用語解説

自社株買いとは、企業が市場で流通している自社の株式を自らの資金で買い戻すことを指します。これは、株主への利益還元策および企業価値向上を目的とした財務戦略として広く活用されています。

この施策には以下のようなメリットがあります
・発行済み株式数が減少することで、1株当たり利益(EPS)や自己資本利益率(ROE)が向上し、財務指標が改善します。
・市場で流通する株式数が減少するため需給バランスが改善し、株価上昇が期待されます。
・経営陣による「現在の株価は割安」というメッセージとなり、将来業績への自信を示すシグナルとして解釈されます。

さらに自社株買いは以下の場合にも活用されます
・ストックオプションの原資として従業員インセンティブ制度に利用。
・敵対的買収への防衛策として活用。
・金庫株として保管し、M&A(株式交換)など資本政策に利用。

ただし自社株買いには以下のデメリットもあります
・自己資本比率低下による財務健全性への影響。
・キャッシュアウトによる資金繰りへの負担。
・長期的成長投資(設備投資や研究開発)の抑制リスク。

日本では近年、自社株買いを積極的に実施する企業が増えています。これは、コーポレートガバナンス・コードやスチュワードシップ・コードなど政策的背景もあり、特に余剰資金を活用した効率的な経営戦略として注目されています。一方で、投資家は配当とのバランスや財務影響を考慮しつつ、自社株買いを評価する必要があります。

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