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平山宏氏(以下、平山):代表取締役社長の平山です。本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。
本日のご説明内容は、会社概要、2025年3月期業績、2026年3月期見通し、中期経営計画、サステナビリティ、ソリューション紹介です。最後に参考資料を添付していますのでご参照ください。
会社概要
会社概要をご説明します。設立は1981年3月です。東証プライム市場に上場しています。3月に名証プレミア市場にも重複上場しました。代表は創業者で会長の山田と、社長の私、平山です。
資本金は5億5,015万円、連結従業員数は2025年4月1日現時点で1,656名、平均年齢は34.0歳です。連結子会社は株式会社ソエルです。詳しくは後ほどご説明します。
主な株主構成は、山田敏行が14.26パーセント、日本マスタートラスト信託銀行が9.62パーセントとなっています。
事業所・営業拠点
事業所および営業拠点です。SI営業とシステム開発の主要拠点として名古屋本社、東京と大阪に支社を置いています。プロダクトソリューションの営業拠点として、札幌、仙台、福岡にオフィスを構えています。
子会社事業の展開
子会社事業についてご紹介します。株式会社ソエルは、障がい者支援を目的とした特例子会社です。2012年に障がい者就労移行支援事業を行う株式会社ウェルテクノスと設立しています。
経営ビジョン
当社の経営ビジョンです。お客さまの良き理解者となり、信頼に応えていけるITパートナーとして、共に歩んでいきます。
主な取引先
主な取引先はスライドに記載のとおりです。トヨタグループでは、トヨタ自動車、トヨタシステムズ、豊田自動織機グループ、豊田通商グループ、デンソーなどがあります。全売上のうち約3割をトヨタグループが占めています。
その他エンドユーザーでは、ヤマト運輸グループからパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスまで、ご覧のとおりとなっています。
コンピューターメーカーでは、富士通、日立、日本アイ・ビー・エム、東芝デジタルソリューションズ、大手SIerでは、SCSKからNTTデータ東海まで、ご覧のとおりとなっています。
コンサル系では野村総合研究所、ビジネスブレイン太田昭和などがあります。
2025年3月期 実績サマリー(連結)
2025年3月期業績をご説明します。2025年3月期実績サマリーです。売上高は前年同期比11.1パーセント増の259億3,100万円でした。売上総利益は前年同期比12.5パーセント増の60億2,800万円、営業利益は前年同期比10.8パーセント増の29億9,700万円、経常利益は前年同期比10.7パーセント増の30億6,600万円です。親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比11.4パーセント増の21億9,400万円となりました。
2025年3月期 売上(区分別)
売上高の内訳です。SIサービス業務は請負案件を中心に受注が増加しました。売上高は前年同期比14.1パーセント増の104億8,000万円となりました。
ソフトウエア開発業務は、多くのリピートオーダーを確保できたことにより、前年同期比8.4パーセント増の142億4,800万円となりました。
ソフトウエアプロダクトは、パッケージソフトの販売・保守の増加で前年同期比18.6パーセント増の4億2,100万円となりました。
商品販売は前年同期比7.8パーセント増の4億1,000万円です。
WEBサービス等はEC支援サービスの新規顧客・流通金額が増加したことから、前年同期比36.3パーセント増の3億7,100万円となりました。
売上高の推移(連結)
過去5年間の売上高の推移はスライドに記載のとおりです。2022年3月期以降、4期連続で増収増益、最高の売上を更新しています。
営業利益の推移 (連結)
営業利益の5年間の推移はスライドに記載のとおりです。
採用実績の推移 (単体)
採用実績の推移です。2025年4月は男性110名、女性61名、合計171名が入社しました。
IT業界 今後の見通し
2026年3月期の見通しをご説明します。まず、当社が属するIT業界の今後の見通しについてです。2025年の日本経済は、景気は緩やかに回復しているものの、米国の通商政策等により先行きが不透明な状況です。
IT業界の市場規模は約17兆円です。企業の業績回復を背景に、DX関連の投資の継続、生成AI市場の拡大により、国内のIT市場の規模は2025年に8.2パーセント増、2023年から2028年までの平均成長率は6.3パーセントと、堅調な推移が見込まれています。
業界の懸念事項としては、米国の通商政策の影響で、ユーザーがIT投資を抑制する可能性があること、また、IT技術者の不足が深刻化していることが挙げられます。
2026年3月期 基本方針(46期)
2026年3月期の基本方針です。IT業界は、業界編成の動きが活発になってきています。当社も、ただ生き残るのではなく、企業規模の拡大と価値の向上を図り、ポジションを上げる必要があります。
「Think&Try!! ポジションを上げよう!」ということで、目指すべき水準として、成長率15パーセント、利益率15パーセント、社員数2,000名、1人当たり売上2,000万円を設定しています。
どのようにしたらこのパフォーマンスターゲットを全社で達成できるのかを考え、全員のベクトルを合わせ、スピード感を持ってチャレンジしていきます。
2026年3月期 業績見通し (連結)
2026年3月期の業績見通しです。売上高は前期比13.0パーセント増の293億1,400万円を予想しています。営業利益は前期比14.9パーセント増、経常利益は前期比14.3パーセント増を予想しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比15.5パーセント増の25億3,500万円を予想しています。
株主還元
株主還元です。株主への配当については、当社の株式を長期的かつ安定的に保有していただくため、安定配当を基本方針としています。
また、株主還元の一層の拡充を図るべく、配当性向40パーセントを目標としていきます。午前の終値は1,789円でした。配当利回りは3.35パーセントとなっています。
「みんかぶアワード2024」受賞
当社は「みんかぶアワード2024」を受賞しました。みんかぶアワードとは、金融・資産形成情報メディア「MINKABU」が年に一度、今後が特に期待される株式銘柄について選定・表彰する制度です。
今後も当社は株主、投資家のみなさまのご期待に応えられるよう、株主還元の充実を図っていきます。
中長期目標
中期経営計画についてご説明します。売上高の中期目標500億円、長期目標1,000億円を目指していきます。
Next Vision 50th
「Nex Vision 50th」では、5つの取り組みを進めています。
1つ目のテーマは「コア事業の拡大と高度化」です。当社のコア事業であるSIサービスにおいて、中部に加え、関東・関西マーケットの優良顧客の獲得と、得意分野の事業特化・ソリューションの拡充を図ります。
2つ目のテーマは「Next事業への挑戦」です。コア事業で培ったノウハウと知見を活かして、SIサービスに加え、次世代の中核事業となり得るビジネスの創出に挑戦します。
3つ目のテーマは「新たな価値を創出する技術力」です。社会課題や経営課題の解決をデジタル技術で実現するエンジニアリング力をデザインします。
4つ目のテーマは「人的資本とバックオフィスの強化」です。社内DXの推進とセキュリティ強化、ガバナンス向上、ブランディングと採用強化で組織拡大をバックアップします。
5つ目のテーマは「従業員エンゲージメントの深化」です。経営理念やビジョンを共有し、社員の連帯感を高め、会社と社員が共に成長できる仕組みを構築しドライブします。
中期(3ヵ年)経営計画 (連結売上高・連結営業利益)
連結売上高と連結営業利益の中期計画です。毎年10パーセント以上の伸びで、2028年3月期は連結売上高367億7,600万円、連結営業利益44億円の計画です。
中期(3ヵ年)経営計画 (連結従業員数)
連結従業員数の中期計画です。スライドは2024年と2025年4月1日時点の従業員数と、来期以降の計画を示しています。従業員2,000人体制を目指していきます。
サステナビリティにおける取り組み
太田吉信氏:執行役員管理本部長の太田です。サステナビリティについてご説明します。当社では「ダイバーシティ エクイティ&インクルージョンの推進」「健康経営への取り組み」「DX時代の技術対応」「安心・安全・豊かな暮らしへの取り組み」の4つのカテゴリに分類して取り組んでいます。
数字で見る取組結果 (2025年3月末)
サステナビリティの主な取り組み結果は、スライドに記載のとおりです。
全役務者に占める女性役務者割合は11.2パーセント、女性の継続雇用割合は95.2パーセントです。育児休業取得率は女性100パーセント、男性53パーセントと全国平均を上回っています。
平均残業時間は14.2時間、有給休暇取得率は79.2パーセントです。離職率は8.4パーセントで、業界平均が12.4パーセントなので、定着率は良いほうだと思います。
各種認定・認証(社外からの評価)
各種認定・認証はスライドに記載のとおりです。「DX認定事業者」認定取得をはじめ、情報セキュリティに関する各種認定のほか、健康経営や働きやすい環境作りにも積極的に取り組んでいます。
SIサービスとソフトウエア開発
当社のソリューションについてご紹介します。まず、主力事業のSIサービスとソフトウエア開発についてご説明します。
お客さまの経営課題に向き合い、顧客密着型で培った業務ノウハウと高い技術力で満足いただけるサービスをご提供します。
カバーしている産業分野は自動車関連、物流、流通、通信・制御、プラント・ライン制御などです。ICT基盤などのインフラ構築、コンサルティング、ERP、ローコード開発といった分野のノウハウも豊富に持ち合わせています。
SIサービスは、システムのコンサルティング、設計・開発からテスト導入までを一括でご提供します。
ソフトウエア開発は、その後の保守・運用や維持メンテナンスを実施することにより、システムのバージョンアップやリプレイスのリピートオーダーにつなげ、安定した収益を上げています。
SIサービスの主な開発実績①
SIサービスの開発実績の一部をご紹介します。大手自動車メーカーの全国販売店(ディーラー)向けの商談見積、受発注管理システムや営業支援、顧客管理システム、大手宅配運送会社の伝票発行システムや配送伝票の代理発行システムです。
SIサービスの主な開発実績②
大手物流メーカーでは、物流センターの入荷から出庫までの管理を自動化するシステム、大手製鉄メーカーでは、製鉄所での原材料受入から出荷までの生産工程における設備・製造ラインの操業・品質管理システム、その他、大手企業の基幹システムに数多く携わっています。
EC支援サービス
EC支援サービスです。EC支援事業として、本格的なネットショップをWeb上で簡単に開業できる「イージーマイショップ」をサブスクリプションサービスで展開しています。
2025年3月時点で「イージーマイショップ」の契約総数は約1万7,000件、流通総額は約110億円です。また当社では、創作品モール「あるる」を運営しています。こちらも、ぜひ一度ご覧になってください。
イリイプロダクト (中小企業向け業務パッケージ)
「イリイプロダクト」についてです。こちらは中小企業向けの業務パッケージソフトとなっています。「Simplex」は、通販業に特化したパッケージソフトです。導入実績は750社ほどです。
「CTIコネクテル」は、電話対応を効率化するCTI・コールセンター系システムです。こちらの実績は1,700社ほどです。「WArm+(ウォームプラス)」は、顧客管理や履歴管理を自由に設計できるCRMシステムです。こちらは約5,000社の実績があります。
「BIGシリーズ」のラインナップは、スライドのとおりです。現在約3,000社のお客さまにご愛用いただいています。
ドキュメントソリューション
ドキュメントソリューションについてです。「デジペーパー」は、手書きをテキストに変換し、電子サインを残したり、PDF帳票に直接書き込んだりすることができます。設備の点検、設置工事など、現場の作業確認、報告業務等でご利用いただけます。
AIソリューション
AIソリューションについてです。「デジクエリ」は、文書検索支援サービスです。生成AIを活用し、事前に登録したさまざまな文書から必要な情報を引き出します。翻訳や要約も可能で、文書検索に多くの時間を費やす企業の業務効率化に貢献します。
当社は、「デジクエリ」を活用した名古屋大学医学部附属病院さまとの産学連携による共同開発を開始しました。今回の研究結果をもとに、医療版「デジクエリ」の精度向上を図り、医療分野以外の業界への展開も目指します。
「2025 IBM Partner Plus Awards 」受賞
「デジクエリ」の取り組みにより、「2025 IBM Partner Plus Awards」を受賞しました。「IBM Partner Plus Awards」とは、お客さまのデジタル変革を積極的に支援するなど、業界に大きな貢献をもたらした世界各地域のIBMパートナーを表彰する制度で、「AI for Business in Japan」部門を受賞しました。
AIソリューションの導入事例
導入事例をもう1件ご紹介します。日本アイ・ビー・エムさま、ジェイアイ傷害火災保険さまとの協業で、AIを活用したスーツケース破損保険金自動支払いサービスの開発支援を行いました。
このサービスは、AIがスーツケースの損傷画像を解析し、破損を検知して保険金を自動送金するシステムです。これにより人による確認は不要となり、保険金支払いが最短即日で可能となります。
その他のソリューション
その他にも、他社との協業スキームでさまざまなソリューションをご用意しています。
平山:ご参考資料として、当社の沿革、2025年3月期売上高上位、連結損益計算書、連結貸借対照表、連結キャッシュ・フロー、最後に中期3ヶ年経営計画をつけています。
以上で、株式会社システムリサーチ決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:トランプ関税の影響について
質問者:スライドの7ページの取引先についてです。御社は売上高の3割がトヨタグループということですが、トランプ関税のショックがあり、トヨタをはじめ、トヨタグループも各社、保守的な業績予想を出しています。
それが御社のシステム受注に影響があるのか、もしくはないのか、そのあたりの今の感触と社長の見解を教えていただければと思います。
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