損益計算書

新美和生氏(以下、新美):取締役常務執行役員の新美です。いつも大変お世話になっています。まず、本日ご参加の各社さまにおかれましては、日頃より当社のIR活動に多大なご協力を賜っていますことを、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

2025年3月期第2四半期の決算概要についてご説明します。

まず、損益計算書の概要についてご説明します。売上高は、前年同期比35億円減収の312億円となりました。特殊ガスは半導体メーカーの稼働率向上により増収となりましたが、電池材料はEV市場の成長鈍化による需要減や技術支援料の減少があり、減収となりました。

営業利益は、前年同期比21億円増益の17億円となりました。売上高の減収がありましたが、原材料価格の改善と棚卸資産評価損の減少により、大きく改善しました。

経常利益は、前年同期比22億円増益の24億円となりました。為替差益の減少がありましたが、営業利益の増益や受取配当金の増加などにより、増益となりました。

税金等調整前中間純利益は、前年同期比15億円増益の20億円となりました。投資有価証券売却益の減少や環境対策費の計上がありましたが、経常利益の増益により増益となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比11億円増益の14億円となりました。

貸借対照表

貸借対照表の概要についてご説明します。2024年9月末の総資産は1,217億円となり、前期末比で35億円減少しました。資産の中で、現金および預金が59億円減少していますが、これは主に有利子負債の返済によるものです。

負債は542億円となり前期末比で54億円の減少、純資産は675億円となり前期末比で19億円の増加となりました。自己資本比率は54.2パーセントとなり、前期末比で3.1パーセント増加しました。

基礎化学品事業部門

セグメント別の概況についてご説明します。まず、基礎化学品事業についてです。売上高は、前年同期比4億円減収の39億円となりました。有機製品の販売数量は増加しましたが、海外安値品の流入による販売価格の低下によって、減収となりました。

営業利益は、前年同期比5億円減益のマイナス5億円となりました。売上高の減収と、固定費の増加によって減益となりました。

精密化学品事業部門

精密化学品事業です。売上高は、前年同期比33億円減収の248億円となりました。特殊ガスは、半導体メーカーの稼働率向上の影響を受け増収となりましたが、電池材料についてはEV市場の成長鈍化による需給環境の悪化を受けて、販売数量、販売単価ともに減少したことに加え、技術支援料の減少により減収となりました。

営業利益は、前年同期比27億円増益の18億円となりました。売上高の減収影響はありましたが、電池材料の原材料価格の改善、棚卸資産評価損の減少により増益となりました。

鉄系・商事・設備事業部門 (連結調整を含む)

その他の事業セグメントについてご説明します。売上高は、前年同期比2億円増収の24億円となりました。設備事業、商事事業は減収でしたが、鉄系事業は増収となりました。

営業利益は、前年同期並みの4億円となりました。

鉄系事業の増収はありましたが、商事事業、設備事業の減収影響を受け、昨年度並みとなりました。

営業利益差異分析 (前年同期比較)

営業利益の要因分析についてご説明します。まず、販売・生産要因です。特殊ガスの販売数量の増加がありましたが、電池材料の販売数量の減少と販売単価の低下、および技術支援料の減少があり、6億円の減益要因となりました。

原燃料価格については、タングステン、無水フッ酸が悪化となりましたが、リチウム化合物、電力の改善により、20億1,000万円の増益要因となりました。

在庫影響については、前年同期はリチウム化合物などの棚卸資産評価損がマイナス30億9,000万円ありましたが、今年度はマイナス7億6,000万円に縮小し、23億4,000万円の増益要因となりました。

その他16億2,000万円の減益要因は、子会社の収益の悪化、もしくは連結調整、固定費の増加などによるものです。

営業利益・営業利益率の推移

スライドのグラフは、過去5年の営業利益と営業利益率、EBITDAマージンの推移を表したものです。2025年3月期第2四半期までの営業利益は17億円、営業利益率は5.5パーセント、EBITDAマージンは18.4パーセントとなりました。

設備投資額・減価償却費・研究開発費の推移

設備投資額、減価償却費、研究開発費の推移です。2025年3月期第2四半期の設備投資額は63億円、減価償却費は40億円、研究開発費は8億円でした。通期においては、設備投資額は128億円、減価償却費は82億円、研究開発費は18億円となる見通しです。

関東電化グループ(連結子会社)

グループ会社の状況です。当社グループは、関東電化工業とスライドに記載の計7社で構成されています。グループ会社の売上高は、前年同期比17億円減収の187億円となりました。

私からの説明は以上となります。

業績予想(セグメント別)

長谷川淳一氏(以下、長谷川):平素より当社にご関心をお寄せいただきまして、ありがとうございます。代表取締役社長の長谷川です。それでは私から、業績見通し、今後の動向についてご説明します。

初めに、通期のセグメント別の業績予想についてご説明します。2025年3月期の当初見込みは、5月15日に公表した予想数値です。見直し後見込みは、11月8日に公表した予想数値となります。

見直し後の売上高は634億円となり、当初見込みに比べ56億円の減収となる見通しです。営業利益は38億円となり、当初見込みに比べ11億円の減益となる見通しです。

セグメント別では、基礎化学品の売上高は85億円、営業利益はマイナス3億円となる見通しです。

精密化学品の売上高は500億円となり、当初見込みに比べ60億円の減収となる見通しです。特殊ガスは増収となる見通しですが、電池材料で米国のインフレ抑制法にかかわる重要鉱物要件による引き合いの実現が来年度以降に後ろ倒しとなる影響で、減収の見通しです。営業利益は33億円となり、当初見込みに比べ12億円の減益となる見通しです。

鉄系、商事、設備事業の合算であるその他の売上高は48億円、営業利益は8億円となる見通しです。

為替レートは1ドル150円を前提としています。外貨建ての売上と仕入れが大部分相殺されるため、為替の変動が業績に与える影響は軽微であると考えています。

設備投資額は、投資の時期を見直し、今年度は128億円となる見通しです。減価償却費は82億円、研究開発費は18億円を予定しています。

当初上期見込と実績の比較 (セグメント別)

当初上期見込みと実績の比較です。セグメント別では、基礎化学品事業の売上高は39億円となり、2億円の減収、営業利益はマイナス5億円となり、3億円の減益となりました。

精密化学品事業の売上高は248億円となり、1億円の増収、営業利益は18億円となり、8億円の増益となりました。

その他の売上高は24億円となり、3億円の増収、営業利益は4億円となり、2億円の増益となりました。

営業利益差異分析 (当初上期見込 対 上期実績)

営業利益の要因分析についてご説明します。販売・生産要因では、電池材料の販売数量の減少と販売単価低下がありましたが、特殊ガスの販売数量増加により、7億円の増益要因となりました。原燃料価格は4,000万円の減益要因、減価償却費は9,000万円の増益要因、在庫影響は2億4,000万円の増益要因となりました。

その他、2億7,000万円の減益要因は、連結調整、固定費の増加などによるものです。

業績予想 上下比較 (セグメント別)

上期実績と下期見込みの比較です。2025年3月期下期の売上高は321億円となり、上期に比べ8億円増収の見通しです。

セグメント別では、基礎化学品事業の売上高は45億円となり、6億円の増収、営業利益は1億円となり7億円の増益の見通しです。下期黒字化の改善策については後ほどご説明します。

精密化学品事業の売上高は251億円となり、2億円の増収、営業利益は15億円となり、3億円の減益の見通しです。

その他の売上高は24億円、営業利益は4億円となり、上期並みとなる見通しです。

営業利益差異分析 (上期実績 対 下期見込)

営業利益の要因分析についてご説明します。販売・生産では、上期に電池材料で技術支援料を計上したことによる減益要因がありましたが、特殊ガスの販売数量増加により1億3,000万円の増益要因となる見通しです。

原燃料価格は6,000万円の増益要因、減価償却費は1億2,000万円の減益要因、在庫影響は7億4,000万円の増益要因となる見通しです。

その他4億5,000万円の減益要因では、連結調整と子会社収益で改善しますが、固定費が増加する見通しです。

課題への対応

事業環境が悪化している基礎化学品、電池材料に対する改善策についてご説明します。基礎化学品については、国内市場への海外安値品の流入や、原材料価格の高騰、設備老朽化による維持費の増加により、収益性が悪化しています。採算是正のため、無機製品の値上げを実施し、下期より黒字化を目指します。

また、中期経営計画で示しているとおり、原材料供給機能に特化した事業規模への再編を計画しています。

電池材料については、EV市場の成長鈍化により、昨年度に引き続き厳しい事業環境が続いています。国内唯一の「六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)」メーカーとして、米国IRA法に準拠した原料調達、設備対応、評価を進めていきます。

また、米国でのライセンスビジネス拡大のため、技術開発を前進させます。リチウム回収技術の実証についても早急に進めていきます。

トピックス(海外工場)

海外工場についてご説明します。初めに、韓国工場の関東電化ファインプロダクツ韓国です。既存工場の隣地を新たに賃借しました。敷地面積は既存工場の約3倍で、韓国半導体メーカーの増産に対応していきます。なお、生産品目については検討中です。

次に、中国工場の宣城科地克科技有限公司です。第1期工事は生産・販売を開始しています。第2期工事も終了し、現在は顧客での認定作業を進めています。

トピックス(KSGシリーズ)

新規ガスであるKSGシリーズの進捗です。「KSG-14」「KSG-5」については、すでに販売を開始しており、2026年3月期の売上高は約40億円となる見通しです。

低温エッチング向けの「KSG-22」については、現在量産を検討しており、2027年3月期の売上高は約5億円の規模を見込んでいます。

トピックス(主な設備投資の状況)

設備投資の状況をご説明します。半導体用エッチングガスの「ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン(C4F6)」は、年間600トンの製造設備を建設中であり、2025年度に稼働予定です。

「硫化カルボニル(COS)」は年間50トンの増強を行い、2025年度に稼働予定です。

リチウムイオン2次電池用電解質の「六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)」は、増設工事がほぼ完了したため、需要動向を見て稼働時期を判断します。

新規エッチングガス「KSG-14」は、年間150トンの量産設備を建設中であり、2025年度に稼働予定です。

リチウムイオン電池用新規添加剤は、蓄電池換算で年間65ギガワットアワー相当分の設備投資を行い、2025年度第2四半期より稼働開始予定です。

以上で、2025年3月期第2四半期決算の説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:米国のIRA法や次期大統領選挙の結果が業績に与える影響について

司会者:「業績の修正について、米国のインフレ抑制法に係る重要鉱物要件による引き合いの実現が来年度以降に後ろ倒しになると資料に記載されています。米国での大統領選挙の結果を受け、この引き合い自体に変化はありますか?」というご質問です。

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