2018年3月期第1四半期のハイライト

堀哲朗氏:それでは、私から東京エレクトロン株式会社2018年3月期第1四半期の、連結決算をご説明申し上げます。

ハイライトが3つございます。まず1つ目は、売上高が前年同期比で884億円増加、プラス60パーセント。また、営業利益が前年同期比で326億円増加、プラス148パーセントということになります。

2つ目は、売上総利益率が40パーセント以上、営業利益率が23パーセント以上ということで、高水準を維持しているということです。これは、期初に立てた計画どおりに進捗しております。

3つ目は、FPD(フラットパネルディスプレイ製造装置)セグメント利益率は減少しますけれど、この第1四半期の話であり、通期で言えば予定どおりの改善を見込むということでございます。

以上、3つのハイライトでございます。

損益状況①

これが、前年同期比から連続した5四半期の損益状況でございます。資料をご覧のとおり、紫色の枠で囲まれている2018年3月期第1四半期につきまして、売上高が2,363億円。

売上総利益が971億円で、(売上総利益率が)41.1パーセント。

営業利益が547億円で、(営業利益率が)23.2パーセント。

税前利益が551億円で、それから当期純利益が412億円になっております。

(資料の)いちばん右にある増減率は、2017年3月期第4四半期との比較でございます。

ここは売上高・利益ともに下がっておりますけれど、これは第4四半期との比較という意味におきまして(下がっております)。第4四半期以外を比べると、売上高と営業利益は、すべて2017年第1四半期から第3四半期(の数値)を上回った結果になっていると、おわかりいただけるかと思います。

損益状況②

こちらの資料が、損益状況をグラフで表したものでございます。

まず、資料をご覧いただいたとおり、営業利益率(紫色の折れ線グラフ)は、前年同期の14.9パーセントから今回の第1四半期の23.2パーセントということで、上昇しております。

それから、売上総利益率(黄緑色の折れ線グラフ)は41.1パーセントです。これは、(2017年)第4四半期と(2018年)第1四半期を比較すると、売上高が減少している関係で利益率が下がっております。それでも41.1パーセントは(売上総利益率が)出ているということで、ちょっと緩やかではございますが、増加傾向になってきているとおわかりいただけると思います。

セグメント情報

こちらが、セグメント別情報でございます。

まず、SPE(半導体製造装置)に関しましては、セグメント利益率(黄緑色の折れ線グラフ)が29.8パーセントでございます。

資料をご覧になればわかりますように、(2017年)第4四半期と(2018年)第1四半期の比較で、営業利益(青色の棒グラフ)は下がっておりますが、セグメント利益率は上がっております。

これは、連結調整で生じた一時的なものでございます。四半期ごとに集計すると、(数値が)でこぼこに出る要素がございます。これが通期や半年(ごとの集計)になれば、平準化されると考えています。

それから、FPD(フラットパネルディスプレイ製造装置)は先ほど申し上げたように、セグメント利益率は下がっております。これも、四半期に生じた特殊なプロダクトミックスによるもので、通期のセグメント利益率では、予定どおりの数値を出しているということでございます。

SPE部門 地域別売上高

こちらが、SPE部門の地域別売上高でございます。

前四半期と比べますと、資料をご覧のように、韓国(オレンジ色)が伸びております。

それに対して、減っているものが台湾(濃緑色)になっております。

SPE部門 新規装置 アプリケーション別売上構成比

こちらが、SPE部門の新規装置のアプリケーション別売上構成比です。前回のこの(決算説明会の)場で、「受注実績の開示をやめます。その代わり、売上関係の情報開示を充実させます」と申し上げました。それに対する答えの1つが、これでございます。

DRAM(Dynamic RAM、揮発性メモリ)・フラッシュ系の不揮発性メモリ・ロジックファウンドリ・ロジック&その他、これら4つのアプリケーション別の売上高を、四半期ごとで新たに開示させていただくことを、今回から始めております。

資料をご覧のとおり、今年の1月-3月はロジックファウンドリ(黄緑色)が27パーセントで、不揮発メモリ(紫色)と同じ割合を占めておりました。そして今年の4月-6月は、ご覧のとおり、不揮発性メモリが40パーセントを占めているということです。

こちらの前の資料(SPE部門 地域別売上高)にもございましたが、まず韓国向けの売上高が伸びました。それから、フラッシュ系の不揮発性メモリの売上構成比が伸びたということです。これは資料の下のコメントにもございますように、韓国のNAND(不揮発性記憶素子のフラッシュメモリ)向けの売上高が、この4月-6月は1月-3月と比較して伸びたということです。

それから、台湾のファウンドリとDRAMが減少したということが、このグラフから見てとれるかと思います。

フィールドソリューション売上高

こちらも同様に、今回から新しく開示する資料です。フィールドソリューションの売上高を四半期別に出した数字になります。

フィールドソリューションですので、前のページの新規装置ほど、変動はございません。

ある意味、底堅いビジネスと我々は捉えております。(グラフ上で)若干でこぼこがあるように見えますけれど、今年(2017年)第1四半期は544億円、それからその前(2016年第4四半期)は604億円。でこぼこはあるものの緩やかな上昇傾向にあることが、このグラフから見ておわかりになるかと思います。

あと、売上高をFPD(紫色)とSPE(青色)と分けておりますけれど、FPDのフィールドソリューション売上高は、だいたい20億円強で推移していることがおわかりになるかと思います。

貸借対照表

これが、バランスシートのデータでございます。

まず、資産の方です。資料からおわかりのように、現金同等物(現預金+短期投資等)が(2017年)第4四半期と比較して、この6月末(2018年第1四半期)で3,153億円から2,946億円に、約200億円減少しております。

これは、配当の支払い・法人税の支払いによるところが原因として、大きく出ております。

それから、売上債権はそれほど金額が変わっておりませんが、たな卸資産は300億円ぐらい増えております。これは以前、中期経営計画説明会(2017年5月31日実施)で申し上げたとおりです。我が社の収益認識基準は、設置完了時点です。

出荷後にお客さまのところへ装置が届いて、据え付けを終了した時に設置完了ということで、売上を上げております。そちら側の分が、増えているということであります。

資料の右側の負債・純資産に関しましては、ご覧のとおりで、特筆すべきところはございません。有利子負債は0でございます。自己資本比率は、70パーセント弱を維持しているということになります。

たな卸資産・売上債権の回転日数

こちらが、たな卸資産・売上債権の回転日数でございます。

まず、紫色の折れ線グラフが、売上債権の回転日数です。今回は57日ということで、問題ないと思っております。

それから、たな卸資産の回転日数(黄緑色の折れ線グラフ)ですが、これは110日ということで微増しております。この要因は繰り返しのご説明ですけれど、お客さまに出荷したあとの、据え付けを待っている在庫が増えていることです。

ざっくり言うと、我が社の在庫の3割ぐらいが、出荷されてお客さんのもとへ輸送中、もしくはお客さまのところで据え付けを待っているところです。そちらが増えているので、(グラフが)こういうかたちになっているということでございます。体質が悪くなっているというわけではございません。

キャッシュ・フロー

こちらが、キャッシュ・フローでございます。今回、フリーキャッシュ・フロー(黄緑色の折れ線グラフ)は151億円になっております。この要因は、営業キャッシュ・フローの中に法人税の支払いがあることです。

それから、財務キャッシュ・フロー(赤色の棒グラフ)でマイナス368億円とありますが、これはほぼ全額、配当によるキャッシュ・フローとなっております。

この財務キャッシュ・フローは、2016年第3四半期とほぼ変わらない感じになっております。この時は、配当と自己株買いを合わせた財務キャッシュ・フローが、マイナス375億円ということです。

しかし今は、配当だけでマイナス368億円。ほぼ同等の株主還元をやっているということで、50パーセントの配当性向は、非常に有効に機能していると私どもは思っております。

私からのご説明は以上です。

半導体前工程製造装置(WFE)市場の展望

河合利樹氏:私からは、事業環境および今期の業績予想について触れされていただきます。

まず、半導体前工程製造装置(WFE)の市場展望です。先日、新中期事業目標を発表いたしました。装置市場は、1段上のフェーズになっていくと考えております。

資料に「将来の成長ドライバー」と書いております。こちらを少し、切り口を変えて表現しますと、「3つのI」。すなわちインターフェース、インテリジェンス、それからインフラストラクチャーが、今後の半導体ビジネスの成長をけん引していくと考えております。

事業環境(2017年7月時点での見方)

このような中期的な方向性の中で、2017年の事業環境のご説明です。SPEは、前年比10パーセント以上の成長を見込んでおります。

前回の報告では、(成長の見込みは)10パーセント「程度」と申し上げたのですけれど、(次世代)3D NAND向けの投資が強いため、(改めて)10パーセント「以上」というかたちで報告させていただきます。3D NANDは、継続してアップデートしている状況でございます。

FPD(設備投資のご説明です)。TFTアレイ工程(ディスプレイを駆動する電気回路機能を持つ基盤を製造する工程)向けのFPD製造装置の需要は前回から変更なく、前年比30パーセント程度の増加を見込んでおります。

引き続きFPDにつきましても、G6、G6のモバイル向け、G10.5、11、それからOLED TVにおけるG8のIGZO、インクジェットなどの技術革新に、期待が持てるところでございます。

CY2017 アプリケーション別の市場成長と事業機会

2017年の、アプリケーション別の市場成長と事業機会です。NANDは先ほど触れましたけれど、前回報告の時に、前年比25パーセントから30パーセントと申し上げておりました。しかし今回は、30パーセント程度の市場成長とご報告いたします。

強いSSD(ソリッドステートドライブ)の需要が引き続きあり、その関係で投資増加傾向にあるということも顕著に表れております。そのため、このたび30パーセント程度と申し上げさせていただきます。

NANDのビット成長は、SSD向けが6割を占めています。継続的にデータセンター向けのSSD需要が、設備投資のけん引役になっている状況でございます。

DRAMは、5パーセントから10パーセントの増加。それからロジック/ファウンドリにおいて、去年と同水準という予想を出しておりました。ここについては見通しのとおり、引き続き期待できるような状態でございます。

2018年3月期 第1四半期 事業進捗

2018年3月期第1四半期の事業報告です。エッチング、成膜、洗浄装置の(SPE注力分野)事業戦略は、一言で言うと計画どおりに進捗しているということでございます。

とくにエッチャーにつきましては、3D NANDのスリット工程をはじめ、DRAMとロジックの方でもシェアを伸ばしております。

ALD装置、洗浄についても計画どおり進捗しているということで、注力している3装置分野すべてにおいて、シェア向上が見込めるような状況になっております。

FPD製造装置についても、第10.5・第11世代におけるリーディングポジションを確立しつつございます。2社目のお客さまからのビジネスも予定どおりで、高いシェアが獲得できる見込みになっております。

あともう1つ、宮城工場についてですけれども、2019年までに生産能力を2倍に増強いたします。エッチングの市況が中長期的に成長できると見込んでいること、それから現在のシェア計画が予定どおり進んでいることで、この計画を組みました。

その2倍に向けての1つのメソッドとしては、すでにご報告しておりますとおり、新物流棟でございます。年末に竣工(予定で)、来年の頭から物流を使ったオペレーションを行っていくということです。それからもう1つは、企業さんとの協力も高めて、フローラインを倍増させるという方法です。

また、タクトタイムの短縮などで、2倍の増強に向けた計画を進めていくかたちになっております。

2018年3月期 業績予想(2017/4/28発表から変更なし)

2018年3月期の業績予想でございます。見込みどおりで、(2017年)4月28日の発表から変更はございません。詳細はスライドのとおりで、2期連続の過去最高益を見込んでおります。

研究開発費・設備投資計画(2017/4/28発表から変更なし)

研究開発費・設備投資計画においても、変更はございません。開発費が940億円、設備投資が420億円、減価償却費が240億円でございます。

中期経営計画に向けては、今後は1,000億円から1.100億円程度を見込んでおります。基本、我々の成長方法としましては、技術革新・市場の拡大が期待できるところに注力していくことです。

ビジネスユニットの再編も進みましたけれど、ウェット・成膜・エッチング・フラットパネルディスプレイ・FS(フィールドソリューション)の分野に注力していこうと思っております。

従来から掲げております、強い次世代製品を確実に作っていくということで、開発費につきましては基礎技術・チャンバーの高機能化・次世代プラットフォーム・装置のインテリジェンス化などに、注力していこうと考えております。

2018年3月期 配当予想(2017/4/28発表から変更なし)

こちらが、配当予想です。こちらにつきましても、(2017年)4月28日の発表から、変更はございません。

業績予想に基づいて、前期比40パーセント以上の増配を予定しており、4期連続の過去最高の配当を更新できる見込みでございます。

以上、私からご報告申し上げました。