17.5期 業績①
井上伸雄氏:おはようございます。井上でございます。2017年5月期の業績についてご説明いたします。
まず売上高ですが2,772億円、前年に対して38億円の増収となりました。国内は32億円の増収、海外は円高による16億円の為替影響を受けましたが5億円の増収となりました。
営業利益は148億円、前年に対して6億円の増益となりました。国内は昨年の会計変更で生じた減価償却の一括償却がなくなることによる28億円の利益増を含め、前年に対して16億円の増益となりました。
海外は円高による為替影響1億円や、北米のタマゴ事業の苦戦により10億円の減益となりましたが、中国や東南アジアは堅調に推移いたしました。
営業外損益・特別損益等のポイント
営業外損益は海外子会社の開業費の増加などにより2億円減少し、経常利益は5億円増の152億円となりました。
特別損益は投資有価証券の売却益の減少などにより、3億円の減少となっています。四半期純利益は、以上の影響に加えまして法人税等の増加により、前年に対して1億円減少の80億円となっています。
17.5期 業績②
年初の計画に対する状況を申し上げますと、売上高・利益ともに未達成でございました。
17.5期 売上高の状況
次に事業別の売上高の状況を申し上げます。調味料事業は、国内のサラダ調味料は伸び悩んだものの、アジアを中心に海外展開が拡大し、22億円の増収となりました。
タマゴ事業は、外食・中食向けの液卵などは増収要因となりましたが、米国の鶏卵相場の下落による13億円の減収などにより、事業全体で19億円の減収となりました。
サラダ・惣菜事業は、量販店向けの惣菜が前年に対して15億円、カット野菜が9億円増加したことなどで、28億円の増収となりました。
加工食品事業は、アヲハタ十勝コーンの休売による16億円の減収などで、事業全体で25億円の減収。
ファインケミカル事業は、通信販売向け商品は好調に推移しましたが、医薬用EPAの減少が影響し、減収となりました。
物流システム事業は、既存顧客の受託エリア拡大や新規顧客の増加などにより、19億円の増収となっています。
共通事業は食品機械設備販売の増加によるものでございます。
17.5期 営業利益の状況
続いて事業別の営業利益の状況を申し上げます。
まず調味料事業ですが、国内で付加価値の高い商品が伸長したことに加え、主原料コストや減価償却費が減少し、11億円の増益となりました。
タマゴ事業は、米国の鶏卵相場の下落影響9億円などにより、事業全体で11億円の減益となりました。
サラダ・惣菜事業は、売上拡大やカット野菜などの付加価値商品の伸長により、2億円の増益となりました。
加工食品事業ですが、ジャムなどの付加価値商品が伸長したことに加え、不採算商品の見直しなど、収益基盤の強化の取り組みを継続しましたが、先ほど申し上げたアヲハタ十勝コーンの休売の影響などによりまして減益となっています。
ファインケミカル事業は、売上の減少に加え通信販売向けの広告宣伝費の増加により、5億円の減益となっています。
物流システム事業は、合理化などによるコスト改善と減価償却費が減少したことなどにより、8億円の増益となりました。
共通事業の増益は、売上高の増加によるものでございます。
17.5期 営業利益の増減要因(前年差)①
営業利益6億円増の前年差での要因を記載しております。
食品事業では売上総利益率の改善が寄与いたしました。物流システム事業と共通事業につきましては、先ほどご説明したとおりです。
17.5期 営業利益の増減要因(前年差)②主な内容
売上増加による利益増ですが、サラダ調味料の拡大やカット野菜・惣菜などで7億円を創出いたしましたが、十勝コーンの休売などのマイナス要因もあり、合計で2億円となりました。
売上総利益率の改善による利益増のおもな内容でございますが、付加価値の高い商品の販売ウエイトを上げていく取り組みで4億円、生産の効率化や不採算カテゴリーの改善など、コスト改善の取り組みで6億円を創出いたしました。
また、その他の中に含まれるものでございますが、昨年会計変更で生じた減価償却の一括償却がなくなることによる、約19億円の利益を含んでおります。なお、主原料価格につきましては食品相場の安定によりまして、9億円の益要因となっています。
広告宣伝費は、ドレッシングの新商品や通信販売の広告へ投入したことによるものでございます。その他の販管費はおもに退職給付費用・社会保険料等の労務費の増加と、事業の拡大による労務費ほか諸経費の増加によるものでございます。
バランスシートの増減ポイント
キャッシュ・フローの増減ポイント
バランスシート。キャッシュ・フローの状況を示しておりますのでご覧いただければと思います。なお、設備投資につきましては年間で計画している314億円に対してまして、上期で162億円を実行し、ほぼ予定どおりの進捗となっております。
以上、2017年5月期の状況につきましてご説明いたしました。
17.11期 年間計画
長南収氏:長南でございます。
2017年度の売上高は前年差77億円増の5,600億円、営業利益は前年差12億円増の310億円を計画します。
経常利益は前年差6億円増の320億円、当期純利益は3億円増の174億円といたします。なお、為替相場の前提につきましては年初指標の1ドル111円に対し、上期の実績は112円、年間も112円で想定しております。
海外の営業利益は前年を大きく下回る計画となっておりますが、為替相場の影響に加え、昨年後半から苦戦した北米のタマゴ事業が下期は復調すると見込んでいたものの、厳しい状況が継続するためです。
海外の各エリアの状況はのちほどご説明いたしますが、現地通貨ベースでの成長を確実に追いかけてまいります。
17.11期 営業利益の増減要因(前年差)①
営業利益12億円増の前年差での要因をまとめました。
食品5事業では売上増加による利益を18億円確保し、そして取り組みが進みつつある売上総利益率の改善で29億円の利益を創出してまいります。
17.11期 営業利益の増減要因(前年差)②主な内容
売上増加による利益増はサラダ調味料の拡大や、カット野菜・惣菜など既存品の拡充や新製品の発売による26億円を含め、全体で18億円になります。
売上総利益率の改善による利益増のおもな内容は、付加価値の高い商品の販売ウエイトを上げていく取り組みで10億円、生産の効率化や不採算カテゴリーの改善などのコスト改善の取り組みで17億円を創出してまいります。
また、上期でご説明したように、昨年会計変更で生じた減価償却の一括償却がなくなることによる約19億円の利益増も含んでおります。
なお、主原料価格につきましては、2億円の益要因を見込んでおります。上期は9億円の益要因でしたが、下期は相場が上昇すると想定しております。広告宣伝費は上期に発生したものであり、その他の販管費はおもに労務費の増加によるものです。
続きまして、事業別のおもな取り組みについてご説明いたします。
17.11期 事業別計画
2017年度の事業別売上高と営業利益です。
売上高・営業利益ともに調味料事業、サラダ・惣菜事業、物流システム事業が牽引します。加工食品事業につきましては、昨年8月の台風の被害で休売を余儀なくされたアヲハタ十勝コーンの影響などによるものです。
調味料事業①
それでは、事業別におもな取り組みについてご説明いたします。始めに調味料事業です。売上高は前年に対し55億円増の1,496億円、営業利益は13億円増の150億円を計画します。
国内では需要の創出を目指し、メディアと連動した内食・中食・外食での同時展開でドレッシングの育成と拡大を図ります。
調味料事業②(既存品の育成と拡大)
家庭用ドレッシングのTVCMとSNSの相乗効果による情報拡散に、中食・外食も連動することで、メニューの浸透スピードを加速させ、市場全体でドレッシングの需要を拡大してまいります。
調味料事業③
また、マヨネーズは焼く・炒めるといった調理場面での使用メニューを広げ、需要を拡大していきます。
業務用市場においては、人手不足などのお困りごとを解決する具だくさんの調味料で市場を深耕していきます。具だくさんの調味料は手作り感のある本格的なおいしさに加え、具材などをソースに入れることによって、調理工程の簡素化に貢献します。
さらに、総アイテム数は抑えながら、ニーズを捉えた付加価値品の創出にも取り組みます。おいしさを維持したままカロリーを80パーセントまでカットしたマヨネーズタイプや、ドレッシングでは初となる機能性表示食品、ノンオイルの減塩化など、グループの技術を結集しさらなる健康ニーズに応えていきます。
海外については、各国の食文化に根付いた提案と販路の拡大で成長し、調味料事業全体で伸長を目指します。
タマゴ事業①
次に、タマゴ事業です。売上高は1,022億円、営業利益は前年に対し13億円減の42億円を計画します。
営業利益につきましては北米が14億円減、国内は1億円増の計画となっております。国内では独自原料を使用した商品による新たなメニュー提案や、お客さまのニーズに合った商品の提案を進め、グループが持つ内食・中食・外食の販路を活用して、タマゴ商品の需要を拡大してまいります。
タマゴ事業②(独自原料(こだわりの卵)の展開)
独自原料を使用した商品ということでは、おいしさや見た目に独自性を出すことができる「こだわりの卵」を使用した新たなメニュー提案を進めてまいります。「こだわりの卵」のそれぞれの特徴を活かし、お客さまのメニューバリエーションの拡大につなげてまいります。
収益改善については、販売面では鶏卵相場の影響をカバーするため販売価格の見直しを進め、生産面では省人化の水平展開によるコスト削減を進めてまいります。
タマゴ事業③
米国の乾燥卵の相場は16年よりも安い状況が続き、営業利益の下押し要因になっております。17年については当初相場が徐々に上昇していくものと想定していましたが、ほぼ横ばいで推移していくと予想します。
生産合理化によるコスト改善や原料購買の工夫、利益率が高い乾燥肉の拡大などを進め、利益改善につなげてまいります。
サラダ・惣菜事業
続いて、サラダ・惣菜事業です。
売上高は前年に対し46億円増の1,164億円、営業利益は6億円増の41億円を計画します。市場の拡大が続くカット野菜については、「キユーピーロゴ」の全商品への導入や、首都圏でのTVCMを活かし、サラダクラブブランドの育成を図ってまいります。
また、お客さまの健康に貢献するため、栄養価の高い野菜を使用した商品を拡充します。昨年発売しご好評をいただきました「ケールサラダ」「クレソンサラダ」に続き、欧米での人気が高い「ビーツサラダ」を発売しました。
生産面では自動化ラインを進めており、コスト面に加えて人手不足の対応や人手を介さないことによる品位の向上を狙いといたします。来期中には本格導入できる見込みでございます。
惣菜につきましては、昨年の北海道での台風の影響で馬鈴薯原料が不足・高騰しており、主力商品のポテトサラダで年間約2億円のコストアップ要因になっております。配合の変更や海外原料の調達など、影響を最低限に抑える取り組みを進めてまいります。
人手不足の課題や健康ニーズの高い外食やオフィスなどの新たな販路へ、サラダや総菜の提案を強化し拡大してまいります。
米飯はコンビニエンスストア向けに加えて、グループの販路を活用し量販店向けや宅配ルートを拡大してまいります。昨年の12億円から今期は17億円の売上を見込んでおります。
加工食品事業
続いて、加工食品事業です。売上高は52億円減の461億円、営業利益は2億円減の3億円を計画します。
期初から見込んでおりましたが、アヲハタ十勝コーンの休売による影響や、連結子会社のアヲハタ株式会社の決算期変更により、昨年は13ヶ月の決算だったものが今年は1ヶ月分減少することなどの影響によるものです。
イレギュラーな要因ではございますが、売上総利益率の改善にしっかり取り組んでまいります。
下期から専門部署を設立し、今後伸長が予想される高齢者食市場への対応を強化します。「やわらか食」の商品バリエーションを冷凍にも広げ、グループの販路や商材も活用し、拡大してまいります。
また、「内視鏡検査食」の営業権を他社から取得したことにより、病態食も強化してまいります。
家庭用調理ソースについては、簡便かつ、新しい利用シーンを提案する商品の投入や好調な商品群での商品拡充などにより、市場の活性化を図ります。
ジャムは主力の「55ジャム」を強化し、順調に伸びている「まるごと果実」の新たな用途の提案を継続してまいります。
ファインケミカル事業
続いて、ファインケミカル事業です。
売上高は前年に対し5億円減の104億円、営業利益は2億円減の8億円を計画します。医薬用EPAは引き続き厳しい環境が続き、上期の減少分を取り戻すことはできませんが、医薬用ヒアルロン酸や通信販売向け商品など、好調な商品を強化してまいります。
医薬用ヒアルロン酸は、中国を中心としたアジア市場での需要が急速に高まっており、数年はこの勢いが続くと見ております。この機を逃さないよう、汎用ラインを医薬用に対応させることで生産能力を強化し、海外需要の高まりに対して供給面でしっかりと応えてまいります。
また、ヒアルロン酸のサプリメントなどを中心とした通信販売は、計画どおり定期顧客数を伸ばし、売上が拡大しております。新たな顧客獲得はもちろんですが、定着度向上の取り組みを強化し、定期顧客数の安定化を図ってまいります。
昨年発売した独自性の高い素材を利用した「よいとき」は、強みと課題が明確になりました。機能性に対するお客さまの評価は高く、自信を持てた一方で、ターゲットに対する商品価値の伝え方に課題が見つかりましたので、きちんと対応し成長軌道に乗せていきたいと考えております。
物流システム事業
続いて、物流システム事業です。売上高は27億円増の1,296億円、営業利益は9億円増の58億円を計画します。物流システム事業は事業基盤のさらなる強化を進め、物流品質と技術力の向上、成長に向けた新たな展開を進めてまいります。
共同物流では、保管・配送効率の向上に継続して取り組んでまいります。また、ドライバー不足という厳しい環境に対し、車両のスイッチングによる中継輸送への転換やモーダルシフトの拡大などを組み合わせ、運び方を変えることで幹線輸送力の強化も進めてまいります。
成長に向けた新たな展開として設立したチルド物流新会社の安定稼働も目指してまいります。
専用物流では、コンビニエンスストアや量販店向けセンターの受託エリア拡大とともに、受託したセンターなどの生産性向上による収益の安定化も進めてまいります。
また、人手不足の深刻化は物流品質に大きく影響します。魅力ある職場づくりは最優先課題の1つであると考えており、ドライバーの作業負担の軽減やより女性が活躍できる業界にしていくために、労働環境の整備や業務の標準化をさらに推進してまいります。
海外展開 主要テーマ
海外展開についてご説明申し上げます。まず海外展開の主要テーマとエリアの取り組みについてご説明いたします。
海外展開は中国・東南アジア・北米・欧州の4つのエリアで、マヨネーズ・ドレッシングの拡大に注力しております。エリアのニーズに合わせて、日本で培った提案力を活かして各国に貢献してまいります。
2017年度の売上高は、海外全体で前年に対し約110パーセント、39億円増の417億円を計画します。北米のタマゴ事業の減収や円高による為替影響もありますが、調味料事業は中国・東南アジア・北米での順調な拡大とポーランドでの展開が寄与し、現地通貨ベースで119パーセントを計画しております。
営業利益は海外合計で11億円減の22億円となる見込みでございます。調味料事業は順調に推移しましたが、タマゴ事業の減益が影響しました。タマゴ事業としては北米は厳しい状況が続きますが、日本で培ったタマゴ加工技術を活かして、今後はアジアでもタマゴ加工品の展開を進めてまいります。
海外展開 エリア別 下期の主な取り組み
次に、各エリアのおもな取り組みについてご説明いたします。中国では3月に南通丘比が稼働し、タマゴ加工品とロングライフサラダの生産体制を増強し、下期には食酢の生産も開始いたします。
成長著しい中食および外食市場への提案を強化してまいります。また、家庭用フードサービスともにサラダの提案を強化し、マヨネーズ・ドレッシングの使用用途を拡大していきます。
東南アジアでは、順調に拡大している家庭用ドレッシングの販売促進活動や広告展開を強化していきます。また、例えば各国でインドネシア製のホイップを販売するなど、東南アジアでの新規カテゴリーの可能性も見極めてまいります。
北米では、キユーピーブランドの深煎りごまドレッシングを中心に、家庭用向けの販売を拡大しております。上期に大手量販店への配架も進みましたので、下期は販売促進活動を強化するとともに、昨年発売した家庭用マヨネーズの販売も強化してまいります。
欧州では、ポーランドで1月よりマヨネーズの製造・販売を開始いたしました。今後フードサービス市場の開拓にも注力してまいります。
輸出では、海外拠点のないエリアで展開している外食チェーン店に日本の成功事例を提案することにより、日本からの輸出を拡大していきます。
各エリアにてマヨネーズ・ドレッシングを中心に調味料を拡大するとともに、中国・東南アジアで新規カテゴリーの展開も強化してまいります。
計画につきましては以上でございます。みなさま方におかれましては、引き続きご支援たまわりますようお願い申し上げます。