売上1,000億円、4期連続最高益。ストック型ビジネスで安定成長狙う防災銘柄
国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」がスタート! ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、ホーチキを取り上げます。
火災報知設備と保守が事業の8割超を占める
ホーチキ(6745)は、2025年3月期の連結売上高が創業以来初の1,000億円を突破し、利益も4期連続で過去最高を更新しました。国内のストックビジネス売上高は前年比6.4パーセント増、海外売上高も17.4パーセント増と、国内外でバランスよく伸びています。
事業は火災報知設備(ビルや商業施設に設置する火災検知・警報システム)、保守(法定点検や故障修理などアフターサービス)、消火設備(スプリンクラー等、消火用の設備)、防犯設備(不正侵入や異常を検知する設備)の4セグメント。売上比率は火災報知設備約62パーセント、保守約21パーセント、消火設備約11パーセント、防犯設備約6パーセント(2025年3月期)と、火災報知設備と保守が事業の中核です。
ストックビジネス比率55%超で安定収益を確保
同社の強みはストック収益が積み重なるビジネスモデルです。火災報知設備は法令に基づき年2回の定期点検が義務付けられており、老朽化すれば設備更新も必要です。ホーチキは新築時の工事から保守・更新まで一気通貫で提供し、点検で得た情報をもとに改修や機器交換を提案することで、長期にわたって売上が続く構造を作っています。2026年3月期第2四半期の国内売上に占めるストックビジネスの比率は55.1パーセントと、足元の利益を下支えしています。
海外売上比率25%超、BESS需要も追い風に
成長ドライバーは防災・減災ニーズの拡大を背景にした海外展開です。同社はベトナムや英国を含む欧州など世界各地で事業を展開しており、2025年3月期の海外売上比率は2割強、2026年3月期第2四半期には25.5パーセントまで上昇しました。中でもアジア・パシフィック地域は前年同期比36.7パーセント増と高成長で、主力エリアのベトナムがけん引しています。海外では再生可能エネルギー由来の電力を貯めるBESS(バッテリーエネルギー貯蔵システム:大規模蓄電施設)向けの防災システム需要も拡大しています。こうした新しいインフラには必ず火災・爆発リスク管理が必要であり、ホーチキのような防災専業メーカーにとっては中長期の追い風となります。中長期経営計画「GLOBAL VISION 2030」では2030年度までに海外売上比率30パーセント以上を目指し、「日本のホーチキ」から「世界のHOCHIKI」への進化を掲げています。
ディフェンシブ性と成長性を兼ね備えた銘柄
総じてホーチキは、法令に支えられたストックビジネス比率の高さ、防災・減災投資拡大とBESSなど新インフラ需要を取り込む海外事業、海外比率30パーセント以上を目指す中計という三つの柱で、景気変動に比較的強いディフェンシブ性と中長期の成長性を兼ね備えた銘柄と言えます。長期保有で企業価値の積み上がりを狙う投資スタイルと相性が良いと考えられます。
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ホーチキが登壇する2025年12月13日開催セミナーのタイムテーブル
・11:00~11:05
オープニング
・11:05~11:55
①エクシオG(1951)
・12:00~12:50
②アネスト岩田(6381)
・12:55〜13:45
③荒川化学工業(4968)
・13:55〜14:45
④1UP投資部屋Ken氏による特別講演
・14:55〜15:45
⑤ホーチキ(6745)
・15:50〜16:40
⑥コスモスイニシア(8844)
▼詳細・視聴予約はこちら【IRセミナー特設ページ】
2025年12月13日(土)11:00時開催。ホーチキ含む5社が登壇するオンラインIRセミナー
※当日は投資家向けに注目テーマの解説や質疑応答などを予定しています。
▼ホーチキ(6745)の最新記事を読む▼ ホーチキ、売上高・営業利益・営業利益率いずれも過去最高値を更新 中計方針に基づく成長戦略も順調に進捗
執筆者プロフィール
執筆:西田哲郎ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。『神の手』の某社で大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。
※記事内容、企業情報は2025年11月23日時点の情報です。
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