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株式会社揚羽9330

東証グロース

サービス業

エグゼクティブサマリー

湊剛宏氏:株式会社揚羽代表取締役社長の湊剛宏です。投資家のみなさまには、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。それでは、2025年9月期の決算説明を始めます。

エグゼクティブサマリーです。2025年9月期は2024年11月に公表した期初計画を達成できず、前期比でも減収減益での着地となりました。株主および投資家のみなさまに多大なご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます。

主な原因は、中長期的な成長に向けて優秀な人材を一気に確保したことにより、想定以上のコストが発生したためです。また、新たな体制の本格稼働に時間を要したことも挙げられます。

すでに要因に対する対策を講じており、2026年9月期に向けて足元は順調にスタートを切っています。

2026年9月期は、売上高が前期比19.6パーセント増の18億5,000万円と、創業以来の過去最高を目指します。利益についても、黒字回復を計画しています。

また、サービスポートフォリオを見直して「稼げる領域」に集中し、さらにコーポレートブランディングチームを加えた新体制のもと、成長軌道への回帰を目指しています。

株主還元については、2025年2月に上場1周年記念特別優待を公表しています。今後も事業展開を勘案し、継続的に株主還元策を検討していきます。

AGENDA

こちらは本日のアジェンダです。

2025年9月期決算概要

それでは、2025年9月期決算概要についてご説明します。

売上高は前期比で若干下振れし、15億4,700万円となりました。先ほどご説明したとおり、優秀な人材を中途採用したものの、組織としての本格稼働までに少し時間がかかりました。

そのため、第4四半期には短納期案件の刈り取りを強化するとともに、翌期納品予定の大型案件の一部を前倒しで分納する取り組みを行いました。

短納期案件の刈り取りでは一定の成果がありましたが、大型案件の前倒し分は受注自体が期ズレとなり、当初の売上高予想には達しませんでした。

経費面では、即戦力となる営業人員を大量に採用したことで採用費がかかりましたが、予定よりも早めに採用が進みました。今期は人的投資を行ったため、来期以降の成果につなげていきたいと考えています。

事業領域別売上高

事業領域別の売上高です。コーポレートブランディングやインナーブランディング領域において、大きく前期を上回りました。

一方、サステナビリティブランディングにおける前期の大型案件の反動減が影響し、全体では前期比で減収となりました。

四半期別売上推移

四半期別売上高の推移です。通常、第3四半期は売上高が減少する季節性がありますが、2025年9月期下半期は特に売上高が伸び悩みました。

これは、上半期に受注活動と納品活動に集中的に対応したことに加え、新体制が本格稼働に至らなかったことにより、下半期の案件獲得に一時的な遅れが生じたためです。過去のトレンドと比較しても、この影響が顕著に表れていると認識しています。

重要KPI

重要KPIです。通年受注額1,000万円以上の顧客社数は増加し、1社あたりのクロスセルが積み上がってきています。しかしながら、受注額および新規受注社数は減少しました。

2025年9月期 貸借対照表

貸借対照表です。前期に納品した大型案件の回収や新規借入によって現預金が増加していますが、それ以外に大きなトピックはありません。

2025年9月期のトピックス

トピックスです。最近は、「AIで検索した際に社名が表示されるようにしてほしい」という依頼が数多く寄せられています。当社には早期から取り組んできたノウハウがあるため、それをクライアント向けにサービス化しました。結果は、これから現れてくると考えています。

2025年9月期の反省を踏まえた今後の対策

次に、2026年9月期の業績予想です。2025年9月期の反省を踏まえた今後の対策について、2025年9月期では即戦力人材の採用を実現したものの、組織としての稼働に時間を要したため、受注機会の損失が発生しました。この課題については、体制整備を完了し、2026年9月期期初より本格稼働を開始しています。

今後は、当社の強みであるコーポレートコミュニケーション領域をさらに強化し、売上高の拡大を最優先で推進していきます。

具体的には、「稼げる領域」への集中、サービスポートフォリオの変更、およびコーポレートブランディングチームの確立とクロスセルの推進です。

「稼げる領域」への集中 サービスポートフォリオの変更

1つ目に、「『稼げる領域』への集中、サービスポートフォリオの変更」についてご説明します。

当社は、従来の成長戦略である重要顧客への営業強化、新規受注強化を継続しつつ、注力する新料金を再設定しました。

マーケットニーズが高まっているコーポレート支援領域の中でも、コーポレートブランディングとサステナビリティブランディングを統合し、「コーポレートコミュニケーション」としました。

コーポレートブランディングから商品やサービスの要素を取り出し、プロダクト&サービスマーケティングとして強化しています。

また、リクルーティング支援領域をコーポレート支援領域に包括し、お客さまへのコーポレート支援をさらに一気通貫で行える体制に整備しました。

コーポレートブランディングチームの確立とクロスセルの推進

2つ目に、「コーポレートブランディングチームの確立とクロスセルの推進」についてです。

2025年9月期には予想を上回る優秀な人材からご応募いただき、その中から約10名の採用に成功しました。大手広告代理店出身者の入社により、営業人員を強化済みです。

また、大手広告代理店出身者を中心とするブランディングのプロで構成した、コーポレートブランディングチームを新設しました。

既存のインナーブランディングチームは、すでにクライアント経営層と密にコミュニケーションを取り、信頼を得ています。既存チームとコーポレートブランディングチームが連携することにより、今後は社外向けのブランディング案件も獲得していきます。

両チームのシナジーにより、社外向けの大型案件を実行可能な体制が構築されました。

注力ターゲット市場の開拓余地と当社のアドバンテージ

次に、注力ターゲット市場の開拓余地と当社のアドバンテージについて説明します。

超大手企業に関しては広告代理店の2大巨頭がシェアを占めているため、当社ではそれ以外の大手企業や中堅企業を注力ターゲットとして設定しています。

そのターゲット顧客数は、約1万社にのぼります。この中から当社がアプローチしやすい企業をスクリーニングし、受注獲得を進めていきます。

また、当社の主なアドバンテージは2つあります。1つはインナーブランディングのご支援を通じて顧客企業をよく理解していること、もう1つはクライアント経営陣との強固なリレーションシップを構築していることです。

これら2つの強みを活用し、先ほどご説明したコーポレートブランディングチームとインナーブランディングチームとの連携によって、新規案件を獲得していきます。

既存顧客への深掘りについては、すでにご契約いただいている顧客企業に対して社外ブランディングの提案を行い、大型案件の獲得を目指します。

コーポレートコミュニケーション、プロダクト&サービス・マーケティング大型案件例

こちらのスライドは、コーポレートコミュニケーションおよびプロダクト&サービスマーケティングにおける大型案件の事例です。

スライド左側は、設立150周年を迎えた大手メーカーの事例です。CM、新聞広告、Webサイト、YouTubeなどへの多岐にわたる支援を行い、数億円規模の大型案件となりました。

右側は業界団体の事例であり、こちらも数億円規模の大型案件です。足元では、すでに他の大型案件も複数進行しています。

2026年9月期通期業績予想

2026年9月期の業績予想です。売上高は前期比19.6パーセント増の18億5,000万円を見込み、過去最高の売上高を目指します。営業利益は5,000万円を計画し、黒字化を目指します。当期純利益は3,200万円を見込んでいます。

また、1人当たりの生産性を高めることで原価率の改善を計画していますが、前期は採用を強化したことによって販管費が増加しています。営業強化の体制が整ったため、売上高の拡大を最優先事項とします。

株主還元 上場1周年記念特別株主優待の実施(25年2月14日公表)

株主還元についてお伝えします。2025年2月14日に公表したとおり、上場1周年記念特別株主優待を実施しています。

2026年3月末時点で100株以上を1年以上継続保有している株主さまには、クオカード5,000円を贈呈します。この特別株主優待は今回限りの実施ではありますが、今後も事業展開を勘案し、継続的に株主還元を検討していく方針です。

中長期成長イメージ

最後に、当社の中長期的な成長イメージです。まずは、2026年9月期に業績をV字回復すること、そしてみなさまの信頼を取り戻すことが最重要であると認識しています。

新しいコーポレートブランディングチームとインナーブランディングチームが連携することによって案件の獲得や新たな収益源の確立を図り、成長軌道への回帰を目指します。

2025年9月期においては、人材採用が想定以上に進んだ一方、体制の本格稼働が遅れる状況がありました。しかし、2026年9月期以降の業績拡大に向けた先行投資と基盤の構築ができたと考えています。引き続きご支援をいただけますよう、何卒よろしくお願いします。

以上で決算説明を終了します。本日はご視聴いただき、ありがとうございました。

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