2018年3月期第1四半期決算ハイライト

福岡聡氏:株式会社りそなホールディングスの福岡です。本日は遅い時間ではありますが、りそなグループのテレフォンカンファレンスにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。

私どもは(2017年)4月に、新たな中期経営計画を公表いたしました。今後3年間を「次世代リテール金融サービスモデルの構築」並びに、「中長期的な収益構造改革を実現する期間」と位置付けております。今年度は、その初年度に当たるということでございます。

マイナス金利下で、理財の縮小という厳しい環境が継続しておりますが、当(2018年3月期)第1四半期におきましては、貸出残高は中小貸を中心に堅調に増加しております。また、昨年度終盤に開始したファンドラップに、順調に残高を拡大しております。

一方、物件費を中心にコストコントロールも計画どおりに進捗いたしました。新中期経営計画のスタートとしては、まずまずだと考えております。

また、戦略面におきましても、この(2017年)5月に、店舗ネットワーク改革の1つでございます、相談特化型のミニ店舗・セブンデイズプラザ新宿西口をオープンいたしました。そして本日(2017年7月31日)、シンガポールのAFCマーチャントバンクの子会社化を完了しまして、「りそなマーチャントバンク・アジア」として業務を開始したところでございます。

加えて、関西地銀の統合につきましても、スケジュールどおり進展中でございます。

2018年3月期 第1四半期決算の概要

こちらは、決算の概要でございます。連結の親会社株主に帰属する四半期純利益は、372億円、前年同期比マイナス105億円。通期業績目標比24.8パーセントの進捗でございます。

実質業務純益につきましては、営業部門の資金利益とフィー収益は、計画どおりに進展いたしました。一方、市場部門におきましては、債券関係損益が外債を中心に下振れいたしました。その結果、実質業務純益は475億円となっております。

具体的には、貸出金残高は中小貸を中心に、計画を大きく上回るかたちで推移しました。利回りは前年同期比でマイナス10bp。低下幅は、マイナス金利政策導入前の水準へと落ち着いた状況といえます。

フィー収益につきましても、法人ソリューション収益が好調に推移しまして、前年同期比で増益を確保しております。

市場部門は、株式運用は堅調だったものの内外債券の運用が苦戦しております。経費につきましては、ソフトウェアの償却と機械化コストなどを中心に、前年同期比で減少。与信費用も引き続き、落ち着いたものとなりました。

損益内訳

こちらは、損益内訳です。資料をご覧いただければと思います。

期間損益の前同比増減要因

こちらは、期間損益の前同比増減要因です。こちらも、資料をご覧いただければと思います。

貸出金・預金の平残・利回り

こちらは、貸出金・預金の平残・利回りの資料です。

まず、左の貸出金・預金の平残、利回り、利回り差の資料をご覧ください。(2)国内円貨貸出金平残は、前年同期比でプラス1.91パーセントと、計画を上回りました。そのうち、(5)コーポレート部門(公共除)は前年同期比でプラス2.13パーセント、(7)コンシューマー部門は前年同期比でプラス1.6パーセントです。

(3)貸出金利回りは、年間計画マイナス8bpに対しまして、マイナス10bpでございます。前年同期比の低下幅は、前年第4四半期までの推移と比べて改善しており、ほぼ計画どおりと見ております。

また、この10bpの内訳ですが、法人貸出における競争要因が約4bp。住宅ローン金利の要因が約5bp。そして、マイナス金利に伴うTIBOR(東京の銀行間取引金利)低下の影響が2bp弱と分析しております。

前年(2017年3月期)第1四半期はTIBORが低下途上にあったことから、金利公開により一定程度の低下が生じていました。(2018年3月期)第2四半期以降は、前年同期比でのTIBORレート差がなくなり、通期のTIBOR影響はほぼないという想定をしております。

貸出金・預金末残

貸出金末残は、前年同期比でプラス1.8パーセント。2017年3月末の前年同期比プラス1.7パーセントから、増加率は伸びているということでございます。うち、コーポレート部門はプラス3.3パーセント。コンシューマー部門はプラス1パーセント。

とくにコーポレート部門のうち、中小貸はプラス3.7パーセントと、全体を牽引するかたちでございます。なお、中小貸と頭にまたがるプレミア層向けの貸出金は、管理ベースの件数ではございますが、プラス2.4パーセントでございます。

住宅ローンビジネス

第1四半期の住宅ローンの実行額は、2,532億円。前年同期比で、マイナス30.1パーセント。自己居住用住宅ローンのうち、借り換えローンの比率が前年同期比で25ポイント低下して、15パーセントとなりました。マイナス金利導入直後の借り換え需要が、落ち着いた影響といえます。

一方で、新規実行金利につきましては、借り換えの落ち着きに移行するかたちで回復基調をたどっております。

資料右側の、住宅ローン末残のご説明でございます。末残は13.28兆円と、前年同期比でプラス0.4パーセントでございます。

フィー収益の推移

こちらは、フィー収益の推移でございます。連結フィー収益は409億円、連結フィー収益比率は、30.8パーセントでございます。法人ソリューション・決済関連などの増収が、資産形成サポートビジネスや不動産などの減収をカバーするかたちとなっております。

とくに、法人ソリューションにつきましては、各商品とも好調な出だしとなっております。また、少額ではございますが、信託関連収益は過去数年にわたり、総合基金の解散影響等により、減収が続く状況でございました。

こちらがDB(確定給付企業年金)、DC(確定拠出年金)への移行等によりまして、変動費ではプラスとなっております。

資産形成サポートビジネス

こちらは、資産形成サポートビジネスの状況でございます。上段の資料が、個人向け資産形成サポート商品残高でございます。残高は4.25兆円。同商品残高比率は14.0パーセントでございます。投資信託・ファンドラップ、保険の利用先数は、64万先。そのうちNISA口座数は、19万口座。(2017年)3月末比プラス1,000先となっております。

とくに、ファンドラップ残高が堅調に増加して、(2017年)6月末で1,000億円を突破しております。このファンドラップ残高が、全体を牽引するかたちです。

(左下の資料の)投資信託・ファンドラップの月次販売額は、(2017年)2月のファンドラップ取扱い開始以降5ヶ月連続で、前年同月を上回っての推移となっております。

また、(右下の資料の)保険につきましても、前年同期比で1割減程度まで回復しております。引き続き、フィデューシャリー・デューティーポリシーのもと、お客様のトータルリターンの追求・残高・利用先数の増加を目指す方針でございます。

与信費用、不良債権

こちらは、与信費用・不良債権の資料でございます。資料の左側、与信費用をご覧ください。(1)第1四半期の連結与信費用は、68億円の戻し入れとなりました。(5)銀行合算の個別貸倒引当金の新規発生は、46億円。引き続き、低水準となっております。

その結果、資料の右側に記載の不良債権比率も、1.35パーセントと最低水準を継続して、貸出金ポートフォリオは健全な状態を維持しております。

有価証券

こちらは、有価証券でございます。資料の左側をご覧ください。当第1四半期は、円金利上昇・株価上昇等の中で、その他有価証券の(4)国債・(8)外債ETF等のその他資産の合計での含み損益は、22億円の改善となっております。

(5)の国債デュレーション長期化は、短期債の減少によるものでございます。(6)BPV(ベーシス・ポイント・バリュー)は、1桁億円の水準を継続しております。国債を兆円単位で保有していた数年前のBPVが、2桁億円だったことと比べても、金利感応度は限定的な状況といえます。

また、その他のETF(上場投資信託)は、米国債中心の運用でございます。健全性を重視した運営を継続していく方針です。

資料の右側は、政策保有株式でございます。損益分岐点株価は(日経平均ベースで)6,000円程度。削減額は、昨年度(2017年3月期)からの5年間で350億円を削減する計画としており、昨年度はほぼ計画どおりの削減でした。この第1四半期は、7億円の売却をしております。

引き続き、個々のお取引先様との長期的なお取引の展望の実現可能性、リスク・リターンを検証しつつ、さらなる圧縮を目指してまいりたいと考えております。