エグゼクティブサマリー
古川光瑛氏:サークレイス株式会社CFOの古川光瑛です。2025年3月期第3四半期の決算についてご説明します。
まずはエグゼクティブサマリーです。スライドに当社が強調してお伝えしたいポイントを4つにまとめています。
スライド左上の「収益の源泉となる対応可能テクノロジー」についてご説明します。当社では、2024年3月期第3四半期までは「Salesforce」と「Anaplan」の2つのテクノロジーを軸に事業を展開してきました。2024年3月期第4四半期からは、新たに「ServiceNow」および「AWS」の領域でもサービスを始め、今期第3四半期からはマイクロソフト領域においてもサービスを開始しています。
続いて、スライド右上の連結ベースでの売上高についてです。2025年3月期第3四半期累計の売上高は、前年同期の20億6,300万円から30.9パーセント増の27億100万円を記録しました。第3四半期までの累計で上場来、最高の増収率となっており、先ほどご説明した対応可能領域の拡大に伴い、事業規模を拡大しています。
次に、スライド左下の連結ベースでの営業利益についてです。前年同期はマイナス9,000万円だったところ、今期は5,200万円となり、黒字転換を達成しています。「ServiceNow」事業を担う連結子会社アオラナウ株式会社への成長投資を継続しながら、数字として大きな進捗を示しています。
スライド右下のサークレイス株式会社単体における営業利益についてです。前年同期はマイナス4,500万円だったところ、今期は2億3,000万円と大きく改善、成長しています。こちらは前期第4四半期より継続して黒字を記録しており、新たなサービス領域の拡大をはじめとする将来投資への土台を堅調に固めています。
2025年3月期第3四半期 連結決算ハイライト(累計期間)
決算概況についてご説明します。まずは決算ハイライトです。売上高は前年同期比30.9パーセント増の27億100万円、営業利益は5,200万円、当期純利益は7,000万円と、いずれも成長しています。
2025年3月期の連結業績予想値と比較すると、売上高、営業利益、当期純利益のすべてにおいて計画どおり推移しています。また、社員数は連結で前期末比62名増の358名となっています。
損益計算書サマリー(累計期間)
損益計算書のサマリーです。売上高は全体で前年同期比30.9パーセントの増収、コンサルティングサービス、SaaSサービスの両事業とも前年同期比で増収となっています。アオラナウ事業においては、3億3,700万円の売上を記録し、順調に推移しています。
営業利益に関しては、アオラナウ事業(ServiceNow)への成長投資を継続しながらも黒字に転換しており、純利益も黒字で着地しています。
2024年5月14日に公表した、2025年3月期の連結業績売上高の計画値36億5,000万円に対しては、ここまでの9ヶ月間で進捗率74パーセントとなっています。当社は例年、第3四半期・第4四半期というように下半期を中心に売上を拡大していく傾向にあり、第1四半期から第3四半期の進捗率としては非常に順調だと考えています。
収益性(連結)
連結ベースでの収益性についてご説明します。前年同期の営業利益はマイナス6,200万円、営業利益率はマイナス8.7パーセントでしたが、今期は営業利益8,000万円、営業利益率8パーセントと大きく改善、成長しています。
販管費については、経費面でのコントロールが十分に機能し、前四半期と比較しても減少しました。売上高の向上に伴って順調に推移、減少しています。
サークレイス単体 業績推移
サークレイス株式会社単体の業績推移についてご説明します。サークレイス単体の売上高は、前年同期の7億1,100万円に対して8億4,100万円で着地し、前年同期比18.3パーセント増と順調に成長しています。
単体での営業利益については、デリバリー部門の稼働率向上と継続した各種経費の見直しにより、前年同期比1億1,600万円増の9,900万円、営業利益率11.8パーセントを達成しました。前四半期に続いて2桁パーセントの営業利益率を達成しています。
コンサルティングサービス
コンサルティングサービスの業績についてご説明します。売上高は前年同期比16.9パーセント増と堅調に成長しています。コンサルタントの稼働状況を週次でモニタリングする体制を構築したことにより、今期は稼働率が改善し、利益率も大きく向上しています。
2024年8月に大阪に新オフィスを開設したことで、関西圏での新規案件の受注が増えています。また、AIに関連した新たなサービスを複数リリースしたことが、売上高の進捗に寄与しました。加えて、2025年3月期における通期売上高の計画達成に向けた人材採用も順調に推移しています。
SaaSサービス
SaaSサービス「AGAVE」についてご説明します。今四半期の売上高は前年同期比56.4パーセント増と、順調に推移しています。「AGAVE」の契約ユーザーID数は1万人を突破し、その後も順調にユーザー数は増加しています。
「AGAVE」は、海外人事労務に特化した専門性の高いクラウドサービスおよびストック型のビジネスです。これを強みとして継続した新規顧客の獲得に加え、それらに関連した導入支援サービスに伴う売上高を記録しており、順調に成長しています。
アオラナウ(連結子会社)
「ServiceNow」事業を担う連結子会社アオラナウ株式会社の状況についてご説明します。アオラナウ株式会社は2024年1月より事業を開始し、この第3四半期で事業開始から12ヶ月が経過しました。
2025年3月期の通期計画に対し、売上高、人材採用ともに計画を上回り、順調に推移しています。売上高に関しては、前四半期から76.7パーセント増と飛躍的に成長しています。営業利益はマイナスの数字ですが、前四半期から売上高の向上に伴い大幅に改善しています。2024年12月には初めて単月の黒字を記録し、利益をもたらす事業へと成長を続けているところです。
連結貸借対照表サマリー
連結貸借対照表についてご説明します。当社は2024年3月期第3四半期より連結決算に移行しています。自己資本比率は56.9パーセントと高い水準を確保しており、財務健全性に問題はありません。
大きな変化としては、流動資産が前四半期比1億1,100万円の増加となりました。こちらは現預金および売掛金の増加に伴うものです。負債に関しては、賞与引当金および未払費用が増加したことにより、前四半期比1億400万円増となりました。
2025年3月期 IRニュースサマリー(2025年2月10日現在)
当社のIRニュースについてご説明します。スライドはIRニュースサマリーです。
サークレイス、Salesforceの自律型AIエージェント「Agentforce」リリースを受けて、導入・構築を全面サポートする新サービス提供開始(2024/12/19リリース)
「Salesforce」の自律型AIエージェント「Agentforce」にかかる導入・構築サポートの新サービスについてご説明します。当社は自律型AIエージェント「Agentforce」に関し、Salesforce認定パートナーとして、導入・構築サービスの提供を2024年11月からいち早く開始しました。
「Agentforce」の導入および構築サービスを通じて、お客さまの「Salesforce」活動による投資効果の最大化や、人的資本経営の推進を力強く支援していきます。
サークレイス、生成AIとMicrosoft Power Platformの融合で企業DXを包括支援する新規事業を開始(2024/12/24リリース)
生成AIおよび「Microsoft Power Platform」の融合による新規事業についてご説明します。当社では、生成AI技術と「Microsoft Power Platform」を活用し、企業のデジタルトランスフォーメーションを包括的に支援する新規事業を、この第3四半期から開始しました。
本事業においては、エンタープライズアーキテクチャの最適化を通じ、顧客のシステム全体の最適化を包括的に支援していきます。
サークレイスとベニックソリューション、自律型AI技術によるDX推進と社会課題解に向けた協業開始(2025/1/29リリース)
川崎重工グループの情報子会社であるべニックソリューション株式会社との協業開始についてご説明します。当社とべニックソリューションは、Salesforceの自律型AIエージェント「Agentforce」を活用し、DX推進を目的とした協業を開始しました。本協業により、次世代ビジネスモデルの創出と社会課題の解決に取り組んでいきます。
アオラナウ、AIエージェント「AoraConcierge」を活用した働き方変革(2024/11/29リリース)
連結子会社アオラナウにおけるリリースについてご説明します。アオラナウ株式会社では、従業員接点を変革する生成AIソリューション「AoraConcierge(アオラコンシェルジュ)」の提供を開始しました。
生成AIを活用したユーザーフレンドリーなインターフェースへ刷新することで、直感的な操作性で複雑な工程を削減し、従業員満足度の向上を実現します。
2025年3月期 業績予想
2025年3月期の業績見通しについてご説明します。サークレイスグループでは「Salesforce」「ServiceNow」の両事業の拡大、およびシナジー創出をとおして、前期比25.8パーセント増に相当する36億5,000万円の売上高を計画しています。第3四半期までの進捗率は74パーセントで、順調です。
中長期的な事業成長のための投資を継続しながら、売上高に対して5パーセントの営業利益率達成を目指して進めていきます。
会社概要
会社および事業の概要についてご説明します。当社は2012年に設立しました。東京、大阪、福岡の3ヶ所に拠点を有しており、社員数は連結で358名です。
サークレイスグループ
サークレイスグループの構成についてご説明します。当社グループでは、サークレイス株式会社に加え、ベトナムのCirclace HTと、「ServiceNow」事業を担うアオラナウ株式会社の2社を連結子会社として保有しています。
世界最先端テクノロジーを活用することで
当社の事業成長戦略についてです。当社は、世界最先端のテクノロジーを活用し、国内外問わず、お客さまの経営改革を実現していきます。
従来の業務効率化に焦点を絞ったシステム開発にとどまらず、AIなどの最先端テクノロジーを活用し、本質的な経営改革であるデータドリブン経営とデジタルトランスフォーメーションの実現に寄与していきます。
AI標準企業を創る価値創造戦略の全体像
価値創造戦略の全体像についてです。当社では、グローバルで標準となっているソリューションを活用し、お客さまおよび社員といったユーザーをシームレスにつなぎ、業務プロセスをエンドツーエンドで自動化していきます。
これらをとおして、AI標準企業の実現に向け、各領域をリードしている世界最先端のテクノロジーを活用していきます。
AI&データイノベーション戦略、マルチプラットフォームサービス
当社では、AIを活用した積極的な取り組みにより、お客さまのデータドリブン経営とデジタルトランスフォーメーションの実現をサポートしていきます。
コンサルティング領域から実装、定着化に至るまで、ワンストップでサービスを提供していきます。また、グローバルITトレンドに沿ったテクノロジーを採用し、対応可能なサービス領域を積極的に拡大していきます。
冒頭のエグゼクティブサマリーでも触れたとおり、当社では「Salesforce」「Anaplan」「ServiceNow」「AWS」に加えて、この第3四半期から「Microsoft」に関連するサービスの提供も開始しました。今後もAIやデータ活用の領域を中心に、最新のグローバルテクノロジートレンドに沿って対応可能な領域を拡大していきます。