【QAリンクあり】博展、3Qとして売上高・売上総利益は過去最高 万博、世界陸上等の大型イベント案件の伸長が業績に寄与
2025年12月期第3四半期決算説明
原田淳氏:みなさま、こんにちは。株式会社博展代表取締役社長執行役員COOの原田です。本日はご参加いただき誠にありがとうございます。
はじめに、11月12日に予定していた決算発表の延期により、みなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。
今回の延期は、業績拡大に伴う業務の拡大により、原価・費用認識に関する確認作業および監査手続きに、当初の想定よりも時間を要してしまったためです。
業績の伸長に伴い、案件の規模や複雑性も増してきています。このような状況を踏まえ、監査法人と必要な確認を進めながら慎重に手続きを進める必要がありました。
また、上方修正および増配の判断も重なったため、確度が十分に確保されていない段階で数値を公表することを避け、できる限り正確な情報をお届けすることを優先した結果、開示日を延期しました。事業規模が拡大する局面において、開示情報の品質を確保することを最優先とした判断であったことをご理解いただければ幸いです。
今回の件を真摯に受け止め、決算手続きおよび監査対応のさらなる円滑化を図るため、内部プロセスの改善を進め、安定した決算運営を実現していきます。引き続きよろしくお願いします。
Our Purpose

2025年12月期第3四半期の概略と事業トピックスをご説明します。まず、当社のパーパスを紹介します。
当社のパーパスは「人と社会のコミュニケーションにココロを通わせ、未来へつなげる原動力をつくる。」です。
当社は、体験の創出を通じて企業や社会の課題解決に取り組んでいます。単に顧客課題の解決にとどまらず、体験を起点とした人と社会の豊かなコミュニケーションをつくり出すことが、本質的な使命であると信じています。
人と人、人と社会のあらゆるコミュニケーションをデザインし、隅々まで心を通わせていきたいと考えています。そして、未来へつなげる原動力をつくり出し、自らもその原動力になっていきたいです。この思いのもと、仲間と力を合わせ、未来に向けて歩んでいきます。
会社概要・沿革

会社概要と沿革をご説明します。
当社の創業は1967年です。もの作りをルーツに、確かな制作力を強みとし、営業力とクリエイティブを強化することで成長を続け、2008年に上場を果たしました。
上場後も商材を拡大し、近年ではデジタルやサステナビリティの領域にも力を入れています。業界の慣習にとらわれず、お客さまのニーズに細やかに対応できる直接取引にこだわり、現在では740社を超えるお客さまとの取引が続いています。
また、当社は人的資本の強化にも早くから取り組んでいます。新卒採用に加え、近年ではキャリア採用も順調に進んでおり、グループ全体のメンバー数は600名を超えました。今後も博展らしく挑戦を続け、さらなる成長を目指していきます。
業績ハイライト

2025年12月期第3四半期の業績ハイライトをお伝えします。当第3四半期の売上高は46億3,600万円、営業利益は4億400万円です。第3四半期累計の売上高は149億5,000万円、営業利益は15億7,200万円です。
売上総利益は49億4,400万円、受注高は170億700万円、受注残高は94億1,900万円、指名受注売上高は87億400万円です。
事業ユニット戦略Topics

第3四半期もすばらしい案件が納品されています。その中から3つの事例をみなさまにご紹介します。
まず、「KITTE MARUNOUCHI/KITTE座 提灯音頭」についてです。こちらは、KITTE丸の内の1階吹き抜けフロアで8月に約1ヶ月間、開催されました。日本文化を支えてきた提灯をテーマにしたイベントであり、京都、福岡、茨城の3ヶ所の職人によって作られた提灯が集結しました。
一番大きな提灯は、当社の制作スタッフがさまざまな方々からのアドバイスを受けながら作り上げたものです。時間の経過により提灯が動き、音楽が鳴るという演出があり、そのすばらしさに私自身も現地で見とれてしまいました。また、訪れる方々が見上げて感動している様子を目の当たりにし、私自身にとっても非常に幸せな瞬間でした。
次の事例は、幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ2025」の集英社ゲームズさまのブースです。同展示会の今年の入場者数は歴代3位を記録し、出展者数や出展国・地域数は過去最多だったと聞いています。
人々の熱気や国際色豊かな会場の雰囲気を肌で感じ、エンタメやIPコンテンツといった分野が今後ますます発展していくだろうと実感しました。当社はもともとこの領域との関わりが薄かったものの、今後は積極的に取り組んでいきます。
最後は、リコーさまの「RICOH Value Presentation 2025」です。こちらは、自社ブランドやサービスのすばらしさを伝えるための商談会の事例です。
新しいサービスは顧客の課題により深く応えられる一方、内容が高度化・複雑化しているため、その良さをシンプルに伝えることが難しくなっています。
このような状況の中、体験を通じてサービスのすばらしさを伝えるニーズは、これから一段と増えていくと思います。当社は、広がり続ける世の中のニーズに、さらに応えていきたいと考えています。
サステナビリティ推進関連Topics

引き続き資源循環型イベントの受注も好調を維持しています。10月に株式会社船場と共催した「ETHICAL DESIGN WEEK TOKYO 2025」は、大盛況のうちに終了することができました。
マスコミにも取り上げられたことで、これをきっかけにさらに多くの可能性が広がっていくと感じたイベントでした。
上方修正の背景と新中期経営計画に向けた見通し

上方修正の背景と、来年から始まる新中期経営計画に向けた見通しについてです。まずは数字をご報告します。売上高は225億円、営業利益は21億5,000万円、当期純利益は15億円となりました。
次に、上方修正の理由です。「大阪・関西万博」会期中のイベントの増加や「東京2025世界陸上」開催などの特需に対応できたことで、大型案件が想定を超えて伸長しました。また、これに伴いグループ会社も良い成果を上げられたことが大きなポイントとなります。
来期から新中期経営計画が始まりますが、今期に得た利益をさらなる成長に向けた投資に活用していきたいと考えています。
株主還元(配当)

上方修正を踏まえ、期末配当は2円増の14円、年間配当は24円を計画しています。配当性向は25パーセントとなります。株主のみなさまの期待に応えると同時に、将来に向けた成長投資を十分に行うという考えに基づき、このような判断をしました。
株主還元(株主優待)

株主優待は、内容を「JCB PREMO」から「JCBギフトカード」に変更し、併せて金額も増額しました。詳細はスライドのとおりです。
株主還元(体験コンテンツ)

体験コンテンツについては、多くのご応募をいただき、本当にありがとうございました。当選者の方々にはすでに案内を発送済みです。ぜひ当日を楽しみにしていてください。
第3四半期連結業績

藤井由康氏:取締役執行役員CFOの藤井です。続いて、2025年12月期第3四半期業績の詳細をご説明します。
まず、全体の数字についてです。表の累計値をご参照ください。売上高は149億5,000万円で前年同期比プラス21億300万円となりました。売上総利益は49億4,400万円で前年同期比プラス10億7,300万円、売上総利益率は33.1パーセントで前年同期比プラス2.9ポイントです。
営業利益は15億7,200万円で前年同期比プラス7億500万円、営業利益率は10.5パーセントで前年同期比プラス3.8ポイントとなっています。当期純利益は10億6,300万円で前年同期比プラス4億8,700万円となり、累計で大幅な増収増益を達成しました。
売上高・売上総利益四半期推移

四半期の業績についてご説明します。まず、売上高についてです。第3四半期は46億3,600万円で着地しました。先ほど原田からも説明がありましたが、「東京2025世界陸上」や「大阪・関西万博」会期中の案件における特需により、案件単価の向上に加え、短納期の大型案件が特に9月に集中して発生しました。その効果が大きく、第3四半期としては最高の売上高である46億3,600万円を記録しました。
売上総利益は15億3,500万円、売上総利益率は上期から引き続き好調に推移し、33.1パーセントとなりました。
営業利益・当期純利益四半期推移

営業利益についても、売上高の伸長に伴い損益分岐点を大きく超え、4億400万円となり、営業利益率は8.7パーセントとなりました。当期純利益は2億7,000万円で、一番の閑散期であった第3四半期においても、利益を確保することができました。
営業利益の増減要因(前年同一期間比)

営業利益のウォーターフォール図です。こちらは累計の数字を示しています。ご覧のとおり、売上高の増加と売上総利益率の向上が大幅に伸長し、人材投資や成長投資の金額を大きく上回り、結果として15億7,200万円となりました。前期と比べて7億円以上の利益が積み上がった状況です。
事業ユニット別の損益の状況

事業ユニット別の損益です。表の累計の数字をご覧ください。
まず、売上高についてです。首都圏・B2Bマーケティング事業は減収となりましたが、それ以外の全ユニットが大幅に伸長し、全体では増収を達成しました。
特に、首都圏・B2Cマーケティング事業 が9億100万円の増収となり、大幅な伸長となっています。
次に、売上総利益および売上総利益率についてです。当社の主力である首都圏・B2Bマーケティング事業やB2Cマーケティング事業をはじめ、「仮設:イベントプロモーション」の全事業ユニットで利益率が改善しました。
特に、B2Cマーケティングが利益率の改善を牽引しました。また、子会社も引き続き利益に貢献しています。
受注高および受注残高四半期推移

受注高および受注残高の推移です。第3四半期の受注高は55億8,300万円と好調に推移しています。過去3期と比較しても、当期は第1四半期から第3四半期まで55億円を超える受注高を維持しており、安定して受注を獲得できています。納品活動と並行して、受注活動も着実に推進している成果があらわれたと考えています。
第3四半期の受注残高は94億1,900万円となり、過去と比較しても最高の受注残高となっています。一方、回転期間は3.8ヶ月と、少し短くなっています。当社は第4四半期が繁忙期であるため、このうちの多くが第4四半期の業績に寄与すると考えています。
指名受注売上高・指名受注率四半期推移(単体)

指名受注売上高および指名受注率の推移です。
今四半期の売上高ベースの指名受注率は全体で55.3パーセントと、従来の四半期と比べるとやや低水準となっています。これは裏を返せば、コンペ案件による売上が44.7パーセントを占めていたことを示しています。
一方、件数ベースで見ると、第3四半期では700件弱の案件があり、そのうち指名受注は574件でした。件数ベースの指名受注率は82パーセントを超えており、高水準を維持しています。
件数ベースでは高い指名受注率を維持している一方、金額ベースではコンペ案件の割合が増加した状況です。この点について当社では、将来の指名受注につながる新たな顧客層の拡大があったと評価しており、比較的ポジティブに受け止めています。
リピート売上高・リピート率四半期推移(単体)

リピート売上高とリピート率の推移です。売上高ベースのリピート率は67.6パーセントで、従来に比べて若干下がっているように見えます。しかし、先ほどの説明と同様に、コンペ案件については新規のお客さまを獲得するプロセスの一環と捉えています。このため、当社としてはポジティブに評価しています。
この結果を踏まえ、2025年12月期の業績予想をご説明します。
中期経営計画の進捗状況

中期経営計画の3年目について、上方修正を行いました。
売上高は209億円から225億円、営業利益は17億円から21億5,000万円、当期純利益は11億9,000万円から15億円に計画値を引き上げています。
進捗率について、売上高は66.5パーセント、営業利益は73.1パーセント、当期純利益は70.9パーセントという結果でした。
第4四半期は当社の一番の繁忙期となります。引き続き事業を着実に推進し、通期の業績達成を目指していきます。
質疑応答
質疑応答の内容については、当社IRサイトに公開中の「2025年12月期第3四半期 決算説明会 質疑応答要旨」をご覧ください。
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