2-1.2017年6月期 事業方針 基本方針

渋谷順氏:2017年6月期の決算をご説明いたします。持続可能でストーリーのある成長モデルの実践を、しっかりしていきましょうと、期初に事業の方針として掲げておりました。6つのポイントを掲げていました。

1つ目は、サービス品質の向上とアーキテクチャの整理を含めて、業務効率化をしっかりと図っていこうということ。今一度成長するために土台をしっかりと築こうということで、ここにはかなり注力しております。人やソフトウェアの開発の部分でも、かなり資源を投下しております。

残念ながら期の途中では、よくある話ではございますが、いくつか障害が発生しました。そのような事実もございますが、しっかりと乗り越えながら、今に至っているのかなと思っております。また、今現在は、かなり納得感のあるものになり始めたかなと思っております。

2つ目は、IoTやクラウドプラットフォームにおける、弊社としてのレイヤーと分野を明確にしたポジショニングを築いていきたいということです。IoTプラットフォーム・クラウドプラットフォームをやっていますという会社は、数多ございます。

けっこう汎用的なサービスで、大手クラウドサービスさんなどに集約されているところがございます。私どもはその中でも、このレイヤー・分野・領域をしっかりと定義しながら、そこだけを深く掘っていく。このような戦略をとっています。

3つ目は、フロー獲得の営業強化によるストックの更なる上積みです。クラウドサービスですので、初期でいくらか構築費を頂いております。そしてその後、毎月利用料を頂いております。そのため、フローが多く獲得できると、このストックがどんどん積み上がっていきます。ここは営業をしっかりがんばっていきましょう、という方針です。

4つ目は、シナジーを発揮できるような、M&Aや事業提携の積極活用です。

5つ目は、モバイルのお話ですが、キャリア携帯販売のみならず、もう少し周辺にあるものや、業務の効率化、人の最適な配置等です。なかなか利益が出ないなと、期初では感じておりましたので、これをいかに効率的な利益構成にしていくのかを、1年かけてやっていこうと考えております。

最後の6つ目は、まだ上場して2年目ですので、内部管理体制をしっかりやろうということ。また、人材の採用難でございますので、人にとって魅力的な組織をしっかり作っていこう、ということを掲げておりました。

2-2.2017年6月期 業績ハイライト

業績でございますが、売上高は65億3,900万円。実は、これは減収でございまして、前年同期比で96.6パーセントになっています。減収の要因をひと言で言いますと、ボリュームのある携帯電話販売の、端末の単価が少し下がっていました。やはり、ここが非常に大きかったかなと思っています。

その反面、営業利益は2億7,400万円。前年同期比で、106.8パーセントの増益となっております。

しかしながら、クラウドソリューションとモバイルで見ますと、先ほど申し上げたとおりです。モバイルは、我々が意図した人員の最適化や業務の周辺にあるところで、わりとしっかり、利益を取っていくという方針がうまくはまったかなと思っています。

一方クラウドは、先ほどお伝えしたとおり、この70期(2017年6月期)は少しかがんだところもございました。サービスレベルの向上とか、人を増やしたこともだいぶあるのですけれど、そのところで若干、利益は想定に届かなかったなと思っています。

しかし結果的には、サービスレベル向上のためのソフトウェア投資や人件費の増を吸収しまして、営業利益では6.8パーセント増。5期連続の増益かつ最高益の更新に、結果的にはなったかなと思っております。

2-3.2017年6月期 投資結果

少し毛色の違う話ですが、(こちらの資料は)今申し上げた、投資の部分でございます。IPOして2年目でございました。IPOのときに調達させていただいた資金を、どのように使っていくか。

上場のときにも、こういうソフトウェア投資に使っていきますというような話をさせていただいています。2017年6月期のこの資料に書かせていただいているのは、資産総額でございます。

ソフトウェアの単年度での投資額ではなくて、資産総額が2億5,000万円以上にまで膨れ上がってきており、かなりソフトウェア投資を進めたと思っています。しかしながら、ここまでの投資が成長分野の投資もある一方、今後スケールするために、足元をしっかり固めようという投資であったかなと思っています。

こちらはセグメント利益の資料です。ここから先は、(資料の)赤の矢印のように、クラウドソリューションの分野の利益を上げていきたいと考えています。

2-4.2017年6月期 売上高

2017年6月期の売上高のクォーター単位での対比です。2016年6月期と2017年6月期の2期分、クォーター単位で掲載いたしました。

クラウドソリューションセグメントの売上高ですが、ちょっとクォーターではわかりにくかったので、上に半期単位の数字も掲げております。

2016年6月期のクラウドソリューション(セグメント)の売上高は、11億3,000万円。これが、2017年6月期では11億7,300万円。また、2016年下半期は13億3,000万円でしたが、2017年下半期は14億3,800万円ということで、半期単位でもそれなりに増収できたかなと思っています。

他方、モバイルセグメントでございます。2016年6月期の上半期は21億8,500万円。これが、2017年6月期は20億円と減収しました。また、(2016年)下半期は21億2,100万円でしたが、(2017年下半期は)19億2,600万円と減収。

これが、先ほど申し上げたとおり、今期の全社としての減収の要因になっていますが、どちらかといいますと、ほぼほぼ端末の単価の下落が一番大きな要因かなと思っています。

2-5.2017年6月期 セグメント利益

一方、セグメント利益でございます。少し悩ましいところもあるのですが、正確にお伝えしたいなと思っています。2016年6月期のクラウドソリューションセグメントの上半期の営業利益は、9,000万円でした。これが、2017年6月期は8,300万円ということで、少し減益しました。

2016年第3四半期は、非常に活況でございましたので、大きな数字を上げさせていただき、下半期で1億8,700万円でした。しかし2017年下半期は、1億6,200万円にとどまりました。つまり、実はクラウドソリューションセグメントだけで見ますと、減益しています。

これは先ほど申し上げたとおり、人件費の増加が非常に大きかったので、そういったところで減益となりました。

しかしながら、私たちが狙っていたことがございます。2016年6月期の第4四半期に、非常に厳しくなりました。クォーター単位の(クラウドソリューションセグメント利益の)でこぼこが非常に大きかったものを、なんとか平準化させたい。

先ほども申し上げたとおり、サービスレベルをできる限り一定に保ちたいというところに、かなり注力しました。

結果的に(2016年)第4四半期で1,100万円だったセグメント利益を、(2017年第4四半期には)5,400万円まで伸ばすことができていますので、私たちの意図する方向に、少しずつ走行してきているかなと思っています。2018年6月期に関しましては、この流れでしっかり数字を叩き出していきたいと考えています。

他方、モバイルセグメントのセグメント利益は、資料を見ていただくとおわかりのとおりです。どこがよかったかといいますと、この2017年6月期の第3四半期・4四半期に、大きな利益を上げることができました。2億6,000万円まで利益を上げることができました。これは、キャリアさまの施策がうまくはまったことが(理由の1つで)ございました。

私どもで、先ほど申し上げたような効率化を図ったことや、周辺にあるいろいろなモデル、ドコモさんであれば「ドコモ光」といったものをうまく獲得していくこと。そういった取り組みが、まあまあ奏功したかなと思っており、大きな利益を上げることができました。これが、セグメント利益の推移でございます。

2-6.2017年6月期 決算サマリー 損益計算書

上記を踏まえた決算サマリーの数字が、こちらの資料でございます。

今申し上げたとおり、全社での営業利益は、前期比6.8パーセント増の2億7,400万円。

経常利益は、0.1パーセント増の2億7,500万円。

当期純利益は、9.2パーセント増の1億8,000万円で着地しています。

しかしながら、業績予想に対しては未達で終わっており、ここは非常に心苦しいなと思っています。これが届かなかった理由は、先ほど申し上げたとおりです。モバイルはかなり健闘して、我々の意図するような方向が出たのですが、クラウドソリューションが若干、人件費を吸収できるだけの活況にならなかったというところが、少し響いたかなと思っています。

2-7.2017年6月期 決算サマリー 増減要因

このサマリーの増減要因を記載させていただきました。2016年6月期の2億5,700万円という営業利益(青色のグラフ)から、2017年6月期の2億7,400万円の営業利益に至る間の変動要因でございます。

クラウドソリューションは、売上高で1億5,100万円増加していますが、人件費原価も4,600万円増えています。また、その他の原価も8,900万円増えました。この結果であると思っています。

一方モバイルセグメントでは、売上高で3億8,100万円減収しております。人件費原価に関しては、ほぼほぼ横ばい。しかしながら(その他の)原価を、売上高(の減収分)を超えるぐらい減らすことができて、4億1,500万円の減少がありました。

また、売上高と原価の話だけをセグメントベースでお伝えしましたが、全社の販売管理費は3,200万円。これも減っています。その結果、2億7,400万円という利益になったというご報告でございます。

2-8.2017年6月期 決算サマリー 貸借対照表

続きまして、貸借対照表でございます。これは、資料を見ていただとおりです。流動資産は、現金及び預金等を含めて、2億500万円減少しています。これはかなりはっきりしていまして、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。純資産合計のところに、自己株式の取得と書いているとおり、期中で自己株式の取得をしています。

8万9,000株、1億7,800万円で自己株を買っております。この部分が、現金及び預金の減少につながっているかなと思っています。かつ、(固定)資産は、ソフトウェアの開発等々が増加しています。(主な増減要因に記載した)投資有価証券の増加というのは、他社への出資等々でございます。

(一方負債・)純資産につきましても、(固定負債の)長期借入金は順調に減少しております。先ほど申し上げたとおり、当期純利益による増加がございますが、自己株の購入に伴った部分や配当の部分で、逆にマイナス2,500万円になりましたという結果でございます。(2016年6月期の)総資産30億6,000万円が(2017年6月期では)29億4,300万円ということで、1億1,700万円減少というかたちになっております。

2-9.2017年6月期 決算サマリー キャッシュ・フロー計算書

続きまして、キャッシュ・フロー計算書でございます。営業活動によるキャッシュ・フローは、2億2,000万円。前期が2億6,000万円でしたので、減少していますが、ここはわりと(ぞ減少要因が)はっきりしています。不利益の部分はありましたが、逆に棚卸資産や売掛金がかなり増えておりました。そういった部分で、数字としては2億2,000万円。

投資活動に関しましては、ソフトウェア投資等々が増えておりますので、ここはマイナス2億6,200万円。

財務活動がマイナス3億円というかたちになっております。先ほど申し上げた長期借入金の減少と自己株式の取得も、ここにマイナスでインパクトになってございますので、こういうかたちになっています。

最終的に、現金及び期末残高につきましては、前期7億9,900万円が、2017年6月期に4億5,500万円ということで、かなり減ったなあという印象があります。今申し上げたとおり、約1億8,000万円程度は、自己株の買い取り等々に活用させていただいております。

2-10.2017年6月期 決算サマリー 各種指標

各種の指標でございます。ROA(総資本利益率)は、(前期)8.9パーセントから(今期)9.2パーセント。ROE(自己資本利益率)は、(前期)9.5パーセントから(今期)10パーセント。

ただ、このROEの10パーセントにつきましても、先ほど申し上げた自己株の購入がございます。この部分が少しプラスの要因でございまして、これがなければ、さらに0.4ポイント下がる計算になっておりますので、実態的に9.6パーセントということだったかなと思っています。

自己資本比率は60.7パーセント。ROEのこの10パーセントという数字は、私どもの業種・業態の中では決していい数字だとは思っておりませんので、今後しっかりと成長分野を伸ばしながら、この値の数字をしっかり伸ばしていきたいなと考えています。

2-11.2017年6月期 人員推移

期末時点の正社員数の推移でございます。2016年6月期の268人から、2017年6月期は260名ということで、減っているように見えるのですが、前期はスタートが230名で(2016年6月期に)268名。2017年6月期はスタートが268名で、人件費の総額はかなり増加しております。

今現在はこの260名前後ぐらいで、だいたい安定しているかなと思っています。ただ、エンジニアを中心にいい人材がいれば、今も積極的に獲得をしております。そういった意味合いでは、すごく大きくスケールさせて50人や100人採りますという感じでは、今はございません。よい人材を、しっかりと確保していく。これは本当に成長エンジンになりますので、そういったことはしっかり考えながら進めています。

3.当社の強み

続きまして、どういったところが今現在、当社の強みになっているかをご紹介させていただきます。

まず、足元はわりと硬い事業で、業績の数字はしっかりと稼がせていただく。1つはモバイル事業で、わりと安定的な収益を確保する。もう1つのクラウド事業もストック型ですので、このストックを積み上げていくことで、しっかりとした数字を確保していく。

その上で、新しいテクノロジーを活用した成長分野を開拓していくというモデルになっています。このあたりで新しい成長分野をやることと、足元をきちっと確保すること。この両輪で進めていきたいということが、私たちなりに、強みだと思っています。

また、2つ目(の強み)が、当社独自のノウハウを活かして、特定分野のマーケットに専門性の高いサービスを提供していくこと。この特定分野が今は、先ほど申しました自治体向けのオープンガバメントの分野や、モビリティIoTと呼ばれるコネクティッドカー(ICT端末としての機能を有する自動車)の分野。こういったところをきちっとやっていきたい。

このプラットフォームの整備に、2017年6月期はかなり注力しています。その上で、クラウドはもちろんなのですが、データの分析やブロックチェーンのような、テクノロジーを活用した実証を今繰り返しています。

この結果、プラットフォームの整備によりサービス品質を向上させることができたり、利益率を向上させることができたり、先ほど申し上げたような成長分野に対してしっかりリーチしていったりするような活動を、させていただいています。

3つ目の強みが、少し定性的・概念的な話ですけれど、必然性とストーリー性を持った事業展開を行っています。祖業がもともと自動車電装業であることが、今現在のモビリティのサービスにつながってきているなと思っております。モバイルの事業も、もちろんそこからのつながりでございます。

情報通信革命期にあり、社会システムが本当に転換してくると思っている中で、1990年代から自治体向けに一つひとつ、足で稼いでおります。こういったところから始まって、オープンガバメントの分野も、かなり必然的なストーリー性を持って進んでいるのではないかなと思っております。

「だからこのサービスをやるんだ」というところに、社員のみなさんがかなり納得感を持ちながら進んでいるというところは、私たちの強みの1つかもしれないなと思っています。

4-1.2017年6月期 ハイライト①

2017年6月期のハイライトを、4点ほど掲げさせていただきました。

1つ目は、モビリティIoTの分野で、クルマのデータをかなり扱ったうえ、分析にかなり注力してきました。ちょうどここ10年間ぐらい、このサービスを続けております。弊社のウェブサイトでは、この今(ご覧の資料に)載っております、ダッシュボードのような画面を見ることができます。

これは、今全国に弊社のコネクティッドさせる仕組みを搭載したクルマがずっと走り回っており、そのクルマからのデータを、リアルタイムでダッシュボードとして表現しています。この下に書いておりますが、だいたい1ヶ月で、800万キロメートルの走行データを今取得していまして、ずっと分析を繰り返しています。

ご存じのとおり、車室内はノイズや振動がすごくあり、いろいろな不要データがたくさん上がってきます。そのあたりを、うまくフィルタリングをかけクレンジングしながら、そのときにこのクルマがどういう状態にあるのかをきちっと推測して、データとしてアウトプットしていくということを、今続けています。

これはさすがに、実際こういう走行データを大量にローデータで持っていないとできない分野でございます。昨年1年間はかなりここに注力をしましたので、ここをしっかりとやっていけているということは、1つ大きなハイライトになったのではないかなと思っています。

ちなみに、また後ほどご説明しようかなと思ったのですが、おそらくほぼ当然、自動車はコネクティッドされていきます。これはおそらく、私たちのようなサードパーティがコネクティッドする仕組みを提供するというよりも、車両メーカーさんが実施されていきます。

そのため、私たちが勝負するのは、このコネクティッドされて上がってくるこのデータを、どういうふうに分析するか。それがクルマにまつわるビジネス・事業・分野でうまく使えるような、そういうユースケースをいかにたくさん作っていくのかが、ポイントだと思っています。

開示している内容ではございませんが、ときどき聞かれますのでお伝えします。いわゆる保険の分野。ご存じのとおり、日本はまだまだなのですが、欧州のほうではいわゆる「テレマティクス保険」と呼ばれるものがございます。

年齢や事故歴で保険料を決めるのではなく、その人が優しい運転・事故発生率の低い運転をしているか、荒い運転をしているか。ないしは、事故発生率の高い道路を通っているか通っていないか。

そういうものをずっと分析をした上で、保険の料率を変動させていこうという取り組みでございますが、そのようなところにも少しずつ、実証を繰り返している状況でございます。

その他にもレンタカー会社さんなどのいろいろな分野で、こういったデータを活用したソリューションはどういうものになるのか、というような事例の検証を、かなり多くやらせていただいております。こういったところは、この1年間の1つのポイントだったかなと思っています。

4-2.2017年6月期 ハイライト②

続いてのハイライトは、2016年11月末に、シビラ株式会社と呼ばれるブロックチェーンのスタートアップ企業に出資させていただいて、事業の提携をしたことでございます。当時のシビラさんは、まだ売上高ゼロ円の会社だったのですが、素晴らしい技術をお持ちです。この信頼は、1年弱経過した今現在も変わりません。

実態的に一緒にいろいろな実証を今繰り広げていますが、本当にいいお付き合いができているなと思っております。彼らが持つブロックチェーンのテクノロジーを、弊社のプラットフォーム上に搭載しまして、できるだけ非金融分野における社会システムに、なにか適応できないかということを、今進めています。

そのときに開示をさせていただいているのが、(資料下部の)富士通株式会社さんやニッポンレンタカーサービス株式会社さんと一緒に、千葉市で観光利用のクルマのデータの収集と、そのデータが正しいということを担保するために、ブロックチェーンを活用していくこと。そういう実証実験のモデルをやらせていただきました。

今現在も、いくつかシビラさんとはご一緒させていただいていますので、ちょっと時間はかかっていくかなと思いますが、引き続きブロックチェーンのテクノロジーをしっかりと活用できるようなモデルを作っていきたいと考えております。

4-3.2017年6月期 ハイライト③

ハイライトの3つ目です。これは2017年2月にローンチさせていただきました、新しいサービスです。SMART HEALTH NAVIというサービスで、ヘルスケア分野のものになります。自治体さまにおいてのヘルスケアです。

日本は、医療費がどんどん高騰していきます。なぜ医療費があがっていくかといいますと、予防医療がなかなか進んでいないからです。そのため、健康寿命を延ばすことで、この医療費の削減が図れるのではないかということです。

特定健診やがん検診の受診率は、実はこの国はすごく低くて、20パーセント程度しかございません。先進国はだいたい8割ぐらいの検診率なのですが、日本は20パーセント。これはなぜかというと、やはり認知されていなかったり、手続きが面倒くさかったりするので、なかなか実際の検診に自ら手を上げて「じゃあ受けます」と言いにいかないというところがあります。

そのため、私どものシステムで受診を希望する住民さまからの予約や申込みを、わりと簡易にやりやすくする。裏側の実際の仕組みは、(自治体の担当部門・職員さまたちが)相当面倒くさい処理をいつもやっておられるのですけれど、ここを少しでも負荷を軽減させていただく。

こういうような、わりとシンプルなモデルです。これにプラスして、このヘルスケア分野のポータルの仕組みなども含めて、今提供を始めています。 もうすでに2件、受注が決まっております。今年度から来年度に向けて、かなり手応えがございますので、良いサービスに仕上げていきたいなと思っております。

4-4.2017年6月期 ハイライト④

ハイライトの最後は、これは定常的にやらせていただいている部分ですが、オープンガバメントの推進。これは、私たちのコアな事業でございます。

例えば(こちらの資料にあるような)長崎県壱岐市さまの地域の住民との共同モデルを作っています。

このようなかたちで、全国各地でプロジェクトを受注していきます。できる限り地元の住民のみなさまとワークショップなども経験しながら、その地元地元にあったソリューション・サービスを提供していく。

「しかしそれをやると、コストが上がっていくのではないですか?」ということなのですが、その地域地域にある課題をシステムにしていく段階で、そういうものをかなりモジュール化しております。

先ほども申し上げました弊社のプラットフォームの中には、いろいろなモジュールを搭載しております。そのため、わりといろいろなニーズに対応できるような、セミカスタマイズみたいなかたちですが、非常にコストをかけずにご提供できる。このあたりも、強みの1つになってきているのではかなと思っております。

また、新潟県十日町市さまや、兵庫県猪名川町さまでは、弊社の提供している仕組みが総務大臣賞を受賞させていただくような、それなりにクオリティーの高い仕事をさせていただいています。オープンガバメントについては、どんどんまだまだ推進できているかなと感じております。

ここまでが、2017年6月期のハイライトでございます。

5.2017年6月期 株主還元

最後に、株主さまへの還元でございます。2017年6月には普通配当12.5円と、ちょうど70期ということがございましたので、記念配当を2.5円加えた15円ということで、今予定させていただいております。

配当性向が17.1パーセントから18.7パーセントに上がっておりますが、これも先ほどの自社株の購入がプラスに寄与しておりますので、大体この辺の数字で推移をしているかなと考えています。

しかしながら、基本的にはこれからまだまだ事業展開していきますし、経営に対する強化のためになる内部留保をしっかり確保していこうと思っております。継続的に安定的な配当を行っていくというところを、基本方針とさせていただいております。

6-1.2018年6月期 事業方針 基本方針

2018年6月期の事業方針でございます。「成長性(チャレンジ)×実績(業績)×統制(サービスレベル・企業統治)」。足元はしっかりと稼いでいく。

統制とは、何事に対してもそうですが、先ほどから申し上げておりますサービスレベルをしっかり維持していくということを、高いレベルのバランスでしていきたい、社会システムの創造を追求していきたいと思っております。

(資料に)6つのポイントが出ていますが、先述したものとあまり変化はございません。引き続き、とにかくサービスレベルで障害を起こさない。

実際にちょっとあることもございますが、(例えば)災害が起こると、弊社のシステムに対する負荷が急激に上がります。そういったところでも、安定的に仕組みを提供し続ける。

最近、自然災害が非常に多いので、私たちのお客さまのところでも臨戦態勢になっております。機器管理室がすごくがんばっているのですけれど、そういったところのサポートをできるようなツールのご提供をさせていただいています。

その他は、ここに書かせていただいているとおりです。まだまだチャレンジしながら、いろいろクリエイティブなビジネスをやっていきたいと考えております。

先ほど申し上げましたとおり、2017年6月期は少しクラウド分野がへこみました。2018年6月期は、これをしっかりと取り戻していく。かなりチャレンジングな1年にしたいと考えております。

6-2.2018年6月期 事業方針 具体的な戦略

PPMマトリックスを書かせていただいております。

(左下の)金のなる木のところには、モバイルの販売や安全運転支援機器の販売等々がございます。データセンターもこのあたり。

今一番我々が注力しているのが、(左上の)地域情報クラウドの部分、オープンガバメントの部分。そしてモビリティIoTやUTのプラットフォームが、(右上の)問題児から徐々に(左上の)花形に移りつつある。ブロックチェーンはこれからでございます。

SMART HEALTH NAVIや、またブロックチェーンを活用した電子行政の分野は、かなりチャレンジングですが、このあたりまでしっかりと入り込んでいきたいと考えております。

6-3.2018年6月期 業績予想

これらを踏まえた上で、2018年6月期の業績予想でございます。

売上高74億3,300万円で、13パーセントの増収。

営業利益3億6,600万円で、33パーセントの増益。かなり我々にとっては、チャレンジングな数字になっているのかなと思っています。

しかしながら、今期はそれなりに準備ができてきたと思っていますので、この数字をしっかりと追いかけていきたいと思っております。

6-4.2018年6月期 セグメント別売上高・利益予想推移

セグメント利益で見ていただきます。下の赤いところ、モバイル(のセグメント利益)は前期比の89.9パーセントで、10パーセント程度減益させています。(青い)クラウドのところでは174.3パーセントと、すごく大きな数字を積んでいます。

かなりストックが積み上がってきていることも含めて、このチャレンジングな数字をやりきりたいと思っております。

6-5.2018年6月期 セグメント利益率予想推移

セグメント利益率です。実は2017年6月期で、非常にモバイル(赤いグラフ)の利益が高く上がりました。10.1パーセントまでいってしまいました。(一方、青いグラフのクラウドソリューションセグメントで)ガードをかけたところで、9.4パーセントまで落ちました。

2018年度6月期は、クラウドをしっかりと12パーセント以上まで持っていきたいと考えています。

6-6.2018年6月期 地域情報クラウドストック導入数

地域情報クラウドです。自治体さまへのサービスの提供状況で、契約数の累計になっています。2017年6月期が終わった時点で、全国で307のご契約を頂戴しております。

2018年6月期はここから更に契約を増やす。これが、ストックの個数になっています。ただ実は、2016年6月期は137契約から始まって、フローで97契約を獲得できましたので、非常に活況でした。

しかし、昨年度はこのフローが73契約にとどまりました。このは原因ははっきりしていますので、ここを解消して、2018年6月期はよい案件をしっかり取っていきたいと考えています。

少し2016年6月期に比べれば減速はしましたが、しかしながらきちんと積み上がっているなと考えております。

6-7.2018年6月期 モバイル端末販売台数予想

これはモバイル端末の販売台数です。これは非常にわかりやすい指標で、どうしても端末販売に付随するところがございます。2018年6月期(予想)は4万590台。ほぼ昨年横並びくらいの計画を立てております。

7-1.中長期戦略 数値目標

冒頭も申しましたとおり2015年6月に、上場をさせていただきました。そのすぐ後に、3ヶ年の計画の開示をしております。

2015年6月期のあと、2016~2018年の6月期ですから、ちょうど今期までの3ヶ年です。2015年6月期の営業利益が、1億8,000万円でしたので、これを3億6,600万円までやるんだという計画を、2年前に立てております。

わざわざ合わせたわけではぜんぜんないのですけれど、本当にナイーブできちっと詰めていくと、ほぼほぼニアリーな数字に、今年度進行期に関しては計画どおりとなっております。引き続き、しっかりと2年前に掲げたこの中期計画を完了させていく。最後の1年、しっかりやりきりたいなと思っています。

7-2.中長期戦略 達成状況、進捗報告①

この2年前にご説明しました、中期事業計画の達成状況・進捗報告でございます。営業利を、3億6,600万円まで持っていこうということで、計画どおりに進んでございます。

7-3.中長期戦略 達成状況、進捗報告②

2つ目が、先ほど申し上げました、オープンガバメントを推進していくということ。この部分もしっかりと進んでいるかなと思います。

新しいサービスと領域を広げていったり、市民との新たな公を実現するための、市民協働のかたちをとったりすること。資料の一番下では、ストックが倍以上に膨れてきていますということをお伝えしています。

7-4.中長期戦略 達成状況、進捗報告③

3つ目が、自社のノウハウテクノロジーを活用してサービス領域を拡大しますということ。2年前にご紹介しています。

SMART HEALTH NAVIをやったり、クルマツナグプラットフォームをやったりすることが、かなり今良い状態になってきていますので、いろいろなアプリケーションへ進んでいこうとしております。

そして、ブロックチェーンツナグプラットフォーム。これはモビリティの分野、IoTの分野でも活用する予定でございますが、電子行政にも踏み込んでいきたいと考えています。

7-5.中長期戦略 達成状況、進捗報告④

最後に、2年前にご紹介していた、他社と連携して新たな事業を創造しますということに関しては、シビラさんとのブロックチェーン分野での協業したこと。

NTTコミュニケーションズさんやビッグローブさんとは、モビリティIoTの分野で提携をさせていただいております。

また日本エンタープライズさんやサイネックスさんとは、IoTのないしは地域情報クラウドの分野で営業や開発も一部ご一緒させていただいております。ここに書かせていただいた企業さまとは、本当にいい関係で協業できているなと考えておりますので、これは引き続き推進していきたいと思っております。

7-6.中長期戦略 長期展望

最後です。長期的には今、これから先数年の間は、情報通信革命期の事業のシステム、また人口が減少していくような時代でございます。引き続きスマート&テクノロジーで歴史に残るような社会システムを創っていくんだというミッションにもとづいて、進んでいきたい。

今はガバメントの部分とモビリティの分野をしっかりやっていきますが、今後は、いろいろなユースケース・アプリケーションもかなり注力していこうと思います。今実際に進んでいるものもあり、新たな領域へまだまだチャレンジをしていきたいと考えております。

8-8.参考資料 株価推移

こちらのページに、株価の推移も記載させていただいてます。これは(2017年)8月10日の終値時点でしたので、株価は2,050円。PER26.35倍となっていますが、今週の月曜日(2017年8月14日)にこの決算のご報告をさせていただきました。

今日(2017年8月16日)現在では株価2,200円。当期純利益の額が変更されていますので、今日の時点ではPER21.63倍になっています。株価は2,200円でございます。

時価総額がまだ49億の会社でございますが、これからしっかりお約束を果たしていきながら、今期もしっかりとやっていきたいと考えておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

以上でご説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。