2026年3月期決算説明
QDレーザ、安定した経営基盤構築により増収増益を継続 視覚情報デバイス事業は構造転換により大幅な収益改善を実現
会社概要

大久保潔氏:本日はお時間をいただき、ありがとうございます。株式会社QDレーザ代表取締役社長の大久保です。資料に沿ってご説明します。
本日初めてご参加の方もいらっしゃると思い、会社概要などを資料の後ろに添付しています。そちらを簡単にご説明した後、本編に入りたいと考えています。よろしくお願いします。
スライドに記載のとおり、当社は富士通研究所からのスピンオフ企業として、2006年4月に設立された企業です。現在の従業員数は50名、所在地は本年度に移転して、現在は戸塚に2つの拠点を持つ体制となっています。
事業内容は、半導体レーザを開発・製造・販売するレーザデバイス事業と、そのレーザの応用製品を提供するレーザ・オプティカルソリューション事業を展開しています。昨年度までは視覚情報デバイス事業という名称でしたが、レーザ・オプティカルソリューション事業に組織名を変更しました。
製品拡大の道のり

製品拡大の道のりについて、創業以来どのような製品群で活動してきたかをスライドに概略で示しています。レーザデバイス事業では、量子ドットレーザ、DFBレーザ、高出力レーザ、小型可視レーザといった製品を、開発の順序に沿って製造・販売してきました。
レーザ・オプティカルソリューション事業は、ビジョンサポート、スマートグラス、光学ユニットという3つの分野で活動しています。
本日は、以上のような区分けに基づいてご説明します。よろしくお願いします。
2026年3月期 決算説明に際して

2026年3月期決算説明に際して、概要を示したスライドをご用意しています。
前期の活動の決算状況についてです。売上高は13億7,200万円で、前期比6,300万円の増加となりました。営業利益はマイナス3億2,600万円の損失でしたが、前期比で1億1,900万円の改善が見られました。増収増益傾向を継続し、期首に掲げた計画を上回る決算となりました。
レーザデバイス事業については後ほど詳しく触れますが、製品カテゴリによっては減収となったものもある一方で、全体的には増加を達成しています。
このレーザデバイス事業の売上推移については、期末の受注残高が過去最高水準に達していることから、顧客の製品ニーズに大きな変化があったわけではなく、発注時期がやや後ろ倒しとなった顧客がいた影響で、決算に若干のぶれが生じたものと考えています。引き続き成長トレンドはしっかりと維持されており、今後も順調な成長が続くと考えています。
視覚情報デバイス事業(現レーザ・オプティカルソリューション事業)では、前期を通じて、もともとB2C型事業を中心としていたものをB2B型へ移行することに注力した結果、大きく収益を改善することができました。
当社は、2024年11月に中期経営計画を公表しました。計画では、まず安定した経営基盤を構築し、その上で成長の追求の取り組みを進めることを掲げています。この方針に基づき活動を進めた結果、安定した経営基盤の構築について、足場が着実に固まってきていると考えています。
今期はすでに始まっていますが、2027年3月期の計画として、売上高を18億5,000万円、営業利益を300万円とし、小規模ながらまずはプラスを確保することを目指しています。
事業から得られるキャッシュフローを示す当社のEBITDAは、営業利益に減価償却費を加えたものを指しますが、これを1億1,400万円とする計画を立てています。これにより、創業以来初めて営業利益とEBITDAを黒字化することを目標としています。
2026年3月期 決算説明に際して

内訳についてです。レーザデバイス事業では、従来の営業および生産をさらに強化することで、着実な成長を図ります。また、大きな飛躍につながる量子ドットレーザについては、量産に向けた取り組みを加速していきます。
視覚情報デバイス事業に関しては、今年度からレーザ・オプティカルソリューション事業に名称を変更しました。開発受託などのB2B型事業をさらに推進し、安定した収益基盤の確立を目指します。
さらに、昨日公表したとおり、リスクをコントロールしつつ新しい網膜投影機器の取り組みも進めています。当社は今年設立20周年を迎えることから、この節目の年を意義あるものとするため、しっかりと利益を確保できるよう全社一丸となって取り組んでいます。
QDレーザ|2026年3月期 通期決算

業績のハイライトについてご説明します。2026年3月期の通期決算の内容です。売上高は13億7,200万円、営業利益はマイナス3億2,600万円ですが、前期比ではプラス1億1,900万円となっています。
今回からEBITDAの開示を行っており、前期の結果はマイナス2億3,200万円でしたが、こちらも前期と比較して1億1,800万円のプラスという結果になりました。
内訳として、レーザデバイス事業の売上高は11億7,300万円、営業利益は1億2,800万円となりました。営業利益については、積極的な開発などを含む予算計画を立て、遂行した中で、計画を上回る良い数字を達成しています。
成長に向けた取り組みとして、新規MBE装置の導入を決定したほか、台湾の大手研究機関である工業技術研究院(ITRI)と東京大学との共同研究を進めるなどを、着実に進めています。
視覚情報デバイス事業は、売上高が1億9,900万円、営業利益がマイナス1億3,500万円となっています。ただし、B2B型事業への構造転換が進んだ結果、このマイナス1億3,500万円は前期比で1億7,500万円の改善となっています。
成長に向けた取り組みとして、XRグラス向け光学ユニットの開発に取り組んでおり、開発受託もしっかり進めている状況です。
レーザデバイス(LD)事業部|安定した経営基盤の構築

レーザデバイス事業では、安定した経営基盤の構築を目指しています。当社の半導体レーザは産業用製品として、加工機や検査装置などで使用されています。一度お客さまに認定いただければ、お客さまの製品が売れるにつれて、当社の製品も売れるという仕組みになっています。
この業界では、途中で製品の置き換えが起こることはあまりないため、認定を確実に受けることが重要です。そして、お客さまが当社の製品を組み込んだ製品を着実に世の中に送り出し、それがどれだけ積み上がっていくかが非常に重要な要素となります。
認定製品の数を増やしていく方針の中で、前期末時点では認定製品が124製品に達しました。また、多岐にわたるお客さまが幅広い製品で当社製品を利用しています。
前期を振り返ると、大きなお客さまによる需要調整や在庫調整の影響を受けた製品もありましたが、他の製品がそれを補うという動きが見られました。
事業規模の拡大が経営の安定化につながる中で、このような顧客数や認定製品数の拡大が進行していることが、レーザデバイス事業の安定した経営基盤の構築につながっています。
レーザデバイス(LD)事業部|飛躍の追求

大きな成長やアップサイドの獲得を目指す飛躍の追求として、当社の非常にユニークな製品である量子ドットレーザの取り組みについてです。
スライドでご紹介しているとおり、量子ドットレーザをデータセンター向けの半導体光配線に利用してもらうための研究が進んでいます。半導体光配線については、光電融合といった表現を用いることもありますが、大きく2つの流れがあると考えています。
1つ目は、光ファイバー通信からくるものです。この光通信の技術は標準化されており、一般的に広く利用されています。光通信から進む光電融合は、データセンターにおいては、外部からセンター内部へと徐々に浸透し、従来は銅線で接続していた通信を光化する流れで進んでいます。
2つ目は、特にAIを活用するデータセンターで、計算スピードを維持するために、シリコンチップ、すなわち半導体チップ、例えばCPUやGPUの周辺を光化する流れが進んでいます。こちらをこのスライドで半導体光配線と表現しています。
当社の量子ドットレーザは、高温環境でも安定して動作するという特徴があります。一方で、長距離の通信は苦手で配線距離が短い場面で使用しやすいという特性を持っています。そのため、半導体光配線は量子ドットレーザと非常に親和性の高い分野となっています。
ここを狙いとして、スライドに記載のとおり、グローバルな大手半導体企業に対し、研究開発用途での量子ドットレーザを提供しています。誰もが知るような企業も含まれており、それらの企業と量子ドットレーザをどのように活用するかという対話を続けています。
この活用方法を突き詰めていくと、極めてシリコン半導体に近い領域での使用が進むことになります。
そのため、お客さまである半導体メーカーが、自社のシリコン半導体をどのように周辺と接続させるか、あるいはパッケージ内に複数のシリコンチップが収められた場合にシリコンチップ同士をどう接続するかといった点に関する開発が求められてきます。
当社としては、ご注文いただいた量子ドットレーザをウエハのかたちで提供するケースが多く見られます。お客さまがそれを基に、作りたい製品を細部まで作り込んでいくことで、お客さまと当社の双方でのすり合わせが進んでいます。
こちらが進んでいくことで、最終的には大規模な量産の受注が見込めると考え、対話を続けているのが現在の当社の取り組みです。
当然ながら競合も存在しており、まず量子ドットレーザ以外のレーザを使用する動きがあります。通信の分野では一般的に、別タイプのレーザが使用されているという大きな流れであり、これが競合技術の1つとして挙げられます。
また、量子ドットレーザを開発する企業は複数あり、このような競合企業との競争もあります。しかしながら、当社の量子ドットレーザ製品は非常に高い注目とご評価をいただいており、製品の強みをしっかりと打ち出しながら量産化に向けて取り組んでいきたいと考えています。
ただし、今年度の計画には量子ドットレーザの量産化を織り込んでいません。引き続き研究開発が主になりますが、将来に向けた重要な飛躍を追求するため、全力を注いで早期の量産化を目指して取り組んでいきたいと考えています。
視覚情報デバイス(VID)事業部|収益化に向けた事業構造転換

視覚情報デバイス事業部(現レーザ・オプティカルソリューション事業部)についてです。XRグラス等向け網膜投影ユニット、新規の網膜投影機器、光学ユニット、医療応用のカテゴリで活動しています。
視覚情報デバイス事業部(現レーザ・オプティカルソリューション事業部)はもともとB2C型で、消費者向けに網膜投影機器を販売することからスタートし、その活動に力を注いできました。しかし、昨年度からこれを大きくB2B型に移行する取り組みを進めています。
当社のB2Cで培った技術である網膜投影は、微弱なレーザ光を用いて眼に直接画像を投影するという、当社独自のディスプレイのテクノロジーです。
この技術をB2B型事業にしていく方向としては、そのまま技術として顧客に提供する場合もあれば、中の基礎技術を組み合わせて産業用途で活用できるユニットとして販売する場合もあります。これらの取り組みがB2B事業の核になると考えており、昨年度からこの活動への注力を続けてきました。
前期の決算内容から明らかなように、当社のB2B型の取り組みはお客さまのご理解を得て、売上が着実に立つ段階に至っています。今期はこれをさらに強化・加速させ、確実にこの組織の黒字化を目指していくことが取り組みの軸となっています。
QDレーザ|成長に向けた取組み

私たちは長らく川崎に拠点を構えていましたが、昨年度末から今年度初旬にかけて移転を行い、現在は戸塚に全社が完全に移転完了しています。スライド左側の写真にあるとおり、本社は専用の社屋を建て、賃貸ビルとしてレーザデバイス事業部と管理部門が入居しています。
スライド下段中央の写真には、戸塚駅近くの賃貸ビルが写っていますが、こちらにはレーザ・オプティカルソリューション事業部が入居しています。
スライド右側には、新しい本社内に導入した設備の1つが示されています。当社の生産はセミファブレス形式を採用していますが、売上が着実に伸びる中で、最低限必要な設備は自社で用意しており、キャパシティを上げるべく設備導入を進めています。
業績ハイライト

業績ハイライトとして、より詳細な業績についてご説明します。売上高について、レーザデバイス事業、視覚情報デバイス事業(現レーザ・オプティカルソリューション事業)、全社それぞれ前期比で5パーセント増、6パーセント増、5パーセント増の増収を達成しています。
業績ハイライト

スライドは、損益を示しています。
レーザデバイス事業では、前期比で減少となっていますが、期首計画の時点から前年と比較して多めの開発予算を計上していました。決算はこの計画を上回る結果となっており、当社としては収益が想定どおりに上がっていると評価しています。
視覚情報デバイス事業(現レーザ・オプティカルソリューション事業)では、前期比で収益が大きく改善しました。この貢献により、全社の営業損失が前期比で1億1,900万円改善しました。
業績ハイライト

より詳細な業績ハイライトについては、スライド右側の主要製品群別売上サマリーをご覧ください。各製品やセグメント別の数字が記載されています。
レーザデバイス事業部の取扱製品については、4つのカテゴリに分けて記載していますが、上位2つについては前期比で減少しています。この点については、先ほどご説明したとおりです。
顧客がかなり分散されているため、売上成長の安定性はある程度確保されていますが、大口のお客さまにおいては、在庫調整や受注関連の調整が影響することもあり、この2つのカテゴリはこの影響を受けました。
しかし、その分が今期に回ってきている部分もあり、今期は受注残が非常に大きく伸びています。
このことからレーザデバイス事業については、成長のトレンドは変わっておらず、しっかりと売上成長に向けて進展していると考えています。
視覚情報デバイス事業(現レーザ・オプティカルソリューション事業)については、開発受託に相当絞られたかたちになっていますが、前年を上回る収益を確保できています。
貸借対照表

貸借対照表についてです。移転に伴う資金の移動がありました。開示済みのとおり、設備導入で新しいMBE装置を購入したことに関連する借入などにより、貸借対照表は変化していますが、引き続き安定した堅牢な財務を維持できていると考えています。
キャッシュフロー

キャッシュフローについてです。先ほどの活動に関連して、資金の動きを示しています。スライド最下段には、EBITDAの数値を参考として記載しています。これまで開示していなかった数字ですが、前期比で1億円以上のEBITDAが改善しています。
受注状況

受注状況についてです。前年およびその前々年と比較すると、前期末時点で前期比54パーセント増の5億1,800万円の受注残高がありました。これは非常に大きな額で、過去最高水準です。
ただし、先ほどお話ししたとおり、お客さまの受注における変動部分として今期に回ったものが影響しているケースも含まれていると思いますが、引き続き大きな成長トレンドにあると考えています。
DFBレーザ:売上高

個別製品ごとの詳細についてです。DFBレーザについては、北米の加工用途において顧客の受注調整があったため、若干の減少が見られました。
なお、今後の顧客数の増加や顧客の使用用途の分散が進むことで、売上と成長はより安定的に推移すると考えています。売上が伸びていることは確実であり、徐々に大きな変動も減少していくだろうと考えています。
小型可視レーザ:売上高

小型可視レーザも同様です。中国(本社米国)の会社が比較的大口のお客さまであったため、在庫調整の影響が出ました。ただし、売上の分散が起きていることにより、影響は最低限に抑えられていると考えています。
高出力レーザ:売上高

高出力レーザは、スライドにあるとおり全領域で非常に好調です。これにより、DFBレーザや小型可視レーザの売上減少を十分にカバーしています。
量子ドットレーザ:売上高

量子ドットレーザについてです。研究開発用途で提供しているものですが、こちらも非常に順調に売上が伸びました。
このような取り組みが、全体の売上成長を支える活動になっています。
視覚情報デバイス(VID):売上高その他中期経営計画進捗

視覚情報デバイス事業(現レーザ・オプティカルソリューション事業)も、開発受託が中心ではあるものの、全体としてはBtoB型への大きなシフトが進んでいます。
昨日開示しましたが、当事業の祖業である網膜投影技術を使った機器であり、コンシューマー向けとなる網膜投影機器も引き続き展開していきます。ただし、むやみにリスクを取るのではなく、十分にビジネスリスクをコントロールしたかたちで進めます。
装着型の新しいタイプの網膜投影機器は、非常に高品質な製品です。これが完成し、いよいよローンチできる運びとなったことを昨日ご案内したものです。
QDレーザ|2027年3月期 事業計画

2027年3月期の事業計画についてです。売上高は18億5,000万円、営業利益は300万円の黒字、当期純利益は5,800万円の赤字となりますが、EBITDAは1億1,000万円の黒字を計画しています。
レーザデバイス事業部の売上高は14億1,000万円、営業利益は2億9,000万円の黒字です。レーザ・オプティカルソリューション事業部は、売上高は4億3,000万円、営業利益は300万円の黒字を計画しています。
安定した経営基盤の構築と、成長の追求すなわち飛躍の追求を両輪として事業を進めています。安定した経営基盤が着実にかたちとなり、成長も実現しているのが現在の当社の立ち位置です。
特に、レーザデバイス事業においては、安定した経営基盤の構築を継続することで収益の土台としての役割を果たしていきます。レーザ・オプティカルソリューション事業も同様で、組織名称の変更も、この点を意識したものです。
BtoB型事業を核とすることで、将来性や収益性が見えやすいビジネスモデルが中心となり、事業の先行きが非常にわかりやすくなってきています。BtoB型事業を当社事業の核として据えることで、組織全体として黒字化を目指す活動の進捗が見えやすくなっています。
前期においては、レーザ・オプティカルソリューション事業において、大きな収益改善を達成しました。このペースで収益を改善し続けることにより、黒字化を実現します。
さらに、今期の計画のように売上規模が一定の水準を確実に超えていくことで、EBITDAの黒字化をしっかりと実現できるものと考えています。
QDレーザ|2027年3月期 中期経営計画(2024/11策定)の進捗

スライドは、2024年11月に公表した中期経営計画との比較を示しています。計画では売上18億5,000万円を見込んでいますが、前回の中期経営計画より若干の売上減少を織り込んでいます。
今回の事業計画策定では、売上および収益について通常の事業計画のとおり精緻な分析を実施しています。その中で、製品や顧客について一定の保守的な想定を置かざるを得ない部分があり、その結果として数値に変動が生じています。
保守的な見方を導入した一因として、貿易摩擦に関する懸念なども含めています。いずれにせよ、個々の想定を積み上げ、確度を高めた計画となっており、この計画を進めて黒字化を実現したいと考えています。
大きなポイントは、スライド下部に記載のとおりです。
レーザデバイス事業は、収益の核として事業を安定成長させます。レーザ・オプティカルソリューション事業は、BtoB型事業を核として、収益を黒字化させます。
財務については、借入を行っていますが、健全な財務体制を維持しながら事業を拡大し、さらなる成長を目指します。
私からのご説明は以上です。
質疑応答:量子ドットレ
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