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株式会社ココナラ(4176)

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2026年8月期 通期決算説明会

鈴木歩氏(以下、鈴木):代表取締役社長CEOの鈴木です。本日は2026年8月期通期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

はじめに、先週金曜日に発生した情報漏洩についてご報告します。本件への対応はすでに完了しており、今後はさらなる情報セキュリティの高度化に取り組んでいきます。

被害に遭われたユーザーのみなさまには、心よりお詫び申し上げます。また、株主のみなさまをはじめとするステークホルダーのみなさまにもご心配をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。

再発防止に万全を期すとともに、全社で情報セキュリティへの意識を一層高め、すべての方に安心してご利用いただけるプラットフォームを目指していきます。

2026年8⽉期通期決算ハイライト

本題に入る前に、通期の決算ハイライトをお伝えします。売上高は100億円を突破し、売上総利益、EBITDAとあわせて過去最高を更新しました。

AIの普及によりマーケットプレイスセグメントの成長が停滞する中、エージェントセグメントが売上高・売上総利益の増加に大きく寄与し、全社業績を牽引しました。

Contents

本日は4つのパートに分けてご説明します。1つ目はトピックスです。先週水曜日に発表させていただきましたAcrosstudio社のグループインと、本日発表したElith社との合弁会社設立についてお話しするとともに、AIによる事業環境の変化を捉え、新たな需要を成長につなげていくための戦略をご紹介します。

2つ目では業績報告とガイダンスについてお話しし、3つ目と4つ目では、ココナラの強みと成長方針について触れさせていただきます。よろしくお願いします。

カンパニー制への移行と AIカンパニーの新設

それでは、トピックスとして、カンパニー制への移行からお話しします。

今回、ココナラは事業本部制からカンパニー制に移行します。狙いは、意思決定のスピードを高めることです。これまでは事業本部制のもとでガバナンスを徹底してきましたが、今後はそのガバナンスを維持しつつ、戦略の立案と実行の権限を各カンパニーのCEOに大きく委譲します。変化の激しい市場環境において、他社を上回る成長を実現できる体制を構築していきます。

カンパニーは3つです。1つ目のマーケットプレイスカンパニーは、祖業の「ココナラスキルマーケット」を中心に約14年間事業を展開してきた、EC型のオンラインマッチングです。必要なプロ人材が即座に見つかる、単発の役務を担います。

2つ目のエージェントカンパニーは、数年前から進出した領域で、当社の営業担当が間に入り、ココナラが契約主体となるモデルです。継続的な役務を、中小企業からエンタープライズまで幅広く担います。

そして3つ目が、今回新設するAIカンパニーです。AIの導入から業務の請負までを担う第3の柱としていきます。AI領域への本格参入に向けて、Acrosstudio社のグループインとElith社との合弁会社設立を決定しました。これにより、AI分野でのプレゼンスを一気に確立していきたいと考えています。

AIカンパニーの提供価値

AIカンパニーの提供価値についてお話しします。

AIカンパニーは、案件獲得を起点に、AIコンサルティング、AI開発・導入支援、AI SaaS、AI BPOの5つの工程で、顧客の課題解決から業務の請負までを担います。それぞれの工程で力を発揮するのが、ココナラがこれまで築いてきたアセットです。

入口となる案件獲得では、ココナラが有する62万超の法人顧客と、「みずほココナラ」を通じてみずほ銀行が持つ数十万の法人口座に、AIソリューションをご案内していきます。AI需要が高まる今、この機会を確実に捉え、見込み顧客の獲得と案件化を進めます。

AIコンサルティングでは、顧客の課題を整理し、AIを用いて効率と品質を高める提案を行います。ここでは、正社員のコンサルタントに加えて、150万人超の人材データベースから業界・職種の専門家を活用します。

AI開発・導入支援では、エンジニアが顧客の現場に入り、実務に適したかたちでAIを開発し導入します。AI SaaSでは、職種や業務の特性に合わせたAIエージェントを作成し、汎用的に展開します。いずれも、マーケットプレイスで磨いてきたAI・プロダクト開発力を活かします。

そしてAI BPOでは、AIで業務を自動化し、成果報酬型で請け負います。AIで補いきれない部分は、社内の人材と150万人超のプロ人材が仕上げます。

顧客基盤、人材基盤、開発力という既存のアセットがあるからこそ、AIカンパニーは立ち上げ初期から競争力を発揮できると考えています。

これらのソリューションを、スピードと品質を両立させながら数多くの企業に届けていくためには、5つの工程に共通する土台となる仕組みが欠かせません。それが、エージェント開発基盤、データ基盤、セキュリティ基盤、評価・運用基盤の4つのAI基盤です。

AIエージェントを企業ごとに一から開発していては、案件が増えるほど工数が膨らみます。そこで、共通部分を汎用化したAIエージェント開発基盤により、開発のスピードを高めます。

次に、AIが成果を出せるかどうかは、データの質に大きく左右されます。データ基盤によって企業のデータをAIが理解しやすい構造に整え、企業にとって重要な資産として蓄積できるようにします。

さらに、多くの従業員が多様な情報をAIに入力するようになるほど、情報漏洩や外部からの攻撃のリスクは高まります。セキュリティ基盤は、こうしたリスクから企業を守るものです。

そして、導入したAIが期待どおりの品質で動き続けているかを評価し、運用を管理する評価・運用基盤を加えます。この4つの基盤を整備することで、企業が安心してAIを使い続けられる環境を提供していきます。

詳しくは後半の成長方針でご説明します。次に、今回の2社との提携の狙いをお話しします。

垂直立ち上げに向けた、Acrosstudio社のグループインと、Elith社との合弁会社設立

ココナラは、案件獲得の入口を担い、AIで補いきれない部分をプロ人材で補完する力を備えています。一方で、コンサルティングやAI開発といった中核となるケイパビリティは、一部を有しているものの、事業の垂直立ち上げには十分ではありませんでした。

そこで、AI実装力に強みを持ち、その裏付けとしてここ数年で売上高を一気に2桁億円規模まで伸ばしてきたAcrosstudio社をグループに迎え、AIカンパニーの立ち上げを初期段階から加速させます。

加えて、4つのAI基盤のうちセキュリティ基盤と評価・運用基盤を担うため、AIセキュリティに世界的な強みを持つElith社と合弁会社を設立します。これにより、企業のAI活用の構想づくりから、開発、業務の完遂、安全な運用までを、ココナラグループで一手に提供できる体制が整います。

Acrosstudio社(AIコンサル‧AI開発に強み)について

ここからは、2社についてさらに詳しくご紹介します。まずAcrosstudio社は、AI活用の上流設計から現場への定着までを一体で担う、「AI実装型」のコンサルティングファームです。

ここ数年の急成長を支えているのが、人材の厚みです。大手コンサルティング会社やグローバルなプロダクトプラットフォーム会社など、名だたる企業の出身者が多数在籍しており、正社員63名のうちコンサルタントとAIエンジニアが7割を超えます。戦略を描くだけでなく、開発・実行支援まで自ら担えることが同社の強みです。

こうした実行力が評価され、2桁億円の売上高の多くは、エンタープライズ企業の案件支援によるものとなっています。

今後はココナラの顧客をご紹介することで、この強みをさらに多くの企業に届け、一段と成長を加速させていきます。

Elith社(AIセキュリティに強み)について

続いてElith社です。同社はAIセーフティ・セキュリティ領域で世界トップ水準の技術力を持つ、松尾研発スタートアップです。

その技術力は、客観的な実績にも表れています。AIエージェントセキュリティの国際大会では4,186チーム中4位を獲得しており、一流のエンジニアが多数在籍しています。また、東京大学の松尾豊教授をはじめとする著名な方々が顧問として名を連ね、堅固な支援体制を得ています。さらに、AIに関する初のマネジメントシステム規格である国際規格の認証も取得しており、極めて安全性の高い運営体制を整えています。

今回設立する合弁会社は、当社が過半を出資する子会社となり、社長は私が務める予定です。具体的なプロダクトは現時点では決まっていませんが、Elith社の技術力と当社のアセットを掛け合わせ、ココナラとElith社のオリジナルプロダクトを開発し、市場に提供していきます。

また、Acrosstudio社とともにAIコンサルティングやAI開発を提案する際には、Elith社と共同開発したプロダクトをセキュリティ基盤として活用します。顧客のみなさまに安心感を提供し、全社の強みを結集して事業を拡大していく構想です。

ココナラは、AIが浸透するほど成⻑する会社へ

こうした一連の取り組みを通じて目指すのは、AIが浸透するほど成長する会社へと生まれ変わることです。

ここ数年、ココナラは、生成AIやAIエージェントが浸透するほどマーケットプレイスの低単価取引が減少するという課題を抱えてきました。AIが浸透しないことを願うのではなく、浸透が進むほど業績を伸ばせる会社になる。今回の取り組みにより、こうした構造からの脱却を一気に図ります。

AIの浸透は、事業環境にさまざまな変化をもたらします。そこで生まれる新たな需要を、3つのカンパニーが「AI」と「人」による役務提供で受け止めていきます。

まずマーケットプレイスカンパニーでは、AI関連の頼める仕事が増え、AI関連サービスの出品数は前年比284パーセントと大きく伸びています。こうした新しい依頼を確実に受け止められるよう、体制をさらに強化します。

続いてエージェントカンパニーです。生産年齢人口の減少が続く中、社内の人手だけでは業務が回らない企業が増えています。人にしかできない仕事を担う人材も、AIを使いこなせる専門人材も、社外に求める動きが広がっています。こうした需要に対し、AIの専門性を持つプロ人材を含め、最適な人材を的確にご紹介していきます。

そして、その中心となるのがAIカンパニーです。企業の生成AI利用率は高まっていますが、自社だけでは導入を実現しきれない企業が少なくありません。今後10年程度でAIが一気に広がる中、こうした企業の需要を余すことなく取り込む体制を、今回の取り組みによって構築できたと考えています。

2026年8⽉期第4四半期決算概要

続いて、業績報告です。全体の連結業績、マーケットプレイス、エージェントの順にお話しし、最後に2027年8月期の通期連結業績予想をお伝えします。

FY2026通期は、エージェントが想定を下回ったことで売上高のみ未達となりましたが、利益指標はすべてガイダンスを上回りました。

通期業績推移

通期業績の推移についてです。売上高は前期比プラス9.6パーセント、EBITDAはプラス27.1パーセントと大きく伸長しました。

四半期売上⾼推移

四半期では、第4四半期の売上高が前年同期比プラス13.8パーセントの26.7億円と過去最高を更新し、成長が加速しています。

四半期売上総利益推移

売上総利益は前年同期比プラス6.1パーセントの16.5億円です。

四半期EBITDA推移

EBITDAは前年同期比プラス130.0パーセントの1.6億円と大幅に増加しましたが、前四半期比では若干減少しました。営業利益以下の各利益はすべてガイダンスを達成しています。第3四半期終了時点で利益が計画を大きく上回る見通しとなったため、FY2027以降の成長を見据えた一時的なコストコントロールを行い、マーケティング・セールス投資に注力したことが、前四半期比で減少した要因です。

これは第4四半期に限った一過性の投資であり、FY2027以降に継続するものではありません。

四半期売上原価+営業費用推移

売上原価と営業費用については、エージェントの成長に伴い売上原価が増加する一方、人件費・業務委託費の抑制により、費用全体の売上高比は前年同期から約3ポイント改善しました。

マーケットプレイス通期業績推移

ここからはセグメント別にご説明します。まずマーケットプレイスセグメントです。FY2026は、AIの影響で低単価の取引が減り、購入ユニークユーザー数が減少したことで成長が鈍化しましたが、売上高は前期比プラス1.0パーセントの56.7億円となりました。

なお、今回からセグメント別業績の区分を変更しています。これまで、「ココナラアシスト」の案件のうち「ココナラ募集」の仕組みを使って取引されたものは、マーケットプレイスセグメントに計上していました。

今回からは、「ココナラ募集」等の仕組みを使っていても、入口が「ココナラアシスト」であればエージェントセグメントに計上し、過去の期も同じ区分に組み替えて表示しています。今後もこのルールで運用する予定です。

マーケットプレイス四半期流通総額推移

第4四半期の流通総額は前年同期比マイナス8.5パーセントとなった一方、テイクレートは上昇しました。低単価の制作領域が縮小する中、テイクレートが50パーセント近い「電話相談サービス」は減少しておらず、その構成比が高まったことが要因です。

マーケットプレイス四半期売上⾼‧セグメント利益推移

第4四半期の売上高は前年同期比マイナス1.9パーセントの14.0億円です。テイクレートの上昇により、流通総額ほどは減少していません。

セグメント利益が減少しているのは、先ほどお話しした一過性のマーケティング投資を、主にマーケットプレイスで行ったためです。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期KPI推移

主要KPIでは、会員登録数が620万人、出品サービス数が114万件、スキル登録者数が150万人をそれぞれ超え、順調に伸びています。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期KPI推移

購入ユニークユーザー数は前年同期比で減少しました。利用者数の多い低単価の取引が減ったことが主因です。一方、1人当たりの購入額は増加しています。

マーケットプレイス(法律相談)四半期KPI推移

続いて、マーケットプレイスセグメントのうち法律相談についてです。堅調に推移しており、有料登録弁護士数の増加と、特にARPUの上昇が売上成長を牽引しています。

エージェント通期業績推移

次に、エージェントセグメントです。非常に力強く成長しており、売上高は前期比プラス22.4パーセントと過去最高を更新しました。

セグメント損失も前期のマイナス3億6,000万円から大幅に改善し、通期での黒字化が視野に入ってきました。

エージェント四半期業績推移

エージェントセグメントの四半期業績推移についてです。前年の第4四半期は低調でしたが、そこから38.2パーセント増と大きく成長しています。

セグメント利益が前四半期比で若干減少したのは、第4四半期の一過性の投資によるものです。

エージェントKPI推移

KPIでは、セールス組織による案件獲得が好調で、クライアント数、稼働者数ともに大きく増加しています。

2027年8月期 通期連結業績予想

2027年8月期の通期連結業績予想です。売上高は前期比プラス26パーセント、EBITDA以下の各利益はおおむねプラス20パーセントから26パーセントと、大きな伸びを見込んでいます。

この後の成長方針でもご説明しますが、ココナラが保有する顧客データベースや人材データベース、プロダクト開発力を活用し、新設するAIカンパニーを含めた3つのカンパニー間のシナジーを創出しながら、大きな成長を目指します。

この計画をどのように実現していくのかについて、ここからはココナラの強み、そして成長方針の順にご説明します。

Vision/Mission/Growth Strategy

まずはココナラの強みについてです。ビジョン、ミッション、グロースストラテジーはこれまでと変えず、最終的に「すべてが揃うサービスプラットフォーム」を確立していきたいと考えています。

ココナラ経済圏

「ココナラ経済圏」では、マーケットプレイスカンパニー、エージェントカンパニーに加え、今期立ち上げるAIカンパニーを第3の柱に育てます。

また、これら3つのカンパニーすべてに見込み顧客を創出し、新たな価値を生み出す機能として、「みずほココナラ」があります。第3四半期決算でもお話ししたとおり、「みずほココナラ」の契約形態を紹介から媒介へと変更し、ココナラへの送客をより強力に進める仕組みを構築しています。

これら3つのカンパニーと「みずほココナラ」に、新たにグループに加わる企業や合弁会社を掛け合わせ、グループの総合力で大きな成長を目指します。

すべてが揃うプラットフォーム

ココナラはこれまでもこれからも、「すべてが揃うプラットフォーム」を目指していきます。プライベートでもビジネスでも、個人でも法人でも、仕事の依頼が生まれる場所すべてにココナラがいる。そうした他に類を見ない状態をつくり、価値を提供し続ける会社でありたいと考えています。

その姿は、3つの広がりによって実現しつつあります。1つ目は提供する領域です。プライベートからビジネスまで、あらゆるカテゴリや職種を網羅している点で、ココナラは唯一無二の存在だと考えています。2つ目はマッチングの形態で、創業以来のマーケットプレイス型に加え、エージェント型を備えています。3つ目は利用者の幅で、発注者・受注者ともに、個人から法人まで幅広い方々にご利用いただいています。

ココナラのアセット

ココナラのアセットは、人材データベース、顧客データベース、AI・プロダクト開発力の3つです。順にご説明します。

アセット① 人材データベース

1つ目の人材データベースでは、スキル登録者数が150万人を超えました。サービスカテゴリは現在771ありますが、カテゴリの刷新を準備しており、今後一気に1,000種類近くまで拡大する予定です。

アセット② 顧客データベース

2つ目の顧客データベースでは、TVCMなどの取り組みにより、会員登録数は620万人、法人は62万を超えています。東証プライム上場企業の約4割にもご利用いただいています。

加えて、「みずほココナラ」を通じて、みずほ銀行の数十万を超える法人口座に圧倒的なリーチを実現していきます。前回も少し触れましたが、来年をめどに、みずほ銀行で法人口座を開設された際にココナラのアカウントが自動で連携・作成される仕組みについて、みずほ銀行とともに開発・導入の準備を進めています。

さらに、マーケティング・セールスの面では、高い知名度による流入に加え、エージェントとAIカンパニーで大手企業の新規顧客を横断的に獲得するチームを活用し、顧客データベースを拡充していきます。

アセット③ AI‧プロダクト開発力

3つ目はAI・プロダクト開発力です。マーケットプレイスを祖業とするココナラには、もともと営業部門がなく、プロダクトとマーケティングの力で利用者を増やしてきました。

そのため、優秀なエンジニアと、ともに開発するデザイナーやPM(プロダクトマネージャー)が多く在籍していることが強みです。

一般的なコンサルティング会社に比べてエンジニアが多いことを強みに、AIの開発・導入に加え、AI SaaSやその先のAI BPO(AIを活用した業務の外部受託)でも価値を提供していきます。

現在地と今後

続いて、成長方針についてお話しします。

これまでは、マーケットプレイスにエージェントのビジネスモデルを加え、「ココナラ経済圏」を構築してきました。これからはAIカンパニーを立ち上げ、AIを用いて顧客の課題を解決し、最終的には業務プロセス全体を請け負うことで成果に対して報酬をいただきながら成長していく会社を目指しています。

現在、ココナラは売上高100億円、取扱高200億円を超える規模です。将来的には取扱高を50倍の1兆円規模に伸ばし、日本中のあらゆる方に当たり前にご利用いただける「すべてが揃うサービスプラットフォーム」へと進化していきたいと考えています。

環境変化と今後の成⻑機会

環境変化と今後の成長についてです。私たちを取り巻く環境の変化は、いずれもココナラにとって成長の機会になると考えています。

1つ目は人手不足です。冒頭でもお話ししましたが、生産年齢人口が減少していく中で、ココナラが保有するプロ人材データベースは、必ずみなさまのお役に立つと考えています。

2つ目はAIの普及です。普及に合わせてプロダクトにAIを適用し、マッチングの質と効率を高めます。そして3つ目はAI需要そのものです。これを事業機会とするAIカンパニーを起点に、さらなる成長を目指します。

ターゲット市場

ターゲット市場は、継続取引や大企業の領域まで広げた約37兆円規模のTAMに、AIコンサルティング・開発・BPOの市場を加えた領域です。

4つの成⻑方針

成長方針は、既存事業をAIで進化させ、AIそのものを事業にし、M&Aで非連続な成長を加えることです。マーケットプレイスカンパニーでは3つ、エージェントカンパニーとAIカンパニーではそれぞれ4つの方針に取り組みます。

マーケットプレイス⽅針|全体像

マーケットプレイスでは、人にしかできない分野を広げつつ、AIと人を組み合わせることで、流入を拡大していきます。

1つ目の方針は、対面・物品カテゴリの大幅拡充です。AIの影響で低単価の取引が減る一方、対面や物品のカテゴリは大きく伸びており、ここを重点的に強化します。あわせて、占い、オンラインレッスン、相談など、人にしかできない分野もさらに広げます。

2つ目はAIでマッチングと役務提供を強化し、UX(ユーザーエクスペリエンス)を高めること、3つ目は市場規模の大きい法人利用と集客の強化です。

さらにその先の領域として、アメリカでは複数のプラットフォームが手がけている継続案件の取引や、海外からの依頼の取り込みにも順次取り組んでいきます。

マーケットプレイス方針|対面‧物品カテゴリの大幅拡充

1つ目の、対面・物品カテゴリの大幅拡充についてです。AIに代替されにくい領域では、ハンドメイドのオーダー制作、家電・愛用品の修理、出張撮影の取扱高が、昨年比でプラス50パーセントから70パーセント近い成長を達成しました。出張撮影に続き、ハウスクリーニングや買い物などの対面サービスも含め、カテゴリの新設や拡張を進めます。

あわせて、対面・物品カテゴリをより買いやすくする機能開発も進めます。

マーケットプレイス方針|AI でマッチング‧役務提供を強化

2つ目の、AIによるマッチングと役務提供の強化では、依頼の整理から相手探し、出品者の提案と納品までをAIが支え、誰もが迷わず頼めるようにします。

まず、発注者が頼む前の段階です。「何をどう頼めばよいかわからない」という方でも、AIに聞くだけで使い方がわかり、最初の一歩を踏み出せるようにします。次に検索の場面では、AIとデータテクノロジーで、最適なサービスや人材に早く出会えるようにします。そして出品者が提案や納品をする場面でも、出品ページや提案の作成、納品をAIで支援します。

昨年度は「ココナラ for ChatGPT」や発注AIアシスタントなど多くのAI関連機能をリリースし、一部では成果の兆しも見えています。この知見を今期も活かしていきます。

マーケットプレイス方針|法人利用と集客の強化

3つ目は、法人利用と集客の強化です。まず法人利用については、2020年頃にリリースし現在はココナラに統合している「ココナラビジネス」に、請求書払いや権限設定など、法人のお客さまに使いやすい機能が多数備わっています。

これまでは十分にご案内できていなかったため、今後は機能を磨き、法人のお客さまに積極的にご案内します。「みずほココナラ」を活用した法人開拓も進めます。

次に集客の強化では、AIとの会話からの依頼、検索、出品者経由、紹介といった流入経路ごとの施策を一つずつ着実に実行し、利用者の拡大につなげます。特に近年は、AI経由でのココナラへの流入が大幅に増加しています。従来のSEO対策に加え、AI検索への最適化にも取り組みます。

エージェント方針|4つの取り組み

エージェントでは、4つの方針に取り組みます。4つのサービスで現場から経営までの課題に応え、法人の獲得を強めるとともに、AIでマッチングの精度とオペレーションの効率を高めていきます。

エージェント方針|4つのサービスのラインナップ

1つ目は、「テック」「アシスト・プロ」「コンサル」などのサービスラインナップで、経営から現場まであらゆる課題を解決することです。

経営レベルで課題を把握し、必要に応じてAIカンパニーも加わりながら、事業部や現場までココナラの総合力で解決していきます。

エージェント方針|法人と人材のデータベースの強み

こうしたラインナップの中でも、足元では「ココナラアシスト」が特に伸びています。62万超の法人データベースから案件をつくり、150万人超の人材データベースから最短3日で人材をご紹介します。場所を問わず、人材コストを変動費化しながら、必要な専門性を持つ人材をご提供できる点が強みです。

エージェント方針|提供事例

こうした強みが評価され、大手企業から地方の老舗企業まで導入企業が増えており、さらに成長を加速させます。

エージェント方針|法人の獲得とマッチングの精度

2つ目は法人獲得の強化です。62万超の法人と「みずほココナラ」からの紹介に加え、「アシスト・プロ」や「コンサル」の間でのクロスセル・アップセルを進め、今後はAIカンパニーとのトータルソリューションの提供も加速させます。

3つ目は、マーケットプレイスと同様に、AIでマッチングの精度とスピードを高めることです。AX(AIを活用した業務変革)を積極的に進めます。

エージェント方針|AIでオペレーションを効率化する

4つ目はオペレーションの効率化です。労働集約になりやすいエージェントの各プロセスを細分化し、AIやツールで対応できる作業はすべて効率化して、営業担当が提案と人材の見極めに時間を使えるようにします。

AI方針|AIカンパニーが行うこと

AIカンパニーでは、AIの使い道を決める段階から業務を任せる段階まで、グループの専門家と共通の基盤で一気通貫に引き受けます。

まずAIコンサルティングでクライアントの課題を整理し、AIを組み込んだ解決方法を提案します。続くAI導入の段階では、研修や導入支援、組み込みに必要な開発までをフルパッケージで提供します。

一方、AIコンサルティングとAI開発・導入支援は、個社ごとの課題に合わせて価値を提供するものであり、より多くの企業に届けるには別のかたちも必要です。そこで今後は、特定の業界や職種、業務に特化した、より導入しやすい価格のAIエージェントをSaaSとして提供していきます。

そしてその先のAI BPOでは、AIで業務を自動化し、人でなければ対応できない部分を社内オペレーターと150万人超のプロ人材が仕上げます。これらを、上流設計から定着までを担うAcrosstudio社と、セキュリティと評価・運用の基盤を担うElith社との合弁会社とともに推進していきます。

AI方針|事業ごとのターゲットと提供価値

4つの事業はそれぞれターゲットが異なります。AIコンサルティングはAI活用の優先順位を決めたい企業、AI開発・導入支援は自社専用のAIをつくりたい企業、AI SaaSは効果の出たAIをすぐ使いたい部門、AI BPOは業務を成果ごと任せたい企業です。まずAIコンサルティングとAI開発・導入支援で事例を蓄積し、そのナレッジをAI SaaSに展開します。

最終的には、AI BPOで成果に応じた報酬をいただくかたちを目指します。

AI方針|ココナラが選ばれる理由

AIコンサルティングやAI開発が注目される中で、ココナラが選ばれる理由をご説明します。それは、人材・顧客の基盤とプロダクト・AI開発力が、工程ごとにほかの会社にない強みになる点です。

案件獲得では、既存の法人アカウントと「みずほココナラ」を活用します。AIコンサルティングでは、ニッチな業界の特定のプロセスを最適化しようとすると、一般には必要な専門人材を社内にそろえることが容易ではありません。

ココナラでは、正社員のコンサルタントやFDE(顧客の現場に入るエンジニア)に加え、150万人超のプロ人材から案件に合う専門家をアサインでき、他社にはないきめ細やかな提案ができます。

AI開発・導入支援とAI SaaSでは、マーケットプレイスで培ってきた開発力とプロダクト企画力を活かし、垂直立ち上げを目指します。

そしてAI BPOでは、すべてをAIで置き換えるのはまだ難しく、最後に人が関与することで品質を担保できるケースが多いと考えています。AIによる自動化と、変動費で活用できるココナラのプロ人材を組み合わせて価値を提供します。

さらに、導入する企業が増えるほど手順と評価の基準が蓄積され、次の企業でのAI導入に活かせます。この循環によって、AIカンパニーの競争力を一段と高めていきます。

AI方針|Elith社との合弁会社で、セキュリティに強いAIコンサル‧開発カンパニーへ

これらすべての事業を支えるのがセキュリティです。企業がAIの導入で不安に感じる「情報漏洩」と「AIの誤り」に対し、Elith社との合弁会社が世界トップ水準の対策を各事業に標準で組み込みます。

実行力を持つAcrosstudio社と、セキュリティ基盤に強いElith社との合弁会社が協力し、安心して任せられるAIコンサルティング・AI開発の会社として、あらゆる需要が集まる存在を目指します。

M&Aと投資方針

最後にM&Aと投資方針です。今回発表したとおり、これまでの延長線上ではない成長を実現するため、AI領域の事業機会への投資を積極的に進めます。

一方で、既存サービスであるマーケットプレイスやエージェントを含め、当社が取り組んでいる事業とシナジーがあり、深化・強化につながる企業とのご縁があれば、引き続き検討を進めたいと考えています。

投資基準はこれまでと変わらず、アセットとの相性、買収先単独の収益性、のれん償却後の営業黒字を重視し、規律を持って投資を進めます。

ココナラのグループに入る価値

ココナラグループに加わる価値は、上場企業としての信頼と資本力、経営の自主性、顧客・人材・AI基盤の共有です。今回のAcrosstudio社とElith社にも数多くの企業から引き合いがありましたが、これらの点がココナラを選んでいただく大きな決め手になったと考えています。

今後もこの魅力を訴求し、より多くの企業とのご縁につなげていきます。

通期決算の説明は以上となります。

質疑応答:Acrosstudio社の業績予想と連結開始について

国原啓司氏(以下、国原):専門役員の国原です。質疑応答を進行します。「2027年8月期の業績予想には、Acrosstudio社の連結影響をどのように織り込んでいますか?」というご質問です。

こちらは私から回答します。今回、Acrosstudio社の業績予想の個別数値は開示していませんので、説明できる範囲でお話しします。Acrosstudio社は急成長を続けている企業で、今後、当社のAIカンパニーの中核を担います。

連結開始は11月1日で、第1四半期は1ヶ月分を取り込む予定です。業績予想には、これまでの成長実績を参考にしつつ、現在のパイプラインや投資計画を踏まえた数値を反映しています。

営業利益については、のれん償却後も営業黒字とすることを当社のM&Aの方針としており、今回もその方針に沿った数字を織り込んでいます。

質疑応答:株主還元についての考え方について

国原:「株主還元についての考え方を教えてください」というご質問です。

こちらも私から回答します。FY2026までは株主還元を実施せず、成長投資やM&Aを含めた方針を検討していました。

FY2027以降は、成長投資、M&A、株主還元を同列に検討しており、適切な時期と方法を判断したうえで開示する予定です。

質疑応答:AIカンパニーの成長戦略について

国原:「新設したAIカンパニーはどの程度の規模を目指し、いつ頃から業績に寄与しますか?」というご質問です。

鈴木:今回グループに加わるAcrosstudio社は、先期の時点で2桁億円の売上高を達成しており、現在も著しい成長を続けています。ココナラとのシナジーも存分に発揮できると考えており、同社もその点を評価したうえで、グループ入りを決めていただいたものと受け止めています。

ココナラの顧客のご紹介、同社だけでは対応しきれない部分へのプロ人材の活用、さらにAI SaaSやAI BPOでのココナラのエンジニアやアセットの活用により、できるだけ早く、全カンパニーの中で最も売上の大きいカンパニーにしたいと考えています。

なお、各カンパニーは共通のアセットを活用して協力し合いますが、それぞれが圧倒的な一番を目指し、隣のカンパニーを驚かせる成長を遂げることをコンセプトにカンパニー制を運営しています。いずれのカンパニーにも、全力での成長を求めていきます。

特に、AIカンパニーについては、初年度から圧倒的なスピードで成長させる目標に向けて、緻密に戦略を練っています。ココナラが取り組むべきAI領域で不足するケイパビリティを、他社との連携によって迅速に補う設計としていますので、その成果にぜひご期待ください。

また、AIコンサルティングやAI開発にとどまらず、AIセキュリティではElith社と合弁会社を設立するなど、展開を広げています。

他社にはないユニークな強みによって提案を差別化し、エンタープライズの需要に応えていきたいと考えています。

質疑応答:Elith社との提携とプロダクト開発の計画について

国原:「Elith社はどのような会社で、今後どのような取り組みをしていくか、あらためてご説明いただけますか?」というご質問です。

鈴木:Elith社は、AIセキュリティで世界有数の技術力を誇り、複数のプロダクト群を持つ会社です。

AIセキュリティや、AIを導入する企業向けの評価などを、プロダクトとして提供しています。

ココナラはAcrosstudio社と協力し、同社の既存顧客を含めて提案する際に、これらのプロダクトを顧客の課題に合わせてカスタマイズしたオリジナルプロダクトとして提供していきます。

本日は合弁会社の設立のみを発表しています。具体的なプロダクトと導入の進め方は、詳細が決まり次第お知らせします。

プロダクトは共同で開発し、市場に提供していきます。単独で提供するだけでなく、エンタープライズのみなさまにAIソリューションを提案する際の差別化要素として組み込んでいく考えです。

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