2018年3月期第1四半期 業績総括
丹智司氏:本日、業績概況につきましては、4ページ目の総括を中心にご説明をさせていただきます。
こちらが第1四半期の業績の総括でございます。
まず、連結PLでございます。詳細は5ページ、8ページ、9ページをご参照ください。
増収増益となっておりまして、売上高は前年同期比106.9パーセント、経常利益は同じく117.4パーセントとなりました。
売上総利益率は、前年同期差マイナス0.3ポイントの54.3パーセントでございます。
こちらは連結子会社のコーエンが第1四半期の前半に行った秋冬商品のセールの販売増であったり、クロムハーツの為替の影響等がございました。こちらは第2四半期以降につきましては、改善の見込みでございます。
販管費率は、前年同期差マイナス0.8ポイントの47.3パーセントでございました。人件費率やその他販管費率の減等によります。
営業利益は、前年同期比115.9パーセント、経常利益は同じく117.4パーセント、四半期純利益は106パーセントとなりました。
続きまして、単体の売上でございます。詳細は6ページ、7ページをご参照ください。
既存店売上高前期比は102.9パーセントとなりました。小売が98.8パーセント、ネット通販が122.3パーセントでございます。
チャネル別では、ネット通販が引き続き好調に推移しておりまして、ネット通販の売上高構成比は17.5パーセントとなりました。
また、参考値ではございますけれども、小売+ネット通販既存店客数の前期比は100.6パーセントということで、前年を超えております。同じく客単価は102.2パーセントとなりました。
続きまして、たな卸資産でございます。詳細は10ページをご参照ください。前年同期比100.5パーセントとなっておりまして、同じ期間の売上の伸び106.9パーセントを大きく下回りました。
続きまして、出退店でございます。詳細は12ページから14ページをご参照ください。
グループ合計の第1四半期の実績でございますが、新規出店9、退店2、第1四半期末の店舗数は367でございます。通期の見込みでございますが、新規出店22、退店32、期末店舗数の見込みは350でございます。
こちらは先日発表した、2事業(「アナザーエディション」と「ボワソンショコラ」)の撤退を含めた退店数となっております。
最後に、グループ会社でございます。詳細は15ページをご参照ください。以下は、主な連結子会社の状況でございます。
フィーゴは減収減益でございますけれども、もともとの計画が減収減益でございますので、計画どおりの進捗でございます。
コーエンは増収増益で、好調に進捗しております。
クロムハーツJP合同会社でございますが、ビジネスユニット売上が前年同期を上回って順調に推移しております。
以上、業績の総括でございました。ご清聴ありがとうございました。
重点取組施策の進捗等
竹田光広氏:竹田でございます。本日はご多忙のところ、またお暑い中、弊社の説明会にご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
私からは重点課題の進捗として、単年度の経営方針の進捗、そして中期ビジョンの戦略の1部についての進捗をご説明させていただきます。
また、今期につきましては、5月に発表した中期ビジョンにおいて、みなさまにまだ十分なご説明ができていない項目についてピックアップをして、取り組みの内容などを説明させていただきたいと思います。
今回につきましては、中期ビジョンのマーケット変化への対応において、簡単に触れさせていただいた、バリューチェーンと商品プラットフォームの進化についてご説明させていただきます。
単年度経営方針「収益性の早期改善」進捗
まず、単年度経営方針「収益性の早期改善」の進捗をご説明いたします。
第1四半期の結果は前半の数値説明のとおりですので、第2四半期以降の見込みを中心にご説明させていただきます。
1つ目の売上総利益率の改善につきましては、第1四半期は前年同期と比較して0.3ポイントの低下となっております。第2四半期以降につきましては、セール値引率の抑制等により、改善見込みでございます。
また、クロムハーツにつきましても、6月末に行った価格改定、上代の値上げなどにより、為替変動によるマイナス影響が縮小する見込みでございます。
2つ目の在庫効率の改善につきましては、第1四半期は(株)UAに加え、連結子会社のクロムハーツJP合同会社や株式会社コーエンにおいても在庫効率の改善が図れました。
とくにコーエンは、売上が2割伸長する中、在庫につきましては前年同期末に比べ、約2割減と大幅な改善を図ることができました。今後も各社継続的な改善を目指してまいります。
3つ目の販管費率の改善につきましては、第1四半期は0.8ポイントの低減となりました。
第2四半期以降につきましては、基本的に計画水準を見込んでおりますが、中長期的には収益性の改善に向けたプロジェクトを推進させることにより、販管費率の適正化を目指してまいります。
4つ目は、EC拡大による収益性の改善についてでございます。第1四半期は(株)UAのネット通販売上が前年同期で約2割以上の増収となり、好調に推移しております。
自社ECサイトのUAオンラインストアにつきましても、第1四半期の前年同期比は124パーセントと好調に推移しております。
昨年実施した、ハウスカード会員とUAオンラインストア会員の統合や、本年4月に実施したブランドサイトとUAオンラインストアの統合などが売上に寄与していると認識しております。これらの施策の効果は、今後も継続するものと考えております。
また、ECサイトへの在庫供給の拡大も今後引き続き実施し、売上の拡大を目指してまいりたいと思います。
以上により、第1四半期の経常利益率は0.6ポイントの改善を図ることができました。
今後につきましても、引き続き収益性の改善を目指してまいりたいと思います。
UAグループ中期ビジョン進捗
次に、UAグループ中期ビジョンの進捗を説明いたします。
戦略の1つに掲げている、強い経営基盤の確立の中の1項目である、「不採算事業・店舗・取組の精査・見極めと実行」について、当社グループの中長期的な成長と収益性の改善を図るために、経営にて討議を重ねてまいりました。
結果的に、過去からの業績推移や今後の見通しなどから、スモールビジネスユニットに属するアナザーエディションおよびボワソンショコラの2事業につきまして、2017年秋冬シーズンの終了をもって撤退することを決定いたしました。
前期における2事業の売上合計は約38億円となります。第1四半期末の店舗数は、2事業合わせて18店舗でございます。
なお、閉店予定の18店舗のうち、過半数の店舗につきましては、前期までに減損損失を計上しているため、今期の業績へ与える影響は非常に軽微であると捉えております。
また、今後につきましても、引き続き不採算事業などの見極めと精査は継続する予定でございまして、中期ビジョンで掲げたとおり、中期の期間内に強い経営基盤を確立していく所存でございます。
UAグループ中期ビジョン補足説明 バリューチェーンと商品プラットフォームの進化
次に、前回説明した当社の中期ビジョンの中から、今期より具体的に取り組みの始まったバリューチェーンと商品プラットフォームの進化について説明をいたします。
スライドの中央にあるのは、当社のバリューチェーンと商品プラットフォームの関係性を表した図でございます。
お客様を中心に捉え、ブランドコンセプト、ターゲット層、ポジショニングマップの3つをベースにしたブランドポートフォリオを構築し、これを軸にディレクションから販売に至るまでのバリューチェーンの全工程を展開しております。
従来は各ブランドのターゲット層やポジショニングの設定は各事業部門にゆだねられておりましたが、ブランドポートフォリオを再構築したことで、現在は全社横口で管理をしております。
これにより、バリューチェーンの各工程が各ブランドのポジショニングと合致しているかどうかを客観的に判断できるようになりました。
商品プラットフォームにつきましては、これまではバリューチェーンのMDから生産および各種重要指標の管理にとどまっていたものを、今期からはディレクションから店作りまで管理範囲を拡大しております。
これらの進化における大きなポイントが、今から説明するポジショニングマップの運用と、属性別商品コードの追加の2点でございます。
1.ポジショニングマップの運用
ポジショニングマップとは、各ブランドのコンセプトに基づき、それぞれをテイスト軸、価格軸で再配置したチャートのことでございます。
前期に再整備をしたことで、当社が展開している各ブランドが日本のファッションマーケットの中でどういう位置づけにあり、どういう役割を担っているのかを管理できるようになっております。
お客様が各ブランドに求めるテイストと価格帯がわかりやすく表現されており、各ブランドがどういう商品を展開すべきかを判断する指針となっております。
この運用により、各ブランド同士が適切なポジショニングで事業活動が行えるようになりました。
また、ファッショントレンドやお客様の消費動向に対して、今後有望視されるブランドも明確になり、出店・改装や販促活動などで効率的な資本投下の判断が行えるということでございます。
出店開発におきましても、各ブランドのポジショニングに合った商業施設やフロア構成がわかり、ターゲット層と来店客層のずれを防ぐことができます。
加えまして、当社がまだカバーできていない領域が可視化されることで、今後の新規事業開発にもつながっていくもの思います。
このポジショニングマップにつきましては、ファッション潮流の変化、お客様動向の変化などに合わせて、機動的に見直しを図り、時代対応をさせていく考えでございます。
2.属性別商品コードの追加
続きまして、属性別商品コードの追加についてのご説明をいたします。
これまでアイテム、色、サイズ別などで管理していた商品コードに、お客様層に応じた2種類の属性コードを追加いたしました。
1つ目は、モード、ストリート、フェミニン、コンサバ等、商品テイストによるマーケットコードで、メンズ、ウィメンズ別で各11種類を準備しております。
2つ目は、価格帯別のプライスコードで、ロープライスからラグジュアリーまで各5段階に分かれております。
各ブランドがどのマーケットコードとプライスコードをカバーするかは、ポジショニングマップ上で定義されております。
商品計画を立てる際に、品ぞろえのバランスをコード別に管理することで、お客様ニーズとのズレを解消することができると思います。
今回の商品コード追加の狙いは、商品1点1点の展開の意図を明確化することにもあります。
各商品のテイストや価格帯をコードで管理できるようになるために、この商品は誰に向けて、どのくらいの量を、どの店舗で、どの時期に展開するなど、各商品の持つ意味合いが明確になります。
各ブランドのターゲット層との整合性も定量的に確認でき、各店舗の特性に応じた適切な配分計画が立てられるということでございます。
また、シーズン終了後には属性別の売上構成比や各種重要指標を分析し、その結果を翌シーズンの商品計画、店舗配分、ディレクション等に反映をさせることができます。
これまで定性的になりがちだった商品テイストの検証を定量的に行うことで、商品計画の精度を高めていくことができる考えております。
私からの説明は以上となります。
第1四半期につきましては、業績は比較的に堅調に推移できたものの、事業別あるいは施策別にはまだまだ課題が山積しております。
課題を1つずつ潰しこむことによって、単年度計画および中期ビジョンを達成していきたいと考えておりますので、引き続きご指導ご鞭撻、そして、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
ご清聴ありがとうございました。
<続きは近日公開>