要約四半期連結損益計算書
西山光秋氏(以下、西山):それでは、スライド形式と、短信、リリースとお手元に配ってございますけれども、スライド形式、パワーポイントの資料で説明いたします。
まず、右下のページ、6ページがP/Lの要約であります。右半分が、3Qの累計、すなわち4月から12月までの9ヶ月間の累計の実績を示してございます。
売上高が、一番上、6兆5,193億円。前年同期比では10パーセントの減収でありました。
一方、調整後営業利益3,731億円。これも、ポートフォリオ再編の影響、為替の変動の影響がありまして、352億円の営業減益でありました。ただし、営業利益率は5.7パーセントと、前年の5.6から比べて、0.1パーセントは改善いたしました。EBITが3,620億円。
一番下の最終損益、親会社株主に帰属する四半期利益は1,912億円。これは182億円増益となりました。11パーセントの増益であります。
減収でありましたけれども、ここは法人所得税費用、税金費用の減少、あるいは非継続事業の損失が減少したこと等によりまして、最終損益は182億円、11パーセント改善いたしました。
3Q累計売上収益・調整後営業利益の増減要因【前年同期比】
次の1-5をご覧ください。9ヶ月間、3Q累計の売上高・営業利益の増減のマクロ分析を示しております。
左側、売上高ですけれども、為替の影響が4,600億円のマイナス影響ありました。そのほかに、日立物流の再編、日立キャピタルの再編、空調事業の再編、これが売上を減少させる要因としてございましたけれども、それを除くと、オーガニックな事業拡大2,821億円ございました。
このうち、アンサルド、イタリアの鉄道の買収の影響が1,400億円、それから日立工機によるM&Aの影響で売上が増えた分、合わせて1,700億円程度ありましたけれども、それを除いても1,000億円以上のオーガニックな増収がございました。
牽引したのはIEP(都市間高速鉄道計画)、イギリスの鉄道事業等の増加、それからオートモーティブシステム事業、それから日立ハイテクの半導体製造装置事業、こういったところが牽引いたしまして、オーガニックでも増加させることができました。
また、右半分、営業利益の増減要因ですけれども、同様に為替のマイナス影響が650億円ほどございました。そのほか、日立物流それから日立キャピタルの再編影響、空調事業のカーブアウトの影響、マイナスの要因がございましたけれども、オーガニックでの収益改善658億円がございました。
ここは、事業規模増それから原価低減などが、新規の事業開発投資であるとか、フロント強化のための人件費増加、そういった新規の投資、あるいは売価ダウン、それを打ち消す原価低減等が1,400億円程度ございました。事業規模増の影響が約360億円ぐらいございました。
国内・海外売上収益
次の1-6が国内・海外の地域別の売上高であります。
一番上が、国内、前年同期比が91パーセント。海外売上高の前年同期が89パーセント。合計が90パーセントですけれども、事業再編のポートフォリオ再編の影響、為替の影響を除きますと、国内が前年同期と比べまして99パーセント、海外が105パーセント。合計で102パーセントと、オーガニックなベースでは海外が5パーセントほど伸びたというかたちであります。
とくに欧州が、為替の影響もありますけれども、104パーセント。為替の影響を除きでは116パーセントと、ヨーロッパの事業が、鉄道が牽引して伸びております。
3Q累計要約四半期連結損益計算書、キャッシュ・フロー計算書
飛びまして、1-8の下半分にキャッシュ・フローの状況を書いてございます。
フリー・キャッシュ・フローは3,724億円。営業キャッシュ・フローが3,883億円。投資活動に関するキャッシュ・フロー、支出が159億円と。
前年度ありましたPentahoあるいはアンサルドの買収等がなかったこと、そして事業再編のカーブアウトした事業の売却収入等があったこと等で、フリー・キャッシュ・フロー3,724億円と、前年同期比から3,260億円ほど改善、増加いたしました。
要約四半期連結財政状態計算書
その下、1-9ですけれども、バランスシートの要約であります。
一番右上の欄、資産合計が9兆6,400億円と、2兆9,000億円減少しておりますけれども、これは日立キャピタルの再編の影響で、バランスシートが圧縮されております。左のほう、製造サービス等の資産が、これも9兆6,400億円と、2,700億円ほど圧縮しておりまして。
下から3番目、運転資金の手持日数は、70.8日がこのクオーター末の実績でありました。前期比、3月末と比較して0.8日の改善であります。また前年同期、前年の12月と比べますと、前年が73.6日でしたから、70.8日と、2.8日ほど運転資金の手持日数を改善、短縮することができました。
その結果、親会社の株主持分比率が29.9パーセントと、前々から目標としていました30パーセントに近づいてまいりました。また、D/Eレシオも0.31倍と改善しております。
事業部門別売上収益・調整後営業利益・EBIT
次のスライドですけれども、セグメント別の売上利益、前年同期を示しております。
営業利益が増益だったのは、「情報・通信システム」と「電子装置・システム」。「情報システム」のプロジェクトマネジメントの改善であるとか、構造改革の効果の実現。あるいは「電子装置・システム」のところは、日立ハイテクの半導体製造装置の改善等で増益になって。
ほかは、為替の影響と事業再編の影響等で減収減益のところが多いんですけれども、為替の影響とポートフォリオ再編の影響を除きますと、実質オーガニックベースでは、全部9セグメント全体が増益となっております。
2017年3月期連結決算の見通し
次の2-1で、年度の通年の見通しについて説明いたします。
4Qの前提といたします為替レートですけれども、USDが110円、ユーロが115円という前提をおいております。10月にはドル100円という前提を申し上げましたけれど、これを110円。ユーロは10月に110円としておりましたが、これ115円に直して計算しておりまして。
売上高、今回見通しの欄ですけれども、売上高は変わらず、9兆円。営業利益は、前回5,400億円としておりましたけれども、200億円改善の5,600億円。
営業外損失が若干増える項目がありますので、それを織り込みまして、EBITは変えずに4,500億、最終損益も前回同様の2,000億、これを通年の見通しといたします。
事業部門別売上収益・調整後営業利益・EBIT見通し
次のスライド2-2と2-3にセグメント別の見通しを記載しております。一番右の欄が前回の見通しとの差を書いてございます。
情報・通信システムのところ、営業利益は変えてございませんけども、EBITのところ、90億悪化させていますけれども、これは、構造改革費用の追加分を全社消去のところで一括で見込んではいたんですけれども、情報・通信システムで追加の構造改革費用が発生するということで、ここのセグメントに追加の90億を織り込んでおります。
また、社会・産業システムのところ、150億、営業利益悪化となっておりますけれども、これも前回見通しとして全社で見込んでいたものでありますけども、海外のプロジェクトの見積もりの、今、収束にかかっている中東のプロジェクトのコストの見直しという要因等を織り込みまして、150億減少させております。
また、EBIT800億円と大きく変更しております。これも一部、大半は全社で見ていたわけですけども、これは、GEとの合弁会社でやっておりますレーザーウラン濃縮事業、これの見直しを今進めておりまして、これを撤退を含めた検討をしております。これをやりますと、700億ほどの減損のリスクがありますので、それをここに織り込んで800億減額しております。
それから、電子装置・システムのところ、日立ハイテクが堅調、業績改善、これを60億、電子装置・システムに織り込み、また、日立化成の改善で30億、高機能材料を増額しております。
また、オートモティブシステム、生活・エコ、それぞれ50億、80億、EBITを改善させておりますけども。これは、不動産の売却、資産売却の譲渡益、これを織り込んだものであります。
トータルとして、売上高は変わらず9兆円。調整後営業利益は、前回5,400億を200億増額で5,600億。EBITは4,500億変えずというかたちでの、通年の見通しとします。
トピックス(1)
最後にトピックス、3-1ですけれども。
事業ポートフォリオの改革。これは3Qに実行いたしましたポートフォリオの改革を列挙しております。
日立工機の株式の譲渡。それから、日立セキュリティサービス、警備事業ですけども、これの譲渡。それから、日立建機によるM&A、日立化成によるM&A。これが3Qに実行したポートフォリオの変更であります。
また、IoTプラットフォーム「Lumada」の展開状況でありますけども、上期末では、ユースケースの数が170件と報告いたしましたけども、3Q末時点では20件増加いたしておりまして、190件となりました。これは、2016年度中に200件目標を計画通り進めております。
トピックス(2)
最後の3-2ですけれども、組織の変更、成長戦略実現に向けた組織の強化を行っております。
まず、デジタル技術を活用した社会イノベーション事業拡大に向けた事業体制の強化でありますけれども。
1つ目が、14のビジネスユニット、そして、生活・エコ、それからオートモティブシステム事業、合わせて16の事業体を、シナジー創出の観点から注力4分野に再整理して、担当副社長をそれぞれ4分野に配置して、各分野、全社的な観点でこれをリードするということで、成長戦略の実行及び親和性のある事業を、分野別に再整理することによって、シナジーを追求していくということを促進いたします。
2つ目は、日立コンサルティングのCEOに、米州、アジア、パシフィック、欧州、ロシア、中東等の3地域における社会イノベーション事業を牽引してもらうという体制といたします。
また、Lumadaの展開加速に向けて、各BUにChief Lumada Officer、CLOを設置して、デジタルトランスフォーメーションの推進を加速いたします。これは、世の中で言う、Chief Digital Officer、CDOと同様のものですけれども、Lumadaによるトランスフォーメーションを加速するという意図を込めて、CLOを任命しております。
それから、投資戦略の強化として、「投融資戦略本部」。次の成長に向けた投資戦略を立案する投資戦略本部と、長期的な新事業創出を担う「未来投資本部」。これを新設することといたします。
ご説明は以上です。