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中期経営計画 VISION2028

下田佳史氏(以下、下田):2026年2月期の決算に引き続き、今年度から3ヶ年の中期経営計画「VISION2028」についてご説明します。

はじめに、今回の中期経営計画を策定するに至った当社の問題意識を簡単にお話しします。国内の自転車新車市場は、漸減局面に入っており、この傾向は今後も続くと見ています。

前中期経営計画「VISION2025」では、新規出店やECの融合、OMO戦略、物流基盤、SPAの高度化といった経営基盤の確立など、一定の成果はありましたが、売上・利益ともに目標未達となりました。

私たちはその要因を、急激な事業環境の変化に加えて、新車販売と出店拡大を中心とした成長モデルからの転換が、十分ではなかった点にあると認識しています。

こうした反省を踏まえ、「VISION2028」では、成長の前提を、これまでの新規出店と新車を売ることで成長する会社から、国内に保有されている約6,000万台の自転車を起点にお客さまと長期的につながり、「サービスを軸」とした価値を生み続ける会社へと転換していきます。

店舗、EC、物流、修理、リユース、CRMといった当社の強みを一体化した「あさひビジネスプラットフォーム」を中核に、事業モデルの転換を進めていきます。

その結果として、「VISION2028」最終年度には、売上高968億円、営業利益85億円、ROE10パーセント以上を計画しています。

本日は、なぜこのモデルで成長できると考えているのか、どの戦略で実現するのか、その中身をご説明します。

INDEX

本日は、スライドの流れに沿ってご説明します。まず、事業環境と前中期経営計画の振り返りを行い、その上で「VISION2028」の全体像と成長戦略、財務資本戦略についてお話しします。

あさひの歩み

それではまず、あさひを取り巻く事業環境について整理します。本パートでは、自転車業界はどうなっているのか、その中で当社が何を前提に中期経営計画を立てたのかを共有します。後ほどご説明する「VISION2028」は、この環境認識を前提に設計しています。

当社は1949年に創業し、子ども向け玩具から始まり、1970年代に自転車専門店へと業態転換しました。その後、大型自転車専門店の展開、SPA体制の構築を通じて、「新車販売を軸に成長するモデル」を磨き上げてきました。

このモデルは、新車市場が拡大する局面では非常に有効でしたが、市場環境が変化する中では、成長の持続性という点で課題も見えてきました。

「VISION2028」は、この歴史の延長線上での「次の進化」と位置付け、事業構造自体を変えていく計画となっています。

あさひの経営理念体系

あさひの経営理念体系です。当社は一貫して、自転車を「売る」ことだけではなく、自転車のある生活そのものを支える存在でありたいと考えてきました。

「VISION2028」は、この理念をあらためて事業モデルに落とし込む計画です。単なるスローガンではなく、理念を「収益モデル」として実装していく点が、今回の中期経営計画の特徴です。

あさひを取り巻く事業環境

国内の自転車新車市場は、2010年代前半の約1,000万台をピークに減少し、現在は500万台を下回る水準まで縮小しています。この傾向は一時的なものではなく、人口構造や利用スタイルの変化を背景とした構造的な変化だと捉えています。

一方で、電動自転車比率の上昇に伴う1台あたりの販売単価の上昇や、アフターサービスの重要性は高まっています。

その中で、国民の自転車生活の安全・安心を支える個人店は、高齢化・後継者不足の影響により、この20年間で半減しています。当社のような専門店には、エッセンシャルワークとして、その安全性を担保していく社会的責任があると認識しています。

さらに、国や自治体による自転車活用推進政策、環境・健康、そして最近のエネルギー価格の高騰といった社会的要請を背景に、「自転車を長く、安全に使う」価値は、今後さらに高まると考えています。

「VISION2028」は、新車市場の縮小を前提にしながら、この社会的な追い風を成長機会として取り込むための計画です。

前中期経営計画「VISION2025」の振り返り

ここからは、前中期経営計画「VISION2025」の振り返りを行います。この振り返りは、単なる結果報告ではなく、「VISION2028」を策定する上での前提条件と、私たち自身の課題認識を共有するためのものです。

「VISION2025」では、人材育成、出店拡大、OMO戦略の推進、SPAバリューチェーンの構築などを進め、自転車事業のプラットフォーム基盤を整備してきました。

しかしながら、2025年度は厳しい事業環境の変化・影響もあり、売上高・営業利益ともに目標未達となりました。特に、新車販売市場が、計画時の想定以上に下振れしたことが大きな要因です。

この結果について、私たちは外部環境だけを理由にするつもりはありません。「VISION2025」では、人材育成、OMO、EC、CRMなどの取り組みを進めてきましたが、成長の軸足は依然として新車販売と出店拡大が中心でした。

そのため、市場環境が変化した際の収益構造の転換が十分ではありませんでした。これが、最大の課題であったと認識しています。

一方で、「VISION2025」を通じて、次の成長に向けた重要な基盤も整いました。EC化率の上昇やOMOの進展、CRM基盤の整備、人的投資、DXへの取り組みは、確実に蓄積されています。

次の「VISION2028」では、これらの基盤、すなわち「あさひビジネスプラットフォーム」を、「拡大」ではなく「収益化」につなげていきます。「VISION2025」で見えた限界と、そこで整えた基盤、その両方を踏まえ、成長の前提そのものを切り替えます。

中期経営計画 VISION2028の位置付け

次期中期経営計画「VISION2028」の全体像についてご説明します。このパートでは、個別施策の説明に入る前に、私たちがこの中期経営計画をどのような位置付けで捉えているのかをお伝えします。

スライドは、当社の中期経営計画を時間軸で整理したものです。「VISION2028」では、「新成長への挑戦」をテーマとして掲げ、「自転車事業2.5」とし、「あさひ事業構想3.0」への移行期と位置付けています。

これまでの成長は、多店舗展開や新車販売の拡大を軸としていました。一方で、この「VISION2028」では、これまで磨き上げてきた人間力、店舗力、商品力といった当社のカルチャーモデルや強みを駆使し、国内に保有されている約6,000万台の自転車にどう向き合うかを起点に、事業の設計そのものを変えていきます。

つまり、成長の「量」を追うフェーズから、価値の「積み上げ」を追うフェーズへの転換です。

あさひが目指すビジネスモデル ~ 新成長とは

「VISION2028」の中核にあるのが、この「あさひビジネスプラットフォーム」です。当社はこれまで、店舗、EC、物流、修理、点検、CRMといった機能を、個別ではなく、一体の仕組みとして磨いてきました。

「VISION2028」は、新たなプラットフォームを一から構築する計画ではなく、既存基盤をどう活用し切るかに主眼を置いています。ここがポイントです。

その際、私たちがビジネスの対象としているのは、新車市場だけではありません。もちろん、新車市場でのシェアアップを図っていきますが、それに加え、国内に保有されている約6,000万台の自転車を、長期的な価値創出の対象と捉えています。

1台の自転車を起点に、購入、利用、メンテナンス、修理、そしてリユースまでを循環させることで、お客さまとの関係性を太く、長くし、1台あたりの価値を高めていきます。これが「個客循環サイクル」の考え方です。

この循環を実現するために、「VISION2028」では人的資本をはじめ、リユース品の修理・再生を担うサポートセンターの設置など、必要な領域には、一定の成長投資を行います。

同時に、「あさひビジネスプラットフォーム」を戦略パートナーに開放することで、「あさひ」ブランドの自転車やサービスを、より多くの接点で手に取っていただける体制を構築していきます。

直営店の有無にかかわらず、「あさひ」の価値を全国に届けられる、いわば出店数に制約されない成長モデルへの進化を目指します。

中期経営計画 VISION2028の全体像

「VISION2028」における成長戦略の全体フレームです。「VISION2028」では、4つの事業戦略と、それらを支える経営基盤の強化を通じて、循環型ビジネスを推進します。

重要なのは、これらを単独で進めるのではなく、相互に連動させる設計としている点です。OMOやCRMの深化によって顧客接点とデータ基盤を強化し、その上で、リユースや戦略パートナーとの協業といった周辺事業を拡大していきます。そして、これらすべてを支えるのが、人的資本、IT、物流といった経営基盤の強化です。

次のパートでは、それぞれの戦略について順にご説明しますが、まずは全体として、このような設計で中期経営計画を組み立てている点をご理解ください。

定量目標

「VISION2028」の定量目標です。最終年度で売上高968億円、営業利益85億円、ROE10パーセント以上を計画しています。これらの数字は、成長を前提に積み上げたというよりも、事業モデル転換の結果として到達すべき水準として設定しています。

特に営業利益については、単なる売上拡大ではなく、1台あたりの価値向上や、サービス・周辺事業の拡大によって改善を図る考えです。

また、ROEやROICといった資本効率指標に関しても、成長投資と資本効率の両立を意識しながら、企業価値の向上を目指します。

次のスライドでは、これらの数字が、どのような中身の変化を伴うものなのかをご説明します。

中期経営計画サマリ

スライドは、2025年度の実績と2028年度の計画を並べたサマリです。「VISION2028」で目指しているのは、単純な売上規模の拡大ではありません。新車販売の比率を抑えながら、パーツ・サービスや周辺事業の構成比が高まっていることがわかります。

特に、リユース事業や戦略パートナー拡大による周辺事業は、循環型ビジネスの中核としてしっかりと育成していきます。

「VISION2028」は、新規出店による成長フェーズから、事業モデルそのものを進化させるフェーズへの移行を示した計画です。

I.事業戦略 OMOの深化

ここからは、「VISION2028」における成長戦略についてご説明します。先ほどお伝えしたとおり、当社は新規出店や新車販売の拡大に依存しない成長モデルへの転換を目指しています。このパートでは、そのための具体的な打ち手を、重要度の高いものから順にご説明します。

まず、成長戦略の起点となるのがOMO戦略の深化です。「VISION2028」では、店舗、EC、倉庫の在庫情報を一元化し、オンラインとオフラインをよりシームレスにつなげていきます。

自転車には、必ず店舗でのサービスが求められます。当社には、全国展開する店舗で受け取り、サービスを受けるという安心感があります。オンラインでもオフラインでも、お客さまにとってより柔軟な購買体験が可能な環境を、これからも充実させていきます。

また、新規出店は抑制しつつ、既存店舗のリニューアルや都市型店舗の展開を進め、効率と採算性の改善を図ります。

OMOは単なる利便性の向上ではなく、次にご説明するCRMや周辺事業を支える基盤と位置付けています。

Ⅱ.事業戦略 CRMの強化

次に、CRMの強化(お客さまとの関係性強化)についてです。「VISION2028」では、新車販売を起点としたフロー型ビジネスから、国内保有自転車約6,000万台を対象とするストック型サービスへの進化を目指します。

アプリや新しいPOS構想を通じて顧客データを統合し、購入後のメンテナンスやサービス利用につなげることで、お客さまとの関係性を長期化します。

これにより、利用頻度やお客さまのLTV(ライフタイムバリュー)の向上を図り、安定的な収益基盤を構築していきます。

III.事業戦略 周辺事業の拡大

「VISION2028」における最大の成長ドライバーは、周辺事業の拡大です。当社はすでに、リユース車体の回収から査定、修理、再販までを一貫して担うバリューチェーンを構築しています。

その中核となるのが、サポートセンター機能です。こちらは新規投資ではなく、既存の物流センター内に設置していきます。

これにより、自転車の安全・安心・品質をしっかりと担保し、それを新たな付加価値として提供していきます。ポイントは、「安全」を付加価値として提供していくことです。このリユース事業を循環型ビジネスの中核として、さらに育成していきます。

また、シェアサイクル事業者との協働など、法人向けの修理・メンテナンス受託も進め、車体循環のインフラとしての価値提供を拡大させていきます。シェアサイクル事業者と、アフターサービスにおいてしっかり協業していくということです。

IV.事業戦略 戦略パートナーの拡大

次に、戦略パートナーの拡大です。各地で事業を展開している専門店グループとのアライアンスについてです。

「あさひビジネスプラットフォーム」を協業先に提供することで、直営店に加え、あさひの出店空白エリアの全国の卸先・販売店と、商品やサービス、EC受取推進、アフターサービスなどの「共創ネットワーク」を構築していきます。

最終的には、相互協力によるボランタリーチェーンを構築することで、自転車市場の活性化、ならびに顧客利便性を追求していきます。これにより、自前の新規出店だけに依存しない成長を実現します。

V.経営基盤強化

これらの戦略を支えるため、IT、物流、ガバナンスといった経営基盤の強化を進めます。「守りのIT」と「攻めのIT」を両立させ、安定した事業運営と成長を同時に実現します。

Ⅵ.人的資本経営

人的資本経営についてです。当社はこれまで、人間力、商品力、店舗力の3つのカルチャーモデルを磨きながら、事業成長を進めてきました。

「VISION2028」においても、人的資本への投資を最重要課題と位置付けています。専門人材の育成や、挑戦を後押しする制度設計を通じて、新たな成長を支える組織づくりを進めていきます。

当社の事業は、接客、点検、修理といった人の専門性や、人が提供するサービスそのものが大きな付加価値となるビジネスモデルです。

専門人材への投資が、サービス価値と収益性の両立につながり、中長期的な利益成長を支える重要な経営投資であると考えています。そのためのエンゲージメントサイクルを認識し、実践することで、人的資本経営を実現していきます。

VII.サステナビリティマネジメント

サステナビリティ経営についてです。循環型ビジネスの推進そのものが、環境・社会課題の解決につながると考えています。

事業成長と社会的価値創出を両立させることで、持続的な企業価値の向上を目指します。

株価と資本コストを意識した経営

最後に、「VISION2028」を支える財務資本戦略について、担当執行役員の惣田よりご説明します。

当社は、成長戦略と財務戦略を切り離すのではなく、同時に設計することが重要だと考えています。本パートでは、資本効率、収益性、株主還元の観点から、「VISION2028」をどのように支えていくのかをご説明します。

惣田健氏(以下、惣田):執行役員の惣田です。まずは、現状認識についてご説明します。当社の資本コストは、足元で7パーセントから8パーセント程度と認識しています。一方、ROEは過去には8パーセントを超えていたものの、直近では5パーセント台まで低下しています。

株価も、コロナ禍後の反動時期をピークに調整が続き、PBRは1倍を下回る水準にあります。これらは、市場から当社の成長性や資本効率について厳しい評価を受けている結果であると真摯に受け止めています。

当社は、あらためて財務資本戦略を明確に設定し、株主のみなさまを含めたすべてのステークホルダーへの積極的なコミュニケーションを実施していきます。

キャッシュアロケーション

「VISION2028」では、営業キャッシュフローを成長投資と株主還元にバランスよく配分します。成長戦略投資としては、既存店舗のリニューアルや、リユース事業を支える物流・サポートセンター、IT基盤への投資を行います。

一方で、新規出店は抑制し、投資の質と回収を重視します。株主還元についても、安定性を重視しながら、積極的な還元を継続します。成長投資・株主還元・財務健全性のバランスを取ることが、「VISION2028」の基本スタンスです。

また、次期中期経営計画に向けた経営戦略投資の検討を進め、有利子負債の活用も視野に入れながら、成長の歩みを強めていきます。

ROE・ROIC向上に向けた取り組み

ROE・ROICについては、認識する資本コストを上回る10パーセント以上の達成を目標に設定しています。

これらの向上に向けては、単一の施策で達成できるとは考えていません。高付加価値サービスへの経営資源のシフトによる収益性の向上、在庫の最適化、物流DXによる資本効率の改善、そして、投資案件の採算管理を徹底することで、資本コストを上回る収益性の実現を目指します。

株主還元方針

株主還元についてです。当社は、中長期的な企業価値向上を前提に、安定的かつ積極的な株主還元を行う方針です。

「VISION2028」では、配当性向35パーセント以上、DOE3パーセントを目安とした還元を実施していきます。成長投資と株主還元を両立させ、市場との対話を重ねながら、早期のPBR1倍超の実現を目指していきます。

質疑応答:今後の営業利益率改善施策と改善の道筋について

質問者:今回の中期計画では、売上高以上に利益率が改善していくという計画になっていると思います。しかし特に今期は、先ほど下田社長がおっしゃった助走期間ということもあり、営業利益率はあまり改善しないと考えています。今期は5.0パーセントで、その後2年間で8.9パーセントまで上がると思われますが、もう少し利益率が改善していく道筋について、どのように改善できるのかを具体的に教えてください。

下田:当社のビジネスプラットフォームをしっかり駆使しながら周辺事業の領域を拡大していく方針です。特にリユースや卸販売といった分野では、当社が持っているサービスを軸にした売上が中心となります。

修理工賃を例に挙げると、この構成比が上がることで粗利益率が100パーセントとなります。したがって、この構成比をしっかりと引き上げていくことが重要です。要するに、人がいることで提供可能なサービス領域を広げることで、全体の粗利益率の改善につなげていきたいと考えています。

質疑応答:新車販売シェア拡大とリユース事業の強化に伴うカニバリゼーションの懸念について

質問者:今回の中期計画における売上についてうかがいます。ビジネスプラットフォームを深化させていくという方針は非常によく理解できますが、新車販売について、今回の計画では店舗数の伸び以上に新車販売の売上高が高い状況です。

冒頭お話しされたように、市場環境が一段と厳しくなる中で、かなりシェアを上げていかないと、2028年目標の新車売上高619億円の達成は難しいのではないかという印象を持ちます。

また、リユースの強化を進めるのであれば、リユースとのカニバリゼーションも起こりうるのではないかと思いますが、リユースとのバランスをどのように考え、新車販売をどのように伸ばしていくのか、もう少し具体的に教えてください。

下田:日本における新車販売市場は、人口動態の構造を含め漸減傾向にあり、少しずつ縮小していくことを前提としなければなりません。しかし、新車販売はお客さまからの支持を示すバロメーターでもあるため、出店や既存店舗の強化を通じて、一定のシェアを確保し続ける方針です。

最近では、リユース事業が非常に伸びています。当社は2017年からリユース事業に取り組み、自転車を使い捨てにせず大切にしてもらいたいという思いを込めて、専門店の事業形態を展開してきました。

このリユース事業は、不要になった自転車を次に必要とされる方へ橋渡しする取り組みとして、2017年から開始しました。最近の物価高の影響もあり、安全なリユース品の自転車を少しでも安く購入したいと考えるお客さまが増えています。

新車の価格がこの数年間でおおよそ3割から4割ほど上昇している中、安全なリユース車をお求めになる方々が非常に増加しています。

我々は、このリユース事業と新車事業を決して切り離すことなく、新車購入から点検、サービス、イベント、リユースの買取までつなげる循環型ビジネス環境を構築しながら、1人のお客さまの生涯価値向上とお客さま満足度の向上につなげていきたいと考えています。

新車販売が減少しても、サービスの需要は必ず存在します。そのため、生涯にわたるお付き合いが可能な環境を作り上げることが、新成長への投資、成長、挑戦を掲げた新ビジョンの核心であると考えています。

リユースに関しては、さまざまなお客さまのご要望にお応えしていくことが重要だと考えています。そのため、当社ではすべてをサポートできる体制を整えています。

したがって、カニバリゼーションは発生せず、むしろ新車の買い替え促進につながります。「リユースをすると新車が伸びないでしょう」とよく言われますが、それは違います。買い替え促進に大きく寄与します。

質疑応答:リユース事業の取り組みと買取体制について

質問者:リユースに関して質問です。御社のリユースの取り組みについて、販売はECのみで行われているのでしょうか? それとも店舗での販売もされているのでしょうか? 

また、買取についてもお聞きしたいのですが、店舗での買取を実施されているのかどうか、さらに店舗での買取となると買取査定システムが必要になるかと思いますが、そのシステムはすでに用意されていると考えてよろしいでしょうか?

下田:まず、リユース事業の販路に関してはECと店舗の両方を活用していますが、ECの利用が圧倒的に多く、間口が広いことから、EC経由の販売が主力となっています。

全国に500店舗以上を展開しており、これらの店舗でリユース品や新車を受け取ることができる点は、当社の大きな強みであると考えています。

買取査定についても、当社はすでに社内で体制を整えています。店舗での買取では専門的な知識が求められるため、査定の仕組みをシステム化し、それが稼働している状況です。

このように、査定、買取、再生、再販といった一連のスキームは、当社においてすでに構築されています。そのため、新たにゼロから仕組みを作り直す必要がない点は、大きな強みといえます。

当社は、自転車におけるセカンダリマーケットを安全で安心なものとし、より良い市場にしていきたいと考えています。しっかり取り組んでいきます。

質疑応答:出店計画および業務提携・M&A戦略について

質問者:出店計画についてうかがいます。3ヶ年で店舗純増23店舗と、今期計画の10店舗を考えると、来期および再来期では減少する前提なのかと思います。一方、都市部ではまだサービスメンテナンスの拠点が必要と考えられるのですが、この点について、今回ご説明いただいた業務提携で対応可能とお考えでしょうか? 

あるいは、財務戦略の中で触れられていた経営戦略投資、例えばM&Aも含めて、オーガニックな出店よりもこうした戦略を狙っていくお考えで組まれているのでしょうか? 拠点数に関してお教えください。 

下田:本日ご説明しました内容は、当社の事業モデルをこれまでの新規出店を中心とした成長から、サービスを軸とした成長へと変えていくというものでした。

新規出店については、都市型店舗を含め、引き続き都市圏、特に大都市圏への出店を進めていきます。

加えて、最近では建築コストがかなり高騰しており、地代家賃などの環境も非常に高止まりしています。そのため、自社で新店舗を出店するだけでなく、本日ご説明したパートナーとの協業や卸先との連携をしっかり図ることにより、あさひブランドの拡大や売上の拡大も十分に期待できると考えています。

また、M&Aについても、次の経営戦略として十分にありえる選択肢と考えています。M&Aには水平型と垂直型、さまざまな形態がありますが、いずれにしても、当社の事業価値をしっかり向上させ、シナジーを創出できるかたちで、機会があれば検討していきたいと思います。

質疑応答:ROE10パーセント目標達成のための取り組みと考え方について

質問者:ROE10パーセントの目標について、これは基本的に分子である利益率を高めることで達成すると考えてよろしいでしょうか? また、分母でも前中計から変わる部分があるのかについて教えてください。

惣田:こちらの質問は私、執行役員の惣田からご説明します。先ほどご説明したとおり、今回の中期経営計画のポイントの1つは、既存プラットフォームの活用です。

したがって、今ご指摘いただいたように、これまでのビジネスモデルの成長に伴った投資方法と大きく異なるもの、あるいは従来以上に大きな投資が必要となるビジネスをこの中期経営計画で実施するものではありません。

リユース事業の環境整備のための投資については、もちろん積極的にITを含めて行いますが、基本的には既存インフラの拡張・拡充を中心とした取り組みによって、利益率の向上を目指し、ROE達成につながるとご理解いただければと思います。

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