会社概要
諸岡安名氏(以下、諸岡):みなさま、こんにちは。日創プロニティ株式会社取締役経営企画室長の諸岡です。本日はご聴講いただき、誠にありがとうございます。本日はお伝えしたいことをしっかりお伝えしますので、短時間ではありますがよろしくお願いします。
当社の概要についてです。グループ経営理念を「日々創造」、グループビジョンを「『創る』力で未来に挑む企業グループ」としています。
このグループビジョンについては、後ほど詳しくお伝えしたいと思っています。今日はスライドの説明の時間をできるだけ少なくすることで、質問の時間を多く取り、みなさまとの共有の時間を過ごしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
日創プロニティにおける金属加工の流れ(一例)
日創プロニティにおける金属加工の流れについてです。当社は金属加工の会社です。スライドの写真ではあまり感じないかもしれませんが、1つ4トンぐらいのコイル鋼材を材料に、いろいろな機械を使って金属加工を行っています。
あらゆる金属加工をワンストップで行えるのが、当社の強みです。特に機械については、設立当初から非常に多額の投資をしてきたため、幅広い加工ができるようになっています。
日創プロニティの主な事業領域
当社が供給している製品についてです。代表的なものは、スライド左上にある太陽電池の支持架台です。いわゆる太陽光発電所の太陽光パネルを支える台の部分です。
その他に、支持架台の写真の右側にあるカーポートやサンドイッチパネル(耐火パネル)があります。耐火パネルは福島工場で生産しており、写真にはロボットのアームが写っています。また、博多駅の天井パネルといった内外装のパネルも作っています。
グループ会社の概要
当社のグループ会社についてです。スライド左上が日創プロニティ株式会社です。その下は綾目精機株式会社で、金属の精密切削加工を行っている広島県の会社です。その下はニッタイ工業株式会社で、タイル製造を行っている愛知県の会社です。その下は株式会社マルトクで、内装用の木材加工を行っている香川県の会社になります。
次にスライド中央に移ります。吾嬬ゴム工業株式会社は、ゴム製品の製造を行っている群馬県の会社です。その下は株式会社ダイリツで、空調機器の製造を行っている愛知県の会社です。その下は株式会社天神製作所で、畜産の排泄物処理機器を製造している宮崎県の会社です。その下はシキファニチア株式会社で、ダイニングチェア、テーブル、ソファなどのハイブランドの家具を作っている福岡県の会社になります。
スライド右側に移ります。日創エンジニアリング株式会社は、当社が新規設立した建設業の会社で、太陽光パネルの架台の設置やパネルの内装・外装の施工、電気工事を行っています。その下は株式会社ワタナベテクノスで、データセンターなどに設置される非常用発電機を囲うための防音・消音筐体を作っている会社です。
その下はカナエテ株式会社で、BtoCのプラットフォームを提供している会社です。最後に大鳳株式会社で、化成品の販売を行っている東京都の会社になります。以上が当社のグループ会社です。
当社グループが目指す将来像
当社グループが目指す将来像についてです。先ほど冒頭で「『創る』力で未来に挑む企業グループ」という当社のグループビジョンをお伝えしました。『「創る」力とはいったい何だろう?』と思われるかもしれませんが、我々は「創る」力を付加価値を創造する力と定義しています。これがまさしくコアコンピタンスで、競争力の源となっています。
付加価値を創造する力である「創る」力は、具体的には、プロダクトとしての「創る」力やデザインとしての「創る」力、クリエイティブとしての「創る」力、サービスという「創る」力、工事という「創る」力などがあります。
このように「創る」力というのは、いろいろな含みを持っており、「創る」力を軸に、未来に挑んでいきたいと考えています。
第4次中期経営計画の基本方針
昨年10月に、第4次中期経営計画を発表しました。中期経営計画の基本方針として4つを掲げています。
1つ目は、投資枠を50億円としたM&A投資です。これを成長ドライバーとして位置づけています。
2つ目は、先行投資です。スライド右側に投資枠10億円と記載していますが、これは成長投資としての先行投資です。具体的には、人財や新規事業、新製品開発分野に先行的に投資をしていきます。また、設計工程や調達を一部海外に移転する海外拠点化プロジェクトに取り組んでいますが、この投資も含みます。
3つ目は、持株会社化によるグループ支援体制の拡充です。スライド右側に「七人の侍」と記載していますが、プロフェッショナル人財によるグループ支援体制を拡充していきたいと考えています。グループ会社数も10社を超え、今までとは違った、組織による効率的な経営が必要な段階に入ったため、今年の6月に持株会社体制に移行しますが、その中で各グループ会社への支援体制を強化していきます。
具体的には、グループ横断的な営業戦略に加えて製造原価を横断的に低下させていくことや、新規事業やグループの力を活用した新製品の開発などに取り組んでいきたいと考えています。その上で、グループシナジーを追求できる組織体制へ進化していきたいと考えています。
4つ目は、資本コストや株価を意識した経営です。ROE8パーセントを当社の目標として設定しています。これについては、質疑応答で詳しくご説明したいと考えています。
第4次中期経営計画(定量目標)
中期経営計画の定量的な目標についてです。スライド右側に記載していますが、3年後の2027年8月期に売上高300億円、EBITDA27億円、3ヶ年のM&A投資を50億円、先行投資を10億円実行することを目標としています。
持株会社体制への移行について
持株会社体制への移行についてです。今年の6月から持株会社体制に移行していきます。
日創グループ株式会社がホールディングスの名称になります。全社戦略の策定やM&Aの推進に加えて、グループ横断的な営業戦略、製造原価の低減、新規事業、新製品開発の戦略を、日創グループ株式会社で進めていきます。
スライドの下に記載している各事業会社は、持株会社が統制や支援を行うことを通じて、スピード感のある事業展開を行っていきます。
スライド右側にシナジーを生むための全社戦略と記載していますが、ホールディングスである日創グループ株式会社に、先ほどお伝えした戦略に加え、人財戦略やIT戦略、IR・PRについても統括していく機能を持たせています。
持株会社体制移行に伴う“七人の侍”の採用と育成
持株会社体制移行に伴う「七人の侍」と記載していますが、M&Aによる会社数の増加に伴い、グループで取り組むべき課題が増加してきたという背景があります。
持株会社体制の移行に伴い、持株会社から各事業会社を多面的かつグループ横断的に支援する体制を強化する仕組みを作っていきます。具体的には、グループ経営を牽引するプロフェッショナル人財として、この「七人の侍」の採用と育成を推進しています。
M&Aについては、現在複数名を育成中です。営業戦略の人財については、来月2月に執行役員を1名採用する予定です。製造原価低減については、昨年8月に執行役員を1名採用しました。新規事業については、外部から招聘する予定で、採用面接も複数行っていますが、まだ採用には至っていない状況です。
新製品開発についても外部から招聘する予定で、面接は複数名行ってきましたが、まだ採用には至っていません。経営管理については現在、複数名を育成中です。IT戦略についても外部から招聘する予定で、面接は複数名と行っていますが、まだ採用に至っていない状況です。
事業環境:自家消費型再生可能エネルギーの市場動向
続いて、足元の事業の市場環境についてご説明します。いわゆるサステナビリティ市場に向けた打ち手として、日創プロニティが講じていることをお伝えします。
スライドの左上に記載していますが、2040年に向けて、第7次エネルギー基本計画(案)として、このたび12月に2030年目標比約200パーセントの基本計画案が公表されました。これによって、政策的な後押しにより、自家消費型を中心に拡大が見込めるという背景があります。
こうした中、実際に民間企業においても、カーポート型の再生可能エネルギー発電所、あるいは自家消費型の発電所の設置という、大きな流れがさらに強くなってきており、追い風が非常に強く吹いている状況です。
事例:Honda熊本製作所へソーラーカーポートを提供
こうした事例をスライドに記載しています。当社の地元である九州、熊本のHonda熊本製作所において、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(TGES)が運用開始した施設になります。特徴としては、国内工場向けでは最大規模となるリチウムイオン蓄電池を導入したものになっています。
こちらのプロジェクトに、当社グループの日創エンジニアリング株式会社が参画しました。
事業環境:再エネ出力制御によるFIP転換蓄電池併設市場
このスライドは、冒頭でお伝えしたサステナビリティ市場に向けた新市場の動向の1つです。
スライドタイトルを「再エネ出力制御によるFIP転換蓄電池併設市場」と、少し難しそうな内容にしていますが、現在太陽光での発電があることはみなさまご存じだと思います。九州電力送配電株式会社の調べによると、九州管内だけで年間約10億キロワットアワーの太陽光発電の電力が捨てられている現状があります。現在、この廃棄電力を有効に活用するために蓄電池を使おうというサービスが出てきています。
日創エンジニアリング株式会社では、この蓄電池の設置工事を狙った提案型営業活動を展開しています。
グループ共同開発品の展示会出展 (日創プロニティ×ニッタイ工業×マルトク)
ここまではサステナビリティの背景に対して当社が取り組んでいる事例をお伝えしましたが、このスライドでは、当社が実際にM&Aでグループインした会社と共同で生み出したグループシナジーの実例をお伝えします。
昨年11月に東京ビッグサイトで開催された「ジャパンホームショー&ビルディングショー」に、日創プロニティ株式会社と、タイルのニッタイ工業株式会社、そして天板の株式会社マルトクの3社で共同開発した洗面化粧台を出展しました。
「ジャパンホームショー&ビルディングショー」では約1,200名の方が当社のブースへ訪問いただきました。
この洗面化粧台は、「Crafree」というブランドで営業展開を行っていく予定で、今年の3月に販売開始を予定しています。「Crafree」というワードで検索すると、大変しゃれたものが見られるかと思いますので、よろしければ一度ぜひご覧ください。
2024年10月 大鳳株式会社をグループ化
我々は先ほどの新商品の開発だけではなく、ベースとしてM&Aを8年、9年前から継続して行っており、昨年10月に大鳳株式会社をグループインしました。
大鳳株式会社の特徴は、好業績の企業ということです。すでに開示していますが、売上は27億円、営業利益は2億5,000万円の実績があります。
好業績の源は、スライドに記載した「大鳳の強み」の3つ目にあるとおり、商品企画段階から販売先と関わる、営業提案力にありますし、吾嬬ゴム工業株式会社とのシナジーにも期待が持てる企業がこの大鳳株式会社です。
2024年12月 WITHDOM Groupへ出資
WITHDOM Group株式会社への出資についてです。先ほどご説明した先行投資枠の10億円から数億円投資した案件になります。WITHDOM Group株式会社の特徴は、YouTubeによるマーケティング活動に非常に強みを持っており、ブランディングと高い集客力を有するという点です。
スライドにオレンジ色の文字で記載しているとおり、2019年から2023年の成長率が527.4パーセントを超えており、注文系ビルダーランキングでは全国成長率No.1の力を有する会社です。
今回の出資をきっかけとして、金属やタイル、そして木材といった建材を当社グループが提供し、住宅設備の共同開発を通して、ともに成長するストーリーを描いていきたいと考えています。
2025年8月期 第1四半期 連結損益計算書
業績のご説明に入りたいと思います。2025年8月期の第1四半期は、スライドの表のオレンジ色の枠で囲った部分であり、売上高が56億2,000万円、営業利益が3億8,400万円となりました。
大幅に増収し、営業利益についても4,400万円プラスで推移しています。また、スライドの表の一番右にある2025年8月期進捗率で記載したとおり、すべての項目で、4分の1である25パーセントを超えて推移しています。したがって、足元の状況については好調とご認識ください。
2025年8月期 第1四半期 事業セグメント損益
スライドはセグメント別の損益についてです。セグメントとしては、スライドの表の中央上から2つ目、金属加工事業の売上高は20億1,300万円でした。こちらは前年同期比2億4,600万円増収しています。
建設事業において、スライドに記載しているとおり、太陽電池アレイ支持架台や内装パネルの工事が伸長し、増収となっています。
なお、従来はゴム加工事業というセグメントを持っていましたが、大鳳株式会社がグループインしたことによって、セグメント名を化成品事業に変更しています。
2025年8月期 第1四半期 事業セグメント受注残高
受注残高について、金属加工事業では前年同期比14億円程度減少しています。これは大型案件が消化されたことによるものです。一方、建設事業においては、東京再開発関連の案件を中心に前年同期比約20パーセント増え、40億円弱の受注残高を保有しています。
一方、タイル事業においては、受注残高は前年同期比28パーセント程度減少していますが、これは一時的な要因です。前年同期の受注残高が、コロナ禍後の特需が影響し、平年より大きかったことの反動減です。当期のタイル事業については、高付加価値案件を厳選して受注していますので、受注残高は減少したものの、収益面では改善が見込める状況になっています。
2025年8月期連結業績見通し
連結の業績見通しです。2025年8月期通期の業績見通しは、売上高が202億円、営業利益が12億8,100万円、EBITDAが20億4,100万円としています。しかし、これは下限と考えています。
耐火パネルなどの金属サンドイッチパネルおよびオーダー加工品の材工での受注が増加すること、また、データセンター案件にひもづく受注が堅調に増加することを見込んでいます。さらに、大鳳株式会社のグループインによる業績寄与として、9ヶ月分の大鳳株式会社の業績がグループの業績にオンしてくることも見込んでいます。
ただ一方で、人財や新規事業への投資、新製品開発のためのいわゆる先行投資の増加に加え、運送費の増加や、主に建設事業において人手不足などに起因する工事外注費などの増加を織り込まざるを得ない状況です。このため、通期については増収ですが、利益については若干のプラスというかたちを見通しています。
当社の配当方針
最後に、当社の配当方針です。持続的な成長と企業価値の向上を図るための資金を成長投資に振り向けていくことに力点を置いています。2025年8月期については、配当は30円としています。
以上で、当社の説明を終了します。
質疑応答:成長戦略への取り組み状況について
司会者:「成長戦略への取り組み状況についてご教示をお願いします」というご質問です。
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