連結決算の概要

桂山哲夫氏:桂山でございます。こんばんは。みなさまどうぞよろしくお願い申し上げます。それは早速でございますが、平成30年3月期第1四半期の決算についてご説明申し上げます。

連結決算の概要をご覧ください。

まず売上収益は当四半期では2,115億円で前年より31パーセント、502億円の増でございました。また調整後営業利益は前年より584パーセント。平たくは7倍と言った方がいいんでしょうが、168億円で利益率は7.9パーセントでございました。

また税引前四半期利益は159億円を大幅増の174億円でございます。親会社株主に帰属する四半期利益は96億円に相成りました。為替はご覧のとおりです。

502億円の売上の持ち上がりでございますが、このうち新規に連結化したH-E Parts、ならびにBradken。ここで売上収益を246億円押し上げ、クレーンで76億円差っ引き、差し引き170億円の増。事業再編で増でございます。

為替はドルが若干円安であったことで、34億円の持ち上がり。残り298億円が建機事業の物流増、売上増とみております。ちなみに今期間のEPS(1株あたり利益)は44円の93銭でございました。

連結地域別売上収益

地域別の売上収益実績をご説明申し上げます。まずは対前年同期の右側の欄をご覧ください。

まずはいちばん上の日本でございます。当期間においては前年より4パーセント減。18億円減の404億円になりましたが、これはクレーン事業が非連結化されたという影響でございまして、建機事業は排ガス規制の対策が相成って、堅調に推移しております。

また、続いて減少でございますが、中近東でやはり49パーセント減の、33億円減でございました。こちら産油国を中心に、やはり原油価格の下落に伴い、公共工事が振るわないということがあって、苦戦中であります。

一方で大きく伸びたところが、オセアニア・北米であります。こちらH-E PartsとBradkenの買収効果で、それぞれ70パーセント増の143億円の増がオセアニア。

また北米でも51パーセント増の109億円増で、大幅増加を見ております。もちろんオーガニックな部分でも売上増はございます。 

最後に中国でございます。ここが前年より116パーセント増で124億円持ち上がった256億円でございました。

ここ1月は需要が今四半期で230パーセント増というようなこともございまして、非常に持ち上がったという状態でございます。当期間の海外収益比率は81パーセントで前年よりも7ポイントの増加になります。

マイニング売上収益推移

マイニングの売上収益でございます。いちばん右側の短い棒グラフだけご説明申し上げます。当四半期でのマイニングの売上は、全体で前年同期よりも3パーセント増の272億円でございました。

部品関連は堅調に27パーセント増で222億円を稼ぎ出しておりますが、一方で本体の販売は44パーセント減で49億円にとどまりました。

これについては、いちばん大きな要因は受注は例年よりも、とくにショベルは高めという受注の推移を示しておりますが、この四半期での納入、納期到来が少なかったことが、いちばん大きな要因であります。もう少しあとで詳しく述べます。

バリューチェーン 売上収益推移

バリューチェーンの売上収益推移でございます。バリューチェーンは、一番下にコメ1で小さく表示してありますが、新車以外のアフターセールスに関する事業の総称のことを申し上げております。

私ども、ここを強化して2019年には売上の構成を50パーセントにしたいという目標を持っております。

その17年の第1クォーターでございますが、この中で部品サービスがここにあります。過去ご説明してたものが入ります。これが16年の1Qと比較していただきますと、14パーセント増の446億円でございます。

マイニングも先ほどのとおり伸びましたが、コンストラクションも4パーセントの増で、今回は増加に転じております。また、ここに246億円のH-E PartsとBradkenの売上が乗っかり、2,115億円の連結売上に対して42パーセントを占める889億円の実績でございます。

連結損益変動要因

調整後営業利益の変動要因。営業利益の変動要因でご案内します。まず調整後営業利益でございますが、当期間は134億円の増益でございました。これにつきましては、物量構成差で191億円の増になります。

吹き出しにソリューションビジネス、Bradken、H-E Partsの増加で88億円の利益増になっておりますが、ここを見てお分かりのとおり、あとクレーンの非連結化で利益が逃げてくる分と建機事業の増加で、これがボリュームによる、物量による増加でございます。残り17億円が構成差になります。

売価変動は10億円ございますが、これは『Tier4 Final』を発売している欧州・北米。このへんで確実にプライスを上げています。

ただ、為替はほぼほぼ変わらない。資材費は新興国で若干苦戦中。間接費は、やはりこれも買収した会社の、新規連結化した会社の増加といことで63億円の増加でございました。

一方で、クレーンの非連結化で17億円に減で、都合46億円の増でございますが、これにさらに力を入れている研究開発費。これが前年より7億円増でございまして、54億円の増加を余儀なくされました。

こういうことで168億円の調整後営業利益が成り立っております。ちなみに営業利益は169億円でございました。

要約連結損益計算書

連結損益計算書をご覧ください。ここにつきましては、今まで営業利益まではご案内申し上げました。これ以下のところについて、軽く触れさせていただきます。

金融収益および費用は、ここも前年より18億円改善したマイナスの5億円でございます。為替差損益が為替差益に代わり、ここで22億円稼ぎ出して金融費の増加。これはやはり受け取る人が減った。新興国での借入が増えたということでございますが、ここを入れても18億円の改善となります。

持分法投資損益による投資利益の増加。あるいはクレーンが寄与していただいております。こんなかたちで税引前四半期利益が159億円持ち上がった174億円で8.2パーセントになっております。

法人税所得費用は60億円でありました。最終的な利益については繰り返しになりますが、親会社帰属利益は96億円で4.5パーセントであります。

要約連結 四半期別売上収益・営業利益(率)

要約の連結損益の第1四半期の状況でございます。当四半期はいちばん上の段の行の右側にございますとおり、売上2,115億円。調整後営業利益168億円でございます。

過去10年から並べておりますが、このレベルは高いレベルのスタートだったと思っております。利益率も16年の4Q。ここで回復したものを、そのまま引き継ぐことができたという状況にあります。為替レートについても、ご案内のとおりでございます。

要約連結財政状態計算書①

貸借対照表の状況でございます。左側の借方のところの資産の部合計をご覧ください。当期間は1兆277億円で281億円の増でございますが、棚卸資産で184億円増えたのがいちばんの大きな要因でございます。

この中に当然ながらH-E PartsとBradkenの部分が影響ございまして、ここで240億円ほどの影響を受けていることになります。

手持ち日数についてご案内しますと、114日の棚卸資産の手持ち日数でございますが、H-E PartsとBradkenが、まだ売上が3ヶ月ないしは6ヶ月しか加算されてないので、1年間ではないということで、売上と在庫を取りますと、約107日ぐらいかなという試算をしております。

正味運転資金の回転期間は142日ですが、これも7日ほど改善した135日が従来別のかたちとなろうかと思います。貸方の方でございますが、親会社持分株比率は39.9パーセントで40パーセントを割り込んでおります。

ならびに有利子負債は増えておりますが、これはキャッシュフローのところでご説明します。ネットD/Eレシオは0.02悪化した0.48でございました。

要約連結財政状態計算書②

こちら見ていただきますと、営業活動によるキャッシュフローは前年より114億円減の94億円になります。また、投資活動によるキャッシュフローも172億円減から217億円でフリーキャッシュフローは残念ながら123億円の赤字でございました。

投資活動によるキャッシュフロー217億円には、Bradkenのグループための100パーセント子会社化のための最後の買収支出という176億円が入っております。これを除けばだいたい前年並かなという投資でございました。

連結キャッシュ・フロー

連結の業績予想でございますが、ここは落合の方から詳しく説明します。今回は棒グラフにありますとおり、18万5,000台という見通しで成り立っております。対前年7パーセント増でございます。中国はご覧のとおり大幅増で立てております。

これをもとにマル11のとおり、連結業績予想を組み立てておりますが、今回はこの吹き出しにありますとおりの理由で、据え置きさせていただきたいということになります。

とくに世界経済の不透明というところについては、たとえば中国についてはGDPが、1月から6月で6.9パーセント伸びておりますけども、この中でやはりインフラ投資。我々の機械の需要にいちばん近いインフラ投資は20パーセントの伸びという非常に効率的な伸びを示しております。

ここがあまりにも高いということで、その需要が今も喚起してるだろうと思っております。ここが本当にどこまで継続するのか、あるいはやはり今の金利の高めの流動について、どこまでこれが不動産投資、あるいは固定資産投資に水を差さないかなというところとか、こういうところを見極めたいと。

たとえば中国ではそういうのはありますし、マイニングの価格についても鉱山の鉱物資源価格については、やはり今はだだ下がり気味という部分もございます。

このようなところを勘案して、今回は需要環境が好転してますが、さらに見極めが必要だと見通しを立てております。また為替もご存知のとおり、基軸通貨と言いながら、ドルはこの3ヶ月で7円以上、上へ下へと動いておりますし、ユーロに至っては15円の範囲で動いていることもございますので、我々としてはそのまま据え置くということで考えております。

調整後営業利益も、為替感応度についてはご案内申し上げてますので、ご参考ください。

連結地域別売上収益(予想)

連結の地域別の売上収益の予想でございますが、トータルが変わりませんから、あまり申し上げることもないんですが、日本が331億円の減でございますが、これはクレーン事業が出ていった影響がここに出ております。

マイニング売上収益推移(予想)

マイニングの売上収益の予想でございますが、やはりここにありますとおり、1,273億円の5パーセントの増を見込んでおりますが、部品・サービスは11パーセントの増で堅調でございますが、一方で本体は5パーセントの減を余儀なくされております。

ここについては、先ほど注文は順調だと申し上げましたけども、やはりこの中で、ダンプのボリュームゾーンである100トン以下の小型のダンプ。寝かしてのダンプ。ここについてはご存知のとおり今手前ども採算が悪いということで、生産販売を一時的に見合わせております。

ここの影響が、やはり足元で出ていることを勘案して今回の見通しを立てております。そういうことになります。

バリューチェーン 売上収益推移(予想)

バリューチェーンの売上の予想です。17年度予想はここにございますとおり、昨年度に比較して1,000億円増の3,652億円を見込んでおります。

当然ながらH-E PartsとBradkenの買収効果で830億円の増もございますが、部品・サービスも、しっかりと115億円の増と。7パーセントの増を見込んでおります。

連結損益変動要因(予想)

連結の損益の変動要因の予想でございますが、これも見通しを変えてませんので、あまり申し上げることはございませんが、物量・構成差については、前回と同じく300億円を物量増で見ております。

また、構成差の中には先ほどの小型ダンプの生産販売見合わせ効果、ならびにその他の不採算のところの事業効果等を入れて、123億円を入れて、残りの構成差を構成しております。

また売価は先ほどのとおり、Final Tier4を出した欧州・北米。こういうところで上げております。それから資材費については、マイナス10億円で悪化しております。

ここは、やはり国内は頑張っているんですが、インドならびに中国。ここで物価高、ならびに鉄板の鋼材の価格アップを余儀なくされております。

また、為替益については節減を図っておりますが、それでもH-E PartsとBradkenの買収での増。それから研究開発費の増等で278億円の増加を折り込み、460億円という調整後営業利益を立てております。

なお、構造改革費用。営業利益のところに入ります構造改革費用9億円は、前回と同じくでございますが、今のところ当年度でもリストラ費用は20億円の支出を見込んでおります。これと前年度の差になります。

以上で私の説明を終わります。