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ダイコク電機株式会社6430

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2026年3月期 中間期実績 上期の市場環境

大成俊文氏(以下、大成):コーポレートマネジメント統括部、代表取締役専務の大成です。本日はお忙しい中、当社の中間決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

それでは、2026年3月期中間期の決算についてご説明します。まずは、上期の市場環境についてご説明します。

パチンコ業界では、スマート遊技機の登場からまもなく3年が経過しようとしています。2022年11月に導入されたスマートパチスロでは、今年6月に「ボーナストリガー」機が登場するなど、ラインナップの拡充が進んでいます。その結果、パチスロ機全体の設置割合は56.3パーセントと、順調に普及が進んでいます。

一方、2023年4月から市場に登場したスマートパチンコは、今年7月に新機種「ラッキートリガー3.0プラス」機のような遊技性能が向上した製品が市場投入されたことで、設置割合が23.3パーセントまで伸長しました。昨年9月末の8.7パーセントと比較すると、約3倍と大きく拡大しています。

次に、遊技機の稼動状況は前年度比98.7パーセントと、底堅い推移を続けています。特にスマートパチスロは、その他AT系機種と比較して122.2パーセントの稼動を記録し、スマートパチンコも従来機と比較して121.7パーセントと、いずれもスマート遊技機が好調な稼動を維持しています。

2026年3月期 中間期実績 連結損益計算書

それでは、2026年3月期中間期の実績について、詳細をご説明します。

連結損益計算書についてです。中間期の連結業績については、前年に新紙幣発行に伴う改刷特需があった反動で減収減益となりましたが、スマート遊技機の普及に伴う設備投資需要や、グループ会社の開発タイトル製品が業績に寄与した結果、中間期としては過去2番目の売上水準を確保するなど高い水準を維持しました。

売上高は前年同期比12パーセント減の303億7,200万円、営業利益は前年同期比23.3パーセント減の69億8,500万円、経常利益は前年同期比23パーセント減の70億3,800万円、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比23.7パーセント減の47億3,600万円となっています。

2026年3月期 中間期実績 売上高増減要因 情報システム事業

売上高の増減要因についてご説明します。

情報システム事業のパチンコホール向け製品等の売上は、前年の反動があったものの、スマートパチンコの普及に伴い、カードユニット「VEGASIA」や新製品「BiGMO XCEL」「TJ-01」、および準新製品「REVOLAII」「DUALINA」の販売が好調に推移し、当初の計画を上回りました。

サービスの売上についても、主要サービスが堅調に推移し、さらにパチンコホールのDX化に貢献する「MIRAIGATEサービス」が好評で、加盟店舗数が順調に増加した結果、前年同期を上回りました。

この結果、情報システム事業の売上は前年同期比21.8パーセント減の254億4,900万円となりました。

2026年3月期 中間期実績 売上高増減要因 アミューズメント事業

アミューズメント事業についてお伝えします。スマートパチンコの普及に伴い、パチンコ向け部品の売上が前年同期を上回りました。

また、グループ会社であるDAXEL株式会社が開発したスマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」や、元気株式会社の自社ゲームタイトル「首都高バトル」の販売も堅調に推移し、業績に寄与しました。

その結果、アミューズメント事業の売上は前年同期比132.9パーセント増の42億9,200万円となりました。

2026年3月期 中間期実績 売上高増減要因 その他事業

グループ会社が手がける報告セグメントに属さない事業については、その他セグメントとして計上しています。その他事業の売上は、前年同期比353パーセント増の6億5,900万円となりました。

2026年3月期 中間期実績 営業利益増減要因

営業利益の増減要因についてご説明します。

情報システム事業は、前年の改刷特需の反動があったものの、スマートパチンコの順調な導入に伴う設備投資需要に支えられ、高水準を維持し、前年同期比31.0パーセント減の71億2,300万円となりました。

アミューズメント事業については、第1四半期に販売したスマートパチスロ「ようこそ実力至上主義の教室へ」が大きく貢献し、前年同期比10億6,500万円増の10億6,300万円となりました。

その他事業については、1,200万円の営業損失を計上しました。

2026年3月期 中間期実績 連結貸借対照表

連結貸借対照表についてご説明します。総資産は業績が好調に推移したこともあり、棚卸資産が減少しましたが、営業債権および現預金の増加により、前連結会計年度末に比べ、43億6,800万円増の616億3,500万円となりました。

負債については、アミューズメント事業で遊技機開発に伴う部品などの仕入れが増加した結果、営業債務が増加しました。この結果、前連結会計年度末に比べ、5億9,800万円増の125億7,700万円となっています。

純資産については、配当金の支払いなどがあったものの、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ、37億7,000万円増の490億5,800万円となりました。

以上の結果、純資産と総資産がともに増加し、自己資本比率は79.6パーセントとなっています。

2026年3月期 中間期実績 キャッシュフロー計算書

最後に、キャッシュフロー計算書についてご説明します。営業キャッシュ・フローは53億5,700万円のプラスとなりました。売上債権の増加による支出要因があった一方、収入要因として、税金等調整前中間純利益の計上、棚卸資産の減少、仕入れ債務の増加などが寄与したためです。

投資キャッシュ・フローは、無形固定資産の取得により、マイナス1億9,200万円となりました。財務キャッシュ・フローは、配当金の支払い等により、マイナス10億1,300万円となりました。

その結果、現金及び現金同等物は211億1,100万円となり、期首比で41億5,000万円の増加となりました。

以上、2026年3月期中間期の実績についてご説明しました。ご清聴いただき、ありがとうございました。

今後の市場環境

栢森雅勝氏(以下、栢森):代表取締役社長の栢森です。これより、今後の見通しについてご説明します。

下期以降の市場環境について、スマートパチスロ市場は新機種投入を背景に安定した拡大が続いています。今後はAタイプのスマートパチスロが登場することで、市場のさらなる広がりが期待されます。

スマートパチンコについては、各メーカーが開発および販売の主軸を従来のパチンコからスマートパチンコにシフトしており、新たな遊技性を持つ機種の登場により、さらなる普及が進むと考えています。

パチンコホールについては、引き続き二極化が進む中、大手パチンコホールを中心にスマート遊技機への世代交代が進行しており、それに伴う設備投資需要は今後も堅調に推移すると予測しています。

2030年ビジョンが指し示す場所

次に、このような環境における当社の取り組みについてご説明します。

当社は、2025年5月に2030年ビジョンと2025年度を初年度とする中期経営計画を策定しました。2030年ビジョンでは、2030年を目標年度として設定し、「Make CX Amazing ~未知の顧客体験を世界に~」を向かうべき方向性として掲げ、2つのチャレンジを推進しています。

1つ目は、当社の技術を活用した「新たな遊びの未来を創造する挑戦」です。これにより、顧客体験を再定義し、次世代のスマートエンターテインメントを実現します。

2つ目は、「他業種への進出・事業領域拡大への挑戦」です。当社が培ってきた技術を駆使し、観光や飲食の分野で新たな顧客体験を創出し、提供していきます。

事業領域の拡大と今後のM&A方針

中期経営計画における成長戦略についてご説明します。当社は、既存領域での強みをさらに磨き上げ、安定的かつ継続的な成長を目指します。

その上で、観光や飲食の新規領域において磨き上げてきた「強み」を活用し、新たな顧客体験を創出して事業領域を拡大していきます。当社の核となる価値を基盤に、既存領域と新規領域の両輪で持続的な成長を実現します。

事業領域の拡大と今後のM&A方針

持続的な成長を支える事業ポートフォリオ改革についてご説明します。

当社は、収益力の高い既存事業から創出されたキャッシュを、事業補完性が見込める新規事業やM&Aに活用し、2030年度には新規事業のウェイトを25パーセントまで高めることを目指します。

中期経営計画で目指す姿

中期経営計画で目指す姿についてご説明します。

まず、情報システム事業については、ホール運営プロセスの最適化やDX推進による革新に加え、集客支援サービスやクラウド型経営支援サービスの拡大、さらにAI・ビッグデータを活用したデータドリブン経営の実現を目指しています。

また、アミューズメント事業では、自社パチスロ機の企画開発体制を強化し、ヒット機種の創出に挑戦します。コンテンツ事業の育成や主力ゲームの創出にも取り組んでいきます。

中期経営計画で目指す姿

新規事業や経営基盤の強化についてご説明します。

新規事業・事業領域の拡大においては、M&Aや新規投資を通じて異業種への進出を図り、グループ全体の強みを最大限に活用します。また、観光や飲食分野などでグループシナジーを活かし、新たな価値創出を目指します。

経営基盤の強化については、挑戦を続ける人材の育成や採用、サステナビリティ経営の推進、さらに安定配当と資本効率の向上を両立させるため、事業ポートフォリオの改革を進めていきます。

2026年3月期 連結業績予想

中期経営計画初年度となる今期の通期業績予想についてご説明します。

売上高は前年同期比11.3パーセント減の510億円、営業利益は前年同期比38.7パーセント減の75億円、経常利益も同じく75億円、当期純利益は前年同期比39.2パーセント減の47億円としており、改刷特需の反動はあるものの、高水準を維持しています。

研究開発費や設備投資については、引き続き積極的な投資を継続しています。

2026年3月期 セグメント別業績予想

セグメント別の通期業績予想です。情報システム事業は、改刷特需の反動により減収減益となっていますが、スマートパチンコの導入増加に伴い、カードユニットや新製品の販売は好調です。

アミューズメント事業は、グループ会社であるDAXELによるスマートパチスロと元気の自社ゲームタイトルの販売が業績に寄与し、増収増益を見込んでいます。

2026年3月期 配当

配当についてご説明します。

当社は安定配当をベースに、業績に応じた利益還元を実施していますが、2026年3月期については、業績予想の上方修正に伴い、中間配当を30円、期末配当を20円増配の70円とし、年間100円の配当を予定しています。

また、中期経営計画において年間80円とした下限配当については、今後の収益見通しなどを勘案し、以降3年間の下限配当金を年間100円へ引き上げます。

サステナビリティ(SDGs)

最後に、サステナビリティとSDGsへの取り組みについてご説明します。

当社は東証プライム企業の一員として、コーポレートガバナンス・コードが定めるサステナビリティに関して、基本方針やマテリアリティを定め、具体的な取り組みを推進しています。

特に、経営理念にある「イノベーションによる新しい価値づくり」に沿った小学生向けプログラミング教室や、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に沿ったノイズキャンセリングイヤホン「Wellph」は、ステークホルダーのみなさまに大変ご好評いただいています。

今後は「会社ごとから自分ごとへ」を合言葉に、社員一人ひとりがサステナビリティやSDGsを自分ごととして捉えられるよう、取り組んでいきます。

以上で、私からの発表は終わります。本日はご清聴いただき、誠にありがとうございました。

質疑応答:スマートパチンコが増加し始めた要因について

司会者:「スマートパチンコはスマートパチスロと違ってなかなかシェアが増えなかったと思いますが、今期増え始めた要因は何でしょうか?」というご質問です。

大成:スマートパチンコの導入が進んでいる要因は、3点あると考えています。

1点目は「ラッキートリガー3.0プラス」を搭載した新たな遊技性能を持つ機種が7月から登場したことです。従来のスマートパチンコに比べて出玉設計や演出の幅が広がり、より魅力的なゲーム性を実現できるようになりました。

2つ目は、スマートパチンコの稼動状況の向上です。機種ごとに差はありますが、全体として従来機より平均稼動が高い傾向が見られます。一部には長期的な安定稼動を維持する機種も登場しており、ホール企業さまにとって導入の判断がしやすくなり、設置比率の拡大につながっていると考えています。

3つ目は、遊技機メーカーの開発方針の変化です。スマートパチンコはさまざまなゲーム性を設計しやすいことから、各メーカーが新機種をスマートパチンコでリリースする方向へ舵を切り始めています。

今期、市場に投入されているパチンコの新機種の約6割以上がスマートパチンコでのリリースとなっており、スマートパチスロと同様に導入期から成長期に入ったと考えています。

質疑応答:パチンコホール業界における強みと今後の影響について

司会者:「ホールコンピューターのシェアが最大とのことですが、御社は現在、どのような強みや特徴をもって市場ポジションを築いているのでしょうか?

また、今後ホール企業の統廃合や業界再編が進む場合、事業環境にどのような影響が生じていると見られているかお聞かせください」というご質問です。

加藤忠芳氏(以下、加藤):上席執行役員の加藤です。パチンコホール業界では店舗数が減少傾向にあり、店舗の集約や再編が加速しています。

当社はもともと業界大手の上位に位置する大ホール企業さまを中心に導入いただいており、再編後の市場でも主要なお客さま層が維持される点が大きな強みとなります。

さらに、業界のDX化やスマート遊技機の普及により、ホール企業さまは経営判断の高度化、多岐にわたるデータ活用、店舗管理の省力化など、より高いレベルのシステム連携を求めるようになっています。

これらの領域は当社が最も得意とする分野であり、上位企業ほどデータ連携や分析サービスの活用度が高いことから、業界の上位集中が進むほど当社の提供価値が発揮されやすい市場構造になると考えています。

また、この流れの中で、当社が長年強みとしてきたデータ活用支援や運用フォロー、安定稼動を支えるサポート体制への評価がさらに高まっており、営業状況の分析や課題解決の提案まで含めた継続的な支援を行える点が、他社との差別化要因となっています。

業界全体では二極化の傾向が進む中、積極的に業績拡大に注力される企業ほど当社の製品・サービスとの親和性が高く、その結果、当社ユーザーの増加やシェアの拡大につながっていると認識しています。

当社はシステムを導入して終わりではなく、導入後の改善支援まで含めた長期的なパートナーとして、各企業の経営課題を解決することを目指しています。今後も、業界構造の変化を追い風に、市場ポジションをより強固にしていきたいと考えています。

質疑応答:下期の利益見通しと費用計画について

司会者:「通期業績予想を見て、第3四半期と第4四半期合わせると、上期と比べて利益が少ないように見えます。その理由を教えてください」というご質問です。

大成:下期の費用については、例年どおり人件費や開発費などが上期より多く発生する見込みとなります。

特に冬季賞与や決算賞与、役員報酬などの人件費は下期に偏る傾向があり、加えて新製品開発やクラウド関連への投資も下期に計上されるため、営業利益ベースでは上期に比べて抑制的な見通しとしています。

特に、今期は第1四半期に自社開発のスマートパチスロ機の販売が集中したことも売上利益が偏った要因となっています。

下期の見通しには、将来の事業拡大に向けた投資や開発・運用に関わる費用も慎重に織り込んでいます。そのため、通期で見ると下期の利益水準は低く見えるかたちとなっています。

一方で、足元の事業環境は、堅調に推移しています。スマート関連への設備投資需要は引き続き底堅く、安定した受注を維持しており、「MIRAIGATEサービス」を利用する加盟店舗数も着実に拡大しています。

当社の事業基盤は継続して拡大しており、今後も将来の成長に向けた設備投資を計画的に進めつつ、通期では計画水準の業績を確実に達成できるよう努めていきます。

質疑応答:下限配当金引き上げの理由について

司会者:「今期、上方修正したことによる増配は理解できますが、中期経営計画での下限配当も引き上げた理由について教えてください」というご質問です。

栢森:下限配当金を引き上げた理由は、大きく3つあります。

1つ目は、スマートパチンコの導入が順調に進み、市場がスマートパチスロと同様に成長期へ移行したと判断できる環境が整ってきたことです。

スマート遊技機の普及は、当社の主力である情報システム事業にとって中長期的な収益基盤の拡大につながるものであり、安定したキャッシュフローを継続的に確保できると見通しています。

2つ目は、資本コストを意識した経営の徹底です。当社は資本効率の向上を重要な経営テーマと位置づけており、株主のみなさまへの還元姿勢をより明確に示すことで、企業価値の向上につなげていきたいと考えています。

3つ目は、配当性向の考え方に基づく株主還元方針の強化についてです。今回の期末配当の増配に加え、将来にわたり安定した株主還元を継続するため、下限配当金を年間100円に引き上げることとしました。

これにより、利益に応じた業績連動部分と安定配当部分のバランスを取りながら、長期的な株主還元を強化する方針です。当社は、今後も収益力の向上と資本効率の改善に取り組みながら、持続的な企業価値および株主価値の向上を目指していきます。

質疑応答:スマートパチスロの進捗について

司会者:「スマートパチスロの進捗を教えてください。」というご質問です。

牧久視氏:執行役員の牧です。開発は順調に進んでおり、現在は2機種体制で開発を進めています。次回の機種については、2026年度内のリリースを目指しています。

質疑応答:新製品に対する高評価の要因について

司会者:「展示会で発表した新製品も好調とのことですが、その要因を教えてください」というご質問です。

加藤:今回の展示会で新製品が高い評価をいただいた要因は、ホール企業さまが抱える課題に対して当社が明確な価値や解決策をご提案できている点にあると考えています。

1つ目は、スマート遊技機の普及により、これまでのような玉積みによる出玉アピールができなくなったことから、ホール企業さまが新しい可視化手法を強く求められていた点です。

当社の「BiGMO XCEL」「REVOLAII」「DUALINA」は、大型液晶や演出技術を活かし、出玉感や賑わい感を表現するとともに、ファンが求める多様化する遊技データの特徴に合わせた演出を実現できます。そのため、スマート遊技機時代の標準装備として高評価をいただいています。

2つ目は、ホール運営の省人化が急速に進む中で、業務効率を高める統合端末への需要が一気に高まっていることです。

精算機とPOSを一体化した「TJ-01」は、「限られた人員で安定運営したい」というホール企業さまのニーズに合致し、省スペース化、業務負荷軽減、運用のシンプル化、そしてファンにとってのわかりやすさを同時に実現できる点が、導入増加につながっています。

このように、今回の新製品は単なる機能追加ではなく、スマート遊技機化、遊技性の多様化、省人化といった業界の大きな流れに正面から応える製品群となっており、これが好調の最大の理由であると認識しています。

当社は今後もパチンコファンの視点を大切にしながら、ホール企業さまの課題解決に貢献する新たな価値を提供していきたいと考えています。

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