2016年第3四半期経営成績
野村博氏(以下、野村):野村でございます。よろしくお願いいたします。それでは、プレゼン資料にもとづき2016年度第3四半期業績および臨床開発の現況についてご説明いたします。
2ページをご覧ください。第3四半期累計の経営成績についてご説明いたします。
当第3四半期累計の業績は、前年同期比増収増益となりました。売上高は前年同期比で10億円増収の3,055億円となりました。日本セグメントでの減収を主に北米セグメントでカバーしました。昨年10月に見直しました予想に対しましては、想定とおりに推移しております。
売上原価は、売上のセグメント構成差、為替の影響により減少し原価率も低下しました。なお、売上原価の為替影響68億円には、前年度の棚卸資産、未実現利益が当期に実現したことによる売上原価の押し下げ影響が含まれております。
販売費および一般管理費は、為替の影響が大きく75億円減少しました。予想に対しまして研究開発費の進捗がやや遅れています。
この結果、営業利益は前年同期比132億円増の442億円となりました。通期予想に対しても96.2パーセントの高い進捗となりました。
なお、当期の業績予想を若干修正しておりますが、のちのスライドでご説明いたします。
主要製品売上高(日本セグメント)
3ページは日本セグメントの売上高です。
日本セグメントの売上高は前年同期比59億円減少し、1,086億円となりました。薬価改定の影響が約59億円ですので、この影響を除くと前年同期なみとなります。
品目別にはアイミクスやトレリーフ、新製品のトルリシティなどが売上を伸ばしましたが、メトグルコや他の製品は減少しました。
通期予想に対しては、ほぼ想定どおりの進捗となっております。
主要製品売上高(北米・中国セグメント)
4ページをご覧ください。北米および中国セグメントの売上高についてご説明いたします。
北米セグメントの売上高は、円ベースで1,436億円と前年同期に比べ63億円の増収となりました。円高によるマイナス要因が204億円含まれますので、実質は大幅な増収となっております。
品目別には、ラツーダ、アプティオム、ブロバナが伸長いたしました。予想に対する進捗は、アプティオムがやや想定を下回り、ブロバナは上回っておりますが、全体としては想定とおりとなっております。ルネスタは返品の関係でマイナスとなっております。
中国セグメントの円ベースの売上高は、129億円で15億円の減収となりました。こちらも円高によるマイナス要因が27億円と大きいため、実質は増収となりました。メロペンが、引き続き堅調に推移しております。
なお、輸出などを含めた海外売上高比率は53.8パーセントとなりました。
セグメント別経営成績
5ページをご覧ください。セグメント別の四半期経営成績をご説明いたします。
日本セグメントは薬価改定の影響等により減収が大きく影響し、セグメント利益は前年同期比42億円減の312億円となりました。
北米セグメントは前年同期と比べ157億円と大きく増加し、621億円となりました。増収と原価率の低下が主な要因です。
中国セグメントは減収の影響等により、前年同期比10億円の減益となりました。
経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益
6ページは、営業利益以下の項目です。
営業外損益が大きく改善しておりますが、主に為替差益であります。昨年11月以降の急激な円安により、外貨建ての預金や、債券等、資産の評価益が発生いたしました。
特別利益の投資有価証券売却益および特別損失の事業構造改善費用は、第2四半期までに発生した項目ですので、説明は省略いたします。それらの結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、62億円増益の296億円となりました。
シナプサス社買収に伴う資産の評価等について
7ページをご覧ください。昨年10月21日に完了いたしましたサノビオン社による彼らのシナプサス社買収により取得しました資産の評価について、ご説明いたします。
取得原価の合計は、6億700万ドルであり、買収完了時に公表いたしました買収対価の6億3,500万ドルからストックオプションの行使額を差し引いた額となります。
資産の内訳は、獲得した開発品APL130277の評価として、仕掛研究開発が6億6,900万ドル。その他の資産・負債の純額がマイナス7,400万ドルとなります。この7,400万ドルは、主に将来外部への支払いが見込まれるライセンスフィーの債務です。そして、差額となる1,200万ドルをのれんとして計上しております。
一方、昨年12月21日に発表いたしました米国トレロ社の買収につきましては、本年1月25日に買収が完了いたしました。資産の評価等につきましては、算定中であり、本年度の決算発表と同時にお知らせする予定でございます。
2016年度業績予想
9ページをご覧ください。業績予想についてご説明いたします。
各セグメントとも順調に推移しており、前回予想から大きな変更はありませんが、今回、為替レートを従来予想の105円から108円に変更したことや、その他の要因も踏まえて、微修正いたしました。
売上高は、60億円増の4,040億円といたしましたが、主に為替の影響です。営業利益は変更ありません。
経常利益は、通期の為替差損益を20億円のマイナスからニュートラルに見直したことから、20億円増の460億円に、当期純利益は10億円増の260億円に、それぞれ修正いたしました。
研究開発費を除く販管費は、為替差による増加が31億円、実質では19億円の増加を見込んでおります。
日本セグメントでは、早期退職の影響や業務の効率化による削減を見込んでおりますが、北米セグメントにおいて、昨年12月に発表したCOPD3製品の導入や、トレロ社買収に伴う費用の増加を見込んでおります。
研究開発費については、導入費用が予想を下回る見込みなどから、為替差を除く実質で30億円程度、減額いたしました。
臨床開発の現況①(精神神経領域)
11ページをご覧ください。ここから、開発状況に関してご説明いたします。
この表は、当社の開発品目の開発段階一覧表です。このページは、精神神経領域です。昨年10月からの変更点といたしまして、新規化合物であるDSP-6745について、米国において、フェーズ1試験を開始いたしました。
臨床開発の現況②(がん領域)
12ページをご覧ください。このページは、がん領域、ナパブカシンおよびamcasertibです。ナパブカシンについて、米国において膵がんを対象とする併用のフェーズ3試験を開始しました。
また、昨年10月に、本適応症の試験について、FDAよりオーファンドラッグに指定されました。
また、カナダにおいて膠芽種を対象とする併用のフェーズ1、2試験のフェーズ2段階を開始いたしました。
なお、胃がん等を対象としたドライター試験については、昨年12月に目標症例数である700例の患者登録が終了いたしました。
臨床開発の現況③(がん・その他領域)
13ページをご覧ください。このページは、その他のがんや呼吸器などの領域です。
2017年1月、トレロ社の買収完了に伴い、alvocidibおよびTP-0903を新規掲載いたしました。alvocidibについては米国において、急性骨髄性白血病を対象とする併用のフェーズ2試験、TP-0903については米国において、固形がんを対象とするフェーズ1試験が進行中です。
臨床開発の進捗状況
14ページをご覧ください。昨年10月からの変更点をまとめております。
Dasotralineについては、成人のADHDおよびBEDの試験結果を速報いたしました。その他は、すでに説明した通りです。
また、すでにご案内しておりますが、2月28日10時からR&D説明会を開催する予定にしております。ぜひご出席賜りますようお願い申し上げます。
Dasotralineの開発進捗
15ページをご覧ください。今月発表いたしましたDasotralineの成人のADHDおよびBEDの試験結果をまとめております。時間の関係もございますので、説明は省略させていただきます。
今後のスケジュールは、成人および小児のADHDについては、現在実施している試験が成功裏に終了したのち、FDAと協議の上、2017年度に申請予定です。また、BEDについては、2018年度に申請を予定しております。
ナパブカシン学会発表
16ページをご覧ください。米国の消化器官シンポジウムASCO-GIにおいて、ナパブカシンの結腸直腸がんに関する臨床データ2演題を発表いたしました。
246試験の結果について、データを掲載しております。評価可能な患者56例において、DCRは88パーセントであり、ORRは29パーセントでした。また、FOLFIR治療歴の有無およびp-STAT3の発現量にかかわらず、抗腫瘍活性の兆候を示しました。
224試験の結果については、23日に発表いたしましたプレスリリースをご覧ください。
新規化合物の紹介(DSP-6745)
17ページをご覧ください。新規化合物であるDSP-6745について、紹介いたします。
DSP-6745は、セロトニン2Aおよびセロトニン2C受容体デュアルアンタゴニストです。パーキンソン病の精神症状を含む非運動症状に対して広範な治療効果が期待されます。
以上で、ご説明を終わります。