サマリ
杉原章郎氏(以下、杉原):みなさまおはようございます。私より2026年3月期第1四半期の決算をご説明します。
はじめに、第1四半期決算のサマリをご説明します。まず売上高については、概ね計画どおりの着地となりました。他方、費用において成長投資を実行しつつもコストコントロールを徹底した結果、各利益は、計画に対し比較的好調に推移しました。
昨今の光熱費や原材料価格の高騰により、飲食店のコストに対する意識はシビアにならざるを得ない状況ではありますが、主力の飲食店向けストック型サービスにおいては、ARPUが引き続き順調に上昇するのと同時に、店舗数がわずかながらも前年同期末より増加しました。
店舗解約率については、低水準に抑えることができていますので、注力施策の推進及び営業体制の強化などを通じて、ARPU・店舗数双方の拡大による売上成長へと転換していきます。
2026年3月期 通期業績予想
なお、利益が前年同期と比べ少額に留まった要因については、スライドに記載のとおり、飲食店支援事業の強化に向けた成長投資による人員関連費用の増加のほか、前期の第1四半期において低水準であった減価償却費やプロモーション売上に係る費用の増加などです。
第2四半期以降、人員体制の増強成果を発揮することで、四半期を追うごとに利益創出力を向上させ、さらに、次期においてはその効果がフルに寄与することにより、飲食店支援事業の成長力を引き上げます。
決算概要
次に、第1四半期決算の概要です。
売上高は30億8,100万円、営業利益は2,500万円となりました。また四半期純利益については、特別利益に投資有価証券売却益3,000万円を計上したことなどから、5,100万円となりました。
なお、当社の主要なKPIであるARPU、店舗数、そして楽天ID連携会員数は、いずれも前年同期と比較しプラスでの着地となりました。
連結損益計算書
連結損益計算書は、スライドに記載のとおりです。
売上高内訳
続いて、売上高の内訳についてご説明します。
ストック型サービスは着実な拡大基調を継続し、前年同期より8.3パーセントの増加となりました。
一方、スポット型サービスについては、店舗が抱える課題を年間を通じて解決に導く伴走型サポートの観点から、ストック型での受注を重視したことを主因に前年同期を下回りました。
プロモーションについては、メーカー・法人向け案件、省庁・自治体向け案件ともに拡大したことから、前年同期を上回りました。
関連事業の増加については、主に昨年4月にオープンした厨房機器販売店「テンポスぐるなび」の売上が伸長したことによります。
原価・費用内訳
次に、原価・費用の内訳についてご説明します。
売上原価については、売上の増加を主因とした外注費の増加のほか、固定資産の積み上がりに伴う減価償却費の増加、飲食店支援事業強化のための積極採用に伴う労務費の増加などを背景に、前年同期を上回りました。
他方、販売費及び一般管理費については、売上原価同様の理由により人件費が増加した一方で、業務委託費が減少したことなどから、前年同期比微増に留まりました。
連結貸借対照表
貸借対照表については、スライドに記載のとおりです。
楽天ぐるなびの強化(1)~ ユーザー動向 ~
それでは、ここからは施策の進捗についてご説明します。
まず、「楽天ぐるなび」におけるユーザー会員の動向についてご説明します。
ユーザー基盤である楽天ID連携会員数は、引き続き順調に拡大し、第1四半期末で1,033万人となりました。
また、ネット予約1組当たりの平均人数の面でもポジティブな動きを見せており、スライド右側のグラフで示すとおり、会員でないユーザーが前期の第1四半期をやや下回る3.20人であるのに対し、楽天ID連携会員は、来店人数に応じたポイント付与の仕組みが奏功し4.77人と微増基調を継続しています。
このことから、楽天ID連携会員による当社サイトの利用を促進することは、予約件数の拡大だけでなく送客人数の増大の面でも有効であり、「外食機会の拡大」と「外食人口の増加」というダブルの効果で、飲食業界を活性化することができると考えています。
楽天ぐるなびの強化(2)~ 注力施策 ~
このようなユーザーの動向を踏まえ、スライドに記載のとおり、現在当社では楽天との連携強化を軸とした流入拡大・利用促進をテーマに「楽天ぐるなびの強化」に着手しています。
具体的には、当社サイトで予約経験のある楽天会員が利用する楽天の他のサービスを検証し、外食と親和性が高いと考えられるサービスとの連携を推進することに加え、接待からファミリー利用まで幅広い会食ニーズを捉えるべく、優良かつ特徴的な会員基盤を持つ楽天以外の外部メディア・サービスとの連携についても、検討・実施します。
また同時に、「幹事ランク制度」によるリピート予約促進及び大人数での外食喚起を図ることで、Webサービスの潮流に左右されない持続的な送客力の向上を図っていきます。
楽天ぐるなびの強化(3)~ 新たな取り組み ~
楽天との連携強化策の第1弾として、楽天カード株式会社が楽天カード会員に対し多様な特典を提供する「楽天カードプレミアムプログラム」と当社の「幹事ランク制度」との連携を本年秋に開始することを決定しました。
なお、本サービス連携の認知拡大とID連携の促進に向けた施策について、現在、楽天カードとの間で協議を進めています。
この度の楽天カードとの連携を皮切りに、外部サービスとの連携を今後一層推進することで、愛着を持って「楽天ぐるなび」を繰り返し利用するエンゲージメントの高いユーザーを拡大していきます。
さらには、「幹事に支持される・大人数の獲得に強いサイト」という個性をあらためて明確化し、加盟店ネットワークの拡大ひいては宴会文化の振興につなげていきます。
マーケティングエージェント
次に、飲食店が取り組むWeb集客活動の一括支援を目指す「マーケティングエージェント」サービスの1つである Google ビジネスプロフィール運用支援商品についてご説明します。
情報更新や投稿、さらにはMEO対策まで幅広いサポートが飲食店のニーズを捉え、左のグラフで示すとおり、利用店舗数は順調に拡大しています。加えて、昨年7月に実施した商品リニューアルが奏功し、平均利用単価が上昇しています。
また、機能面においては、本年5月より「楽天ぐるなび」に掲載されるクーポン情報の提供を開始しました。
当社としては、自社メディアの運営に留まらず、飲食店の集客支援を一手に担うという独自のポジションである「マーケティングエージェント」を強化することで、本サービスをフックとした新規加盟提案による飲食店ネットワークの拡充を進めていきます。
そして、エージェント活動を通じて飲食店の売上拡大に寄与するだけでなく、業務負荷を軽減し、調理や接客というような「外食ならでは」の体験価値作りに集中できるよう支援するなど、外食産業における労働環境の改善にも貢献したいと考えています。
モバイルオーダーサービス “ぐるなびFineOrder”
続いて、スライドはモバイルオーダーサービス「ぐるなびFineOrder」についてです。
スライド左側のグラフで示した契約企業数については、大手チェーン企業を中心に133社となりました。
また、店舗ベースでは、契約企業における受注店舗数が着実に拡大しているだけでなく、システムオンボードが完了した稼働店舗の割合は85パーセントまで高まっており、受注した店舗には、速やかに「ぐるなびFineOrder」を活用し効果を実感いただける状態となっています。
新たな取り組みとしては、飲食と物販が併設された施設やスイーツ店など、さまざまな業種で導入されている小売業向けPOSシステムとの連携を開始したほか、決済手段として「楽天ペイ」や「PayPay」などのスマホ決済機能を拡充しました。
トピック~ サステナビリティに関する取り組み ~
次に、新たに開設した情報サイトをご紹介します。
当社がサステナブルな食の実現を目指し、行政や自治体などとの連携のもと推進するさまざまな取り組みを紹介するサイトを6月に公開しました。
「食でつなぐ。人を満たす。」をパーパス(存在意義)とする当社の考えや取り組みへのご理解を深めていただける内容となっていますので、ぜひご覧ください。
提供価値の拡充
ただいまご説明した「楽天ぐるなびの強化」や「マーケティングエージェントの拡大」、そして「モバイルオーダーサービスの推進」などの取り組みは、スライド左側の図の縦軸である「支援領域の拡大」にあたります。他方、横軸は当社の強みである「サポート力の発揮」です。
支援領域が広がり、ソリューションが充実することで、営業をはじめとする人的サポート体制は、より幅広い業種・業態の飲食店の困りごとを解決に導くことが可能となります。
こうしたサポート力の発揮により、加盟店ネットワークを拡大すると同時に、飲食店経営者との販促に限らない経営全般に関する対話が促進されることにより、日々のサポート活動を通じて当社が集積する情報資産が、一層意義あるものとなります。
これを「商品造成力」の源泉とし、さらなる「支援領域の拡充」と「サポート力の発揮」の好循環を創出することで、飲食店支援事業をより強固な収益源へと進化させていきます。
質疑応答:ストック型有料加盟店舗数について
質問者:ストック型有料加盟店舗数について質問です。前四半期末比で見ると、わずかながら純減がありましたが、この点をどのように評価されているのでしょうか? 第2四半期以降は、どのように推移するとお考えでしょうか?
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