AGENDA

湊剛宏氏:株式会社揚羽代表取締役社長の湊です。投資家のみなさまには、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。2025年9月期第3四半期の決算説明を始めます。

2025年9月期第3四半期業績サマリ

サマリです。売上高はインナーブランディングにおける上流設計やイベント案件が牽引し、全体で前年同期比8.7パーセントの増収となりました。売上総利益は売上高の増加に伴い増益となりましたが、イベント案件やグラフィック案件の外注費が増加したことで原価が上昇し、結果として、前年同期比5.7パーセントの増益となりました。

営業利益についてですが、前年同期にはなかった株主優待費用が発生しました。また、即戦力社員の採用を強化したことで、採用費が増加し、減益となりました。

2025年9月期第3四半期のトピックス 株主優待(第1四半期より再掲)

新しいトピックスとして、初めて株主優待を実施しました。「上場1周年記念優待」と「継続保有優待」の2種類を提供しています。今回は記念優待ですが、今後も継続的に株主還元策を検討していく方針です。

上場維持基準への適合/名古屋証券取引所ネクスト市場への重複上場承認

2024年9月30日時点において東京証券取引所グロース市場の上場維持基準のうち、流通株式時価総額について基準に適合していませんでしたが、改善を実施した結果、2025年5月21日時点でグロース市場の上場維持基準のすべての項目に適合しました。さらに、名古屋証券取引所にも重複上場を果たしました。

人的資本経営で成長を!人的資本ジャーナル広告企画のご案内

日本経済新聞社と当社が共同で企画し、「人的資本経営」に関するシリーズ広告を立ち上げました。こちらは当社のみが取り扱う独自の企画です。

人的資本経営の流れに乗り、第2弾、第3弾と続けていきますので、ご期待ください。

日本BtoB広告賞受賞

日本BtoB広告賞を受賞しました。BtoBのクライアントさまが多い中で、この広告賞を受賞したことは非常に大きなトピックスです。毎年なんらかの賞をいただいていますが、今回は金賞を含む2作品を受賞しました。

受賞作品はIHIエアロスペースとTimeeです。IHIエアロスペースは新卒採用サイト、Timeeは採用映像で、それぞれサイトと映像の広告賞を受賞したことは非常に大きな成果だと思います。これからもがんばります。

事業内容:ブランディング事業(単一セグメント)

事業内容について簡単に説明します。当社は企業のブランディング支援を行う会社です。ブランディングというとわかりにくいかもしれませんが、特にミッション、ビジョン、バリューを作り、それを浸透させることを得意としています。また、人的資本経営に関するブランディングも得意としています。

事業内容:支援領域別売上高推移

支援領域別売上高の推移です。コーポレート領域とリクルーティング領域の伸びですが、近年インナーブランディングのニーズが非常に高まっており、社内リソースをコーポレートブランディングおよびインナーブランディングに大きくシフトした結果、コーポレート領域が年平均成長率19.2パーセントと大きく成長しています。

今後もインナーブランディングを中心に、コーポレート領域をさらに大きく成長させていきたいと考えています。

事業内容(特徴と強み):垂直統合型ブランディングカンパニーとしての競争力

垂直統合型ブランディングカンパニーとしての競争力についてです。内容に変更はないため、説明を省略します。

事業環境:海外と比較して相対的に低い日本の従業員エンゲージメント

海外と比較して相対的に低い日本の従業員エンゲージメントについてです。こちらも内容は前回と変わりありません。

事業環境:コーポレート - インナーブランディングへの追い風

インナーブランディングへの追い風についてです。こちらも内容は前回と変わっていません。追い風の状況が続いています。

2025年9月期第3四半期決算概要

2025年9月期第3四半期の決算概要についてご説明します。売上高は、第1四半期、第2四半期に引き続き、前年同期比で堅調に推移しています。売上高進捗率は通期予算比66.7パーセントです。

販売費および一般管理費については、即戦力となる経験豊富な中途社員の採用を前倒ししたため、人件費や採用費が前年同期比で増加しています。また、前年同期にはなかった株主優待の費用を計上しています。

利益についてですが、販管費の臨時的な増加により、営業利益は前年同期比で減少しました。また、前年同期に発生した保険解約益が今期には計上されなかったため、経常利益および四半期純利益も前年同期比で減少しました。

事業領域別売上高:2025年9月期(2024.10〜2025.6)

事業領域別売上高です。事業領域別に見ると、コーポレート支援領域、リクルーティング支援領域ともに前期を上回りました。その中でもインナーブランディングは前期比34.5パーセント増と業績を大きく牽引しています。

なお、サステナビリティブランディングについては、後ほど成長戦略のところでも触れますが、最近ニーズが減少しているため、コーポレートブランディングと統合します。

四半期別売上推移

四半期別売上高の推移です。スライドは四半期ごとの売上高をグラフにしたものです。

当社は、クライアント企業の大半が事業年度末を迎える3月を含む第2四半期に売上高が大きくなる傾向があります。

2025年9月期第3四半期 貸借対照表

貸借対照表です。特段大きな変動はありませんが、自己資本比率は高く、安定しています。

2025年9月期通期業績予想

2025年9月期の業績予想です。最終四半期に入る中で、営業として注力している点が2つあります。1つ目は、9月までの納品となる短納期案件の刈り取りを強化していることです。2つ目は、来期納品予定の大型案件があり、その分納による一部前倒しを進めていることです。現在、足元は順調に受注が進んでいますので、ご期待いただければと思います。

また、今期の採用が順調であるため、採用計画を前倒しし、それにより第4四半期は採用費を抑制できると考えています。

今期の計画を達成するべく、これからの2ヶ月間、最後までがんばりたいと思います。

成長戦略

成長戦略についてです。当社の成長戦略は、重点顧客への営業強化と新規受注の強化、この2点に集約されています。

重点顧客への営業強化

1つ目の「重点顧客への営業強化」についてです。創業以来、主に大手企業を中心に取引を行い、累計で920社の顧客と取引実績があります。毎期およそ7割の顧客がリピートしています。

重点顧客への営業強化:優良顧客基盤におけるクロスセル

優良顧客基盤におけるクロスセルについてです。当社のクライアントはほとんどが大手企業であり、大手企業は経営企画部、人事部、営業部、広報宣伝部など多くの部門を持っています。それらのあらゆる部門と取引することで、1社あたりの取引規模を拡大していく戦略を取っています。

重点顧客への営業強化:部門横展開によるクロスセルの推進

部門横展開によるクロスセルの推進についてです。これは重点顧客を対象としたクロスセルの一般的なケースを示しています。例えば、サイト制作を起点に、インナーブランディングやコーポレートブランディングなどへ展開していくことです。このように、多くの部署からのクロスセルが増加しており、これが成長戦略の第1となっています。

新規受注強化:ターゲット市場の開拓余地

2つ目の成長戦略は、「新規受注強化」です。これまでの取引累計社数は約920社で、年間の取引社数は約450社です。主なターゲットは、上場企業、未上場の大手子会社、独立系の準大手、独立系中堅企業です。今後の対象企業は約1万社にのぼり、開拓の余地は大きいと考えています。

新規受注強化:マーケティングテクノロジーの活用

新規営業はマーケティング部門とインサイドセールス部門が連携して行っています。期初よりマーケティングテクノロジーを活用した取り組みを開始しましたが、従来の手法であるセミナー、ダイレクトメール、テレマーケティング、ホワイトペーパー、オウンドメディアなども併用し、あらゆる手段で問い合わせを獲得しています。

重要KPI

2025年9月期からは、受注額、通年受注額1,000万円以上の顧客社数(新規受注は含まない)、新規受注社数の3つをKPIに設定し、取り組んでいます。

受注額はKGIである売上高の先行指標として最も確実であり、これをメイン指標として追いかけています。第3四半期は受注がやや伸び悩みましたが、第4四半期には回復し、足元では順調に推移しています。第4四半期の受注の多くは来期の業績に貢献するため、これを大きく伸ばすことに取り組んでいます。

通年受注額1,000万円以上の顧客社数(新規受注は含まない)については、既存クライアントへのクロスセルとアップセルを通じて、1社あたりの単価を高めることを目的としています。第2四半期に大きく実績を伸ばしましたが、第3四半期では少し伸び悩み、第4四半期で大きく挽回する予定です。

新規受注社数に関しては、問い合わせは増加しているものの、ベテラン営業マンを既存クライアントの拡大に注力させ、新規は若手を中心に担当させたことで受注率が低下しています。しかし、上期にベテラン営業マンの採用に成功したため、第4四半期では挽回していきたいと考えています。

中長期成長イメージ 〜新たな取り組み〜

中長期の成長イメージです。先ほども少し触れましたが、サステナビリティブランディングのニーズが減少しているため、これからはコーポレートブランディングとサステナビリティブランディングを統合し、コーポレートコミュニケーション領域と名称を変更します。この領域には、コーポレートサイトや企業広告などが含まれます。

そして、マーケットニーズが高まっているプロダクト&サービスマーケティングを新設し、この領域へのサービスを強化する準備を進めています。こちらは企業広告ではなく、商品やサービスの広告を対象としています。

中長期成長イメージ 〜新たな取り組み〜

ここ数年間で受注・納品した大型案件です。これまではこのような大型キャンペーンは数年に一度程度しかなく、大手広告代理店である電通や博報堂の独占状態でした。しかし、今期に大手・中堅代理店から約10名のベテラン営業担当やプランナー、クリエイティブディレクターの採用に成功したことで、すでに数件の大型案件が決まりつつあります。

中長期成長イメージ 〜新たな取り組み〜

中長期の成長イメージです。数年前にインナーブランディング専門チームを新設してから、インナーブランディングの売上が大きく伸び、収益の1つの柱に成長しました。現在では、当社の業績を大きく牽引する領域となっています。

従業員のエンゲージメントを向上させる社会的ニーズも非常に大きく、今後も時流に乗ってインナーブランディングをさらに拡大していきたいと考えています。

インナーブランディングに続き、今年はコーポレートコミュニケーションとプロダクトサービスマーケティングの専門チームを新設しました。

この領域は、企業広告と商品広告を含んでいます。電通や博報堂が主要なプレイヤーとされていた領域ですが、彼らがBtoC企業に強みを持つのに対し、当社はBtoB企業に強みがあります。そのため、BtoB企業に向けた営業を強化し、この領域での市場拡大を目指しています。

今期に入り、大手中堅代理店から優秀なベテラン社員を約10名採用して、このチームを構築しました。すでに億円を超える大型案件が複数決定しており、来期以降、この分野が大きく業績を牽引すると考えています。ご期待いただければ幸いです。

湊氏からのご挨拶

本日はご視聴いただき、誠にありがとうございました。当社は、今後も高い業績と株価向上を目指して努力していきます。引き続き、みなさまのご支援を賜りますようお願い申し上げます。