2027年2月期第2四半期決算説明
サーバーワークス、AWSなどクラウド事業が伸長し上期営業利益922%増 通期の連結業績予想を上方修正
エグゼクティブサマリー

大石良氏(以下、大石):みなさま、こんにちは。サーバーワークス代表取締役社長の大石です。それでは、2027年2月期第2四半期の決算についてご説明します。
まずはサマリーです。第2四半期の連結業績は売上・利益ともに前期を大幅に上回り、好調に進捗しています。
サーバーワークス単体でも売上・売上総利益は順調に増加しました。一方で、人材採用や前期に起きた赤字プロジェクトを撲滅することを目的とした基幹業務システムの刷新、生成AIの全社的な活用などに戦略的な投資を行っています。この結果、販管費が増加し、営業利益は前期並みとなっています。
子会社の業績は好調に推移しており、連結全体では前期を大幅に上回る結果となりました。また、生成AIの登場に伴い、ハイパースケーラーのクラウドビジネスが再成長軌道に乗っています。このため、アカウント獲得を最優先事項とし、利益の成長も重要視しつつ、トップラインをさらに伸ばしていく段階へとあらためてギアを切り替えています。
このような業績を受け、2027年2月期の通期連結業績予想を上方修正しました。これにより、営業利益と経常利益は、FY28の中期経営方針の水準に1年前倒しで到達する見込みです。
中期経営計画に掲げる事業戦略も着実に進捗しています。クラウド事業ではクラウドインテグレーションや大型案件の増加が進んでおり、AWSとの戦略的協業契約についても、具体的な更新に向けた準備が進んでいます。
生成AIの分野では、Anthropicさまの正式なパートナーに認定されています。海外においては、ベトナムとタイを中心に具体的な活動を進めている状況です。
また、昨今はセキュリティの話題が非常に取り上げられていますが、当社もクラウドセキュリティに注力しています。CrowdStrikeさまと当社のAWS運用知見を統合した、統合マネージドセキュリティサービスの提供を開始する予定です。
株主還元については前回公表の配当予想どおり、1株当たり15円の中間配当を決定しました。
業績ハイライト

業績ハイライトです。累計の連結売上高は247億3,100万円で、前年同期比32パーセントの成長を記録しました。営業利益も累計で9億2,400万円と、前年同期比922パーセントの成長を達成しています。
単体では、サーバーワークスが186億9,700万円で前年同期比24.4パーセントの成長を示しましたが、営業利益は4億9,000万円と前年同期比でマイナスとなっています。この点については後ほど詳しくご説明します。
連結子会社であるG-genも順調です。売上高は60億5,000万円で、前年同期比63パーセントと非常に高い成長を見せています。営業利益は4億2,700万円で、前年同期比120.5パーセントの成長を達成しました。
(参考)主要科目の前年同期比較

こちらは主要科目の前年同期比の比較です。売上高については円安効果もありましたが、それ以上にAWSや「Google Cloud」といったリセールの売上が順調に増加した結果、247億3,100万円となり、前年同期比32パーセントの成長を記録しています。
売上総利益は26億1,400万円となり、こちらも成長しています。その要因として2点挙げられます。1つ目は、金額は非公開ながらもG-genのパートナー向けファンドが増加していること、2つ目は、前年の非常に大きな不採算案件が解消されたことです。これらにより利益を実現できました。
この流れを受けて、経常利益は9億9,100万円となりました。持分法損益およびLP運用損益の改善により営業外損益も改善し、全体の利益が増加している状況です。
通期連結業績予想の修正

この流れを受けて、すでに開示したとおり通期の連結業績予想を上方修正します。売上高は前回発表比10.2パーセント増の519億9,500万円、営業利益は前回発表比27.1パーセント増の16億6,500万円、経常利益は前回発表比32.5パーセント増の18億5,200万円と修正しました。
特に親会社株主に帰属する当期純利益が非常に大きくなっていますが、これは子会社の繰越欠損金があったためです。子会社の利益が大きくなることにより税金の負担が減少し、結果として当期純利益が増加しています。
中期経営方針との比較 -来期FY28中期経営方針の利益水準に到達-

先ほど、「今回の増益により、中期経営方針を1年前倒しで達成する見込みである」とお話ししました。
スライド左側に示したのは、従来発表していたFY28中期経営計画の水準です。売上高はやや遅れがありますが、利益はほぼ同じ水準を今年度中に達成する見込みであると発表しています。
主要トピックス クラウド関連

第2四半期のトピックスについてご案内します。まずはクラウド関連のトピックスです。
創業111年を迎える輸入車業界のパイオニアであるヤナセさまの、AWS大規模移行プロジェクトを完遂しました。これはデータセンター契約の終了期を迎えた際にインフラ全体を見直し、AWSへ移行するプロジェクトで、パートナーとしてサーバーワークスが選ばれたという内容です。
主要トピックス 生成AI関連

生成AI関連では、Anthropicさまの「Claude Partner Network」において、Services TrackのSelectパートナーに正式認定されました。
当社では「Claude」を積極的に活用するだけでなく、優れたエンジニアの育成を行ってきました。その結果、今回パートナー認定を受けることができました。
主要トピックス 生成AI関連(グループ会社)

グループ会社における生成AI関連のトピックスです。G-genでは住友ゴム工業さまのAI開発を伴走支援しました。
今期からグループに加わったRagateは、AI専門のコンサルティングと開発を実施しています。同社はAI投資判断を支援する「AXスプリントプログラム」というプログラムを提供し、共同で市場への展開を図っています。
参考情報 AIによるクラウド市場の再加速

AIによってクラウドが再加速している状況についてご説明します。この要因として、大きく2つ挙げられます。
1つ目は、ハードウェアリソースの調達難です。現在、OpenAIさまやAnthropicさまといった企業が非常に大量のコンピューティングリソースを買い集めている影響により、一般企業がリーズナブルな金額でコンピューターを購入しづらい状況です。このため、やむを得ずクラウドに移行する流れが生まれています。
2つ目は、内製化の波です。「Claude Code」や「Codex」などのツールを活用することで、これまでSaaSを契約していた業務を、AIで内製化できるようになってきています。内製したツールはどこかで動かす必要がありますが、そちらにクラウド基盤であるAWSや「Google Cloud」が選ばれ、結果的にクラウド利用が拡大しています。
この流れは、当社にとって非常に強い追い風となっています。
主要トピックス セキュリティ関連

セキュリティ関連については多くのニュースが連日報道されていますが、当社も早くから注目し、非常に力を入れている分野です。
CrowdStrikeさまのセキュリティサービスと、当社のマネージドサービスを組み合わせた、総合マネージドセキュリティサービス「サバソック for Falcon Cloud Security」を提供する予定です。
CrowdStrikeさまはすでにエンドポイントセキュリティの分野で有名なソリューションを提供していますが、こちらに24時間365日体制でセキュリティサポートを提供する当社のサービス「サバソック」を組み合わせることで、お客さまが安心してAWS環境やその他のオンプレミスサーバーを含む環境を当社にお任せいただける体制を目指しています。
主要トピックス 株主還元関連

これまでご説明したように事業は非常に堅調ですので、株主のみなさまへの還元もしっかり進めていきたいと考えています。
昨年に初配を実施し、今期は30円の増配を計画しています。また今回は、1株あたり15円の中間配当を決定しました。今後も株主還元の取り組みを進め、総還元性向25パーセントから50パーセントを目安に進めていきたいと考えています。
売上高の推移 -連結・各社-

第2四半期の業績について、詳しくご説明します。
まずは四半期ごとの売上高推移です。第2四半期のみで127億9,800万円と、非常に力強い成長を示しています。昨年は大きな解約により一時的に苦労した時期もありましたが、それ以外は順調に回復し、成長を遂げていることがわかると思います。
(参考)売上高の推移 -急成長するG-gen-

ご参考までに、スライドにはG-genの四半期ごとの売上高推移を示しています。もともとはトップゲートの買収が起爆剤となっていますが、2027年にはARRが100億円を超える見込みで、非常に力強い成長を見せています。
製品・サービス区分別 -各社売上構成-

製品・サービス区分別の売上高です。クラウドインテグレーションは前期の反省を踏まえ、単価をあまり上げず確実にデリバリーできるものに注力していく方針です。そのため成長が若干鈍化して見えるかもしれませんが、確実に成長している分野の1つです。
リセールについては、ご覧のとおり着実に伸びています。MSPについても非常に大きな運用案件が入り、着実に成長している状況です。
クラウドインテグレーション -各指標の推移-

先ほどご説明したとおり、クラウドインテグレーションについては前期の反省を踏まえ、大きな案件を狙うよりも確実にデリバリーできる案件に注力する方針としています。その結果、単価の伸びは限定的となる一方で、しっかりと利益を出せる体制となってきています。
リセール -AWSアカウント数・ARPUの推移-

リセールも順調に伸びており、アカウント数と単価のいずれも増加しています。
単価については繰り返しお伝えしているとおり、あまり伸びすぎないよう注意しながら、お客さまへのコストコントロールのアドバイスやコンサルティングを提供しています。一方で、生成AIの利用増加によりお客さまの利用量が伸びたことから、若干上昇しています。
AWS利用料の推移(米ドルベース)

米ドル換算したAWS利用料の推移です。再び加速しており、非常に力強い成長が見て取れます。
為替レートの推移

為替レートはみなさまもご承知のとおり、少し円高に振れています。とはいえ依然として1ドル160円前後と、円安の状況が一定程度継続しているものと理解しています。
営業利益額/ 営業利益率の推移

営業利益額の推移です。前年の第2四半期は非常に大きなマイナスが出ましたが、しっかりと回復していることがわかると思います。
営業利益の前年同期比増減要因分析

営業利益の前年同期比較です。詳細な分析が必要な方はご参照ください。
LTV(顧客生涯価値)

こうした取り組みが奏功し、LTVも順調に積み上がっています。
2027年2月期第2四半期に関する想定Q&A

ここからは想定Q&Aとして、みなさまからいただくであろうご質問について、あらかじめ準備した回答をご説明します。
1つ目は、業績ハイライトについてです。「営業利益が前年同期比でプラス922パーセントということだが、実力はどう見ればよいか」というご質問です。
前年同期比では、不採算プロジェクトの影響が1つの要因として挙げられます。今期は、不採算プロジェクトの影響が解消したことに加え、円安効果やパートナー向けファンドの貢献があり、大幅に利益が伸びている状況です。
ファンドに関しては一部外的要因もありますが、これらを除いた実力ベースでも前年度から着実に改善しています。
一方で、生成AIの影響により、クラウド市場やセキュリティ市場も今後大きく成長すると考えています。この成長分野には、当社としても積極的に投資し、利益を積極的に投資へ回していきたいと考えています。
2つ目は、単体で売上が24.4パーセント増加した一方で、営業利益が3.5パーセント減少した要因についてのご質問を想定しています。
その最大の要因は販管費の増加です。人材の採用が堅調であるだけでなく、生成AIやセキュリティといった新しい技術を持つ人材の採用も必要となっています。さらに、受注管理の高度化に向けた基幹業務システムの刷新を進めていることも影響しています。
また、生成AIの全社活用などを目的とした先行投資が増加し、それに伴い販管費も増加している状況です。これらはすべて先行投資の一環として捉え、業績拡大に向けて利益を適切に投資した結果であると理解しています。
3つ目は、パートナー向けファンドの金額および再現性についてです。こちらはこれまでも継続的に発生しており、今後も同様の認識です。ただし、金額・時期・期間については先方の都合などにも左右されるため、現時点で確定的な見通しをお伝えすることは難しい状況です。
そのため、ファンドに依存しない事業の実態をご覧いただけるよう、先ほどもご案内した米ドルベースの利用料やアカウント数などの資料を積極的かつ継続的に開示し、みなさまの投資判断の材料をご提供したいと考えています。
4つ目は、通期連結業績予想の修正についてです。上期の営業利益が9億2,400万円であるのに対し、逆算すると下期が7億4,100万円となり、なにか下期に懸念があるのかとの疑問が生じるかと思います。
これについては、利益面において期末に計上を見込む一時的な費用がある点、上期に入社した人員の人件費が下期に発生する点、さらにアカウント獲得を優先する方針のもと、さまざまな戦略価格を提案している点などが影響しています。
これらを総合すると、上期比では減益予想となっていますが、一方で売上高は引き続き成長すると考えています。そのため、事業の成長が鈍化したということではなく、コストがテールヘビーとなっている影響だとご理解いただければと思います。
グループ人員数推移と採用進捗

ここからは補足資料をお示しします。
スライドのチャートから、採用も順調に進捗していることをご理解いただけると思います。また、資格保有者も多数在籍しており、国内トップクラスのAWSや「Google Cloud」の専門家が揃っている状況です。
【再掲】生成AI活用による採用戦略の変化

こちらは、生成AIの活用によってどのように利益を実現していくかを示したチャートです。
従来の事業構造は労働集約的な性質があり、採用によって人件費が増加し、それに伴い事業が成長していく計画でした。しかし現在は、生成AIの登場によって、採用計画を緩やかにしてもビジネスが成立すると確認されています。
一方で、生成AIは安価ではなく、利用には費用がかかります。チャートの「トークン」と書かれている部分がそれに該当します。この費用差を表しているのが、チャート内のオレンジ色の部分です。
生成AIによる利益創出についてご説明します。生成AIは全社で本格的な展開を今期から開始したばかりであり、そのためコストが先行しています。ただし、採用計画の適正化と生成AIを適正に活用することで、2年後、3年後には確実に利益を創出できるよう進める計画です。
このプランは、生成AIによって事業が急激に変わるのではなく、2年から3年の時間をかけて着実に利益を実現していくものです。このようにご理解いただければ幸いです。
IR活動状況

IR活動についても、今期から非常に力を入れています。専門のスタッフを配置し、個人投資家向けイベントへの露出を増やしています。これらの活動が奏功し、取引高が増加し、結果として株価も少しずつ上昇基調にあると考えています。
もちろん、事業の業績が最優先であると理解していますが、これらを広く投資家のみなさまにご理解いただけるIR活動も同様に重要であると考えています。今後もこのような活動にしっかりと注力することで、当社を知っていただき、株価の向上につなげていきたいと考えています。
私からのご説明は以上です。ご清聴、ありがとうございました。
質疑応答:中期経営計画の上方修正見込みについて
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