないのですけれども、例えば足元の(2017年)10月に入ってからも、過去最高のDAUを更新している状況でございますので、ここについては堅調に推移していると考えていただければと思います。
3つ目は、新作です。(2017年12月期)第2四半期に鋭意開発中と申し上げておりましたが、こちらにつきましては引き続き、来期のリリース予定で鋭意開発中というステータスでございます。
残念ながら、今日(2017年10月20日)のタイミングで、新作に関してこれ以上の情報をお出しすることはなかなか難しいのですけれども、来期のリリースに向けて、鋭意開発中ということでご理解いただければと思います。
01. ハイライト|第3四半期 定量振り返り
数字的な振り返りにつきましては、もう(資料を)ご確認いただいていると思いますので、さらっといきますけれども。売上高は17億円ほど。営業利益は約5億4,000万円、経常利益は約5億3,000万円というかたちです。それぞれの進捗率も、資料の右側に書いてございます。
先ほど私は、「おおむね計画どおり」と申し上げました。だいたい(第3四半期の進捗率は)75パーセントが普通なんでしょうけれども、当社の今の季節的な要因ですとか、あるいは今のプロモーションで獲得できているユーザーさんの、今後の課金展開の期待なども考えると、このくらいが妥当なのではないかと考えております。
01. ハイライト|第3四半期 定性振り返り
各サービスの定性的な振り返りは、こちらの資料に書かせていただいているとおりでございます。引き続き、当社の主力のタイトルである「ステーションメモリーズ!」、略して「駅メモ!」が好調を維持しております。
この(2017年12月期)第3四半期に関しては、第2四半期の時点で代表からこの(決算説明会の)場で申し上げたこととも関連するのですけれども、プロモーションの体制を、社内のリソースを含めてかなり大幅に刷新しました。その成果が、この第3四半期にかなり寄与しまして、ユーザー数の伸びにつながっております。
また、(資料に)「オリジナルIP強化やイベント施策」と書かせていただいておりますが、「駅メモ!」というタイトル自体をオリジナルのIPとして育てるべく、以前から取り組んでいたことをさらに強化するかたちで、よりユーザーさんのアクティブ率を向上させるような施策に、この(2017年12月期)第3四半期は取り組んでおりました。
その他の位置ゲーム、「駅奪取シリーズ」および「レキシトコネクト」につきましては、資料に書かせていただいているとおりです。主力といえるサービスは当然「駅メモ!」なんですけれども、こちらの2つのタイトルに関しましても、適切なリソース配分を向けるかたちで運営を続けております、というステータスでございます。
いちばん下のコンテンツに関しましては、「スタメロ-スタンプ&メロディとり放題」というサービスでございますけれども、こちらは非常に堅調でございます。
キャリアも、ソフトバンクだけではなくauでも、この(2017年)7月にスタートさせていただいております。着メロなどの市場は、なかなか将来的に急激に伸びるということは見込めない市場ではあります。しかしその中で、当社は横ばいに近い数字を残せておりますので、当社(の定性振り返り)としては、○△でいえば○という評価をしております。
02. 決算概要|四半期売上高/営業利益推移
決算の概要です。四半期分の決算も載せておりますけれども、こちらは今申し上げたこととほぼ同じでございますので、省略いたします。
02. 決算概要|第3四半期営業利益振り返り
第3四半期の、営業利益の振り返りです。こちらはもしかしたら気にされている方もいらっしゃるかと思うので、多少補足をしておきます。前四半期(2017年12月期第2四半期)に比べると減益となっているんですけれども、その要因は、ここに書かせていただいているものでございます。
第2四半期に、減価償却費をいつもより多く積む事情がございました。この第3四半期に関しては、減価償却費自体は減っております。その点では、利益のプラス要因ではあるんですけれども、それ以上にこの第3四半期に関しては、広告宣伝費をかけてユーザー数をとりにいった四半期になりました。
その結果、数字への寄与はこの第3四半期中には行われておりませんので、営業利益としては減益となりました。
02. 決算概要|四半期売上高推移
こちらが、前四半期(2017年12月期第2四半期)と、去年(2016年)の第3四半期と比べた数字でございます。
当社では2つのサービス区分を設けておりまして、ソーシャルアプリサービスとコンテンツサービスを2本柱としてやっております。それの、四半期分の売上の推移でございます。
先にコンテンツサービス(水色の部分)から申し上げると、先ほども申し上げたとおり横ばい、あるいは微増すらしており、増収となっています。
当社としていちばんの成長ドライバーと考えているソーシャルアプリサービス(青色の部分)では、先ほどの事情(ユーザー数向上施策を優先して、広告宣伝費をかけたこと)により減益になりました。
しかし、(グラフの)角度を見ていただくと、去年(2016年)の第3四半期から第4四半期に関しては伸びておりますので、この(2017年の)第3四半期から第4四半期への伸びは、今後期待していただけるんじゃないかと考えております。
02. 決算概要|四半期位置ゲーム売上高推移
こちらは、位置ゲームの売上高の推移です。ソーシャルアプリのサービスの中でも、とくに位置ゲームは、当社がもっとも注力しているサービス区分でございます。先ほどから申し上げておりますとおり、この第3四半期に関しては、マーケティング強化の観点で、ユーザー数を伸ばすことをかなり注力してやっておりましたので、こういった数字になっております。
02. 決算概要|四半期売上原価内訳/推移
ここからは、コスト系です。
(2017年12月期)第2四半期では、減価償却費(濃い水色の部分)がいつもより多くかかりましたが、この第3四半期に関しては、もとの水準に戻りました。
02. 決算概要|四半期販売費及び一般管理費内訳/推移
販管費は、こちらの資料を見ていただいたとおりです。先ほどから申し上げているとおり広告宣伝費(青色の部分)が、かなりのポジションを占めております。
この第3四半期に具体的に取り組んだ内容として、(資料には)1つだけ書かせていただいております。JRさんの車内に、宣伝のモニターがあると思うんですけれども。そこの枠に「駅メモ!」の広告を出したりとか、あるいはTVCMを一時やったりとか、そういったことに取り組みました。
そういう意味では、広告宣伝費の中でいちばん大きなウエイトを占めているのは、引き続きWeb広告です。それは間違いないです。
03. 事業概況|サービス状況| ①地方創生
ここまでが決算の数字的なお話でしたが、事業の概況は、こちらに書かせていただいているとおりでございます。
当社には他のゲームメーカーさんといくつか違う点、差別化と言っていい要因がいくつかあると思っておりますけれども。そのうちの1つが、この地方創生というものだと思っております。
リアルとの親和性が非常に高いという特性を活かして、この第3四半期に関しましても、地方自治体さんや鉄道会社さん、そういったところとコラボレーション・タイアップというかたちで、組ませてもらっております。
この(資料の左上の)奈良県のイベントは、まだ今もやっておりますし、(資料の右上の)嵯峨野のイベントも、今もやっております。たまたま3つとも関西なんですけれども、関西に足をお運びの際は、ぜひ楽しんでいただければと思います。
この奈良県とのプロジェクトは、奈良県さんが『万葉集』や『古事記』や『日本書紀』、そういったものの舞台だということで(行いました)。この5年間くらい、非常に県自体がかなり力を入れて、県外からの観光客さんの誘致に力を入れられておりまして、それに我々も1枚かませてもらったというかたちでございます。
我々の「駅メモ!」のユーザーには奈良県に行ってもらって、奈良県の中でいくつかのスポットを巡っていただく。そのスポットは鉄道の駅だけではなくて、いろんな名所ですとか、ゆかりの地ですとか、そういったものも指定しております。ユーザーさんは当然、ゲームを楽しむついでに、そういったゆかりの地ですとか、名所などにも足を運ぶ。こういう経済効果も、生まれると思われます。
03. 事業概況|サービス状況| ②自社IP強化
また、こちらの資料には「エンゲージメント向上施策」と書かせてもらっております。
これは簡単に言うと、ファンを作って、そのファンにもっとファンになっていただくというような施策です。
すでに、とくに「駅メモ!」に関しては、コアなファンがかなり多くいらっしゃいます。例えばTwitterなどで「駅メモ!」等と検索していただくと、かなり幅広い年齢の方に「駅メモ!」というコンテンツが楽しまれていることが、非常によくわかります。私も、毎日楽しみにしながら検索しています。
そういった方々に、より「駅メモ!」というIPを好きになっていただくための施策として、ここに書かせてもらったような施策に取り組ませていただいております。
ついこの間終わってしまったんですけれども、「駅メモ!」ができて3周年経ちましたので、「3rd Birthday Cafe」ということで、リアルなカフェを原宿に作りました。内装を全部「駅メモ!」仕様にして、ユーザーさんがそこにきて飲み物や食べ物を楽しみながら、「駅メモ!」の世界観に触れていただく。
そこで、オリジナルのグッズをもらえる。そういった取り組みが非常に好評で、1回、期間を延長したくらいなんですね。「ここまでです」と最初は言っていたんですけれども。1週間ほど伸ばしたくらい、これは好評をいただきました。
あとは、もしかしたらすでにご覧になっていただいた人もいるかもしれませんが、(「駅メモ!」の)コミカライズ。漫画化ですね、簡単に言うと。
これはWebで「やわらかスピリッツ」などで検索していただくと、『スピリッツ』という週刊誌の漫画があると思うんですけれども。あれのWeb版です。そこに「駅メモ!」のWebサイトがあって、そこで2週間に1回、「駅メモ!」が漫画になって登場しております。非常におもしろい内容になっております。
あとは、これはこれからの取り組みに近いんですけれども、指原莉乃さんがプロデュースしている声優のユニットですね。「イコールラブ」と読むんですけれども、この「=LOVE」、略して「イコラブ」。
計12人の声優の卵さん、これから声優を目指されるような方々が、指原莉乃さん……あの有名なさっしーのプロデュースで生まれて、すでにいろんなメディアにも取り上げられているんですけれども。
声優さんとしてほとんど初めてに近いお仕事として、当社の「駅メモ!」のボイスをやっていただくことが、すでに決定しております。
これはこの(2017年)12月くらいに、もしかしたらなんらかのかたちで展開するかもしれませんので、ご期待いただければと思います。
あとは、「駅メモ!」はリリースして3周年経って、かなり継続率の高いタイトルに成長しておりますけれども。なかなかユーザーさんの「飽き」というものは、どんなゲーム・サービスであっても、引き続き課題でございます。
資料の右下に書かせてもらったのは、「でんこと駅に属性追加」といった、よりゲーム性・戦略性を高めていただくような取り組みです。単に(「駅メモ!」で)駅を取ってバトルするだけではなくて、そのバトル自体に戦略性を持たせるような取り組みを、やらせていただいております。
03. 事業概況|サービス状況| ③他社との協業
他社さんといろんなかたちでタイアップしていますよ、という話がございます。
昨年(2016年)は、『君の名は。』というタイトルとタイアップさせていただきましたが、今年(2017年)も同じようなビッグタイトルである『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』というアニメ映画。こちらとのタイアップをしております。これは花火シーズンに引っ掛けて、いろんな日本全国の花火の場所を回ろうというキャンペーンになっております。
あと、資料の右上は、インターネットカフェのBAGUSさんとの取り組みです。資料の右下は、他社さんのゲームになりますけれども、よく「スクスト」というCMをよく目にされる方もいらっしゃると思いますけれども。「スクールガールストライカーズ」さんとのコラボレーションをしております。
04. 今後の方向性|実績と通期計画
今後の方向性のお話を差し上げます。
まず、数字的なお話です。すでに決算短信等でご確認いただいていると思いますけれども、この17期(2017年12月期)に関しては、売上が24億8,600万円、経常利益(黄色い折れ線グラフ)が7億4,700万円というかたちの数字を、予想数値として出させていただいております。
この第3四半期において、この数値の予想についてとくに変更はございません。引き続き、この数字を目指してやっていくというかたちになります。
04. 今後の方向性|今期進捗
こちらが、今期の進捗となっております。定性的なお話、具体的な取り組みとしては、ここに書かせていただいているとおりでございます。
04. 今後の方向性|具体的取組み
引き続き、当社にとっては「ステーションメモリーズ!」、つまり「駅メモ!」を、いかに今のポジションから高めていくかということが、最も業績への寄与が高いと考えております。
投資家のみなさんや、いろいろな方のご意見をうかがうと、「新作はどうなっているのか?」「新作の話はどうなのか?」という話は、当然いただくんですけれども。当然我々としても、新作に関しては重要視して取り組んでいくのは間違いありません。
ただ、この新作というものは、いちばん最後は(タイトルを)出してみないとわからないところが、どうしてもございます。当社としては、ボラティリティの高い領域と考えておりますので。
我々としては、最も業績を伸ばすための近道は、やはり主力のタイトルである「ステーションメモリーズ!」を、今以上に伸ばしていくこと。これが大事なのではないか? という考えです。
そこに向けた施策を、この第3四半期以上に第4四半期は取り組ませていただくことで、予想している数値・来期以降もの長期的なお話にも、つながるのではないかと考えております。
ですので、位置ゲームは第3四半期もかなり力を入れてやっておりましたが、この第4四半期にも、引き続き注力してやらせていただくことになると思います。
04. 今後の方向性|将来の取り組み
短期的な話と、中長期的な話です。ほぼ、今まで私が申し上げたことが書いてございます。
「ステーションメモリーズ!」も盛り上げます。あと、地方創生も、やはり我々にとって大事なジャンルだと思っております。この地方創生に向けた取り組みを、第4四半期以降も継続していきます。
ちょっと短いかもしれませんけれども、私からの説明は以上です。どうもありがとうございました。