2017年第1四半期決算説明電話会議
北村淳氏:本日はお忙しいなか、すかいらーく2017年第1四半期決算説明電話会議にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。CFOの北村です。
今日は私から、本日発表した第1四半期決算につきましてご説明させていただきます。最初に決算の概要、続いて財務に関するご説明をいたします。
エクゼクティブサマリー
エグゼクティブサマリーになっています。こちらにあるとおり、この第1四半期も増収増益で終えることができました。
売上高は前年比プラス1.3パーセント増、営業利益は前年比プラス2.1パーセント増、調整後四半期利益は前年比12.4パーセント増となりました。
後ほど詳しくお話しいたしますが、出店拡大をはじめとする主要戦略は計画どおりに進捗しています。
2017年第1四半期 業績ハイライト
第1四半期の業績ハイライトになります。売上高は前年比プラス1.3パーセント増の881億円、そのうち既存店売上高はプラス0.5パーセントでした。
昨年はうるう年でしたので、今年は営業日が1日少なく、マイナス0.8パーセントほどの売上影響がありましたが、それを相殺しての増収になっています。
営業利益はプラス2.1パーセント増の63億円、調整後EBITDAは若干減少し101億円、調整後四半期利益はプラス12.4パーセント増の37億円でした。
調整後のROEに関しましては17.3パーセントと、前年に比べて1.2ポイントほど上昇しています。リモデル、ブランド転換、新規出店等、店舗開発の実施件数はご覧のとおりになっています。
売上高前年比推移
こちらは2015年以降の四半期ごとの既存店売上高前年比・総売上高前年比を示しています。昨年第3四半期まで、既存店売上高は前年を下回る勢いで苦しい展開でしたが、第4四半期に大きく持ち直し、今年第1四半期もプラス成長で終えました。
また、本日公表したとおり、4月も既存店に関しましてはプラス2.6パーセント増となっており、既存店売上はプラス基調になっています。
ガスト:2016年施策効果が客数増に寄与
こちらはガストの既存店客数の推移になっています。
こちら(の折れ線グラフ)は、6ヶ月間の移動平均で「ガスト」の既存店客数前年比を示したものです。
昨年は2月に1回目の平日ランチメニューの改定、6月に1回目のグランドメニューの改定を行い、その後も数回にわたってメニュー改定をいたしました。この結果が徐々に客数にプラスに働いていることがおわかりいただけるかと思います。
既存店売上拡大:メニュー戦略
今年に入ってからのメニュー改定を要約したものになります。ガストでは3月にグランドメニューを改定し、サイドメニューの充実を図りました。
また、4月にはお客様がご自身で焼いた上で召し上がっていただく、小さなコンロを付けたビーフカットステーキを導入しています。このステーキは言わば体験型メニューと言えるもので、大変ご好評いただいています。
スペシャリティブランドでは、これまで同様に季節ごとのプレミアム感のある食材を使ったフェアメニューを投入しています。また、最近ではグループでの利用、パーティーでの利用が増える傾向にあるため、夢庵ではパーティーメニューを投入しています。
既存店売上拡大:プロモーション
こちらはプロモーションの要約になります。プロモーション活動に関しましても、これまでどおり費用対効果を意識した効率的な内容を実施しています。
2月の決算発表会でもお伝えしましたとおり、ブランド横断的な取り組み・1 to 1マーケティングの実施・デジタル化がキーワードになっています。
新規出店は計画どおりに進捗
2月に公表した中期計画のとおり、今後3年間は出店数拡大が成長の1つの柱となっています。この出店拡大の進捗につきまして、みなさまのご関心が高いのではないかと思います。
先ほども少し触れましたが、3月までの3ヶ月間の新規出店は14店舗でしたが、4月に10店舗の新規出店がありましたので、1月から4月まで合計で24店舗出店済みです。
この24店舗を含め、すでに契約が完了している件数・社内の出店基準をクリアし社内承認済みの件数を合わせると、現時点で80件を超えています。
このほか、オーナー様との条件面での合意が済み、社内承認手続き中の物件、出店可能性の高い物件が約20店舗ありますので、今年の計画である年間100店舗の新規出店の達成確度は高いと考えています。
また、こちらには記載しておりませんが、新店投資へのリターンが年々高まっています。昨年実績では税引前のキャッシュオンキャッシュのリターンですが、30パーセントを超える水準となっています。しっかりと利益が出る新規出店を実施してまいります。
スペシャリティブランドの拡大
こちらは2016年の通期決算説明資料にも入れていたスライドです。スペシャリティブランドの拡大に関してです。
ここ1、2年間で導入した新規ブランドの店舗数は、新店・ブランド転換の実施により着実に増加しています。上から3つの「chawan」ですが、4月末時点で10店舗を超えることとなりました。
そのほか、「しゃぶ葉」は昨年末は147店舗でしたが、今年に入りまして新規出店・ブランド転換によりすでに12店舗増えています。4月末の時点では159店舗になっています。
新規ブランドを新店・ブランド転換で増やすと同時に、「ガスト」や「バーミヤン」など既存ブランドも、数は多くないですが出店しています。
様々な需要に対応する出店、ブランド転換
このような新店・ブランド転換は、さまざまな立地やお客様の利用動機に適切に対応するために行っています。
ロードサイドでは、昨年オープンした「とんから亭」を主に、既存ブランドからの転換により店舗数を増やしてきています。今後は新規出店による増加を図ります。
「むさしの森珈琲」「ゆめあん食堂」「chawan」など、新規ブランドも順調に店数を増やしています。
また、パーティー需要や宴会需要にお応えするために、個室を備えた「夢庵」を神奈川県の鴨居駅前にオープンし、これもご好評いただいています。
このように、さまざまな需要に対応するブランドを数多く保有していることが当社の強みの1つであり、今年の新規出店のみならず、来年以降の出店数拡大にも貢献すると考えています。
人財戦略
前半部分の最後に、成長を支えるために大変重要な位置付けとなる、人財戦略について少し触れたいと思います。
採用の強化ですが、クルー経験者を積極的に正社員に登用する取り組みにより、年々新卒採用数を増やしています。
また、クルーの採用数を増やすために、これまで一部の店舗でしか実施できていなかった外部コールセンターを活用した応募受付体制を、今日までにグループ合計1,600店舗までカバーできるように拡大いたしました。
また、友人紹介制度の強化や、登録クルー制度の活用と合わせ、クルー採用増加を図っています。これは結果になりますが、今年1月から4月までのクルー採用数は前年を約10パーセントほど上回ってるという実績になっています。
そのほか、深夜営業時間短縮・変形労働時間の導入などにより、働き方改革も実施しておりますし、この2月には、健康経営優良法人(ホワイト500)の認定も受けています。
これからもさまざまな施策の実施により正社員・クルーの確保を行い、成長にしっかりとつなげていきたいと考えています。
主要連結財務指標: 第1四半期
続きまして、財務の詳細を説明いたします。前半部分と一部重複する箇所がありますがご容赦ください。
こちらは第1四半期の主要な連結財務指標になります。売上高は881億円と、前年同期に比べ12億円の増収になりました。
既存店売上は、前年同期比でプラス0.5パーセントの成長となっています。グロスマージンですが69.8パーセントとなり、前年同期と比べプラス0.1パーセントの改善となっています。引き続き、当社の強みである安定したグロスマージン率を継続維持しています。
営業利益は63億円で、前年同期比プラス2.1パーセントの増益になっています。調整後EBITDAは101億円で、前年同期比マイナス0.9パーセントの減益。
一方で、調整後四半期利益は37億円、こちら前年同期比プラス12.4パーセントの増益になっています。調整後ROEは17.3パーセントでした。
2017年第1四半期 要約PL
第1四半期の要約のPLを記載しておりますが、ご覧のとおりになっています。細かい説明は割愛させていただきます。
15ページ以降で売上高・営業利益・調整後EBITDA・調整後四半期利益の増減要因についてご説明させていただきたいと思っています。
2017年第1四半期実績分析:売上高
こちらは第1四半期の売上について、前年同期との比較で説明させていただきます。既存店の売上は前年同期に比べ、客単価で8億円の増加、客数で15億円のマイナスとなりました。
一方で、リモデル・転換により、それぞれ4億円ずつ売上増加を達成しています。また、客数の15億円のマイナスのうち、約7億円がうるう年の影響になっています。
テイクアウトで1億円、デリバリーで3億円の売上増を達成しました。また、ご承知のとおり、深夜営業時間の見直しにより、売上のマイナス影響があるのですが、このクォーターで言うと約3億円のマイナスになっています。
非既存店におきましては、ネット9億円のプラスになっておりますが、内訳は新規出店による売上増の15億円、これを閉店のマイナス6億円で(差し引き)、ネット9億円のプラスになっています。結果として、売上高は前年比で1.3パーセント増の881億円となっています。
2017年第1四半期実績分析:営業利益
第1四半期の営業利益の増減について、前年同期比で説明いたします。
既存店と非既存店の売上成長により、1億円のプラスになっています。非既存店の売上成長による利益貢献は、これに関しましては前回ご説明させていただいておりますように、一定期間のタイムラグがあって、今後発生していくと考えています。
インフレに関してですが、前年に比べて食材価格が低下しているため、原価のインフレが逆ザヤという状況になっています。
SG&A、販売費及び一般管理費のインフレですが、想定とおり人件費に関しましては想定どおりの単価インフレ影響がありますが、光熱費の単価が昨年に対して落ちてる部分がございまして、一部相殺している状況、ネット2億円のマイナスになっています。
コスト削減に関しましては、ネット1億円の増益要因となっています。
原価削減につきましては継続的に取り組んでおり、想定とおりの進捗になっておりますが、以前お話しさせていただいたとおり、ハンバーグの改善等品質の強化などに一部再投資させていただいておりますので、見え方としては0億円となっています。
SG&Aの削減ですが、電力使用量の削減や消耗品の使用の削減などに加え、前年に対して減価償却費や固定資産減損を削減できたことも一部貢献しています。結果として営業利益は前年同期比で2パーセント増益の63億円になりました。
2017年第1四半期実績分析:調整後EBITDA
調整後EBITDAの前年比の説明をさせていただいておりますが、基本的なストーリー営業利益と変わりませんので省略させていただきます。
2017年第1四半期実績分析:調整後四半期利益
調整後四半期利益の増減の説明になります。調整後四半期利益に対する売上成長・インフレ・コスト削減の影響は、それぞれ1億円ずつのプラスとなっています。
また、税制大綱の変更による実効税率の低下の影響や前年度の一時的費用の影響もあり、合計で追加で2億円ほどのプラスになっています。
結果、第1四半期の調整後四半期利益は、前年対比で12.4パーセント成長し、37億円になりました。
店舗開発の進捗
店舗開発の進捗になります。この第1四半期では新店を14店舗オープンし、11店舗のブランド転換、95店舗のリモデルを行いました。
すでにお話ししましたが、4月には10店舗の新店をオープンしています。また、閉店ですが、3月までにすでに14店舗の閉店がありました。こちらも想定とおりであり、年間の閉店数は当初の予定どおり20店舗程度とみています。
調整後EBITDA、四半期利益の内訳
調整後EBITDA、調整後四半期利益を算出するための調整項目の内訳を示しています。
基本、大きな調整項目はないのですが、先般もお知らせしましたとおり、3月末にベインキャピタルの(株式)売り出しがありまして、その関連費用が若干発生しています。
これに関しましては、上場および売り出し関連費用として調整項目に含んでおりますが、金額が些少のため億円単位では0になっているという状況です。
調整後フリーキャッシュフローの調整内訳
営業キャッシュフローは前年同期に比べ、約7億円増加しました。一方で、CAPEXの支払いは5億円ほど減少しています。結果としてフリーキャッシュフローが12億円増加しています。これは調整後のフリーキャッシュフローの内訳になっています。
以上、ご説明を終了させていただきます。