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鈴木歩氏(以下、鈴木):これより2025年8月期の第2四半期決算説明を行います。代表取締役社長CEOの鈴木歩です。よろしくお願いします。

本日の大きなアジェンダは、スライドのとおりです。業績報告と成長方針の順に進めていきます。

2025年8月期第2四半期 決算ハイライト

決算ハイライトについてご説明します。全社サマリーとしては、売上高が23億4,100万円、売上総利益が14億9,700万円、EBITDAが1億8,500万円でした。非常に力強く成長しているところです。また、サマリーと連動するかたちで、マーケットプレイス、エージェントともに筋肉質に伸びています。詳細はこの後ご説明します。

また、今回はトピックスも4点ほどあります。こちらも後ほどご説明します。

2025年8月期第2四半期決算概要

業績報告です。スライドは決算概要になります。ほぼ全ファネルとも順調に進捗しており、特に営業利益、経常利益は想定を大きく超過しています。

四半期売上高推移

四半期の売上高推移です。この第2四半期は12月から2月に当たるのですが、ビジネス利用が増加したことにより年末年始は多少へこみ、前年同期の2月がうるう年だった影響による微減もありました。ただし、トータルの成長としては力強く伸びています。

四半期売上総利益推移

売上高と連動し、売上総利益も前年同期比26.4パーセント増と大きく成長しています。

四半期EBITDA推移

EBITDAについてです。多少の増減はありますが、2億円に近い推移で、引き続き利益を出せている状況です。

四半期売上原価+営業費用推移

売上原価、営業費用に大きな特徴や変化はありません。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期流通高推移

マーケットプレイスセグメントの四半期の流通高の推移です。こちらも、うるう年の影響などを調整すると、前年同期比で10パーセントを超える成長を維持できています。今後も力強く伸ばしていくために複数の大型機能開発を行っているため、後ほどトピックスでご説明します。

(補足説明)ビジネス利用のトレンドについて

補足説明となりますが、足元ではビジネス利用が非常に伸びています。ココナラの会員登録時には、まず個人目的なのか法人目的なのかをうかがっていますが、法人目的としての発注ニーズが54万を突破しています。

もちろん「ココナラスキルマーケット」で直接的に購入していただくこともできますが、今はココナラ経済圏という方針の下で、ココナラのIDを一括管理しています。このため、ここでのリードを「ココナラエージェント」、特にLTVが高まるような領域においての提案に活かし、グループ全体としての収益最大化も図れるようになってきています。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期売上・セグメント利益推移

四半期売上・セグメント利益の推移です。こちらも引き続き、前年同期比11.7パーセント増と、2桁成長できています。また、高いセグメント利益率を維持できています。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期KPI推移

四半期のKPI推移です。購入ユニークユーザー(UU)数は、特に既存の購入UU数が引き続き好調に推移している一方で、一部、SEO影響でへこんでいる部分もあります。こちらはすでに対策を講じ、次の四半期以降はさらに伸ばしていけるよう対応を進めています。

1人当たり購入額は、お話ししたとおりビジネス利用が引き続き好調に推移しているため、1人当たりの購入額も上がっています。

マーケットプレイス(法律相談除く)四半期KPI推移

その他の四半期のKPI推移です。会員登録数、サービス出品数ともに順調に推移しています。特にスキル登録者数については、ココナラ経済圏の中でユーザーのスキル、知識、経験、学歴、職務経歴をしっかりと入力していただけるような仕組みに変更するなど、データベースをかなり拡充しています。加えて、数を増やすだけではなくクオリティもきちんと担保するような仕組みを用意しています。これも後ほどトピックスでご説明します。

マーケットプレイス(法律相談)業績推移

「ココナラ法律相談」の状況です。売上高は、前年同期比12.6パーセント増と順調に伸ばせています。

マーケットプレイス(法律相談)KPI推移

KPI推移です。前年同期比9パーセント成長した有料登録弁護士数と、ARPUの両方を掛け算で上げていけるようなかたちで、いずれもKPIが好調に推移しています。

エージェント 四半期業績推移

エージェントの四半期業績推移です。前年同期比では、「ココナラテック」に旧アン・コンサルティングが入った影響で、数字が大きく伸びています。

ただし、前四半期比では売上高が減少しています。「ココナラテック」領域では、売上トップラインを重視するというよりも、しっかりと筋肉質なカルチャーフィットと戦略オペレーションフィットを重視しています。売上が減少しても利益がキープできるかたちで、PMIを進めています。

一方で、足元では「ココナラアシスト」が急速に取引数と売上を伸ばしているため、全体としてはほぼイーブンな成長となっています。

エージェント KPI推移

エージェントの業績をKPIでご説明します。足元では「ココナラアシスト」が大変好調に推移しているため、今後もクライアント数および稼働者数の増加傾向は変わらないと思っています。ちなみに、「ココナラアシスト」は、人事や経理、オンラインアシスタント、デザインアシスタントなどを時間給でご紹介するものです。

また、ココナラ経済圏の入り口として入りやすい「ココナラアシスト」を最初に提案し、「ココナラアシスト」からの広がりとして「ココナラテック」「ココナラプロ」のクロスセル提案もでき始めています。

この構造がうまく回り始めると、相乗効果で「ココナラテック」「ココナラアシスト」「ココナラプロ」を含む「ココナラエージェント」全体の売上を伸ばしていけるのではないかという兆しを感じています。

通期業績予想に対する進捗

通期業績予想に対する進捗状況です。こちらは冒頭お伝えしたとおり、営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益が、当初の想定を上回るかたちで大変好調に推移しています。もちろんトップライン成長も維持できていますが、売上に対しての収益化が非常に好調に推移していると思っています。

ココナラはもともと「ココナラスキルマーケット」と「ココナラ法律相談」の2事業だったところに対して、今はココナラ経済圏として10事業を展開しています。どちらかというと残りの事業は現在、先行投資のフェーズにあります。

「ココナラスキルマーケット」で稼いだ大きな利益を原資に先行投資しているにもかかわらず、想定を上回るかたちで得た余剰利益が、先行投資による損失を埋めているのは、非常に良い傾向かと思っています。

この第3四半期、第4四半期にかけての考え方でいくと、トップラインをしっかりと成長させた結果が利益に返ってくるような循環を、来期以降も生んでいきたいと思った時に、来期の成長を下支えしてくれるようなマーケティング投資が可能であれば、第3四半期、第4四半期に一定の投資を行う考えです。

ココナラ経済圏の全体像

スライドでは、ココナラ経済圏の全体像をご紹介しています。後ほどトピックスなどでもお話ししますが、マーケットプレイスにおける複数プロダクトの立ち上げや各種エージェントの事業開発・立ち上げ、新しいプロダクトである「ココナラAIスタジオ」の立ち上げなど、すべてが足元でしっかりと歩みを進めています。

定期購入機能をリリース

トピックスは4つあります。1つ目は、EC型のマーケットプレイス「ココナラスキルマーケット」の定期購入機能です。

2024年末に、単発の受発注だけでなく定期購入もできる機能をリリースしたところ、出品数のKPIが好調に推移しています。また、これに伴い、毎月自動的に上がる売上も増えていることに加え、ユーザーにとっての利便性も高いという状況が見えました。

このため、いよいよ2025年3月からアプリ版もリリースしました。この結果、需要と利用がさらに高まり、全体的には単発の受発注だけではなく、定期購入における受発注のシェアが増え続けています。

こちらは、今後も大きくリテンションレートを高めていく上で期待している機能になりますので、アップデートおよびリバイスしていきたいと思っています。

職務経歴書のアップロード機能を実装

トピックスの2つ目は、職務経歴書のアップロード機能の実装です。先ほど「ココナラは人材のデータベースの拡充がうまくいっており、107万件を超えています」とお話ししましたが、単純に数を増やすだけではなくクオリティもしっかりと充実させていきたいと思っています。

これまでは、主に学歴や経歴、スキル、使えるツール、受賞歴などの細かい項目をご自身で入力していただくかたちでした。これまでどおりの機能はもちろん残しつつ、手元にあるみなさまの職務経歴書・履歴書などを気軽にアップロードしていただければ、AIが項目ごとに自動入力してくれる機能を実装しています。

これによって、件数・クオリティとも格段に向上することを狙っています。KPI向上の動きが見られれば、都度みなさまにお伝えしたいと思っています。

生成AIを活用した、ココナラ募集のアップデート

トピックスの3つ目は、生成AIを活用した「ココナラ募集」のアップデートです。到来しつつあるマーケットの変化における生成AIを、ココナラ経済圏の中にしっかりと取り込んでいき、生成AIを脅威ではなく機会として捉え、しっかりとKPIに反映させるようなかたちで活かしていきたいと思っている中での事例です。

「ココナラ募集」は、先ほどお伝えしたEC型の「ココナラスキルマーケット」と商流が逆になっています。発注したいと思っている人が予算と依頼内容を投稿すると、簡単に応募が集まり、提案の中から購入できます。どちらかといえば自分でサービスを検索して選ばなければいけない「ココナラスキルマーケット」と比べ、より簡単にマッチングできる機能だと思っています。

さらに、募集投稿時点のマッチング入力やクリック数などを減らしていけるような仕組みになっています。このため、今後「ココナラ募集」の募集案件の投稿という、最初の起点になるKPIを飛躍的に増加させていくための一施策としてリリースしました。

実際、これによって、かなり目に見えるかたちで募集投稿完了率が上がっています。こちらをさらに発展させるかたちで、タイトルさえ入れれば、基本的に募集投稿画面がAIによってサジェスト生成される仕組みを追加開発しています。下期に向けて「ココナラ募集」、特に継続役務領域のマッチングが一気に加速することを期待しています。

新たなマッチング手法「ココナラスカウト」を4月にローンチ予定

トピックスの4つ目は、新たなマッチング手法です。半年以上かけて準備してきました「ココナラスカウト」を4月にローンチする予定です。

クライアントは、先ほどお伝えした100万人を超える人材データベース上で、これまでのようにサービスや案件を軸とせず、人を軸にマーケットプレイス内を探すことで、人手が足りていないプロジェクトもしくは案件に対して簡単にアサインできる機能です。

もちろん、一人ひとりの人材を個別にスカウトしていく機能としても、今後伸びていくことを期待しています。ただし、足元では、既存のマッチング経路の機能強化としても使えると思っています。

例えば、これまでの単発領域では、それぞれの方に見積りを出し、「こういうことをしてくれますか?」と個別に聞いていました。これに対して「ココナラスカウト」は、案件を共通化して生成できるため、各人材を「この案件に参加しませんか?」とスカウトし、ジョインしていただくことで、より簡単に複数の方へ見積りを出せるようになります。

ココナラスカウトは、クローズド案件として進めることはもちろん、それをオープン化すれば「ココナラ募集」というかたちの公募にもできます。具体的には、その案件に有力だと思う人材の方々を個別にご招待し、「よかったら応募しませんか?」というかたちでスカウトすることもできます。

これまでのココナラの成長を支えてきた単発の見積り機能や、継続型役務提供を盛り上げてきた「ココナラ募集」のマッチング数を上げていくための下支えとなる機能としても、期待しています。

ここまでが業績報告になります。

Vision・Mission

後半は、成長の方針について簡単にご説明します。まず、ココナラとしては引き続き、一人ひとりが「自分のストーリー」を生きていく世の中を作っていきたいと思っています。

また、それを信じて集まってくださっている買い手側・売り手側のみなさまに、あらゆる機会、いわゆるバッターボックスを提供するというビジョンのもと、取り組んでいきたいと思っています。

さらに、それを個人の知識・スキル・経験を可視化し、マッチングするような手法やミッションを通じて実現していきたいと考えています。

ココナラの成⻑方針

成長方針には、これまでと変わらず「すべてが揃うサービスプラットフォームを確立する」を掲げています。自分のスキルや知識、経験を活かして社会とつながりたい、もしくは稼ぎたいと考えた時に、純粋想起でココナラに訪れていただき、ココナラですべてが叶う状態を作りたいと思っています。

逆に、現在の会社の組織やプロジェクトに足りていないケイパビリティや人材リソースを新卒採用や中途採用以外の方法で探したいと考えた際にも、ココナラにきていただきさえすれば、そのすべてが叶う状態を目指していきたいです。

この大きな方針をどのように進めていくかというと、事業領域としては、これまで祖業として展開してきたマーケットプレイスに加えて、中堅から大手エンタープライズのみなさまに対して価値提供するのであれば、セールスマーケティングを通じたエージェントがあります。

エージェントがフィットする部分もあるだろうと思いますし、場合によってはかゆいところに手が届くSaaSプロダクトを作る必要もあると考え、現在の事業領域を展開しています。

さらに、どのように進めていくかというと、個別性高く、足し算で進めていくよりは、しっかりとシナジーを生むことができる、またはアセットを活用できる掛け算の経営をしていけるよう、「何を活かせるのか」という前提をきちんと置き、その範囲で新規事業を考えていきます。

それがデータベースの基盤、プロダクトの基盤、マーケティング・セールスの基盤となっています。

TAM:ココナラがターゲットとする市場規模イメージ

TAMについてです。これまで、EC型のマーケットプレイスだけを対象としていた間は、スライド一番左下にある「単発役務」のみをマーケットとして捉えていました。しかし現在では、「ココナラ募集」という、マーケットプレイスの中においても、継続型の役務提供をマッチングする仕組みができています。

さらにエージェント領域においても、継続型のプロジェクトに対する直接的な人材のアサインを捉えられるようになってきています。このため、私たちとしては、市場全体の約37兆円に対して価値を提供していきたいと思っています。

もちろん現在、足元では生成AIの影響などもあり、すべてが人でなければならない世の中ではなくなってきているとは思います。置き換わる部分が一定数あり、場合によっては、現在の約37兆円というTAMが緩やかに30兆円、もしくはそれを下回る規模まで減少する可能性もあります。

しかし、人でなくてもよい領域はAIに置き換わっていくことは必然とする一方で、どうしても最後にコンテクストが生まれ、人が介在しなければ成り立たない状況も、依然として多数あるだろうと考えています。

私たちとしては、そのようなレガシー産業の多重下請け構造のようなところから脱却し、ダイレクトなマッチングを通じて、現在の約200億円の取扱高を数千億円のシェアとして捉えられていくよう、事業を運営していきたいと思っています。

また、それをゴールターゲットとして捉え、ゴールシークに向けて何ができるかを考えながら、現在、戦略を練っているところです。

セグメント別ミッション

セグメント別のミッションです。全社としては、引き続き、私たちの価値の源泉である人材データベース、さらには今後クロスセルしていくための顧客データベースを、基盤として統一していきます。そのためにも、これらをきちんとプロダクトエンジニアリング、テクノロジードリブンで進めてきた会社らしく共通基盤化し、全社で横展開しやすい仕組みを作っています。また、ここに対するセールスの基盤も構築しています。

また、先ほどお伝えしたとおり、生成AIを活用してファネルを改善できる領域はまだ多くあります。これまでになかったスキルや知識、経験を売買するマッチングは、普通の方にとっては物の売買と比べて捉えづらく、難しいところもあるかと思います。

しかし、あらゆる箇所に徹底的に生成AIを導入していくことで、1クリック、2クリックで自然とAIにいざなわれることから、どんなリテラシーレベルの方にも簡単にお使いいただけるようなプロダクトアップデートを行っていきたいと思っています。

エージェントについては、先ほどお話ししたとおり、足元では「ココナラアシスト」が非常に調子良く成長しているため、ここに集中投資していきたいと思っています。「ココナラテック」についても、非常に筋肉質なPMIができつつあるため、効率経営していくことに注力していきたいと思っています。

事業開発の領域については、足元では「ココナラAIスタジオ」をローンチしています。現在はtoCでなくtoB向けに需要やリードを獲得しながら商談につなげ、お話ししています。我々の想定を上回るレベルで引き合いがあるため、そのご期待に応えられるようなプロダクトを開発し、しっかりと導入していきたいと思っています。

これらの詳細については、この後のスライドに記載してあるため、お時間のある方はご覧いただければと考えています。

もう1点、財務方針について補足します。今後も、しっかりとトップラインの成長を見据えた事業開発を行い、伸ばしていきます。一方で、高収益率となっているマーケットプレイス領域を中心に再投資を行います。中長期的に見た際に、非常に高い営業利益率および営業利益額となるよう経営していきたいと思っています。

イレギュラーにより、2024年8月期から2025年8月期は利益がへこむかたちになっていますが、今後はしっかりと利益をプラスで上乗せしていける経営ができる目処も立っています。このあたりについても、みなさまへの情報をアップデートしていきたいと思っています。

私からのプレゼンは以上となります。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:前四半期と比べて総資産額が減少している要因について

田中元氏(以下、田中):「前四半期と比べてB/Sの総資産額が減っているように見えますが、その理由を教えてください」というご質問です。

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